第62話SS美少女×少女×幼女=お風呂?


 今回は本編より少し離れたお話です。



 大豆工房サリューの一人娘のメルウちゃん(9)が、

 父にお使いを頼まれて、澄香たちの所に商品を届けに行きます。


 そこで見たものと、幼い少女が体験した、ある出来事とは…………



 ※少女同士のいちゃいちゃがあります。

 ※少し性的な表現があります。


 いずれも苦手な方は、ご遠慮くださいますようお願いいたします。






「おうっ! メルウ、悪いが、これをスミカさんたちに届けてくれねえかぁ?」


 今日も大繁盛だった、お父さんのお店の『大豆屋工房サリュー』

 スミカお姉さんとユーアお姉さんに助けてもらってから、ずっと忙しいの。

 

「はいなのっ!」


 その一人娘のわたしメルウは、

 お店のお片付けをしていると、お父さんにお願いされたの。



「メルウは確か、スミカさんたちが何処に住んでいるかわかるんだろう? 毎回取りに来てもらうのも悪いから、今日は届けてやりたいと思ってな」


「うん、いいの。それじゃこれから行ってくるの。帰りは暗くなちゃうかもだから、先にご飯は食べててなの。もしかしたら、またご馳走になっちゃうかもだから」


「おうっ! わかった、よろしくなっ!」

「うん」


 片付けをお父さんに任せて、わたしはお店を後にしたの。



「スミカお姉さんも、ユーアお姉さんも、喜んでくれるかな? わたしがいきなり来てびっくりしないかなっ!」


 ここから、街のはずれのスミカお姉さんの家までは10分くらいなの。

 ガラガラとお味噌の乗ってる台車を引きながら、ニヤニヤしちゃうの。


「♪♪」


 だっていきなり行って、驚く二人のお姉さんの顔を見るのが楽しみなんだもん。



 それが、あんな事になるなんて――――







「ユーア、もうお風呂入っちゃおうか?」


 私たちは一つの依頼を終えて、レストエリアに帰ってきて早々にそう声を掛けた。

 私は装備のせいで大丈夫だったけど、ユーアの髪の毛も手足も汚れていたからだ。


「うん、スミカお姉ちゃんっ!!」


 ユーアはそのままの格好で、タタタっと洗面所に向かって駆けていく。


「ちょっと、ユーア。汚れが家の中に落ちちゃうから、走らないでっ!」


 そう注意しながら、私もユーアの後を追って駆けていく。



――――


「ほうら、捕まえたっ!」


 ギュッ


「きゃっ!?」


 洗面所に先に行ったユーアが、ちょうど服を捲り上げて、顔で引っ掛かっているタイミングで、その白く小さい上半身に抱き着く。



「もう、スミカお姉ちゃんっ! くすぐったいよぉ~っ!」


 そんな可愛らしい声を上げるユーアに、私は更に、


「むふふっ。スベスベでツルツルだねっ! さすが若い体はいいねえっ!」


 胸やお腹に顔をべったりと付けて、ユーアの体の温もりを堪能していく。




※※



「さあ、着いたの。ここなの。あれれ?」



 孤児院の裏の雑木林に着いたわたしは、いつもと違う様子に驚くの。

 いつもは見えない筈のお家が見えたからなの。



「あれ? 今日はなんで隠れてないの。忘れちゃったのかな?」

 

 普段なら声を掛けて家の中に入れてもらうのに…… 

 なんでだろう?



「とりあえず、荷物を持っていくのっ!」


 荷台から小さい壺に入ったお味噌を持って、お家に近付くの。



 すると今度は――――



「あれ? 今度は扉も空いてるの? でもスミカお姉さん、わたしは『登録』したって言ってたから大丈夫なの」


 お味噌の入った壺を抱えて、家の中に入っていくの。



「本当に不思議な家なの。見たことないものが一杯あるの」


 明るい家の中を見渡しながら歩いていくの。


 白い冷える箱や、お水が出る鉄の筒。

 火が無くてもお料理が出来るテーブル。


 本当に不思議なものがたくさんあるの。

 


((もう、スミカお姉ちゃんっ!))

((ここか、ここがええのんかぁ?))



 なんて、キョロキョロと色んなものを見ていると、奥の部屋から声が聞こえたの。



「あっ! この声はスミカお姉さんとユーアお姉さんなのっ!」


 二人の声が聞こえた部屋に向かって行くの。

 

 

 そこには――――



「く、くふふっ、スミカお姉ちゃんっ! もう前が見えないよぉ! そ、それにくすぐったいよぉ~! あははっ!」


 素晴らしい反応を見せるユーア。


『うふふ』


 そんなユーアの反応が、面白&可愛くて、更に意地悪したくなる。


「はぁ、はぁ、ここか? ここがええのんかぁっ~」

「あははっ! もうやめてよ、スミカお姉ちゃんっ! じゃないとボク―――」

「ん?」

「ボ、ボクも仕返しするぞっ!」

「えっ!?」


 ユーアは頭に引っ掛かっていた服を脱ぎ棄て、私の服を捲り上げる。

 しかもちょうど顔の辺りで止めるから、まるで目隠しされてるみたいだ。



「ちょ、ユーアっ! 前が見えないし危ないっ! このぉ~っ! 今度は私の番だっ!」


 途中で引っ掛かっていた服を、無理やり脱ぎすて攻勢にでる。


「え、スミカお姉ちゃんだけずるいっ! 次はボクの番だったよっ!」

「ふふふ、甘い甘い。戦場ではやるかやられるかだからねっ!」


 そう、意味不明な事を言って、今度は両手を使ってサワサワする。



「ほら、脇でしょう? ユーアの弱い所は。もう降参したら?」


 小さく細い体のいたるところをムニムニサワサワしていく。

 特に脇は弱点だから念入りに。



「ぎゃははははっ! ス、スミカお姉ちゃんっ! ボク、わきはぁ!」

「参ったかっ! 弱点を責めるのは戦闘の基本だからね。さあ、お姉ちゃんに参ったしなさい」

「ボ、ボクだって、いつも負けてばかりじゃっ!」


 ユーアは半狂乱になりながらも、それでも手を伸ばし反撃してくる。


「えっ!? ちょ、ユーア、そこはダメだよ~っ! わきゃぁ~っ!」


 予想もしなかった反撃に、私は思わず変な声を上げてしまう。



 そ、そこは~~~~っ!!



「な、なにしてるの? 二人とも……」


 ピタッ


「えっ!?」

「はっ!?」


 突然聞こえた第三者の声に、私とユーアは正気に戻る。

 するとそこにいたのは、メルウちゃんだった。



「ね、ねえ。スミカお姉ちゃんとユーアお姉さんは何してるの?」


「~~~~~~っ!?」

「…………お風呂だよ」

「え?」


 ユーアが驚いて固まってるので、私がメルウちゃんに答える。



「お、お風呂入ろうと服を脱がしてただけだよ? それよりメルウちゃんは?」

「二人とも服は脱げてたの。でも裸でくっついてたの。なんでなの?」

「な、なんでって、それは――――」


「メルウちゃん聞いてっ! あのね、スミカお姉ちゃんがっ!」

「あ、ちょっとユーアっ! そんな事他の人に言ったら、私が変な人に…………」

 

 思われるじゃない。


 と、言いたかったがやめた。

 これ以上の言い訳しても埒が明かないからだ。


『み、見られたものは仕方ない。ならメルウちゃんもいっその事…………』



 同罪にしてやろう。



 私はそう決断し、両手をわきわきさせながら近づいていく。


 グフフ――――



「ちょ、スミカお姉さんっ! 目が怖いのっ! それにその手はなんなのっ!」


 悪い笑みを浮かべる私を見て、涙目で後ずさりする。

 私はジリジリと追い詰めていく。


「あっ!」


 扉にぶつかり、短い悲鳴を上げるメルウちゃん。

 そもそも私から逃げられるはずがない。



「ひゃははっ! お前もやっちまうぜっ! 覚悟しろやぁっ!」

「きゃぁっ!」


 動きの止まったメルウちゃんに接近し、服を剥ぎ取り、

 そしてひょいと持ち上げてお風呂場に連れ込む。


「あ、あれ~っ! やめてなのっ! 服を脱がせないでなのぉ! こ、今度はどこいくのっ! ちょっと濡らさないでなのぉっ!」


 お湯をかけられ、悲鳴を上げるメルウちゃんを見て、ユーアに目配せする。


 するとユーアはコクンと頷き、メルウちゃんに近付き、 


「メルウちゃん、ここ気持ちいいよね? ボクもやってもらうの好きなんだっ! だからボクがスミカお姉ちゃんの代わりにしてあげるねっ!」


 私の期待通りに、メルウちゃんを襲うユーア。

 姉妹だけあって、意思疎通はお手の物だ。



「なんでユーアお姉さんもっ! あ、そこはダメなのっ! スミカお姉さんもっ!」


「メルウ、観念して力抜きなよ。すぐに終わるから」

「そうだよ、メルウちゃん。この後で生まれ変わるからね」


「ああんっ!?」


「よしっ! 次にユーアは上を頼むよ。私は下から攻めるから」

「うんっわかった、スミカお姉ちゃんっ! 上は任せてっ!」


 更なる追撃の指示にもユーアもノリノリだった。

 きっとメルウちゃんの反応に楽しくなってきたんだろう。


 そんな私たち姉妹の攻撃に、涙目のメルウちゃんは……



「い、いや~っ! こんなのっはじめてなのぉ! わたしの体がわたしじゃないみたいなのぉ~~~~!」


 歓喜にも絶叫にも似た悲鳴を上げるのだった。



「ふふんっ!」

 よし、これで同罪だっ!





「ふわぁ~~ なの」


 わたしは生まれ変わったの。

 お姉さん二人に隅々まで洗われて。


 全身が、つやつや、ぴかぴか、さらさらになっていたの。

 本当に生まれ変わったかのようだったの。



「す、凄いの、こんなにすべすべなの。初めてなの…………」


 自分の腕や足に触ってそう感動したの。

 髪も信じられないぐらいさらさらだったの。



「ねえ、だから言ったでしょ? メルウちゃん。スミカお姉ちゃんの、しゃんぷーや、ぼでぃそーぷは凄いんだよっ! ボクもやってもらってるからねっ!」

「更に可愛くなったね。もうお客さんが黙っていないよ」


 驚いているわたしに、二人のお姉さんにそう言ってくれたの。

 

 だから、


「ありがとうなのっ! これもスミカお姉さんとユーアお姉さんのおかげなのっ! もう癖になっちゃうのっ!」


 玄関先まで送ってくれたお姉さんにお礼を言うの。

 しかも美味しいご飯までご馳走してくれたの。


「ならいつでもいいから、また来なよ。更に綺麗にしてあげるから」

「うん、ボクもまた頑張るね、メルウちゃんっ!」


「それじゃ、お味噌はここに置いて行くの。また来るのっ!」


「またね、メルウちゃん!」

「今度はお店に行くよ。マズナさんにもよろしく言っておいて」


「はいなのっ!」


 そうしてわたしは二人のお姉さんと別れたの。



――


「ご飯もごちそうになって、遅くなっちゃったの」


 お父さん心配してるかもとも思い、少し急いで家に向かうの。



「おうっ! 帰ったかメルウよ。配達ありがとなっ! んん? なんかいい匂いしないか? それに全身綺麗になってねえか? スミカさんの所で何かあったのか?」


「え?」


 帰って来たわたしを見て、ちょっと驚いてるお父さん。

 不思議そうな顔でわたしを見てるの。



 そんなお父さんに、訳を話そうとするんだけど――――



「う、ううん、なんでもないの。ご飯は食べてきたから、だ、大丈夫なの」

「そうか? なんか顔も赤いが平気なのか?」

「は、走ってきたから、それでだと思うの。大丈夫なのっ!」

「う~ん、ならいいんだが……」

「それじゃ、明日も早いから、わたしは寝るのっ! お休みなさいなの」

「お、おうっ!」


 首を傾げるお父さんにそう言って、急いで自分の部屋に入るの。


 だって本当の事を話したかったけど、


「うう~」


 あの事を思い出すと、顔が熱くなって、なんか恥ずかしくて言えなかったんだもん。きれいになったのに、なぜかイケない事をしたみたいで。


 それでも、


「次の配達はいつになるのかなっ!」


 さっき会ったばかりなのにもう楽しみにしてるの。


 だってまた二人のお姉さんにきれいにして欲しいから。


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