第70話スミカのお仕置きタイム




※今話もユーア視点のお話になります。

※性的な表現と残酷な表現が少しあります。





「うん、だって、あの姉妹連れてきたのは、私だもん」


 スミカお姉ちゃんは、何でもない事のようにそう言いました。



「えええっ!!」

「な、なんだとォッ!!」

「ええっ! それは一体どうしてっ!!」


 それを聞いたボクたち三人は、びっくりして大きな声が出てしまいました。


「まあ、それはおいおい話すから今は少し待ってて、先にやる事あるから」


 そう言ってスミカお姉ちゃんは、まだ倒れている双子の姉妹のナゴタさんとゴナタさんの所に向かって歩いていきます。


 そして目の前で立ち止まり


「私、お風呂入る前にあなたたち姉妹に、大人しくしててって言ったよね? なんでこんな事になってんの? まぁルーギルとクレハンはいいとして、妹のユーアにも手を出したでしょう。どうなの?」


「って、オイッ!」

「えええっ!」


 腰に手を当てて、怒ってるように、まだ地面に倒れている双子のナゴタさんとゴナタさんに声を掛けています。



「す、すいませんスミカお姉さまっ! ちょっと昔の癖といいますか、ルーギル達を見てたら、試してやろうと思っちゃいまして、つい。だからそのぉ、許してくださいっ!!」


「スミカ姉もうやらないよっ! だから怒んないでくれよぉ!」


 スミカお姉ちゃんにそう言われた二人は、ボロボロの体で「シュッ」と礼儀正しく座り直して謝っていました。



「スミカお姉ちゃん、いったい何したの?」

「な、なんだあれ、なんであの問題児の二人が嬢ちゃんに頭下げてんだァ?」

「…………さぁ、わたしには見当もつきませんよ」


 本当に夜のうちに何をしたんだろう。

 スミカお姉ちゃんは……。



「違うよ。そんな事を聞いてるんじゃないの。私のユーアに手を出したかどうか聞いているの?」

 

 更にスミカお姉ちゃんのお叱りは続きます。

 あんな強くて怖かった二人に、スミカお姉ちゃんはまだ怒っています。



「んんっどうなの? 手を出したよね? それの返答次第じゃ……って言っても、ユーアに直接聞けばいいんだけど、それじゃ反省できないし。やっぱり本人の口から話してくれないとね」


 ジロリと、薄い目になって睨んでいます。


「え、そ、それは、その………………」

「や、やってないですっ! ナゴ姉ちゃんとワタシはルーギルとクレハンだけですっ!」


 お姉さんのナゴタさんは、ちょっと答えずらそうだったけど、妹のゴナタさんは「ガバっ」と顔を上げて、やってないって必死に叫んでいます。


「ふうん。そうなんだ。それじゃ違う質問するよ」


「は、はい、なんでしょうか、スミカお姉さまっ!」

「な、なんだい、スミカ姉っ!」


「どうだった?中々強かったでしょう?あの子は」


「はいっ! それはもう。あんな小さく可愛らしい姿なのに、短弓の腕前もそうですが、その気概にも強さを感じましたっ! まるでお姉さまのような…………はっ!?」


「そうなんだよっ! ワタシたちより小っちゃくて可愛いのに、凄い腕前と根性があるんだよっ! あの年であれならワタシたちも認めていいぜっ! まるでスミカ姉のように…………ああっ!?」


 スミカお姉ちゃんの質問に答え終えた二人は、そう言って、最後に慌てて口を塞いでいました。


 『あちゃ~』て顔をしていました。



 それを聞いて、スミカお姉ちゃんは、


「はあ、やっぱり手を出してるじゃない。てか、私が顔出した時、そんな雰囲気だからそうだと思った。でもいくら戦闘好きなあなたたち姉妹でも、まさか子供には手を出さないと思ってたのに残念だよ。まあ、でもユーアを認めてくれたのは嬉しいかな」


「で、ですよね? 強かったですよあの子っ! さすがお姉さまのお連れの方ですっ!」

「そうだぜっ! 強かったからワタシたちはケガをさせなかったんだぜっ! な、だから許してくれよ、スミカ姉っ!」


 もう泣きそうなほど二人は必死に言い訳をしています。

 

 でも


「それとこれとは、話は別だから。約束通りに『お仕置き』するから」


 それを聞いた二人は、


 シュッ


 お姉さんのナゴタさんは、体が一瞬光ったと思ったら、


「ちょ、ちょっと、ナゴ姉ちゃんだけ逃げるなんてズルいっ!」


 妹のゴナタさんを置いて、消えていなくなりました。


「無駄だよ」


 それを見て、スミカお姉ちゃんがそう言った時、


 ゴンッ


「ぎゃっ!」


 森に向かうところで、何かにぶつかって倒れていました。

 きっとスミカお姉ちゃんの魔法の壁です。


 スミカお姉ちゃんは倒れたナゴタさんに向かって歩いていきます。


 そしてその手にはゴナタさんが、首の裏を掴まれて引きずられていきます。そのゴナタさんの表情は、なにか諦めたような感じの顔でした。



「ど、どうかお姉さまお許しくださいっ! ほんの出来心ですっ! だから、あの『お仕置き』だけは勘弁してくださいっ!」


 お祈りするみたいに、手を合わせて泣きそうな表情で謝ってます。

 あれ? よく見たらもう泣いていました。



「ダメだね。私のユーアに手を出したんだから、お仕置きは決定事項だよ。それにあなたたち姉妹のしつけもキチンとしないとね」


 そう言って、スミカお姉ちゃんは、諦めた表情の妹のゴナタさんを泣いているお姉さんのナゴタさんの隣に並ばせます。


 そして二人の地面が、黒いもので浮き上がりました。


 だいたいスミカお姉ちゃんの腰のあたりの高さです。

 地面が浮いてきたのはスミカお姉ちゃんの魔法みたいです。



「それじゃ、こっちにお尻を向けて、うつ伏せになって」


「あああああっ~~!」

「…………………」


 お姉さんのナゴタさんは何か震えながらに。

 ゴナタさんは虚ろな表情でスミカお姉ちゃんの言葉に従います。


 「コロンっ」となってお尻を向けているその二人に上に、横に長い黒い壁が出てきて、二人を屋台で売っているサンドイッチのように「ズシン」と挟みました。


「~~~~~~っ!」

「………………」


 そしてスミカお姉ちゃんは、お尻を向けている二人の後ろに座ったと思ったら、スカートとズボンをペロンと足元まで捲りました。


 それで二人ともお尻が丸出しになっちゃいました。

 きれいな丸いお尻でした。



「それじゃ覚悟はいいね。今回はユーアに手を出したから『20発』ね」


 そう言ったスミカお姉ちゃんの手には、丸い棒が握られていました。魔法で作ったんでしょうか?


 そしてその棒を二人のお尻に向かって振りかぶります。


「まずは、1発目ね」

 

「20発ぅっ! いやぁぁっ!! 『お仕置き』恐いですっ!!」

「……………………」


 ヒュンッ

 バチ――――ンッ!


「い、いたぁいぃ~っ! 痛いですっ! スミカ姉さまっ!!」

「………………!!!!」


「当たり前でしょう、痛いのは? あなたたち姉妹が、私との約束破ったんだから。そのお仕置きなんだよ。それじゃ2発目いくよ」


 ヒュンッ

 バチ――――ンッ!


「いたいっ! もうやめてくださいっ! 許してくださいっ!!」

「いだいっ! いだいっ!!」


 最初は、何か諦めたように大人しかった妹のゴナタさんも、2回目はガマンできなくなって、泣きながら叫んでいました。


 二人とも、もうボロボロと泣きじゃくっていました。


「3発目」


 ヒュンッ

 バチ――――ンッ!


「も、も、も、もうしませんからっ! お尻がお尻がぁっ!!」

「いだいっ! いだいっ! いだいっ! お仕置き痛いよっ!!」


「4発目」


 ヒュンッ

 バチ――――ンッ!


「も、も、もう、感覚がぁ……」

「あああっ」


「5発目」


 ヒュンッ

 バチ――――ンッ!


「い、いたい、けど……あれ?」

「あああっ……え!?」


「6発目」


 バチ――――ンッ!


「いっ…………たい?」

「………………!?」


「7発目」「8発目」「9」「10」11.12.――――



 スミカお姉ちゃんが『お仕置き』と言ったお尻たたきは続いていきます。


 最初の頃は、痛がっていた二人でしたが、どんどん叩かれているうちに、静かになっていきました。


 そして「ハァハァ」と痛みのせいで息が乱れていました。

 その音が森の中に響いていました。


 

「なんだァこれ?」

「さあ…………」


 それを黙って見ていたルーギルさんとクレハンさんは

 不思議そうに見守っています。


「やっぱ嬢ちゃんの逆鱗には絶対に触れねえことだッ! 俺らもああなるぜッ!」


「そ、そうですねっ! 帰ったら再度通達を早急に出しておきましょうっ!」


 そんな事をヒソヒソと話していました。



「ス、スミカお姉ちゃんっ! もう許してあげようよぉ! 二人とも、もう反省してるよぉ!」


 ボクは、なんか可哀想になって、スミカお姉ちゃんに抱き着いて止めます。もうお尻が大変な事になっています。二つが一つに。


「そう? ユーアがそう言うならもう許してあげようかな」


 と言って、持っていた丸い棒も

 ナゴタさんたちの上の壁も無くしてくれました。


「うん、ありがとうスミカお姉ちゃんっ! でも――――」


 スミカお姉ちゃんにお礼を言って、まだお尻丸出しの二人を見てみます。


 二人は息も乱れて顔も赤くなって、「ハァハァ」としています。

 そのお尻は見た事もないほど真っ赤になっていました。



「ああ大丈夫。それはリカバリーポーションで治してあげるから、ユーアは心配しないでいいよ」


 お尻を見ていたボクに気付いて、スミカお姉ちゃんはそう言ってくれました。


 そして


「それとごめんねユーア。 勝手にいなくなって危ない目に合わせて」

「うん。ちょっとびっくりしたけど、どうしていなくなったの?」


「それは、もう少し落ち着いてから話すね。ユーア悪いけど、この二人を治しておいてくれるかな? 私、急いできちゃったから髪を乾かしてこなかったんだよね」


 そうして二つのお薬を渡してくれました。


「ルーギルたちは、前に渡したのが残っている筈だから、あっちは自分たちで治させて。それじゃよろしくね」


 そうお家に入っていきました。


「はいっ! わかりましたっ!!」


 スミカお姉ちゃんに返事をして、お尻の赤い二人に向かっていきます。

 ちょっとだけ虚ろな目になって、赤いお顔でぶつぶつ何か言っています。


「………………?」


 もうこれじゃ暴れたりしないよね?

 

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