232話 日勝軒会談に集う旧知の英雄たちの選択っ!!田舎町での秘密会談?! 9

 アースティア暦 1000年・西暦2030年・7月15日・午後22時30分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・本州島・関東地方・北関東地域・群馬県・群馬県南西部地方・甘楽郡・群馬県・下仁田町・下仁田温泉旅館・青山荘・特別客室・池山・竜史宿泊室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 この日の夜、とある事件が起こった。


 それに付いては、これから詳しく語ろうと思う。


 ヴァロニカとシェスカの二人は、それぞれお高いお値段が付く、特別客室である池山に泊まって居る。


 二人は久し振りの再会だと言うので、一番年上の義妹であるシェスカが酒に付き合えと言われて、ヴァロニカの部屋へと引っ張り込まれて居た。


 だが、滅多な事では酔い潰れないヴァロニカは、義妹達との再会が、余程嬉しかったのか、勢い良く慣れない日本国の酒を煽る様に飲み干し・・・・・酔い潰れてしまった。


 一緒に内風呂の露天風呂に入ろうとも、ヴァロニカは言って居たが、付き合うとして居たシェスカは、ヴァロニカを布団に寝かし付けると、自身の客室へと帰って行く・・・・・筈だった。


 そして、この日の下仁田温泉旅館・青山荘の特別客室である離れ客室は、知り合い同士が泊まると言う事で、旅館側が気を利かせてルームキーでの出入りに付いて、竜史と紅葉達の部屋だけ出入りが、自由に出来る様にプログラム調整が為されて居た。


 その事は竜史も紅葉達も承知して居る事なので、間違いが起こっても、笑って済ませられる知り合い同士。


 特に大事には為らない筈だった。


「ふああああぁぁぁぁーーーっっ!今日も色々有ったなぁ~っ!」


「もうチョッと経ったら、寝ようっと・・・・・・・」


 この時間、竜史は就寝前に、内風呂式の露天風呂に浸かって、この日の疲れを癒して居た。


 この手の温泉旅館の高額客室に泊まる事なんて、滅多に無いので、十分に元を取ろうとギリギリの時間まで、旅館を楽しむ積りで居た。


 だが、後に彼が言うには、これがイケなかったかも知れないと語って居る。


 竜史は、温泉に浸かって、5分が経った頃の事である。


 

 ガラガラと引き戸の音が聞こえて来た。


「んん?!誰か入って来た?」


 何者かの気配を察した竜史は、そんな事をする人物は一人しか居ないと思い、露天風呂に浸かりながら振り返る。


「もう、紅葉さん。裸の男が風呂に入って居るんですから、もう少しデリカシーを考え・・・・・・・・・・・?!」


 竜史は振り返った先にトンデモナイ物を見て・・・・と言うか、出会ってしまった。


竜史曰く「あの人は、トンデモナイ物を僕に見せて、奪ってしまったんですっ!」


 それは何かと後にアースティア大戦での出来事での後日談を取材しにやって来た、テレビ局のアナウンサーに聞かれると「僕の心ですよ。」ってな感じに、某世界的に有名な怪盗を追い駆ける名物警部殿見たいな事を述べていた。


それは誰かと言うと・・・・・・・・・・・・・・・・・



「ふああぁぁぁぁーーっ!!流石に、そろそろ酔いが回って来たが、折角の温泉を楽しまずに、このまま寝るのも勿体無い。」


「明日の朝も紅葉達とも入る約束だが、部屋の中には、個室露天風呂が備え付けに成って居るのだ。」


「一人風呂を楽しむ贅沢を味合わずに、寝るのも勿体無いと言う物。」


 シェスカは、ヴァロニカの客室から自身の客室へと戻る途中であった。


「今夜の約束をして居たヴァロニカ姉さんは、寝てしまったが、これは仕方が無い。」


 そんな事を考えながら、自室へと戻ろうとした時であった。


 彼女も少々酔っぱらって居る為か、割り当てられた客室の場所が判らなくなってしまったシェスカ。


「んん?・・・・・・・えーっと、どっちだったかな?」


「これはイカンな。少々酔っぱらって居るのか、耄碌しのだろうか?」


 慣れない土地の旅館内である。


 道に迷う事も在るだろう。


 シェスカは、微かに残る記憶を頼りに、何とかして自身の客室へと辿り着いた筈・・・・だったのだが・・・・・・・・・・・・・・・

 

「おおっ!鍵が合って居たかっ!」と、カード式のルームキーを差し込み。電子ロックを解除するシェスカは、安心したせいか、客間の配置を確認せずに部屋へと入って行く。



 こざっぱりとした小奇麗な部屋なので、個人の手荷物の場所を確認しないと、誰の部屋なのかは、部屋の主でも居ないと分からない事に成る。


 特に一人泊まりの竜史・紅葉・シェスカ・ヴァロニカ等の四名は、うっかりして部屋を間違う可能性が有ったりする。


 それに時刻は午後22時30分頃を回って居た。


 人によっては部屋を留守にして、大浴場へと行って居るか、まだまだ遊んで居るか、それとも就寝して居るかも知れない。


 だがしかし、シェスカが入ってしまった客室には、誰も居ない様子であった。


「さてと、風呂場は、こっちの筈・・・・・・・・・」とシェスカは、露天風呂に向かって行くと、脱衣室に入る。


 脱衣室には、五つのロッカーが設置されて、その中には籠とバスタオルが五つほど置かれて居た。


 ロッカーの中を開けないと、誰が居るのかさえ分からない状態でもあった。


 シェスカはテキパキと服と下着を脱いで、綺麗に畳んでロッカーに仕舞って行く。


 着替えを含めた私物は、ヴァロニカ部屋で、一緒に風呂に入る積もりだったので、一通り揃って居た。


 だが、シェスカは、この時に部屋の確認の為、彼女の旅行カバンの有無の確認をするべきだった。


 シェスカの見姿の特徴としては、身長170センチ。スリーサイズは90・57・89で、簪を刺した銀髪ロングのポニーテール背の高い長身で、顔立ちは冷淡な雰囲気と気の強そうなクールな眼つきをして居る。


 スラリとした細身の身体は軍人として、良く鍛えられて居る様子が見られる。


 そして、女性としてのボデイスタイルもしっかりと整って居り、筋肉が目立たない様にして鍛えられても居るのだ。


 そんなあられもない美しいボディスタイルと成った彼女は、ゆっくりと露天風呂へと入って行く。


「もう、紅葉さん。裸の男が風呂に入って居るんですから、もう少しデリカシーを考え・・・・・・・・・・・?!」


「ええっ!?」


二人は驚き合う。


「ええっと、確かシェスカさんでしたったけ?」


「ああ、その通りだが・・・・・・・・・・」


二人は思わず黙ってしまった。


そして、暫しの沈黙の後に、竜史は口を開いて言った。


「・・・・・・あのー、せめて前を隠された方が・・・・・・」と竜史は言う。


「・・・・・・済まない。」とシェスカは、顔を真っ赤にして下半身の方を先に隠した。


 豊満なバストの方は、隠しても無駄だと割り切り、船乗りらしく堂々とした振る舞いで気にしない様に務めていた。


 商船艦隊と軍艦隊での勤務が多い彼女は、裸の上半身を男性に見られても、ある程度は、我慢して居られる様に心掛けて居る。


 軍隊も商隊も男女平等に共通の目的で仕事をして居る関係で、一々羞恥心等の如きでは、キャーキャーと叫んで居ては務めては居られない職場。


 特にシェスカは、優れた美貌を持った容姿の為か、職場での人気はと言うと、男女共に絶大な人気を誇って居た。


うっかり裸を見られる様な事は、狭い環境下では、翌々在る事でも在るのだった。



 だから竜史に、素っ裸の格好を見られたくらいでは、動揺をする事なんて言うのは、無いのである。


 しかしながら、それに対する竜史は、女性に対する免疫力が殆んど無かった。


 特に母親以外の女性の裸なんで物は、幼い時に母親に連れられて行った。


 公共浴場等での中で、見たくらいの記憶の中での出来事でしか無く、朧気に覚えて居るくらいである。


 特に女性の裸で興奮する様な性格をして居らず、並以下の興味でしかない。


 ラブコメアニメや漫画で登場するヒロイン達なら、ある程度は興味をそそられるが、それはあくまでもシチュエーションを楽しんで居るに過ぎない。


 そんな彼が成長して初めて見た、異性の裸と言うのが、シェスカであったのだった。


「あのー、その・・・・・・お胸の方は?」と目を逸らしながも様子を伺う竜史。


「気にしないで良い。それに今は隠せる様な物は無い。」


「分かりました。では直ぐにでも、お風呂に浸かって下さい。」


「裸が見えなく成ったら、僕は直ぐに出て行きますから・・・・・・・・」


「いや、私は如何やら部屋を間違えたらしい。」


「直ぐに出て・・・・・・・はっくしょんっ!」とくしゃみをしてしまうシェスカ。


「いやいや、夏空での裸の格好でも、軽く十分に冷えますよ。」


「・・・・・分かった。私も入るから、貴方も其処に居れば良い。折角の温泉を私が邪魔する様な事をしたせいで、台無しにするのは悪いからな。」


「こう見えても、私は船乗りだ。何度も男共には、この裸を見られた経験くらいは多々ある物だっ!」と言うシェスカ。


「そう・・・ですか、では、どうぞ・・・・・・・」と真っ赤な顔で、シェスカと一緒に風呂に入る事を決めた竜史。


 これが後に、非常に厄介な関係と成る大事件の始まりでも有ったのである。


 思わず「姉さん事件ですっ!!」と・・・・・・チョッと昔に流行ったホテルドラマの主人公の様なナレーション台詞を言ってしまいそうな展開でもあった。



シェスカは、ゆっくりと温泉へと浸かる。



(オイオイ、何度も男共には、この裸を見られた経験くらいは多々ある物だと言って、平気だとも言ったが、今までは、男の方が立ち去るか、私の方から平然を装って、その場から静かに立ち去って居た。)



(それが何だっ!!この男の前では、何でこう成るんだっ!!)


(それに・・・・・・初めて男に見られてしまった。全身素っ裸の格好を・・・・・・・)とシェスカは、激しく素っ裸の格好を見られた事を後悔して居た。



 整ったスタイルと冷たい目線を持ったクールな顔立ちで、正にドSの女王様の化身と言える見姿を持つシェスカは、実はとても面倒見が良い性格で紅葉達から見れば身近な年上の姉的な存在で纏め役。


 みんなからは頼りに成る大人のお姉さん的な人なのだっ!!!


 だが、その実態はと言うと、内面は強がってるだげで、愛の告白とか、素で何かを伝えられると、赤面してしまうほどの初心な一面もある。


押しに強く相手を押し切り、押し倒すのが信条であるが、逆に不意を衝かれて押し切られると弱い所もある。


 船員仲間の男達に上半身の裸を見られた事は、ある程度は本当にたくさんは在るが、それは別の女性乗組員の一緒だったり、不意に見られたりしただけであった。


 今回竜史には、初めて異性として、生まれたままの素っ裸の格好を見られて心臓がバクバク、ドッキンッ!!ドッキンッ!!な状態へと陥ってしまう。


 これが元と成った事が切っ掛けで、紅葉とシェスカの二人は、この後にややこしい関係へと至るのは、後に造られるアースティア大戦関連の映画やドラマで、多くのシナリオライター達は、独自の色々な解釈が入り、各々勝手気ままな話の展開が為されてしまう事に成る。




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