動画の時代

 動画の時代がやってきた。


 何度も書き申し訳ないが、私は意識することなく、何故か常に10年先を行ってしまっている。


 タンクローリーの会社を辞め、独立した際、震災の前の年だから2010年に、既に動画を作っていた。内容は、FXの口座を作りましょう、とか、バイナリーオプションのやり方とか、画面をキャプチャーするものが多かった。一度だけ、もう清水の舞台から飛び降りる覚悟で、育毛剤の動画を顔出しで撮影したのだが、提携先の社長が年に一度の大きなイベントからなかなか帰って来ず、頭に来たので、この動画はお蔵入りとなった。


 こんなに便利になったのは、つい最近のことだ。


 以前はいくつかのファイルを自分のサーバーに上げて、自分のサイト上で見てもらう形だったが、パソコン用、スマホ用、携帯用、iPhone用、タブレット用、などと区別する必要があった。同じURLで、どのデバイスでも見ることができる今とは違い、いくつものURLを使って、デバイス毎に沢山の動画を作り、アクセスを振り分けるなどしていた。


 今じゃ、スマホで撮影して、簡単にアップロードできて、どのデバイスでも見ることができるようになった。信じられなかったが、ライブも簡単にできるようになっている。


 昔は家で、テレビのチャンネル争いなどが頻発していたが、今は違う。一人が一台、自分のスマートフォンを持つ時代になった。いつでもどこでも、好きな動画を見ることができる。


 動画のニーズが上がれば、必然的に広告主はこちらに広告を出すようになる。以前は限られた人しか得ることができなかった広告収入を、誰でも手に入れることができる。実際に私も、かつて、いくらかの収入を得ていた。(規約が変わり、今は資格がないので収入がない)


 時代はこの先も変化して行くことだろう。サラリーマンは嫌だ、一人で稼ぎたい、大きく稼ぎたい、と思うなら、この変化に対応して行かねばならない。

 

 かつての私は時代について行こうと必死だった。一瞬だけ成果が出たが、その後は震災もあり、段々と情熱も薄くなってしまった。


 比較的時間に余裕があり、それでいて、それなりの収入になる運転手のバイトに就いてからは、なおさらである。このままこれで、働けなくなるまで働かせてもらおう、などと思っている。現に、今一緒にやっている方は間もなく70歳になるが、同じ仕事を同じように行い、同じ位の稼ぎを得ている。残り15年、これでいいじゃないかと思うこともある。


 「人生の安定」に一瞬身を任せていたら、スマホと動画の波が私を追い越して行った。


 「ビジネス」とか「独立」とか「稼ぎましょう」とか「パソコン一台で」とか考えながら、仕事から帰ってギロギロになって作業するパワーは、もうなくなってきた。でも、5Gの到来や、それに伴うインターネットの可能性には、まだ少しだけ興味がある。


 動画はその最たるものだ。


 やはり私なりに、10年先を見据えて、皆と違うことをやってみるかな。


 もし、これも続いていれば面白いだろうな。


 

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