ストーブ

 酒の味はわからないけれど、コーヒーの味は何となくわかる。


 こだわりとかいう面倒くさいものではないけれど、コーヒーに関してはいろいろと考えてきた。どうすれば安く、美味しいコーヒーが飲めるかを。


 便利な時代になった。日本中どこにでもコンビニがあり、コンビニではコーヒーが売られている。全国どこにいても、美味しい淹れたてのコーヒーをコンスタントに味わえる私達日本人は幸せである。


 インスタントもかなり美味しくなっているけれど、やっぱりコーヒーは豆を轢いて淹れるのが美味しい。だけど、美味しいと言われるコーヒー豆はそれなりの価格がして、毎日飲んでいると、ケチな私は罪悪感に苛まれる。


 そこで編み出した方法が、コーヒー豆を生豆で買って、自分で焙煎するという方法。以前も話したと思うが、これはかなり安くつく。


 でも、この方法も問題点があって、焙煎時にチャフと呼ばれる豆の皮が大量に出る。当初は掃除機で吸い取っていたが、カミサンから「掃除がとても面倒なのでやめて下さいませんか」と懇願されたので、家の掃除機を使うのはやめた。


 諦めきれずに、中国製の充電式ハンドクリーナーを買い、これを使ってみたのだが、カミサンが言う通り、掃除がとても面倒くさい。コーヒーの楽しみよりも、掃除の苦痛が上回ることになり、掃除機吸い取り作戦は諦めることになった。


 何かで読んで、豆を始めにぬるま湯で洗うと、このチャフを減らすことができるということだったので、今はこの方法を採用し、ガスレンジ周辺に散らばったチャフは、ペーパータオルと洗剤で綺麗に拭き取ることにしている。でも、豆を洗うのと掃除をするのが面倒で、今はあまり焙煎をしていない。本末転倒とはこのことだ。


 もっぱら、コンビニのコーヒー、特にセブンイレブンの色のついたやつのLが気に入っている。


 しかし、毎回買っているとお金もなくなるので、やはり焙煎をしたい、だけど面倒くさいというジレンマに陥っていた。


 そこで、中国通販で灯油の小さなストーブを買い、これと、使わなくなったフライパンで焙煎してみたらどうだろう、ということを考えてみた。


 相変わらずの中国通販の常で、忘れた頃にストーブが届き、先週の日曜日の夜に試運転をしてみた。そこそこ火力があるので、これなら遊びがてらに焙煎ができそうだ。


 ちょうどよく、お金をそれほどかけず、しかも満足感を得られるコーヒーを目指して頑張ってみよう。

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