受け取り

 通販の普及に伴って、荷物の受け取りの格段の進化を感じる今日この頃である。


 先ほどもクロネコヤマトから「今日こんな荷物を配達予定ですよ」というメールが来ていて、受け取りを「玄関先へ起き配」に変更した。


 以前私は商品の仕入れをネットでしていた事があった。その頃は義父もまだ元気で、今のようにデイサービスなどに出かけることもなく毎日家にいたので、義父や妻に荷物の受け取りをお願いしていた。


 このような状況ならまだいいものの、世の中いろいろな環境の方がいらっしゃると思う。我が家は袋小路の突き当たり、誰も通らない所にあり、なおかつ玄関はその土地の門扉を入って更に奥にある。荷物を玄関の前に置いてもらえれば、誰の目にも付くことはないので、ほぼ安全だし、大変助かる。


 しかし置き配は、玄関が道路に面しているとか、古いマンションや団地などの場合は、荷物がそれこそむき出しになってしまい、なかなか安易に頼めないのかもしれない。


 そんな状況に対応するべく、近所のコンビニでの受け取り、駅やドラッグストアの宅配ボックスでの受け取り、自転車のカゴや自宅物置きへの起き配達などもできるようになっている。


 私がかつて佐川急便で配達していた頃は、対面での配達と判取りが必須だったし、配達に行っても昼間は不在の場合が多く、不在票を何枚も書いたものだ。この不在票も、今のように問い合わせ番号をスキャンすれば機械が印刷してくれるという便利なものではなく、全てが手書きの、かなりアナログなものだった。


 今の時代、時間指定は当たり前、あっちへ届けて、いや、こっちへ変更してと、配達側から見れば面倒臭い事もかなりあると思う。かつての私はバブルを引きずった給料を貰えるからかろうじてやっていたものの、今の方達はそれに比べれば、業務は煩雑だし、量は多いし、給料はそれほどには高くないしで、かなり大変だと思う。


 この荷物受け取りの進化は、スマホの普及と同じく、今の通信販売やフリマサイトが盛り上がりを見せている要因の一つだと思う。


 今朝のニュースで、日本の郵便が、定形外や大きな荷物に対応するポストを作り、試験的に大都市での運用を開始すると言っていた。私も定形外でポストに入らない荷物の発送には頭を悩ましていた事があったので、これはいいのではないかと思う。


 ただ、これまた先日のニュースで、ポストに手を入れてレターパックを取り出し、その中身の女性用スパッツを手持ちのブラジャーに取り替えて再度投函していたという者が逮捕されたと報道されていた。犯人は「面白い事をしたかった」と言っていたそうだが、まあ、確かに面白いけれど、今後のポスト事情の行方に一石を投じる怪事件だったような気もする。


 とにかく、荷物の受け取りが便利になることはいいことである。私も間接的に関わっているので、とても助かる。


 毎日頑張っていらっしゃる現場の方々に感謝するばかりである。

 

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