手術料

 カミサンが手術をすることになった。去年の脳のカテーテル、子宮頸がんに続いて三度目である。


 以前の二つは精神的にも肉体的にもかなり厳しいもので、カミサンも術後に鬱病を発症してしまうなどかなり大変だったが、今回は担当医からの説明や、現在の自分の症状、手術による根治割合などを総合して考えてみると、かなり楽なようだ。


 ちなみに、心臓に管を入れて何とかをする、これまた心臓のカテーテル手術である。


 今はネットを調べると、このような情報はどういうものなのかがすぐにわかる。


 施術にかかる時間は約三時間で、病院側にお支払いせねばならない料金はなんと200万円もする。


 しかし、これは私も前回の手術時にわかったのだが、日本には健康保険の仕組みがあり、更に、支払額が高額になってしまう場合は、加入している保険の協会に申請を出すと、収入に応じた限度額を支払えばいい、限度額適用認定という仕組みがある。


 今回の例だと、本来なら私が支払わなければならない手術代金は200万円の3割で60万円だが、この手続きをすることによって、私の収入の場合だと、おそらく食事代などの自己負担分を合わせても7万円程度を支払えばいい、というように、支払額が大幅に減額される。


 前回に引き続き、今回も負担がこのように軽減され、大変有り難い。


 我が家の義父のように、皆さんに負担いただいているのにもかかわらず自分勝手極まりない食生活をし、自分は良くなるために何も努力をしていない、という状況なら、援助する必要もないとは思うが、カミサンは生活全体、食生活を見直し、結果を出している。おそらくはじめに病気になった頃から比べると、25キロ位は痩せていると思う。食べ物も塩分を常に考え、毎日旬の野菜を中心に食べるようにしているし、お菓子や間食も控えることができている。


 本人も、もう少し人生を頑張りたい、まだ死にたくない、と言っているので、何とか助けてあげたかった。結局は皆さんが負担している中から治療費の残りを出していただくような形になる事は理解しているし、本人も感謝している。本当に有り難い制度である。


 脳の血栓症の時、救急車で運ばれてICUに4日入り、その間に脳のカテーテル手術をした。ちょっとネットで見てみると、ICUという所に入ると、一日あたり税込みで15万弱の費用がかかるという。その上にカテーテル手術だ。私は医療費の3割をまるまる払わねばならないと思っていたので、入院していたカミサンに、「ダメだ、破綻する」と、ラインをしてしまった。その後、この制度があることを知り、安堵した。


 今回コロナで注目が集まったが、日本の医療制度は本当に素晴らしいと思う。住んでいる地域によって若干の違いはあるのかもしれないけれど、根本的な部分で、日本という国はやはりしっかりとしている。


 この事に感謝して、一人一人ができる事を、しっかりとやって行かねばならないなと、思いを新たにした次第である。


 

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