急ブレーキ
急ブレーキを踏んでしまった。
乗用車ならいい、20トン以上を積載している、大型トレーラーに乗って、なのである。
右に矢印の出る交差点。右折しようとして、交差点に進入する前、前の軽自動車と一緒に右折するべく加速していた。信号は右矢印が点灯。
右矢印が消え、赤信号になったところで前の軽自動車が急停止。交差点を右折するものだと思って加速していた私も合わせて急停止。急ブレーキを踏み、寸でのところで軽自動車との追突は避けることができたものの、積載していた荷物に影響が出てしまった。
今調べてもらっているが、会社への負担、運転手への負担は避けられそうにない。
どうなるかハッキリしたところで始末書を書くのが本来らしいが、私は昨日これをやってしまってから気になって仕方がなかったので、今朝、会社の担当者に言って、始末書をプリントアウトしてもらった。今現在、私の横に置いてあり、これを書き終わったら、こっちを書こうと思っている。
大抵の運転手はこのような書類を書くのが嫌いで嫌がるが、私は何ともない。むしろ、これが仕事であるなら、好きなくらいである。ちょっと考えて文字を書けばいいだけのこと。毎日毎日こうして文字や文章を書いている恩恵が、こんな所にあるとは。
やってしまったものは仕方がない、切り替えて行こう。前の車に衝突しなかっただけいい。していたらもっと大変なことになっていただろう。商品ならいくらでも再生産ができるけれど、人間を傷つけてしまったら、替わりはないのだから、商品で良かった。などなど、このように考えるのが前向きなのらしいが、私は今ひとつ、このように前向きになることができず、やってしまったことを後悔し、いくら請求が来るのかを心配し、会社や取引先に迷惑をかけてしまったことを反省し、しょぼくれてしまうのである。
運転手は自分に合った仕事だとは思っているけれど、このように何かが発生してしまった場合、とても嫌な気持ちになる。特に精神がやられる。今回は本当に荷物だけで良かったのだが、これが前の軽自動車に衝突していたら、大変な事になっていた。
さあ、これから始末書を書こう。
もう、急ブレーキはごめんだ。
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