第13話「知情意」

吹雪はより一層まし、前も見れない。

グラニが風よけに盾を前に出して前に進んでいる。

「あとどれくらいで抜ける??」と後ろを振り向きながら問いかけると

「あともう少しで抜ける。距離800ぐらい」とホルスが風にかき消せられそうな声でいう。

マノは黙ったままだ。無駄に持久力が削られたくないようだ。

雪山に関しては、フィールドペナルティとして鈍足がランダムでつく。

30秒前後で消えるが、またデバフが発生するようになっている。


デバフとは…古いオンラインゲーム「Ever Quest」から使用され、かけた対象に有益な効果を持つ魔法を指す、バフ。そしてかけた対象に不利益な効果を持つ魔法全般を指す、デバフ。

元々は同じゲーム内で用いられた、バッファ(buffer)とデバッファ(de-buffer:de-は否定・逆転・悪意などの意味)という言葉だ。


ここにきて引き返せるわけもなく道なき道を突き進んでいく。


そして、何かにぶち当たった。

「壁に当たったぞ!!?」グラニが叫ぶ

「え?この辺に壁なんかないぞ!?」とホルスが言い返した。

「じゃあこれはなんだよ!?」とグラニがいい返すと、ホルスは顔を上げて目の前に立ちふさがる物体を確認した。


「おい!!モンスターだ!!下がれ!!!」


そう言い終わる前にグラニの盾に攻撃が入り、グラニのガードの耐久力が一気に落ちる。


「くっそ!!なんて重たい攻撃だ!!」

「おい、こいつはイエティだぞ!!」


「冗談じゃない!!こんなヤツに構っていられないのに!!」



だがイエティはそんなことはお構いなしに攻撃してくる。

ガガン!!

グラニのガードクラッシュをし、仰け反った。

「おい!やべ!!散開しろ!」

「ホルス!!足止めしてくれ!!」

「言われなくても!!」


天上の雨!!!


矢を放つと無数の矢に分かれてイエティの周りに降り注ぐ!



「マノ!!デバフの毒!!」


デッドリーポイズン!!


とりあえず、弱体化には成功したが依然攻撃の手は緩まない。


グランドスマッシュ!!


地面に剣を叩きつけ相手の足を止める。

距離をとるための布石だ。


「おい大丈夫か!!」グラニは体勢を立て直し、前に出る。

「ああ、ていうか、グラニ!POT飲んでるよな?」

「問題ない!これくらいはガードできる。だけど、攻撃に転じると一撃のカウンターが怖い!遠距離でなんとかならんか!?」

「俺の装備では地道に削るしかできない!」

「マノはどうだ?」

「囮してくれれば、多少は無理できる!」

「わかった!POTでなんとか耐えるからマノ・ホルス!うまく削ってくれ!」

「ああ!にしてもこの視界じゃうまく当たるかどうか!?」

「このままだとやられる!なんとかするしかない!」


イエティは白い息を吐き、こちらをみてあらぶっている。

なんとか弓矢と投げナイフでHPを削ってはいるが、焼け石に水だ。


グラニのPOTが切れかかり始めた。


「おいそろそろ限界だぞ!!??」

グラニが叫んだ!!

「くっそ!!オーラアタックを使う!!」ホルスは左手と右手にオーラを貯める。


精霊よ。我に力を!


グランドオーバーフェニックス!!!


放ったオーラが地面を駆け抜けるように不死鳥に変化しイエティを突き抜ける!!



イエティは膝をつくが、片手で三人をなぎ倒す。


「ぐは!!」

三人は吹き飛ばされダウンしている。


「こんな…とこで!」ホルスは矢に手をかけるが、引く力がない。

「大いなる聖水使うにしても同時にやられちゃ使えんしな…。」グラニが剣を杖にして立ち上がる。

「あとちょっとなのに…。」マノはナイフを手にして強く握るだけだった。


「くそがぁ!!!!!」

グラニが走り込み剣を振り上げる!!



イエティは大きく拳を振りかざしてグラニの頭上へ一気に落とす!









「クイックアクセル!!」




グラニに詠唱魔法陣がかかる!


グラニは拳を交わし、イエティの胸元へ一直線に切り込みが入り、クリティカルアタック判定が入り、イエティを倒した。




「なんだ?いまのは…?体が急に軽くなって拳を交わせた。」



振り向くとファウストとリフェラとルボランが立っていた。



「あなた達は?」とホルスが尋ねると、




一息ついたリフェラがいう。




「正義のミカタです。」





――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ようやく、三人組を見つけたリフェラはPOTを分け与えて回復を促した。


その間にルボランは雪でかまくらを作り、そこで暖を取ることにした。



ようやく一息をつけた三人はリフェラの質問に答えた。

「あなた達は、ホルスとマノ、そしてグラニのお三方でいいのかな?」

「え?なぜ知っているの?」とマノがいう。

「セイメイさんの命により、あなた方を保護するように任務を与えられています。」

「そうなんだ。俺らもセイメイさんに会いに行く予定だったんです。」とホルスはルボランについでもらったココアを飲みながらいう。

「セイメイさん…。出世したね。」とグラニはいう。

「まぁ…紆余曲折あったけどね。」とリフェラは頬をかいた。


「まぁよかったじゃないか。これで役者はそろったわけだ。山越えをしよう。」とファウストがいうと、少し戸惑っていた三人組に自己紹介をいう。

「おいおい。命の恩人に向ける視線じゃないよな?ははは…。」と困り顔をしていた。

「改めて自己紹介をしよう、僕は元エウロパのファウストだ。…まぁアイオリアと同じ立ち上げの一人だ。」

「え?そうだったの?」とリフェラは驚いた。

「そういうのって…。あんまいうもんじゃないしな…。」




吹雪は徐々に収まり、再出発をした。

雪原を抜けて、国境のあたりまでくると崖があり、遠くメディオラムが見える。

それをみた三人組はほっと胸をなでおろす。

坂道の山道を抜けて、メディオラムに入った。




リフェラとルボランは俺の下にきて、報告をあげるのであった。


大きいお土産をこさえて…。






『~漆黒の魔導士と白金の拳闘士~』



リフェラ達は総指令室に向かい、俺たちに報告しに来た。



ノックがなり、返事をすると彼らが入ってきた。

アイオリアはゆっくりと近づき、ファウストに話しかけた。

「…よくここにこれたな。」と神妙な面持ちでいう。

「彼らが僕を連れてきたのさ。どうやら運命とやらは相当ないたずら好きらしい。」

「ははは。まさか来てくれるとは思っていなかったから感動したよ!!」

「そう言ってくれると僕もここにきた意味があるってことだね。」

「紹介するよ。せい…」

「ああ、彼がセイメイさんだろ?」とアイオリアが言いかけた言葉を飲み込ませた。

「ああ…。そうだ。彼が俺らのマスターだ。」

俺はよくわからないかったが、申し訳なさそうにいう。

「いや~なんかよくわからない…。いや、アイオリアの計にハメられた者です。」

「初めまして。セイメイと申します。この度はアイオリアのせいで被害を被られた方ですね。大変申し訳ないです。」と俺は謝罪の念を述べた。

「いやこれも一興です。楽しみましょう!」と優しく微笑んだ。

「マスター。彼は俺と双璧を担う魔導士ファウストだ。実力は指折りだ。」

「魔導士?魔術師とは違うのか?」と問うと

「それはワシが説明しよう。」とログインしていたのか俺の会話に入ってきた。

「イーリアスの世界だと魔導士は魔法に精通しているポジションだ。また魔術師というのは、召喚魔法や

禁呪を扱えるようになるポジション という感じだな?」というとファウストに相槌を確認した。

「そうです。魔導士は主に精霊系魔法や支援魔法以外はあまり使えない代わりに強力な魔法が使用ができ、魔術師はゴーレムや精霊系、悪魔も従えることができます。」

「マスター。の指輪がほしい理由はそういうことじゃな!」

「あーそういうことか。」と俺は納得した。


「じゃあこの戦いに本当は必要なんじゃないのか?」と俺が心配すると

「と、心配されると思ってほれ。」

俺に奇術師の杖を見せてきた。

「こ、これSR(スーパーレア)じゃん!!」

「貿易商で別れた時に見つけた掘り出し物じゃ!がっははははは!!!」とソロモンは高笑いした。


「ふむ。中々ですね。私もこの前の貿易商で魔術師の杖を買いましてね。」

「あ~やっぱりか!戻った時にはなかったじゃぁ!」と悔しがっていた。

ファウストは笑いながらいう

「また出てきますよ。これは結構見つけやすいですから。比較的ね。」

「そうか!なら今度はゲットじゃあ!!」と意気込んだ。


と談笑していたら、モジモジしている三人組を忘れていた。

俺は彼らに近づき、話しかける。

「やあ、久しぶり?かな?元気だったかい?」

「どうも。」とグラニは下を向きながらいう。

「俺は…。前回の件で怒っていないし、むしろ申し訳ないとおもっているんだぜ?」というと、

えっ!?と驚かれた。

「まぁ俺はみんなにあんま頼ってなかったんだよ。だから距離が生まれてしまった。そのため、あのような結果を生み出してしまったに過ぎない。申し訳なかったね。」というと、

ホルスは俺をまっすぐみていった。

「自分はセイメイさんとちゃんと向き合っていきたいです。あんなことあったけど、みんなセイメイさんと会ってもう一度清算して一からやりたいと思っています。」と俺に信念をつたえて来た。

「俺もです。もう一度、最初からになっちゃうけど、一緒に楽しみたいです。」グラニはホルスと並んでいう。

マノは「あたしは…その…。」と俯いてしまった。

「マノ、君も一緒にたのしんでくれるから来てくれたんだよね?ありがとう」と俺は気を回した。

マノは小さくコクリと頷いた。


この三人の姿勢に俺は少し感動してしまった。

これだ。これだったんだよ。俺が探し求めていたギルメンというのは!!一緒に同じ方向を見れる仲間がほしかったんだ。ソロモンやユーグ、クリスはそうだ。アイオリアだけは少し違うけど。。。


「三人とも、おかえり。そして、いらっしゃい。」といい、俺はギルド加入の手続きをとり、陣営に加えた。


三人はギルドのマークのつける位置をキャッキャッしながら、決めていた。

俺はそれをみてうれしくなった。ギルドをやっててよかったと思える瞬間だった。


アイオリアが少し話がしたいというので、ファウストと一緒に別の部屋にいくことにした。

三人はソロモンにまかせることとした。


~別室~

アイオリアとファウストと俺の三人で会議をすることになった。

この顔合わせは意外と初めてだ。

「で、今度は何を話すんだ?」

「現エウロパのギルマスの件です。」

「現在のエウロパのギルマスをご存じですか?」

「そういや知らなかったなぁ」

「わかりました。説明しますね。」

改めてエウロパの説明を受けた・

「エウロパの立ち上げはガリヴァレオン、私とファウスト、そして…。」

「そして?」

「…ネオシスだ。」

「ネオシス?」

「ああ、ネオシスっていうやつがギルマスをやっている。」

「ネオシスってどういう人なんだい?」

「セイメイさん、それがねぇ…。どうも厳しいやり方でやっているらしいんだよね。」と語る。


ギルメンの金策方法や狩り効率に口を挟み、その時その時の最高効率を半強制的にやらさせているらしい。無論、それで強くなっているのは間違いない。それに反発する者は容赦なく切り捨てるとのことだ。

所謂、ガチ勢という分類の人間だ。気持ちはわかる。ハッキリいってゲームをやるにおいて、ゲームマネーを効率よく増やしていくことは物凄く大事だ。それを一斉に管理できる能力がすごいし、逆に最高効率を叩きだせる人材が揃っていることが、またすごいのだ。

 生活コンテンツも、基本の狩りコンテンツもキッチリ隙間なく指示を出せているのは、ある意味、理想ではあるが、逆をいったら自由を奪っていることにもなりかねない。また、意識が高い人が集まれば自然と周りもそれにインスパイアされて、その環境を整えようと武器防具も含めて高みを目指していくことが自然と身につくものだ。これらを踏まえて言うと、本人が楽しめているなら問題ないと思っている。

 なぜなら、自発的にそういったすら楽しめているという点においては理想の仲間が集まっているという感覚である。

畏怖の眼差しと結束力という点においては随時を許さない、強さを追求している立派なガチギルドである。


そこのシワ寄せは狩場争いという点でいざこざは頻繁に起こる。

狩場が被ればPKが行われるごく自然の摂理である。いわば、“なわばり争い”だ。自然界の掟がなんともネットの世界でも行われており、原理原則に従い消されていくのだ。

タチが悪いのはそこで他者を排除し、独占するという点で非常に厄介である。

こういうのは、正直見上げた行動ではない。が、それもPK容認ゲームでの致し方ない事だ。時間をずらすなどの工夫をするしかない。


「僕やアイオリアはそういう点では同意できていないし、同意できない意見もたくさんいる。だから分裂が発生し、現在に至るわけだ。」

「そのうえで俺に指折りのギルドへ対抗する大将に俺が据えられているというのはどうなんだ?」とファウストに聞くと

「実質№2のアイオリアがセイメイさんに従っている時点で目に見えない大いな称賛をされている。それってものすごく名誉じゃないですか?」とファウストは窓をみていう。

「名誉なんてほしかったんじゃない。ただ俺は…」


「BIGになりたかった」とファウストは俺の心を見透かすように言葉を吐き出した。


俺は「そうじゃない」と否定したけど、図星だった。


たしかにそれが大元になるけども、今までそれとは真逆の事をやってきた。仲間のために、ギルドのために、自分の為に…。

全て“ゼロ”から何もないところから作り上げてきた。ギルドのパッシブスキル獲得のためのクエストやギルメンの募集、最近はPT狩場、給料の支払いなどなど…。

それでも、結局、人に誇れるものは何も持ち合わせれるほどのものをもっていない。“ゼロ”のままだ。

ランカーにもなった。それでもまだ俺の心は満たされなかった。

今回、アイオリアのシナリオに乗せられて、勝手に期待をされ、己の力を示した。たまたまうまくいったようなもので、俺にはこれといった自信につながる確信的な誇れるものが何一つない。


“ゼロ”のギルドマスター、<ゼロマスター> なのだ。


目の前の問題を必死にこなして自分は頑張っているのに、考え方や価値観が合わない人間は離れ、気に入らなければ罵声が飛んできて否定され、それでももがいて苦しんでいる。

やっていることは現実リアルとなんら変わらない事をしている。

それでも俺はギルドに所属する仲間を楽しいませる努力を怠った事はなかったはずだ。

それも所詮、独りよがりなのかもしれない。



「マスター、そんなに悩むことじゃない。」とアイオリアが口を開いた。




「ギルドマスターという存在は、いるだけで潜在意識として安心できるのもギルドマスターの役割なんですよ。あなたにはその安心感が今まであってきたギルドマスターの中でも群を抜いている。だから、あなたはそのままでいい。」

「俺にそんな自覚はないぞ??」

「自覚があってそれをやっていたなら、大した役者だ。そうじゃない。あなたは、時には戦友ともで、時には好敵手ライバルで、時には何でも話せる親分ボスである。これって先天性のものと後天性のものがあるけど、あなたは先天性のものなのだよ。だから、あなたは何も持ち合わせていない・何もない、ゼロではないということをハッキリ言わせてもらう。」

「俺は自分に誇れるものなどないのだよ。だからがむしゃらにやるしかできない。」

「そのがむしゃらな姿勢が今回、評価を受けている・影響を受けているということにつながっている。もうあなたはゼロからイチを生み出している。これからもきっとそれが広がっていくと思う。」

「…。」

「僕はアイオリアとは馬が合うことは早々ない。だが、アイオリアはアイオリアで悩み苦しんできた。その結果が今回、このように数多くの仲間を呼び込んだ。この僕もあなたに会うことを決めたのは、アイオリアの努力をみてきたからだ。あなたの努力をみてきた仲間がいる。だから、あなたはもう一人じゃない。僕もあなたに力を貸そう。一緒に頑張りましょう!」といった。


俺は今まで間違っていなかったのか。どうなのかわからない。現実リアルでもうまくやってこれたとはとても言えない。足の引っ張り合いの社会、人の妬みつらみ、そして猜疑心。その中で、傷つくことを恐れ心に鎧を着せて、言葉という盾と矛を持ち、自分の信念と企業理念の板挟みによる矛盾をいくつも積み重ねてきた。それに疲れた俺はドロップアウトした。


そんな自分から逃げるためにこのイーリアスの世界に飛び込んだのだ。



もう俺はそんな自分を許す・贖罪させる場をどうやら知らず知らずに設けてもらったと自覚した。


「マスター、さぁいこう。あなたを支える仲間はあの扉の向こうにたくさんいる。少なくとも我々二人は最後まであなたを全力でサポートする。」


「そうか…。すまんが大迷惑をかける。ついてこい!」


俺はこの日を境に過去の自分に決着をつけ、前進するのだった。


たかがゲームのものが、いつの間にか生活の一部になってしまった。

それは、オンラインでも繋がる心が存在するというのがわかったからだ。

これはとてもレアなケースだと思っている。


ファウストとギルド契約を交わし、ファウストをオケアノスのへの所属にした。


貴重な体験ではあるが、俺は託された思いとやりたかったことが一致した幸せを胸に、別室をあとにした。



~総指令室~


総指令室に戻るとベルスがいた。俺に用があったらしいが、ファウストをみて驚いていた。

「ファウストじゃないか!いつここにきたんだ?きたなら教えてくれよ!」

「ベルスさん、お久しぶりです。お元気そうですね?」

「元気もクソもあるか!!ログインが少なかったから心配していたんだぞ!?」

「ははは!まぁ今後、オケアノスの一員として、頑張りますよ!!」

「そうかそうか!いや、君のような偉大な魔導士が側にいるということは後詰のきりふだだな!」

「セイメイさん、こんな土産物を隠しているなんて食えない男だなぁ!」

「いや実はですね…。」


俺はファウストがうちにきた経緯を説明した。


「ほほう!!中々波のある話だなぁ。」

「いやはやフォルツァのメンバーが優秀だったんですよ!かなりありがたかったです!」

「あいつらにはあとで褒美をとらせよう!それにしてもファウスト!俺はうれしいぞ!」

「ベルスさんとまた遊べるのは僕もうれしいですよ!一緒に頑張りましょう!」

「ああ、セイメイさんに聞く内容はうちの二人の成果を聞こうと思ったんだけど、もう聞けたわ!」

「セイメイさん、幕僚がまた増えてよかったな!個人的にもこれはうれしい誤算だ。アイオリア、ファウストを連れてくるなんて俺でもできない芸当だぞ?」

「いや~これは偶然の産物に過ぎません。これで本陣営の陣形が少し変わりますね。会議しましょう!」

といい、昔の仲間ともう一度話し合いをした。


そこに俺がいることに後ろめたさがあったが、彼らを引き合わせることに俺が一枚噛んでいるという事実は変わらない。


今度は俺が加わり新しい物語を紡いでいくことになるだろう。

俺はマイナスに捉えるのではなく、プラスに考えるようにした。



夜は更けて、月が俺の眼に入り、星が瞬くような輝きを俺にみせてくれた。


あと一週間だ。なんとか形にして戦にこぎつけよう。そう心に誓ったのだった。

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