　何でも自分でやろうとする癖がある。

　理由は簡単。興味があるから、というのが言い訳で、実はお金がないからだ。

　車などはその最たるもので、ここ数年、外注に車検を出したことがなく、全て自分で行っている。タイヤも通販で海外製を買い、自分で剥いてはめて取り付けをする。オイル交換だって、バッテリー交換だって同じだ。最近ではそれなりの分解整備にまで手を出し始め、大事な休日をこんな事に使っていた。

　庭の手入れだってそうだ。私が来るまでは、年に一度庭師が入って、きちんと剪定していた。今は業者など頼める余裕もなく、私が何とかこなしている。

　義父は、元公務員なので、お金に困ったことがない。今だって同じだ。先日私達夫婦が説得して処分させた自家用車は、いつもガソリンスタンドで洗車をし、掃除機をかけてもらっていた。せっけんはまだまだ使えるのに、すぐに新しい物にしてしまうし、水は勢いよく、いつまでも流しっぱなしだし、せっかく高いお金をかけて暖房を焚き、家を暖めているのに、平気で廊下のドアを開けっ放しにするし、食べ物は食べたい物を本能のままに買い求めた挙句に、食べずに腐らせて捨ててしまうし、とにかく私とは正反対なのだ。

　同じ屋根の下で暮らしているが、とにかく対照的だ。

　このケチな流れを止めれば、実は私も金持ちになれるんじゃないかと思い、今回はオートバックスに車検をお願いすることにし、先日見積もりに行ってきた。とある部品がダメなようで、部品工賃合わせて、これだけで二万円の追加出費だそうだ。安い部品を探して、自分で取り付けをすれば、おそらく数千円でできる整備だろうが、それを辞めるためにここへ来ているのだからと自分に言い聞かせ、言われるとおりに車検を予約してきた。

　何だかとても悔しかったが、これでいいのだ。何でも自分でやることがいいんだという価値観を、今回は一度捨ててみよう。

　聞けばオートバックスは、費用も整備代も合わせてカードで支払うことができるらしい。先日手に入れた、ドコモのゴールドポインコカードを、ビシッと切ってみよう。

　今確認してみると、事業の方の給付金を、少しいただけるかもしれないことがわかった。自分で頑張り続けるのも大事だけど、世界がこのような重大な危機に陥ってしまった時には、少しだけ自分ではない所に頼ってもいいのかもしれない。