223話 動き出すアースティア世界っ!!開幕する東京サミットっ!! 7

アースティア暦 1000年・西暦2030年・7月13日・午後10時50分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・北陸地方・新潟県・新潟市・新潟港・フローレイティア輸送商船商会・第一商船艦隊・艦隊旗艦・魔導戦艦ベィビィ・ウルフと魔導空挺戦艦隊・寄港地にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






 コヨミ皇国との定期便に便乗する形で、日本国へと向って居るシェスカが率いるフローレイティア輸送商船商会の第一商船艦隊。


 その旗艦の魔導戦艦ベィビィ・ウルフと魔導空挺戦艦隊が新潟港に到着する。


 この新潟港では、フローレイティア輸送商船商会が、フローレイティア輸送商船商会新潟県出張所を開設し、日本国内での活動拠点として居た。


 出張所開設の目的は、魔導空挺船の改修工事先へと向かう為、係留地としての一時寄港。


 それと日本国へと寄港した際に、帰りの定期便に乗せる交易品の買い付けの為やその買い付けられた交易品の集積地の確保の為であった。


 シェスカは、この日、初めて自分が経営して居る商会が開設した、新潟県出張所を訪れる事に成って居た。


 だがしかし・・・・・・港へと降りたとうとした、シェスカ達は、見た事も無い光景を目にする事に成ってしまった。


「「「「「「「「「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!!」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!!」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!!」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!!」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!!!」」」」」」」」」」



 この日・・・新潟港には、新潟県知事を始めとする県庁職員、新潟市長と新潟市役所の職員。


「ようこそっ!新潟県へっ!!」


「いらっしゃあああぁぁぁーーーーーいっ!!」


「新潟県を救ってくれてっ!!ありがとうっ!!」


「フローレイティア輸送商船商会は、新潟県伝統工芸品組合の救世主だああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーっ!!」


「家なんて、売れ残りの箪笥を残らずっ!!ううっ!!」


「こっちは倒産しかたけた小物工場がっ!!」


「いやいや、こっちなんて山積みに成って居た工芸品倉庫の在庫を残らずっ!!」



 更には新潟県商工会を始めとする各地の商工会や伝統工芸品組合等の関係者と新潟県民達が熱烈な歓迎を催し、出迎えてくれて居た。


 彼らは危うく大量の在庫や発注を受けた品物の支払いが滞って居た為に、倒産をし掛けて居た中小企業の皆さん達である。


 彼らは、シェスカとフローレイティア輸送商船商会との商品取り引きのお陰で、倒産の危機から助かった工房会社の人達である。


「何なの?この人だかりは?」とシェスカは驚きの余り、新潟県民達の勢いに呑まれて、啞然としてしまう。


「いやいや、遠路はるばるようこそっ!!我が新潟県へっ!!」と大声で出迎えてくれたのは、ちゃらーんと言いそうな感じの落語家と良く似た感じで、とても暑苦しい雰囲気をして居る人物。


 林家金平(はしやきんぺい)新潟県知事である。 



 林家金平(はしやきんぺい)新潟県知事とは?

 

 ちゃらーんと言いそうな感じの落語家と良く似た感じの雰囲気をして居る人物で、五郎が新潟県を中心とした仲卸業者として仕事の活動を景気が低迷して居る地方自治体を救う起爆剤だと思って自分自ら出迎える事で、地元住民へのアピールと景気回復を目指すべく奮闘して居る。



 決して某著名な落語家と同じく、名前を『こんぺい』と読んでは成らない。林家金平(はしやきんぺい)成る新潟県をこよなく愛する地元を盛り立てる事に熱心な政治家である。 



 その彼の横には、新潟市長を始めとする各地方市町村首長まで、並び集まり立って居たのであった。


「ようこそっ!!ようこそっ!!ようこそっ!!ようこそっ!!」と新潟県と新潟市の議員団と職員達が、熱烈歓迎を言う中をシェスカ達は、恐る恐る階段形式の桟橋を降りて行く。



「シェスカーナ・フローレイティア商会長さんっ!!」


「はっ、はいっ!!」とビクッとしてしまうシェスカは、林家知事に、がっしりと手を握られて、暑苦しい人相で迫られる。


「我が新潟県の産物をたくさん、たくさん、本当にっ!!たくさんっ!!ご購入して頂き、誠に感謝して居ますっ!!」


「お陰様で、我が新潟県民の暮らし向きが・・・暮らし向きが・・・多少なりとも・・・・・うぐっ、ひっぐっ!!・・・・・・・・・」


 林家知事は、その暑苦しい顔に似合わず、感激の余り、泣き出してしまう。


「知事っ!!」と秘書が、肩にそっと手を乗せて落ち着く様にと促す。


「そうですっ!!泣くのは、ちゃんとお礼を言ってからですよ。林家知事っ!!」と新潟市長が言う。


「済まない。感激の余り、感極まってしまい。ツイツイ・・・目から涙が・・・・・ひっぐっ、ぐすくずっ!!出てしまってね。ううっ!!」


「・・・・・・兎に角だっ!!非常に助かって居ると言いたいのだよ私はっ!!」


(うわああああぁぁぁーっっ!!これ、ホンとウザイくらいに、やり辛いわ。)と思う、シェスカ。


「シェスカさんっ!!」


「はっ、はいっ!!」とまた林家知事の勢いに吞まれて、返事をしてしまう、シェスカ。


「この後、此処で貴女達フローレイティア輸送商船商会への感謝と歓迎の式典をしたいのだが、お時間は大丈夫だろうか?」


「シェスカさん。林家知事は、新潟県経済を救ってくださった。シェスカさんとフローレイティア輸送商船商会との友好を記念して、サプライズ式典をやりたいとのお考えです。」


「そんなにはお時間を取らせませんので、如何かご参加くださいませんか?」と林家知事の秘書は、簡単に経緯を説明する。


「何なら、其処にいらっしゃるお友達の皆さんも、ご一緒に参加して頂いても構いませんっ!!」と林家知事は、更に暑苦しく迫る様にして、参加を促す。


 シェスカは親友達と共に、フローレイティア輸送商船商会・友好記念式典と題した記念式典に参加する事と成った。



「何で俺まで此処に居るんだ?」と輸入雑貨代理店・鳴滝カンパニーの紹介で、フローレイティア第二商船艦隊で買い付ける仲介バイヤーの仕事を請け負う事に成った、重松輸入雑貨商会の社長である重松五郎の姿も在ったりする。


 彼は古くから付き合いの有る腐れ縁の鳴滝浩治から、新潟市で、また仕事が在るから、直ぐに飛んでくれと言われて来てみれば、暑苦しい林家知事から新潟県商工会名誉顧問会長なる特別職を贈られ、今後も是非とも新潟県での仕事を引き続き頼むと言われしまう。

 

 因みに新潟県商工会名誉顧問会長とは、お飾り名誉顧問職で、一日署長とか終身名誉監督とか言う物と同じ様な名目上のお飾り職の事である。



 其ればかりか、このサプライズ式典にも、参加して欲しいなんて言われしまう。


「鳴滝の奴、また厄介事を押し付けやがってえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!」と言いたいが、これも仕事と割り切って、にこやかな営業スマイルをして居た五郎であった。



 新潟港を任されて居るフローレイティア第二商船艦隊の商隊長であるリゼット・ダッカーヒルンは、式典開始前に、商会長であるシェスカに呼び付けられた。



「リゼットっ!!ちょっと、これは一体・・・如何いう事なの?!」と、事のあらましを問い詰めるシェスカ。


「すみませんでした。シェスカお嬢様。」


「あの・・・暑苦しく、押しが強い新潟県知事に、ずかずかと押し切れらてしまいまして・・・・・・・・・」


「ああ、そう言う事ね。流石にアレは・・・・・・この私でも無理だわ・・・・・・」と諦めるシェスカ。 


「それにシェスカお嬢様の事を新潟県民を上げて、歓迎するのだと言われると・・・・・何だか、その・・断り辛く。」


「それに我が商会と新潟県との関係を聞き付けたオローシャ帝国本国政府からも、新潟県とはくれぐれも、宜しくして欲しいと根回しをされてしまう事にも成ると、私としては、何とも出来ない訳でして・・・・・・・・・・・」


「それにアースティア国際大会議・IN・東京サミットの成功も、掛かって居る大事な時期に、我が国の政府関係者でも在るフローレイティア輸送商船商会の来訪です。」


「この新潟県としては、大歓迎をしない手は無いと考えて居る様なのです。」


「はぁ、どうせやるなら、もっと静かに出来ないのかしら・・・・・・・」と林家知事の剛腕な手腕に、呆れるばかりのシェスカ達であった。

 


 そんなサプライズ式典は、新潟港の直ぐ近くに在る駐車場で執り行われ、数千人の来場者が、拍手喝采で歓迎する中で開催された。


 壇上に登った林家知事と新潟市長。


 それに新潟県と新潟市の議員団。


 更には県庁と市役所の幹部職員、県内各地の市町村首長が立ち並び。


 そして、その最後には、シェスカ達一行が居並ぶ。


 何所から聞き付けたのかは知らないが、事前にシェスカ以外の来訪が在ると聞いて居た、林家知事は、この際だからシェスカ達全員を表彰してしまおうと考え付いた。


 だって、その方が、歓迎式典が盛り上がると思ったからである。


「それでアースティア国際大会議・IN・東京サミット開催を記念して、我が新潟県に来訪し、郷土の危機を救いっ!!」


「この新潟県民の未来と友好を担って下さった、此処に居並ぶっ!!シェスカーナ・フローレイティアさんとフローレイティア輸送商船商会っ!!」


「果ては、我が愛すべき故郷っ!!新潟県とオローシャ帝国との永遠の友好と繫栄を記念し、フローレイティア輸送商船商会・友好記念式典を執り行いたい思いますっ!!」


 林家知事は、その暑苦しい顔で高らかに式典の開催を宣言する。


 このままの勢いで、某著名な落語家と同じく、バンザイの代わりに、一っ!ニっ!三っ!!ちゃらーんと言いそうな勢いで話す林家知事は、とても暑苦しかった。


 開催宣言が叫ばれると、来場者達からは、パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチッ!!と拍手喝采が鳴り響く。


「それでは式典を進めて参ります。」


「新潟県と新潟県知事である林家金平知事から、新潟県名誉県民の住民票と記念メダルが、来訪者の皆様へと送られます。」


 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチッ!!と拍手喝采が更に鳴り響く。


 林家知事が、新潟県に来訪したシェスカ達一行に、メダルを首から掛け、新潟県名誉県民の住民票を手渡して行く。


「それに加えて、フローレイティア輸送商船商会長であるシェスカーナ・フローレイティアさんには、新潟県商工会特別名誉会長を頼みたいと思いますっ!!」


(何それ?私は聞いて居ないし、何で、この暑苦しい新潟県知事は、如何してっ!!其処まで大げさに盛り上げようとするのよっ!!)とシェスカは、何所ぞの孤独なグルメを楽しむ雑貨商と同じく、苦笑交じりの困り顔で壇上に立って居た。


 それを聞いた来賓者と県民達らは、更に再び、パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチッ!!と拍手喝采が鳴り響く。


「そして、フローレイティア第二商船艦隊の商隊長であるリゼット・ダッカーヒルンさんには、新潟県商工会特別名誉副会長をお願いしたいと思います。」


「それと、この素晴らしい出会いを作って下さった。重松輸入雑貨商会の社長である重松五郎さんには、新潟県商工会名誉顧問会長、新潟県名誉県民の住民票と記念メダルが送らます。」


(えっ?新潟県商工会名誉顧問会長は知ってたけど、新潟県名誉県民の住民票と記念メダルの話は聞いて居ないぞっ!!何だか更に話が大きく持ち上げられたぞっ!)


(如何なってるんだっ!!これはっ?!)と呆れ返る五郎だった。


「五郎さん、何だか恥ずかしいですね。」とリゼットは、はにかむ笑顔を見せる。


「あ、そう・・・・ですね。」と五郎も照れ顔に成って言う。


(まぁ、新潟県民の皆様の役に立ったんだから、良いかな。)と呟く五郎であった。



 式典は恙なく終わり、林家知事はシェスカ達一行の中に、アルビオン王国の聖騎士王であるリリアルカーデ・アルタイル・アーサー・ペンドランゴンが居る事を知ると、是非とも新潟県と友好関係をと暑苦しい顔付きで迫られる。


 巨大なドラゴン、鬼神も恐れない事で有名なリリィですら、その暑苦しい顔付きで迫られると、思わずたじろいでしまう姿が見受けられた。



 後年の新潟県では、暑苦しい林家知事の手腕の下で、アルビオン王国とオローシャ帝国の首都と姉妹都市提携を結ぶ事に成る。


 そして、フローレイティア家と高見家との深い関係を持つ事に成って行くのだった。


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