第162話玄関開けたら……絡まれる?
「ただいまーっ!」
「只今戻りました」
「帰ったのじゃっ!」
私とナゴタとナジメはレストエリアを設置してすぐさま帰ってきた。
あまり長居してもユーアたちが心配しそうだったから。
「おかえりなさいっ!スミカお姉ちゃんたちっ!」
「お、おかえりっ!さっさと座りなさいよっ!」
「ううん? あ、ああ、お帰りスミ姉ぇたち。ふあぁっ~」
そんな私たちを見て出迎えてくれる居残り組のユーアたち。
「どうしたの?ゴナタ。何か眠そうだね」
ユーアとラブナは快活に出迎えてくれたけど、ゴナタは何やら目を擦って眠そうだった。ハラミに寄りかかって気怠そうにしていた。
「あ、すいません、お姉さま。ゴナタは昨日の疲れがまだ取れないみたいなんです。いつも以上に能力を使ってしまったらしくて。お姉さまから頂いた全回復のお菓子も食したのですが……」
「ううん、それは仕方ないよ。後、謝らなくていいからね? ゴナタもそうだけど、ナゴタも頑張ったんだから。きっと気が抜けちゃったんだよ」
申し訳なさそうに私を見るナゴタにそう告げる。
『きっと精神的なものだね。色々神経使ってたから尚更だよ。さすがにレーションでも回復しないからね、少し気晴らしが必要なのかな?二人には』
私はリーダーとしても姉と呼ぶ皆の事を一番に考えないといけないのだ。
「あ、あのスミカお姉ちゃん。孤児院ってどうなったの?」
「そ、そうよスミ姉ぇっ!ナジメを連れてさっさと外に行っちゃうから、気になってユーアと話してたんだからねっ!」
ナゴタとの話が終わったとみるや否や、そわそわしていたユーアとラブナが私とナジメに詰め寄ってくる。やはり二人とも孤児院の件は気になっていたようだ。
「え―とね、孤児院は取り壊して新しくなったんだよ。うん?じゃなくて、これから新しく建て替える予定だよ」
一応今は、私の小隊規模のレストエリアになっているけど、約1か月後には返してもらう予定だ。孤児院が建て替えられたら。
「え? もうなくなっちゃったの? 新しくなったのに予定って??」
「取り壊した? さっき出て行ったばかりで? 一体どうなってんのよっ!?意味がわからないわよっ!」
私の話を聞いた二人は目を丸くして混乱する。
そりゃそうだよね?
私たちが出て行ったと思ったら、もう取り壊して新しくなってるとか、これから建て替えるってな話だし。私じゃなくても困惑する話だ。
「ごめんごめん、新しくなったてのは私の家を代わりに設置してあるからだよ」
とユーアを撫でながらラブナにも説明する。少し説明が足らなかった。
「へっ? も、もしかしてスミカお姉ちゃんが持ってる快適お家ですかっ!?」
「はぁ? ス、スミ姉ぇっ!まだこんなヤバい家持ってたのっ!?」
「う、うんまぁ一応は……」
二人更に食い気味に質問を浴びせてくる。
私は若干押され気味に返答する。
「で、でも孤児院の子はいっぱいいるんだよっ?このお家じゃみんな住めないよね?どうしちゃったの?」
「そ、そうよっ!精々住めたって10人くらいでしょっ? 残りの子供達はっ!?」
「わ、わ、ちょっと待って二人ともっ! お家は60人は住めるくらいの大きいのだよっ!それと子供たちは今はいないんだよっ」
「ええっ! い、いないって何処にいるの?スミカお姉ちゃんっ!」
「ちょっと、スミ姉ぇっ!一体どこに連れて行ったのよっ!」
ユーアとラブナは両脇から私に抱き着き、追加で質問を浴びせかけてくる。
『ど、どれだけ孤児院の子たちを大事にしてるの?ふたりともっ!』
「うわわっ」
私はそんな二人にグイグイと押されながら、壁際まで追いやられる。
「ちょっと落ち着くのじゃ二人ともっ!ねぇねも困っておろう?孤児院の子たちの事はわしから説明するから、ねぇねを開放してやってくれなのじゃっ!」
とそんな私に見かねてナジメが助け船を出してくれたが、
「ナジメちゃんが知ってるんだね? それと『ねぇね』って何?」
「ナジメが保護してるって事っ!? それと『ねぇね』って何よっ!」
「やはり私の聞き間違えじゃなかったです?『ねぇね』って何の事でしょう?」
「ナジメっ! いつの間に『ねぇね』何て呼んでいるんだいっ!?」
「な、なんじゃあっ!!」
その場を更に掻き混ぜる結果になるのだった。
■ □ ■ □ ■ □ ■ □
「ナジメとの戦闘中にレベルアップしたたスキルの詳細だよっ!」
防具スキル
LV.5
最大数 10
距離 0-50M
大きさ 0.1-50M(展開後に変更可)
形状 図形(展開後に変更可)
色 自由
重量 0ー100t(展開後に変更可。振り分け可)
※カッコ内と重量がUP。
「最大数と距離が上がって欲しかったんだけど、残念ながら今回はダメだったんだよ。でも大きさと形状を展開した後で変えられるのと、重量が1機単位じゃなくなって合計になったのは面白いよ。これでも十分使い幅が広がったと思うよ」
追加能力
連結 透明壁スキル同士を連結する事が可能。
湾曲 図形の形状のまま、ある程度湾曲可能(180度可)
「う~ん、どうなんだろうね?これは。戦闘に使えるかどうかはまだ想像できないな?でも発想と訓練次第では使えそう。 かな?」
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