第73話 自分の身が危険かどうかも分からない。だから――
今週。つまり、4月が終わるまで。
小学校の見守り活動をして欲しいとの事。
以前、
今回は、私一人。
それから『常に
今日も、スマホは充電済みだし。
電波状況も確認してもいる。
ますます、首をかしげてしまう。
あいつ、私をどうしたいのかしら?
そんな事を考えている内に。
見守り活動も、本日で最終日だ。
もちろん、事件についての聞き込みも忘れていない。
子供の
人が近寄らないスポット、遊び場等。
何か
見つけられれば、良いのだけれど。
「はあ、はあ。やっと、たどり着いた」
思わず、よっこいしょと言いそうになる。
階段が思っていたよりも、多かったわね。
街を一望できる、ちょっとした山に存在している。
厳密に言うと、山では無いのだけれど。丘?
とにかく、あの階段の本数だ。
現存している神社だったらだけど。
今は、この頭上にある鳥居と。
こま犬の像が残っているぐらいか。
落ち
時刻は、昼過ぎ。
それにしても、静かすぎる。
まるで、
「確かに、こんな場所だったら。人が寄り付かないわね」
周囲に目ぼしい物があるかチェックしましょう!
子ども達は、
危険物があれば。回収しておこう。
これでは、街の美化活動。ボランティアみたいね。
こま犬の像を通り過ぎ。そのまま、直進する。
こちらも、全体的に穴だらけ。中身を容易に取り出せそう。
ただ、こんな所をチェックする物好きは。そうはいないだろう。
中身は簡単に
「……
思わず、
何かのいたずら?
いや、この組み合わせをみる限り。
そうではなさそうだ。
サバイバルナイフと女児の下着。
事件の確かな
落ち着きなさい。冷静に。
まさか、本当に発見するなんて。
この場所だって、たまたま立ち寄っただけ。
『たまたまねえ。本当にそうなのかい? 何かしら理由があるものだよ。たかさき君』
頭の中に
「……あいつは、考え過ぎなのよ。何でも疑ってたら、まともに生活出来ないわ」
とにかく、警察に連絡。現場保存ね。
スマホで写真を撮ったり――
スマートフォン取り出す。
表示画面の電波状況のアイコンをチェックしてしまった。
普段だったら、特に気にならないのだが。
つながらない訳では、なさそうだけど。
その瞬間。
とてつもなく、嫌な予感がした。
何かが、おかしい。
見落としている。
それか、想定外の事態で混乱中なのかも。
『安全で静かな環境で落ち着く事が、一番だね』
いつだっただろう?
想定外の
私としては。くだらない雑談として認識していたけど。
安全? なぜ?
だって、想定外の事態だ。
思考停止でパニックになる。
自分の身が危険かどうかも分からない。だから――
「なっ!?」
腰の
地面に……たおれたの? うごけ……ない。
「
だれ? さきせんせい?
まさか、あなたが?
はん、にん!?
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