血栓
先日妻は動悸が酷くなり、かかりつけの病院で診てもらうも手に追えない状態なってしまい、大きな病院で時間外の診察を受けた。
その続きで、先日検査を受けてきた。
更年期、或いは、パニック障害などから引き起こされるただの酷い動悸かと思いきや、結果は発作性心房細動という病気で、数日間入院した上でのカテーテルによる治療が望ましい、との事だった。
私のもう一つの読みもの「おさきに」という中でも少し書いているが、妻は昨年、子宮頸がんを発症すると同時に、原因不明の脳の血栓症をも発症してしまい、死にかけた。文字通り、脳に血栓が詰まった訳だが、これはどうやら心臓の不具合から来ていたものだったようだ。心臓の不具合により血液が滞留すると、血栓ができてしまい、これが脳に詰まると大変なことになるので、この病気自体はそれ程深刻なものではないにせよ、放っておくと、脳梗塞の恐れがあるので、できれば治療した方がいい、というのが、今の医療での流れで、妻はどうやらこの逆の状況にあるようなのだ。
何日かが経過したので落ち着いては来たが、当初は本人も私もかなりショックだった。あれだけ食べる物や生活習慣に気を付けていたのに、また病院か。職場や周囲に迷惑をかけてしまうし、医療費もかかるし、と、しばらくは落ち込んでいた。
しかしこの病気は、カテーテルという施術によって、根治が可能なのだという。根治ができる可能性は、歳を取れば取る程低くなってしまうので、できるだけ早い決断が望まれる、というような説明を妻は受けてきた。
ただ一つ問題があって、私はこの辺りの説明を聞くのが苦手だ。採血をすると倒れてしまうので、いつも別の部屋のベッドで行ってもらうようにしている。気持ちが悪くなってしまうので、脈を自分で取ることもできない。心臓や静脈などという単語を聞いただけで貧血気味になるし、今こうしてタイプしている手にも違和感を感じている。
最初は二人でいろいろと悩んでいたが、今は気持ちを切り替えて、おひとりさまではないのだから何とかなるさ、と、開き直ることにした。
不幸中の幸いで、コロナも何とか落ち着いて来ているので、医療はきちんと受けることができる状況にある。また、この大きな病院は、我が家から車で15分位の所にあるので、便も良く助かる。
これが田舎暮らしの僻地だとしたら、やはり大変なのだ。
ようやく感染状況も落ち着いてきて、これからはいろいろな所に出かけようと思っていたのだが、今はカテーテルの手術を受け、無事に退院することが、まずやるべきこと、考えるべき事になってしまった。仕方がない、これも人生である。
妻は脳の血栓症、子宮頸がん、そして心臓病と、次々に成人病を発症してしまったが、何とか気分を落とさず前向きに頑張ってくれている。
今回のコロナのこともあるし、世の中にはもっともっと大変な思いをしている人が沢山いるはずだ。
私達も何とか気持ちを繋いで、今回の試練を頑張っていこうと思う。
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