243話 こんにちは!こんにちはっ!異世界中の国々から~♪おいでませっ!ウエルカムっ!ようこそっ!ジャパンアイランドっ!! 9

 アースティア暦 1000年・西暦2030年・8月1日・午後20時未明頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・本州島・関東地方・東京都・某地区・東京スクープバンピシャリっ!!社現代スクープ編集部にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 東京サミットの開始が決まってからと言う物。


 マスコミ各社らは如何にかして、他者よりも逸早くスクープを報道しようと躍起に成って居た。


 空前絶後の天変地異たる転移災害に遭うと言う国難に措いて、東京サミットはその後のアースティア世界と地球系転移国家諸国と日本国の行く末を決めるでろ在ろう大事な国際大会議。


 マスコミ各社は、少しでも日本国政府との協定内の範囲で、スクープを手にしようとする動きは、それはもう苛烈を極めて居る様相を呈して居たと、後の歴史書は記されて居る。


 そんな中での日本国政府は、マスコミ各社に対して、報道の自由を見てめて居る物の。


 安全保障上と要人警護と邦人保護の理由から、情報統制協力をお願いして居た。


 事は要人の命と国家存亡の危機に関わる事だと言われると、流石のマスコミ各社でも、報道の自由を盾にした反論と言うのは、とても言い辛かった。


 その例えに、ウクライナ戦争でのウクライナ大統領の隠密外遊活動が挙げられて居た事も付け加えて置く。


 その代わりに、日本国政府は、東京サミット関連情報を出せる情報は小出しにしながら宥めると言う形で、お互いの立場を尊重しつつも、何んとか協調体制を取る事で両者が合意して居る。



 だが、そんな中でも、小さなマスコミ会社と言う組織は、大手には縛られない自由な行動を取る者も、少なからず居る。


 東京都・某地区に在ると言う東京スクープバンピシャリっ!!社は、インターネットの発達と共に急成長を遂げた、ゴシップ記事を書く事で有名な会社であり、ネット記事と週刊誌の販売で売り上げを上げて居た、マスコミの一社である。


 2010年代末期には、ネットを使った選挙戦略とマスコミ叩きで一躍有名と成った人物であり、フェイクニュース大統領として著名な人物で、アメリカ大統領を務めた人物でもある。


 レオナルド・ポーカー大統領と同じく、フェイクニュースを売りに爆発的な売り上げを伸ばして居る。


 そんなフェイクニュース雑誌として有名な東京スクープバンピシャリっ!!社は、黒い噂の絶えないと言う過激派平和反戦団体たる平和反戦団体ピース・シールドとも深い関わり合いを持って居た。


 平和反戦団体ピース・シールドは、転移災害で混乱して居る今こそ、平和一択の政策を打ち出すべきであると訴え、自由国民党・公明民権党から成る連立政権たる安元政権を打倒し、真の平和国家政権を樹立するべきであるとして、支持者達と国民達に広く訴えて居た。


 その裏では霊感商法・詐欺商法・強盗窃盗事件を立て続けに起こして、信者たちから金を巻き上げ、それらの事は何も知らないと嘯く事でも有名な詐欺宗教団体である地球平和統一家庭統合連邦教会が暗躍して居ると言う


 其処でピース・シールドは、繋がり深い東京スクープバンピシャリっ!!社に対して、東京サミット開催中に、今の日本国政府から何らかの失態を素っ破抜いて欲しいと依頼して居た。


 まぁ、どんな小ネタでも良いから、失態と見られそうなネタを見付けて来て欲しいと言うのが、ピース・シールドからの要望である。


 東京スクープバンピシャリっ!!社・現代スクープ編集部の編集長を勤める素波抜貴雄(すはぬきお)と言う男は、社長命令だと言うので、ゴシップ・パパラッチカメラマンを生業として居るフリーカメラマンの覗来益男(のぞきますお)なる男に東京サミットでのゴシップネタを搔き集めて来るように依頼する。


 二人は外には漏らしたくは無い裏稼業的な話をする為に、表向きな仕事をして居る正社員達が居なく成った、静かな編集部オフィス内で、二人切りで会って居た。


「何としてでも、東京サミットでの日本国政府関連のゴシップネタを取って来て欲しい。」


「経費は我が社持ちで構わんから、どんな小さな小ネタでも良い。何か使えそうなネタを持ち帰って来るんだっ!!」


「成功すれば、そのネタを基にして発行した週刊誌の売り上げに応じて、出来る限りの報酬を支払うと社長は言って居られる。」


「分かりました。知り合いの仲間達を総動員して、ゴシップネタに成りそうな事を調べ上げますぜっ!!」


「これは手付金だ。」と言って札束の入った茶封筒を差し出す素波。


「ほう、旦那。今回は中々色を付けて居るじゃないですかい?」と茶封筒の中身を見ると、その中には現金30万円が入って居た。


「無駄遣いをするなよな。」


「分かってますって、それじゃ行って来やす。」と言って、薄暗い現代スクープ編集部室の中から、静かに立ち去る覗来益男であった。




アースティア暦 1000年・西暦2030年・8月3日・午前10時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・本州島・関東地方・東関東地方・茨城県・小美玉市・茨城空港にてにて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



再び場面を茨城空港へと戻る。



 厳戒態勢が敷かれた茨城空港で、覗来益男は手下たる仕事仲間達を使って、茨城空港の警備態勢の中へと潜入させた。



 彼の狙い目は、百里基地近くに建てられた、謎のテントである。


 彼は手下の幾人かを出迎え応援ボランティア要員として、茨城空港へと潜入させる事に成功をして居た。


 手口は至ってシンプルな方法で、今の政府に反感と不満を抱えて居ると言う野党系を支持して居る一般市民で、それ等の者達に、小遣い程度の買収を持ち掛けつつ、ボランティアへと公募させて居る。


 素行も悪く無く、ただ単に政府のやり方を正すんだと言って居るだけの過激思想の一般市民を騙すだけての手口だが、所詮はトカゲのしっぽ切りの様な輩なので、失敗したとしても、操って居る当人たる覗来益男や手下達には、何ら痛くも痒くもない者達なのである。


「日本国政府め、何を隠して居るんだ?」


「この俺が、その企みを素っ破抜いてやるっ!!」と意気込む覗来益男。


 彼は遠く茨城空港のターミナルビルの屋上から、カメラを構えながら百里基地を眺め見て居た。



 丁度その頃、アセニア亜人連合同盟内に在る竜人族の部族国使節団の者達は、陸自と空自の自衛官らと、警備課警官らの誘導に従いながら、全長が60メートル近くにも成る巨大なテント内へと、一人づつ入って行く所であった。


 勿論、大洗町での警備と同様に女性の警備要員が配置されて居るが、流石にテントが巨大な事も在って、テント外の警備には男性も駆り出されて居た。


 ボランティア要員にも、その傾向が見られ、誘導員として活動して居る者も見受けられて居た。


 普段は百里基地の事務員として働く空自女性隊員の一人すらも居り、他にも応援にやって来ていた、ベテラン女性陸自一尉と供に、拡張機器を使って呼び掛け叫ぶ。


「それでは準備が整いましたので、一人づつ、テント内へと入って下さーーいっ!!」


「テントの中では、中に居る係員の指示に従ってくださーーいっ!!」


 女性自衛官らは、誘導灯を片手に竜人族達をテント内へと誘う。



 最初に入ったのは、三部族の部族長達であった。


 テントは各部族に4ヶ所・4つのテントスペースを設けた形に分けられて居り、その行列は飛行場へと続くが降りられない者達は上空で待機させられて居たり、複数ある近くの空き地に留め置かれて居た。


 この百里基地へとやって来たのは、600名であった。


 その中で最も西側に位置して居るテントには、四聖獣の青龍と瓜二つの姿をしており、青く蛇の様な身体を持った巨大な龍族が着陸する。


 全長は50メートルほどの巨体を有して居るブルーアクーアドラグリア族、通称・青竜人族と呼ばれて居る竜人族が立ち並んで居る。


 そのお隣には、イエロー・サンダースドラグリア族、通称・黄竜人族と呼ばれる竜としての姿は典型的な羽と強靭な身体付きをした黄色の竜である。


 また、稀に電磁波を放出するとの情報を得て居たので、この度の出迎えに際しては電磁波対策を入念に取って居る百里基地と茨城空港らの者達は、何時、電子機器が故障しないかと、ビクビクして居たりする。


その更にお隣には、フォレストウィンド・ドラグリア族が居並んで居る。


 彼女達は通称・緑風竜人族達と呼ばれる竜人族達である。


 全長が50メートルの巨体と羽を生やした首長竜型の姿は圧巻とも言うべきとても目立つエメラルドグリーン色が映え際立つ姿を有して居た。



 そして、最後は・・・・・・・・・・・・・・・・ってあれあれあれええええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!?


 4番目の種族が来て居ないぞおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーっ?!



「おいっ!!アリアっ!!パァルディアの奴と紫竜人族の奴らは如何した?」


「今日、二ホンに来るようにと伝えろと言った筈だっ!!」


「如何して、当日であるこの日に、奴は来て居ないんだっ!!」と合流予定地である茨城空港の座標すら伝えてある。


 その呼び出しを受けた筈の紫竜人族の長である紫龍帝・パァルディアと部族たる紫竜人族の姿が見当たらなかった事に、腹を立てる黄龍帝・エクレアは、身長が50メートル前後の背丈の巨体から軽く稲妻と黄金色の発光させて怒りを露わにした。


「「「「「ひっ!!」」」」」


「「「「「うわわわわわっ!!」」」」」


 エクレアが発生させた雷撃は、近くの警備をして居た自衛官と警察官らをビックリさせ、怯えさせてしまうが、幸いな事に怪我人が出る事は無かったので一安心。


「済みませーーんっ!!むやみやたらに稲妻を発生させないで下さーーーいっ!!」と怒るのは、黄竜人族担当を請け負って居た、陸自一尉の女性自衛官であった。


「あっ!済まなねぇなっ!!」と詫びる黄龍帝・エクレア。


「見た所、怪我人は居ねぇみてぇだな?」


「所でアリア、パァルディアの奴は、如何なってやがるっ!!」


「それがね。1月以上もの前から東京サミットの日程に合わせて、テレパシーを飛ばして呼び続けては居るのよ。」と言う青い竜人。


 それは柔らかな口調で、事の事情を説明するのは、青竜人族の王国たるブルーアクーアドラグリア族・海底竜王国・族長兼青龍帝の地位に就くアミリア・ブルーアクーア・ドラグリアこと、通称・アリアが、ため息交じりに説明する。




「はぁ~、それは恐らくはパァルディア自身が、寝ぼけて居るのだろう。」とクールで皮肉った呆れた物言いを言うのは、リーファ・フォレストウィンド・ドラグリア。


 緑風龍帝と呼ばれる緑風竜人族の長で、友人同士では通称・リーファと呼ばれて居る竜人族である。



「そりゃ、在り得るな。奴らは紫竜人族の生活は、寝る・喰う・交尾すると言った、生物三大欲求の中に生きて居ると言う。我ら色竜人族の中でも、異質な奴らだっ!!」


「そうね。あの子達を眠りから起こすには、空腹でお腹を空かすか、気に入ったオスと供に居るか、定期的に子作りがしたくて、ムラムラして性欲に飢えて居る時だけだものね。」


「所でパァルディアの奴と、以前最後に会った時には、何をして居たんだっか?」


「ああ、確か・・・・・あれは・・・・・・・そうそう、確かあれは、ハーフエルフの男と100年は過ごして居た筈だな。」


「おおっ!!そうだった、そうだった。確かそいつは、20年くらい前に、天寿を全うした筈だな。」


「そうそう、あの子にしては、珍しく随分とべったりな関係だったわね。」


「遊びに行けば、セックスして居るのが当たり前で、二度目に会いに行けば子供が3人に増えて居るのは、自然だったな。」


「葬儀は・紫竜人族の里であるパープルアンダーランドシティ市だったから、行く事が出来なかったな。」


「そうね。あの都市に行くには、紫竜人族の誰かがゲート魔法で開けてくれないと、入れないものね。」


「お陰で香典とお備え物を送ると言うテレパシーに反応したのは、葬式から一月後の事だったな。」


「地上のお家はさっさと引き払ちゃうし、連絡が取れた時には、最後の子供を産んだら、そのまま寝てるって親族達から連絡が在ったわね。」


「当面は起きないだろうって聞いて居たっけな。」


「そうやって悲しい事と別れる。変わって居るけど、それが彼らの生活習慣だものね。」


 因みに紫竜人族の私生活に措いて、恋と結婚は子作り、詰まりはセックスをして居る日々の事を指して居る。


 夫たる人物は他種族でも構わいないので、配偶者が他種族だった場合は相手の里へと一時的に嫁ぐ形で居座るが、偶に夫共に実家へと帰り、相手と同じ背丈の竜の姿で交尾行為を数日間を行う。


 其処で竜人族の子を産み、伝統的な子育て方式で育てるのが生活習慣と成って居るが、その合間に嫁ぎ先へと戻り相手方の子を育てる日々を過ごす。


 はっきり言えば長命種の割にはべったりな夫婦関係を好み、子供をたくさん作るのが紫竜人族と言う種族であった。


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