タイヤ交換
冬になると、タイヤをスタッドレスタイヤに交換する。
自家用車はもちろん、バイト先の運送会社のトラックも行う。
自家用車は二台分で八本、トラックはトレーラーなので、頭の部分が六本、後ろの台車とかシャーシとか呼ばれる部分が片側四本なので八本ある。私の担当車はまだいい方で、重量物を扱うトレーラーになると、頭のトラクタが十本、後ろの台車が十二本ある。
私の住んでいる地域は、ほとんどと言っていいほど雪は降らないが、朝晩は寒く、路面が凍結する。関東あたりから来る車は、夏タイヤにチェーンのようなものを巻いて対応するかもしれないが、冬の期間、夏タイヤで東北地方に車を乗り入れると、白い目で見られる場合がある。これはこっちに住んでいれば絶対で、四本スタッドレスにしなければならない。滑り止めではダメなのだ。
もうこちらへ来て20年以上が経つので、さすがにタイヤ交換は慣れてきた。
お金に余裕がある人はスタンドや工場で外注するけれど、私のように金がなく、タイヤ交換に興味がある者は、必然的に自分で行うことになる。幸いにも我が家には道具を使える場所と環境が揃っているので、私はもちろん、自分で行っている。道具も揃っている。
自家用車は簡単だ。勢い余って、タイヤレバーを使って、自分で組み替える作業までマスターした。海外製のタイヤを通販で買って、自分で全てを行えば、国産の石橋さんの最高級品を取り付ける四分の一位のコストで、全てを行うことができる。
大型車はちょっと面倒くさい。今の会社の場合は、誰もいない空いている時間を狙って、先輩方を立てて、なおかつ、遠くにいつも行っている人たちを優先してと、いろいろと考えなければならない。もちろん、これも専用の機械を使って自分でやるのだが、かなりの体力を消耗し、家に帰ると、二キロくらい体重が減っている。タイヤのエアーを扱う作業は、一つ間違うと死に直結する事故になるので、細心の注意も必要だ。
今年はラニーニャとか何とかで、突然寒くなった。でも、この先は暖かいらしい。もう既に取り換えた人もいるけれど、あまり早いと、タイヤの山がすぐになくなってしまい、いざという時に辛い思いをする。
どの辺りが境目なんだかわからないけれど、東京ではこの習慣はない。福島の原発の辺りが境目だぞ、なんて言っている人もいた。温暖化で降雪量も減っているが、タイヤの交換はまだまだ健在だ。
毎年の事だけど、面倒くさいのである。
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