第45話 野外授業

「ではこれより野外訓練を始める。お前達整列しろ!。」


カーネギー教官が大声を上げ令嬢生徒達を並ばせる。

俺とアイシャお嬢様は学園塀の外にある広大な野原にいた。

アルビナス騎竜女学園では授業が二分に分けられる。学園校舎内で受ける室内授業と学園校舎外の外で行われる野外授業である。アイシャお嬢様が室内で受ける授業は主に騎竜の成り立ちの歴史と騎竜の種の特徴と習性と生態を習う竜種生態。気品、礼節、社交性を習う礼儀作法、あらゆる自然界の元素の魔法習う元素魔法、そしてレース中飛行時の突然の自然災害や騎竜の怪我、重傷に対しての応急処置、緊急対処。飛行中に起こる可能性がある天候を読む天候予知などがある。

そして野外授業で行われる授業は騎竜乗りが騎竜を飛行する為に騎竜を操り扱う為の技術が騎乗技術。騎竜と騎竜乗りの主従関係をより強くする為の調教訓練、騎竜の飛行を磨く為の飛行訓練、騎竜乗りが扱う武器を訓練する武装訓練、そして騎竜と騎竜乗りの互いに戦わせ経験を積ませる対闘訓練などがある。

1日に三種類の科目をだいたい三時間を費やして行われる。


体力作りに関しては騎竜よりも寧ろ騎竜乗りのお嬢様方の為に行われるようである。騎竜もある程度トレーニングはするがそれはあくまで体型維持であり。竜は魔法や能力、竜種でその力量の差が決まるのであまり肉体的強化を重要視していないようだ。師であるレッドモンドさんが肉体強化は竜の潜在的な能力を引き出す唯一な方法なのに勿体ないと己の筋肉をびくんびくんさせて昔愚痴っていた。



「まずは体力作りから行う。ストレッチして次に筋トレだ。」


カーネギー教官の指示で令嬢生徒達はストレッチと筋トレを始める。

行う度に制服ではない運動用の軽装の服装から様々な令嬢達の胸の膨らみが揺れる。

うむ、良い眺めです。


俺は令嬢達の健康的な身体をあますことなく観察する。


じいいいいい

ふと視線に気付く。


何か····おもいっきし観られているんだが···。


よくみると俺の竜の図体の隣で此方をじっとみる角を生やした小柄の青髪の少女がいた。その隣には立ったまま器用に熟睡する角を生やした大人の女性もいる。


「謎です。ただのノーマル種がエンペラー種に勝つなど有り得ない。何処にそんな力があるのでしょう。物凄く気になります!。」


じいいいいい

角を生やす青髪の小柄少女はじっと此方をガン見してくる。

うーん、ここまでガン見されると令嬢生徒達を観賞する此方としても困るのだけど。


「ちょっと触らせてもらいます。身体の何処かにそんな力が?。」


ペタペタペタペタ

ちょっ、何っ!?。やめて!。変態!痴漢!!。

ギャ!?ギャギャアッ!!。


俺は角を生やす小柄の青髪の少女に竜の身体全身まさぐられるように触られる。


辞めて~!エッチスケッチワンタッチ~


俺は竜の図体をそらそうと避けようとするが。しつこく騎竜の青髪の小柄の少女は俺の竜の身体をペタペタと触りまくる。

授業一時間まるごとほぼセクハラまがいの行為をされ続けた。


ストレッチ、筋トレの体力作りの授業を終え。次は騎乗技術の授業に入った。

騎乗技術は騎竜を扱う術を教える授業である。レース経験者のある令嬢生徒は問題ないが、家柄や竜種だけで入った貴族令嬢達はどうやって騎竜を扱えばいいのか途方に暮れていた。


「いいか、まず基本は左右の旋回だ。右足を蹴れば左折し、左足を蹴れば右に左折する。これらを頭ではなく体で覚えろ。」


令嬢生徒達は各々の騎竜に股がり。野原上空で騎竜の旋回を練習する。


「えっと右足を蹴れば左折と。」


俺も初めて騎竜操作の仕方を知?。慎重にアイシャお嬢様の股がる足を背中に感じて左右を左折したり右折したりする。

アイシャお嬢様の右足が軽く蹴る動作をし。俺は左に左折する。次にアイシャお嬢様の左足が軽く蹴る動作をすると右にゆっくりと右折する。

よくみると他のお嬢様方は特に英才教育とレース経験者がある令嬢は手慣れていた。俺達だけは他の初めて騎竜操作する令嬢生徒と同じように騎乗技術がとろかった。


「アイシャ・マーヴェラス。お前は騎竜の扱いが遅いなあ。レース経験者だと聞いているが。あれだけ決闘で自由に動けていたのにどうした?。」


他の初心者の令嬢と同じように騎竜の扱いが遅いことにカーネギー教官は眉を寄せ不思議そうにする。


「すみません、カーネギー教官。私ずっとレースや運送稼業していて、騎竜操作に意識したことがなくて。」


実際アイシャお嬢様とは指示しなくても何処に行くべきか理解出来ているのだ。


「ほう、既にその領域まで達しているのか?。ベテランの騎竜乗りは指示や合図しなくても意志疎通ができるというが。よし!ならば自然体でやってみろ。」

「はい!。」


カーネギー教官の指示で俺達は普通に飛行する。


アイシャお嬢様が何も言わずとも俺は飛行して右折し左折したりする。実際カーネギー教官がベテランの騎竜乗りが指示しなくても意志疎通出来るというが。実際俺とアイシャお嬢様の騎乗技術は少し違う。厳密に言えばアイシャお嬢様の手と胸に関係している。ドラグネスグローブの背中に当てた手の力で理解し。尚且つ猛スピードを出すときは密着して押し付けられる胸の膨らみによって判断しているのだ。右乳の圧迫感を感じたなら右折。左乳の圧迫感を感じたなら左折。これはアイシャお嬢様と俺ならではの騎竜操作である。


「うむ、問題ないな。既にその歳でその領域に到達しているとは恐れ入る。」


ざわざわ

令嬢生徒達もアイシャお嬢様の騎竜操作に感心していた。

野外授業の閉めは飛行訓練だった。


「では最後に最高スピードで飛行せよ。」


騎竜達が各々得意な飛行でスピードをあげる。

炎竜ガーネットは獄炎噴の翼、メリンというエンペラー種は瞬間移動飛行、他に令嬢生徒達の騎竜に独特な飛行するものもいた。

バサッバサッ

俺は野原上空で令嬢生徒達を乗せた騎竜を観察する。


「ライナ!Boin走行行くよ!。」

ガアッ

相変わらずこのネーミングには慣れないなあ。


スッと俺は瞼を閉じて精神統一をする。

黄色の粒子が緑の鱗に覆われた竜の身体に流れ込む。

むにゅう♥️

アイシャお嬢様の豊満な豊かな膨らみが俺の竜の背中に押し付けられる。

アイシャお嬢様は胸を押し付けたまま身体を左右に揺らし始める。


すりすりすりすり

押し付けられた胸の膨らみが俺の背中で左右に擦れる。


キタァキタァキタァキタァッ!!。漲って来たアーー!!


「ちょ!ちょっと待て!。アイシャ・マーヴェラス。な、何をしている!?。」


突然カーネギー教官は空中でアイシャお嬢様の意味不明な動作をしたことに驚き呼び止める。

俺も突然呼び止められたのでBoin走行を中断した。


「カーネギー教官。これはBoin走行って言ってライナが一番速く飛行できる加速飛行方法なんです。」


アイシャお嬢様は何の迷いもなく説明する。


「そうなのか?。私にはふざけているようにしか見えないのだが。いや、寧ろ··これは大人の嫌、何でもない····。」


カーネギー教官は何か言いずらそうに口ごもる。少し頬が赤い色に染まっている気もする。


「本当なんです!カーネギー教官!。この方法がライナが速く飛行できる方法なんです!。」


アイシャお嬢様は迷いなくキッパリと断言する。


「にわかに信じがたいが····。解った。ならば試してみろ。」


カーネギー教官は一応納得したが内心疑っているようである。

俺とアイシャお嬢様は再びBoin走行を再開することにした。



むにゅう♥️すりすりすりすりすり

キタァ!キタァ!!キタァ!!

キッタァーーーーーーーーーーーッ!!


ギャアアあああああああーーーーー!!

俺は歓喜の雄叫びをあげる。


ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ嗚呼嗚呼嗚呼ーーーーーー!!

(オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️オパパイーヨ‼️)


ひゅん

アイシャお嬢様を乗せた俺は高速飛行する。目にも止まらぬ速さで飛行訓練している令嬢生徒乗せた騎竜をすり抜ける。


「た、確かに速いが。本当にそれがBoin走行という飛行方法のせいか解らないなあ。」


カーネギー教官はまだ疑っている。


「解りました!カーネギー教官。カーネギー教官もライナに乗って試したらいいです!。カーネギー教官もBoin走行をやればライナが速くなっていることが証明できます!。」


Boin走行を中断したアイシャお嬢様はカーネギー教官にそう反論する。というより完璧にむきになっていた。アイシャお嬢様は頑固さは幼少から知っている。こうなってしまったら何も言ってもきかない。


「い、いや。それは·····。」


カーネギー教官は言いにくそうに表情が渋る。

Boin走行に何処に問題があるのだろう?。

健全な飛行方法なのに。

俺は首を傾げる。


「カーネギー教官!。お願いです!。ライナの飛行方法の凄いところを証明したいんです!。お願いします!!。」

「わ、わかったから」


真剣で想いで懇願するアイシャお嬢様にカーネギー教官は根負けする

そして俺の背中にカーネギー教官を騎乗することになった。


「では、頼む。」


バサッバサッ

カーネギー教官が地上で俺の背中に乗る。俺は翼を広げ。野原上空へと舞い上がる。

カーネギー教官の身体は鍛えてるせいか。とても引き締まった身体をしていた。出るとこはでて引くところは引いた無駄のない美しい肢体である。カーネギー教官の膨らみはアイシャお嬢様に勝るほど成熟し大きかった。


「では、始める。」


令嬢生徒達が野原の地上から息を飲んで見守れながら、カーネギー教官の鍛え抜かれた成熟した二つの膨らみが俺の竜の背中に強く押し付けられる。

むぅにゅううう

おおおーー!これは!?。

弾力が凄かった。反発し跳ね返すほどの威力がある。鍛え抜かれた身体は乳まで鍛え抜かれるのかと思わせるほどに····。


「たしか、密着したまま身体を左右に揺らすのだったなあ。何か恥ずかしいな···。」


カーネギー教官は頬を少し赤らめたが覚悟を決めて身体を左右に動かし揺すり始める。

ずりずりずりずり

弾力感が凄い。二つの膨らみが俺の竜の背中に反発感と摩擦感を激しく与える。


ギャアあああああああーーー!!


俺は歓喜の竜の雄叫びを上げる。


ギャアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーー!!


びゅーーーーーーーん!!


物凄いスピードでカーネギー教官を乗せたまま俺は野原上空をを駆け巡る。

ゴオオオオオーーー!!


「確かに速い!。速すぎる!。Boin走行というものがこんなにも速いなのか?。」


カーネギー教官は高速飛行による向かい風を浴びながらもの凄く驚いていた。


わーーー わーーー

野原ではカーネギー教官の飛行を観ていた令嬢生徒達はテンションあがったように歓声を上げ盛り上がる。

ただ野原で一部始終観ていたアイシャだけは口許にへのじを曲げ何故か不満顔をしていた。

バァサ

野原上空を暫く遊泳飛行してそのまま野原に降り立つ。


「疑って悪かった····。確かにお前のノーマル種のBoin走行は凄いなあ。」

「いいえ····。」


Boin走行試して貰ったカーネギー教官は俺から降りてアイシャお嬢様に謝罪する。

とりあえず解って貰って何よりです。

野外授業が終え令嬢生徒達は帰路の支度をする。


「ねえ?ライナ。私のBoin走行よりカーネギー教官のBoin走行の方が速かったのは何故?。」

「··········。」


ジロリとアイシャお嬢様は物言わせぬ顔で俺に詰め寄る


··············ギャアガアギャ

「··············気のせいですよ。」


俺は竜の長首をあっち方面へ背ける。


「ライナ、何故目を逸らすの?。」

ギャギャアがアギャアラギャ

(さあ、学園に戻りましょう。)


俺はそのまま学園に向けて足早に竜の脚を動かす。


「ライナ!ちょっと待って!ライナ!。」


アイシャお嬢様の機嫌の悪い呼び声に俺は背を向け。ひたすらスルー決め込んで足早に学園に帰っていく。


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