消失
消えたいと望む
それは
存在している証
忘れたいと望む
それは
記憶ができる裏返し
本当に消えていく瞬間
消えたくなくて
この世から去ることが
悲しくて切なくて
泣いてしまうだろう
私を忘れていく家族をみて
記憶は永遠ではなくて
望まなくても消えていくから
その儚さに私の存在さえ簡単にゆらぐ
この文字さえも
プラットホームとともに
デリートされて失われる
この世に
確かに残るものなど
何もない
人生の最期は
私は苦しんで逝く
私にもっと知識があれば
私がもっと共感性があれば
病床の兄に辛く痛い思いを
させずに済んだのだ
何も返せないまま
こぼれ落ちていく命
生きて欲しくて
抗ってくれと願ってしまった
この深い業は
今生の我が身で受け
ともに消し去りましょう
来世には
私はなく業もなく
皆が幸せに生きれるように
皆が幸せになりますように
笑って過ごして欲しいのです
乱反射~わたし定まらない心の欠片 紫夜 @ru-sha
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。乱反射~わたし定まらない心の欠片の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます