　かつてWEB日記を書いていた頃は、この日記を本にして出版し、それで幾らかのお金が稼げないものかと、いつも思っていた。

　インターネット黎明期にはブログなどもなかったし、インターネットの仕組みがこれ程までに普及し、生活や経済活動にまで浸透、影響するなどとは、思ってもいなかった。

　作家になれればお金持ちになれる、お金に困らない生活を送ることができるだろうな、と、簡単に考えていた。

　私の書いた本が全国の本屋に並び、平積みにされて、どんどんと売れていく。そして私には継続的な印税収入がもたらされる…　そんな事を勝手に想像していた。

　アフィリエイトにしてもそうだ。自分の書いた文章が検索エンジンの上位に掲載され、人の悩みを解決し、その報酬としてお金が支払われ、私には継続的な収入がもたらされる…　こんな事を想像していた。

　一時期、国内海外転売や、物作りなどに傾倒した時期があったが、ちょっと冷め気味になっているのは、この類のものはレバレッジが効かないからなのだと思う。

　インターネットを使って物を爆発的に販売できたとしても、そこには仕入れ、出品、発送、在庫管理、置き場の確保、などの煩雑な業務や作業が伴う。また、物を作るには時間的な限界があるので、販売できる数はどうしても限られてしまう。私の中には人を使ってまではやりたくないという思いがある。

　しかし、本は一度出すことができれば、上手く行けば勝手に売れて行くし、インターネットのアフィリエイトサイトなども同様、一度作成して、それが上手く行けば、それこそ勝手に報酬が上がって行き、仕入れも出品も発送もすることなく、お金が口座に勝手に振り込まれてくる。

　私はこの魅力に取り憑かれているのである。

　でも、現実は厳しい。

　本なんて毎日毎日いろいろなものが出版されているだろうし、本自体の価値が今は下がっているし、電子書籍なんていうのもあるけれど、これまた胡散臭いし、電子を含めた本は、どうも今ひとつやる気にならない、というか、出来る気がしないのである。

　一方で、アフィリエイトサイトの方は、SNSやYouTubeに押され気味ではあるものの、人は悩みがあれば検索をするという状況に今でも変わりはない。一昔前までなら、検索エンジンにアクセスできる人はパソコンを持っている人に限られていたけれど、今では誰だって、スマホに話しかければ検索ができてしまう。このアフィリエイトの仕組みはオワコンだと言う声があるけれど、私は未だに可能性を信じている。昨日も車を高く売りたい人に向けたサイトから、3000円ほどの報酬が上がっていた。これは10年以上も前に作成したサイトからの報酬である。

　私は勝手にサラリーマンを辞めてしまったので、老後の年金などは殆どないに等しい。これから貯金をするなど、到底無理である。働けるとしても、あと10年15年できるかどうかだ。これは人間の摂理で仕方のないことである。

　お金お金言うのはあまりよくないのはわかっているけれど、現実問題、ちょっとでもお金に余裕があれば、日々の暮らしはとても楽になるし、人生は充実する。何とかならないものかと最近時々考えているが、年金だけでは家も車も維持できない現実に、頭を悩ませている。ちなみに妻は、私と結婚するまで年金を納めていない。独身時代には保険証もなく、飼い犬に噛まれた際には医者に行かずに自分で治したというのが武勇伝となっているような状況だ。

　それなりに社会を生きてきた私ごときでもこうなのだから、この先の日本は大丈夫なのかと心配してしまう。我が家には子供もいないのでこんな事を言う権利もないのかもしれないけれど、本気で子供を増やさなければ、ダメなんじゃないかと心から思う。私は政治も経済もよくわからない素人だけど、本当にこのままでは、日本が滅亡してしまうような気がしてならない。とにかく、人に迷惑をかけることなく、最後まで生きるしかないな、という感じの最近である。