256話 会議は踊るっ?されど進まずっ?けれどもみんな集まれば、其処はお祭り騒ぎの東京サミットっ!! 3

 アースティア暦 1000年・西暦2030年・8月14日・午後17時17分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・関東地方・東京都・千代田区・皇居・豊明殿にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 先ず最初に現れたのは、コヨミ皇国である。


 日本国の隣国であり、この度の東京サミット開催と成った切っ掛けの国である。


 2台の黒塗りの公用車から暦力仁国皇と暦葛葉皇后の夫妻と暦鷹仁と暦雪仁の皇子二人が現れ、紅葉は両親の乗って居る公用車から降りて現れた。


前列の公用車は、暦力仁国皇と暦葛葉皇后の夫妻と紅葉で、後列の公用車からは、暦鷹仁と暦雪仁の皇子二人が乗って居た。


 因み日本国内では、コヨミ皇国の皇室関係者に付いても、既に紹介されており、皇子二人の他に、紅葉の妹が二人居て、その皇女である清香と麻衣の二人は、近い将来に起こるかも知れない政争や戦災を避ける為に、コヨミ皇国系の商家に養子に出されて、南方亜人地域に戦時疎開されて居るとして居た。


 これはマスコミ各社対策として、意図的に二人の存在を隠し、日本国内に居る事は、公然の秘密され、顔写真は、既に東京サミットが始まる以前の時点で、皇室人では無く成って居る事から、日本と地球系転移諸国内の報道では、一般人で在る事や素顔はプライバシーを守る為と言う理由から、非公開とされて居た。


 まぁ、この二人の顔写真は撮られては居ないし、日本を含めた地球系転移諸国がアースティア世界へと転移しなかったら写真事態が無いので、コヨミ皇国を含めて、それほど多く民衆が皇女である清香と麻衣の二人の素顔を知る者は限られて居るので、先ずその素顔を知る事は不可能であると言えるだろう。


 紅葉は顔を割れては居るが、取材許可が下りないと護衛を請け負って居る警察が、公務執行妨害を含めた複数の法律を理由に、逮捕するとマスコミ各社に通知をされて居るので、パパラッチをすると、人生の破滅を迎えかねない為、紅葉への取材は、コヨミ皇国大使と大使館に常駐して居る外交官に、頼み込むしかなかった。


 因みに紅葉が群馬県・霧野市や福岡県・福岡市に滞在をして居る事は、隠しては居ないが、アポ無しで取材をしようとすれば、高見家が安元政権の関係者家族と言う理由も併せて、高見家を警備して居る警察官に差し止めを喰らう事に成る。


 その高見家の在る高見山一帯には、臨時交番が四方に目を光らせて居て、冷暖房設備の整った仮設式交番が近隣の空き地を借りたり、高見家の敷地内ギリギリの場所に建てられて居た。 


 今の所は、高見家の旧宅も含めて無理やりな潜入を試みる不届き者は居らず、警察官は、霧野警察署に臨時警備隊課を本拠地にしながら、厳重な警備体制を敷いて、高見家と紅葉を含めたコヨミ皇族の警護に当たって居た。


 そんなコヨミ皇国の皇室一行をまじかに見える位置にカメラを構えて居る朝日奈放送のテレビ中継カメラと、女性ニュースレポーターは、そんな様子をレポートする。


「日本がアースティア世界で初の接触と成ったコヨミ皇国。その皇室の皆様が参られた様です。」


「先ずは国皇夫妻と皇子殿下二人の来場です。」


「此方を向いて居らますっ!!鷹仁殿下と雪仁殿下は、にこやかに新聞社のカメラとテレビニュースのテレビカメラに向かって、笑顔での応対をされて居ます。」


「皇子殿下のお二人は、何方もカッコイイ!!イケメンですねっ!!」


「これは人気が出そうな風貌の顔付きをして居られます。」とレポートすると、テレビニュースを見て居た女性達が、ス〇イル〇ッ〇(旧ジ○ニー○事務所)の所属だったタレント並みくらいの顔立ちをしたイケメン顔に、一斉に見惚れてしまう。


「それに・・・・・紅葉殿下が二人?・・・・では無く、皇后陛下で有らせられる葛葉皇后陛下の様です。」


「何方もお綺麗ですね。」


 紅葉の母である葛葉皇后の顔立ちが、来日したばかりの頃の写真等で紹介されて居た、紅葉の顔立ちとそっくりそのままであった為、女性レポーターは思わず双子の姉妹では無いのか?と勘違いをしてしまう所であった。



 そんな様子が中継レポートされる中で、コヨミ皇国の皇族御一家は、象徴天皇制の国家元首として、天皇陛下と皇后陛下らに挨拶を交わし、続いて総理大臣である安元総理と外務大臣である諏訪部外務大臣とも挨拶を交わす。


「ようこそ御出で下さいました。」と竜史も出迎えの挨拶を交わす。


「・・・と言うのも変ですね。」


「そうね。竜史くんとは、ここ最近の間に何度も会って居る物ね。」と葛葉は、ニコニコ笑顔で答えた。


「お母様っ!!ふざけて居られないで、後が閊えて居ますから、早く行きましょう。」と紅葉は言う。


「それと竜史っ!!!馬子にも衣裳と言う言葉の真意を後で聞かせて貰うわねっ!!」と紅葉は、鬼の形相で竜史の事を睨み付けた。


「くくくくくっ!!迂闊な事を想うからだ。」


「竜史、頑張ってな。」


 皇子の二人は、妹達に苦慮して居る新しい弟を見るかの様な苦笑交じりの顔つきで、その場から立ち去って行く。


 その苦笑交じりの顔付きは、新しい弟に成るかも知れないと見て居る竜史への皮肉でも有ったりするからだった。


 竜史が怒らせてしまった紅葉は、この日に合わせて、自国の民族衣装風と言うか、和服に近い晴れ着姿で晩餐会にやって来て居るので、少しは褒めても良いのにと頬を膨らませても居るのだ。


「竜史くん。これからが大変だ。頑張りなさい。」と激励の言葉を軽くかけた鷹仁は、静かにその場を後にする。


「うっわー、やり辛いのは分かっては居るけれど、紅葉さんは、何であんなにも、口が膨れ上がって居るんだ?」と竜史は、変な所でラノベやラブコメ主人公みたいなド天然な性格をして居るのであった。


 まぁ、これも二人が結ばれるまでのお約束と言う奴なので、如何にも成らないと言う奴なのだろう。




 アースティア暦 1000年・西暦2030年・8月14日・午後17時25分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・関東地方・東京都・千代田区・皇居・豊明殿にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 東京サミットの開催に合わせて、アースティア世界国家群と地球系国家群から来日した国家元首と使節団達を皇居に招き、宮中晩餐会が模様される。


 天皇陛下を始めとする皇族の方々と安元総理に加え、諏訪部外務大臣、そして場違いにも程があると愚痴って居る高見竜史交援省大臣が、晩餐会に招待された各国の要人を出迎えるべく、豊明殿の玄関口にて出迎え居た。



 日本国の隣国であり、この度の東京サミット開催と成った切っ掛けの国であるコヨミ皇国の皇室一家とコヨミ皇国政府要人一行を見送ると、続いてのご来賓の皆様が現れて行く。



 続いて現れたのは、ドラグリア白龍大帝国の白龍大帝、エリノア・ホワイト・ドラグリアが、少ない供回りと、親友であり、ドラグリア白龍大帝国軍・統合将軍であるユキカゼ・コーキン。 


 ドラグリア白龍大帝国・帝立学院博士のミナワ・ミゴットと言った少数精鋭の政府要人と供に、宮中晩餐会へと参列する。


 まぁ、人間族を始めとする短命又は長命種で、人海戦術を要する作業を要するヒト族とは違い、長生きする種族と言うのは、それなりに自己完結が得意なので、政務活動に多くの人員を導入するような無駄は無いし、必要に応じて人員を振り分けるだけの余裕な考えと体制を持って居るのだ。



 それに大帝たるエリンの性格は、自由奔放で唯我独尊、何をやるのにも気まぐれで、興味を持ったら、それに向かってまっしぐらな性格・・・と言うよりも、我侭である物の、年長者らしく目下の者達を気に掛ける一面も有る人物。


 そんな性格をして居るが、至って政治家としての一面では、実にマトモで、一人でバリバリと公務をこなす才女でも有るのだった。


 そん訳で、本国の事を宰相であるドラグリア白龍大帝国のヒロケン・ホンダナに任せ・・・・又は丸投げとも言うが、彼女は外遊活動に専念する事に成った・・・・と言うか、彼女の家臣団からは、やれと言われて居る。


 そんなエリンは、引き連れて来た部下たちと供に、竜人たちの待って居る豊明殿の玄関口にて出迎え居た。


 その姿は、普段から取って居る魔力省エネを目的とした、12,3歳の140センチくらいの背丈の低い幼女の姿では無く。


 真の姿である20代くらいの絶世の美女で、 170センチの背丈に、銀髪ロングヘア、プルンと揺れる豊満で豊かなバスト、白いドレスを見に纏って居た姿をして居た。


 

 エリンは、象徴天皇制の国家元首として、出迎えに参列して居た、天皇陛下と皇后陛下らに挨拶を交わし、軽く談笑する。


 この時、天皇皇后両陛下らは、初めて亜人族と対面での言葉を交わされ、とても600歳には見えず、人間とは何ら変わらないと言う事に、大いに関心を為され、エリンの博識ぶりにも感心して居られたと言う記録が、この時に立ち会って居た、宮内庁職員が残した回顧録に残って居る。 


 エリンが天皇皇后両陛下らとの挨拶を終えると、続いて総理大臣である安元総理と外務大臣である諏訪部外務大臣とも挨拶を交わす。


「エリン陛下。ようこそっ!!日本国へっ!!」


「暫く世話に成るぞ、二人供。」


「ささ、中へ・・・・」


「諏訪部。」


「はい?」


「飛び切り上等な、コレは在るかのう?」とコップ一杯を飲み干す仕草をするエリン。


「エリン陛下、それに付いての事で、我が国を舐めて貰って困ります。それはもう日本国中から搔き集た一品揃いですので、エリン陛下の舌を満足される事は間違い御座いませんっ!!」


「質と量は揃って居ますので、どうかご安心ください。」と諏訪部外務大臣は言い切った。


 それはとある世界の英雄王サーヴァントに向かって、宝物庫の武具の貯蔵は十分か?と、問うよう物言いでもある。


「そうかっ!!そうかっ!!それは楽しみだ。かかっ!!」


「それと・・・・・・」



「エリン陛下。初めまして、交援省大臣の高見竜史です。貴女に付いてのお話は、色々な方々から伺って居ます。」


「おう、小僧が噂の雑用大臣か?」


「はい。お呼びとあらば、即参上っ!!何でも御座れの雑用大臣の高見竜史です。」と、竜史は、1980年頃に制作されたウルフマークの必殺仕事人シリーズロボットアニメシリーズの様なセリフを何故か知って居たりする。



「かかかっ!!貴様は、己の分を分かって居る小生意気な輩か?」


「・・・・クンクン・・・ふむ。気に入った。その匂いと顔付き、覚えて置く。」


「それと、小生意気な星読みの巫女や弟子や、その他のガキどもに言うて置けっ!!」


「サミット開催期間中のに暇が有るなら、このエリンに顔を見せろとな。」


「あははは、伝えて置きます。」と、竜史は、エリンからの言伝を最近になって見知った知人達に伝える事を約束させられた。


 これがエリンと竜史との初めての出会いであり、対面して話した最初の一幕であるのだった。


 この縁が後に、末永い物に成ろうとは、この時の二人には、想像すら出来ない事なのであった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る