第37話 閃光の柱

アルビナス騎竜女学園の校舎建物の構造は正面入り口建物と左右側面、後ろ面計四区画で構成されている。正面入り口校舎建物から入り。右側からと通る右側面校舎建物と左側から通る左側面校舎を両方通って後ろ面の校舎建物へと繋がる。それを直角ごとに三階建て廊下が一緒に繋がっている仕組みだ。密着するように一つの正方形の形として学園の建物が成り立っているのだ。

そして学年ごとに区分けされ。正面入り口校舎建物が職員室、学園長室。右側面校舎建物が一学年専用校舎、奥側校舎建物が二学年専用の校舎、左側側面校舎が三年専用校舎と各々それぞれに騎竜乗り育成の教室と設備が用意されている。授業や行事、休憩時間以外はやり取りはなく。一学年の校舎建物で決闘が行われているという情報も他の校舎建物にいる上の学年の先輩には流れてはこない。教師達のやり取りはあるだろうが。大抵学年の教師は面白いことを他の学年の教師に隠す傾向があるので情報が行き届くことはまずない。


今アイシャとライナは一年専用校舎建物である右側面の校舎側の塀上を進み。後ろ面の建物校舎である二年専用校舎にさしかかっていた。外側の二階にある二学年生の教室の窓から見える場所である。


「···········。」

「どうしたのです?。イーリス。」


二学年教室では向かい合わせにくっ付けてお弁当を食べる令嬢の生徒がいた。お弁当持参の生徒はごくわずかで殆んど二学年生徒は右側面校舎内にある二年専用の学食に出払っている。

後ろ髪を結って侍のように髪を垂れ流す制服を着た令嬢生徒は無言で窓の外をみいいっていた。


「··········。」

「外に何かあるですか?。」


白銀のブロンドの髪を流す二学年令嬢の美人の顔が眉を寄せる。


「どうやら外の学園塀の上空で競争しているものがおるようだ。」


イーリスという名の令嬢生徒隣の席に座る和風のような侍の格好した二本の角を頭に生やした武人ような男がそう呟く。


「競争?お昼時間でしょうに。野外練習なんて聞いてはいませんけれど。」


白銀のブロンド髪の美人顔の令嬢が首を傾げる。


「私は遠目で効くほうではないけれど。確かに二匹の騎竜が競争しておりますねえ。」


白銀ブロンド髪の令嬢の隣席に座る艶っぽい感じの角を生やした美女が言葉を返す。その格好は胸の谷間をみせるほど露出度が高かった。


白銀のブロンド髪を流す令嬢は窓の外の学園の囲いの塀に向けて目を凝らす。


「確かに何か光って飛んでいるように見えますけど····。よく見えませんねえ。」

「私は遠目が効くが競争しているのはエンペラー種とそれとあれは······。」


侍の格好した角を生やした無精髭を生やす男は途中で口をつむぐ。


「どうかしましたか?。」


白銀のブロンド髪の令嬢は途中で会話を中断したことに困惑する。

角を生やした無精髭の侍の男は再び口を開く。


「ノーマル種だ···。」

「ノーマル種?。ノーマル種って確かあの緑の鱗したあのノーマル種てすか?。」」


角を生やした無精髭の侍の男は神妙な面持ちこくりと頷く。


「そうだ。信じられぬがエンペラー種と互角に競争しておる。」

「·········。」


暫く二人と二匹の間に沈黙というなの間があく。


「信じられませんねえ。ノーマル種がエンペラー種と互角に渡り合うなんて。そんな情報二学年にも三学年にも入っていませんけど。となれば今宵の新入生の一学年生徒の騎竜ということななりますけれど···。」

「··········。」


無言のままイーリスという令嬢生徒はじっと窓の外の塀をみいいる。彼女もまた遠目が効いていた。故に窓の外の塀に行われている騎竜同士の戦闘も一部始終確認することができていた。


ビビィイイーーーン!


何だ?この耳につんざく音は?。

ライナは竜の首を傾げる。

後方から何か水や炎や風の自然音とは違う。どこか機械的というか近代的な音が鳴り響いているような気がした。はっきりいって異世界ファンタジーには不釣り合いな音である。


ビッビビィィーーーーーカッーー!!


ギャッ

「ワッ!?」


後方から直線上の光が貫くように向かってきた。ライナはそれを咄嗟に翼を翻し直前すれすれに避ける。

パァン じゅううう

伸びた太い光の直線はそのまま行き場のないように塀の内側の校内敷地の地面にぶつかり。そこが赤みを帯びたように泥々に赤く溶けだし穴があく。

ぞぞぞ〰️〰️

ライナはその光景を目撃し。鳥肌(竜だけど)たつほど悪寒が走る。。

まさか!?これって·····。

ライナにはその直線上の太い光の線に見覚えがあった。転生前の鴛月豊として生きていた頃にみたことがある。実際にはみたことがないがテレビの特に科学関係でみたのだ。


「ちっ、外しましたですわ!。」


後方から煌びやかなダイヤモンドの原石のように輝くメリンの背に乗るマーガレットが舌打ちをする。

どうやら放ったのはエンペラー種の至高竜メリンのようである。


「メリン!さあどんどん放つのですわ!」

『は、はい、お嬢様。』


メリンの煌びやかなダイヤモンド原石の鱗が光輝くと竜の鱗の皮膚から無数の光の線が放たれる。


ぴゅん ぴゅん ぴゅん ぴゅん

無数の光の線が生き物ようにライナ目掛けて襲いくる。

ひゅ ひゅ ひゅ ひゅ

俺は無数に放たれた光の線を翼を翻しながら避けまくり回避する。


ビッ ビィイイーーーーー!

くっ!?

ライナは避けきれなかった一本の光の線を気を練り込んだ竜の手の甲で防ぐ。

ビィアアアアアア

光の線は気を練り込んだ手の甲にあたると拡散したかのように分散し地面に突き刺さる。


ドパッ ドパッ ドパッ ドパッ ドパッ

光の線が突き刺さった学園敷地の庭が蜂の巣ように穴だらけである。


やっぱレーザー、ビームじゃねえかよ!?。


予想通りこれは俺の世界にある兵器にも転用されたレーザー、ビームである。

ふざけるな!。ドラゴンがビームやレーザーまで使うのかよ。異世界の世界観をとことんぶち壊すなあ!。

ファンタジー世界でドラゴンがビームやレーザーを使うなど聞いたことがない。あるとしたらゲームのなかだけだ。確か昔プレイしたゲームタイトルにパァンツアードラ何たらというのがあったなあ。あれは確かにドラゴンがレーザー、ビームを放っていた


「くっ!これも防ぐのですの!。メリン!思う存分フラッシュゾイ・レイ(閃光の柱)を放ちなさい!。学園敷地がどうなろうと考えなくてもいいですわ!。今はただあの忌々しいノーマル種を地面に撃ち落とすのですわ!。」

『あ、はい、お嬢様·····。』


メリンは傍若無人な主人の行動に完全にもうあきらめお通夜状態である。


ビッビビィイイーーー!!

ひゅんひゅんひゅんひゅん


至高竜メリンから放たれた無数の光の線はまるでホーミングレーザーのように追尾して俺を狙ってくる。


「ら、ライナッ!?。」


俺の背でアイシャお嬢様は狼狽える。


ギャアガアギャアラギャアアガアギャアラギャアアガアギャアガアギャギャアラギャガアギャアギャアガアギャアギャ

(大丈夫です。アイシャお嬢様。止まるとターゲットにされます。今はただ逃げに徹して先にゴール地点に到着しましょう。)


アイシャお嬢様はこっくりと同意して頷く。

そのまま戦闘に持ち込んでも構わないが。あの至高竜メリンの放つビームやレーザーのようなスキル。多分このまま戦ったら学園敷地を破壊しまくって学園敷地に甚大な被害を与えるとおもう。そうなったらアイシャお嬢様にも迷惑がかかるし。それに家は貧乏だ。弁償するお金なんて払える訳がない。ならこのまま逃げに徹して全部の賠償をあのマーガレット・ベルジェインとかいう貴族の娘におっかぶせたほうが得策である。実質敷地を破壊しまくってるのは彼女だし。


ビイイィーー ひゅんひゅんひゅんひゅん

俺は放たれる光の線を竜の図体をくねらせて避けまくる。



「何故当たらないのですの!。当たれええ!当たれえ!当たってしまえええ!なのですわ!。」


マーガレットは後方でヒステリックまがいに叫び声をあげる。


俺は翼を扇ぎ先頭を突き進む。

ライナの飛行している場所が学園校舎建物の裏面を通りすぎ。三学年がいる左側面校舎建物までさしかかっていた。


「あれ?何かぴかぴか光ってる。」


三年令嬢生徒一人が一階の三学年専用の学食の窓際で塀の方で何か発光しているのを目撃する。

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