219 話 動き出すアースティア世界っ!!開幕する東京サミットっ!! 3

 アースティア暦1000年・西暦2030年・7月12日・午前11時00分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・関東地方・日本国首都・東京都・港区・六本木町・朝日奈放送・たかしのタックルテレビ収録スタジオにて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




日本国内が東京サミットで話題が持ち切りと成る中で、今日も日本国内外の社会問題を面白おかしく取り上げて、視聴者に伝える番組のたかしのタックルテレビ。



 東京サミットが間もなく開幕すると題して、東京サミットを特集する番組が、この日に放映されて居た。


 司会者の女性アナウンサー安川紗和子の前説から始まるこの番組は、司会者が日本国内では著名な芸能人タレントであり、地球世界では自作映画の監督すらして居る北乃武志をレギュラーメンバーとして、出演して居る大人気の社会風刺バラエティー番組。


 またメインゲストには大舘まことを迎え、毎回各界の著名人等を出演者に迎えて、関連する社会問題を中心にした、社会風刺を面白おかしく番組を展開して行く事が人気の秘訣と言われて居る。


 番組のオープニング映像として流されたのは、時空転移後の混乱期を象徴するかの様に、平和反戦団体ピース・シールドを始めとする反政府運動組織団体が、普段は政治に無関心である国民達向けに、過激なパフォーマンスをテレビニュース写り込む様にアピールして居る姿の映像が流される。


 特にテレビ局や新聞社、ネットニュースサイトを使って、情報発信をして居るマスコミ各社は、平和反戦団体ピース・シールドを始めとする反政府運動組織団体が、過激派である事を知って居るが、この手の反対運動の映像は、良く映える画であるとして、撮り抑えて居るだけである。


 それが返って真実であるかの様に見えてしまうのは、受け取り手側が、如何に政治や社会や世間と言う物に、如何に無関心で疎いのかを露呈してしまって居るとも言えた。


 この時代、時空転移の影響で仕事を失ったり、社会情勢の不安と不満から、僅かな協力報酬金を得ようとして、平和反戦団体へと参加してしまう者も多く居る。


 その様相が昭和時代中頃に、良く見られた、学生運動、安保闘争の様な時代にでも戻ったかの様にも見え、過激思想団体と過激思想者が多く成ってしまったとも言われて居る。


「戦争反対っ!!」



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「自衛隊っ!!解散っ!!」



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「戦争より社会保障をっ!!」



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「ローラーナ帝国と講和をっ!!」



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「シベリナ王国連合やその他異世界国家との国交反対っ!!」


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「亜人種族居住地域地帯の日本国領化反対っ!!」



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「亜人種族居住地域地帯の独立を認めろっ!!」


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「亜人種族の商業奴隷化と隷属化反対っ!!」



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「現内閣解散っ!!」



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「日本帝国主義許すなっ!!地球系帝国主義許すなっ!!」



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「安元辞めろっ!!総理を辞めろっ!!」



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「殺人内閣断罪っ!!殺人政府断罪っ!!」



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 そんな映像が数分間程で流れ終わると、その画面はスタジオへと移る。


 司会者の女性アナウンサー安川紗和子のアップ画面が移ると、毎度おなじみの軽快クラッシック曲が、綺麗に流れながらの前説が始まった。



 その軽快クラッシック曲たる『カルメン・第1幕への前奏曲(闘牛士)』が綺麗に流れはじめると、安川紗和子は、メインレギュラーの出演者達に向かって、見て居る視聴者達にウケる様な笑いを誘う最後のお決まりの毒の付いた一言で締めくくると言うのがこの場合のお約束の定番のオチと成って居た。




「間も無く開催されるアースティア国際大会議・IN・東京サミットっ!!」


「しかしながら、未だに煮え切らない国民達の不平・不満の声っ!!」



「日本政府は、如何にして、この難局を乗り切るのか?」


「それに加えて、ファンタジー世界映画やゲーム・アニメの様な世界感の在る未知の国家と、どの様な外交交渉を東京サミットで、日本国政府は展開するのか?」



「どうなる日本っ!!」


「そんな話題の尽きない異世界での東京サミットが、如何なって行くのかを検証テーマにして、今夜はご専門の学者先生をお迎えとつつ、バラエティー豊かに、トーク展開を繰り広げて行きたいと思います。」


「そして、毎度、毎度、本当に煮え切らないと言う。何時ものメインレギュラー皆さんで、今夜も面白おかしく、番組をお送り致します。」



 軽快に流れていた、『カルメン・第1幕への前奏曲(闘牛士)』がの曲が、綺麗に流れると、安川紗和子は、メインレギュラーの出演者達に向かって、見て居る視聴者達にウケる様な笑いを誘う、最後のお決まりとも成って居る毒の付いた一言で締め括る。


 ・・・・・・ってな感じに言うのが、この場合のお約束の定番のオチと成って居た。


「毎度、毎度って言うなよっ!!!以前よりも酷え言い方じゃねぇかっ!!!」


 メイン司会者の北乃武志が、江戸っ子べらんめえ口調で反論する。


 これもお決まり文句のセリフだった。


 そんなお決まり文句を聞いて居た、スタジオ内の番組スッタフからは、慣れ切って居ても、ツイツイ・・・ドッと大笑いが出てしまって居た。


「今日は相変わらず、混迷をして居る日本で行われる事に成った。」


「東京サミットをテーマにして居ますが、北乃さんは、この様相をどう感じて居ますか?」


「うーん、そうだな。政府が慎重に成って、事を進めて居る事は分かるよ。」


「でもよ、隠し事が多すぎるって言いてえのが、不満の在る連中の率直な気持ちじゃねぇかな?」


「確かに、そうですね。ですが、各国の元首と使節団の身の安全を確保する為。」


「そして、情報漏洩を防ぐ為には、致し方ない事でも在りますからね。」


「だけどよ、この東京サミットで、一通りの事が決まれば、安全保障問題と通商貿易問題が一気に解決するから、日本に取っても他の地球系諸国に取っても、メリットが多い筈だよな。」


「でも、それだと中立性が保て無く成っちゃったんですよね?」と更に感想を入れるメインコメンテーターの大舘まこと。


「約二ヶ月半もの国際会議ってのは、地球時代でも開くのが中々難しいから、如何なるのかが、不安だって言うのが、大体の人が言いてぇ事なんじゃねぇかな?」


「そうですねぇーっ!俺だったら・・・・」



 メインコメンテーターの大舘まこと・・・・と言うちょび髭のオヤジが、番組スタッフのコメントを話してと言うカンペからの指示が出ると、彼はコメントを話そうとするが、毎度お決まりで話が途中で切られてしまう。


 そんな予定調和の番組進行で、笑いを視聴者から誘うのだ。


「日本は東京サミットを契機に、新社会に突入しようとして居る今、サミット開催終了後には、私達の社会は、一体どうなるのか?」


「今日はコヨミ皇国の万代藩・万代市に到着した、東京サミット訪問使節艦隊を事前取材する事に成功しましたので、此方のVTRをご覧ください。」



「おいっ!!俺の話が・・・・・・」


 ちょび髭オヤジが抗議するが、此処も予定通りの笑いを誘う為のお約束なので、スルーされてしまう。



アースティア暦1000年・西暦2030年・7月12日・午前11時00分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸東側地方・コヨミ半島・コヨミ皇国・万代藩・万代港・東京サミット訪問使節艦隊・寄港地・朝日奈放送・たかしのタックルテレビの取材レポート中継撮影地にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 その直ぐ後に、東京サミットに参加予定のアースティア諸国に付いての説明映像が、淡々と流れ終ると、万代港へと映像が移り変わって行った。



「ハーイッ!!此方はアースティアと呼ばれて居る。この異世界の国々一つで、日本の西側に在ります、ユーラシナ大陸。」


「その最も東に位置する半島であるコヨミ半島を国土として居るのが、此処、コヨミ皇国なんですっ!!」


「私は、コヨミ皇国で、最も東に位置して居る大藩、万代国藩の藩都である万代市・万代港に来ていまーす。」とセミロングヘアーで、スーツ姿の新人女性アナウンサーが、元気良く、現地からの中継放送で、レポートをしてい居た。


 彼女は朝日奈放送の社内でも、異世界国家群へと派遣された、数少ない女性レポーターの一人だったので、この番組はのレポート放送に出られるた為に、張り切ってレポートして居た。


「今、この万代港には、東京サミットへと参加するべく、たくさんのアースティア異世界の国々からの外交使節船団が、来航して居まーすっ!」


「ご覧ください。此処に在る船全部が、魔法技術で動いて居るんですね。」


「さて、つい最近に成って日本政府が、コヨミ皇国の皇都・星都市内に在る星都城で行われた、日暦外交会談と呼ばれる事に成った、日暦両国による二カ国外交会談での事です。」


「日本国使節団とコヨミ皇国政府は、日本国と地球系諸国に付いて詳しく知り、その上で国交開設をしたいとの話が、日暦外交会談で話が纏まりました。」


「ですが、そんな話を聞きつけた、このアースティア世界の国々でも、日本の事が、とても話題と成って居るそうなんです。」


「特に先の第一次・第二次龍雲海沖海戦を通じて、我が国が知り得た、アースティア世界の最大の版図を持って居る覇権主義国家・ローラーナ帝国。」


「そのローラーナ帝国と敵対する反帝国同盟諸国も、日本国を含めた地球系諸国と国交開設をしたいとの申し入れが在りました。」


「続けて日本国と地球系諸国から見て、南東方向に在る中立国地域を含めた遠方地域の国々も日本国と地球系諸国と国交開設をしたいとの話が在りました。」


「其処で日本国と地球系諸国の国々は、この際だから全部纏めて、やってしまおうとの結論を出す事に成った結果、日本国が外交での進行全体の音頭を取る形で、東京サミットの開催される事と成ったのです。」


「開催期間は8月中旬から10月までの期間内に措いての開催すると成って居ます。」


「ですが、8月から日本国入りする為に、此処万代港で日本国に入る為に、防疫処置である抗体予防接種をする事に成って居ます。」


「現在は7月中旬ですから、予防接種をして、経過観察で問題が無ければ、七月の末日から8月上旬には、東京サミット訪問使節団一行は、日本国に入国する予定と成って居ます。」



 東京サミット訪問使節艦隊が寄港した万代港では、防疫の観点から日本国に入国する前に、インフルエンザやコロナウィルス等の抗体ワクチン接種をする事が決められて居る。


 既にコヨミ皇国6割近くの人民には、自衛隊と日本赤十字社による防疫処置が、コヨミ皇国の衛生局省との協力の下で、接種率が6割を超えて居た。


 外交と貿易事業の下準備の為とは言え、日本人がずかずかと入り込んで、ウィルスをばら撒いたら、流石に洒落には成らないので、コヨミ皇国を含めた異世界諸外国に向かう際には、予防接種が義務付けられて居るのだった。


 そんな予防接種を急いだのも、日本国政府はかつての苦い経験から、予防接種を含めた衛生管理と医療制度改革に力を入れて居る。


 それは2020年代の前政権の自由民権党時代まで遡る事に成る。


 自由民権党の通称は自民党と言って、自由国民党の前進と成った政党であったが、今は分裂解散して居る。


 その原因は2020年に執り行われ筈だった東京オリンピック2020年大会が、コロナウィルスによる世界規模でのパンデミックのせいで、一年間延期と成ってしまう。


 そして、最後の自民党政権である菅山秀儀内閣政権が、前総理である安倍川慎三と交代してからのコロナ対策が後手後手と成ってしまい、一年延期した東京オリンピックを強行開催した結果、感染率が4万人を超えると言う事態に陥り、より一層パンデミックが酷くなってしまう。


 その結果、自民党は国民達の支持を急激に失って分裂解散と成ってしまう。


 菅山秀儀内閣政権に関わる全員が、総辞職する同時に、国民達からは強引な手法で強行開催させた行き過ぎた行為で、日本国民とオリンピック選手達に命の危機を招いたとして、刑事・民事裁判と成ってしまう問題へと発展となってしまった。


 直接的な原因として、オリンピック開幕前後の連休と水際対策の不備が指摘されて居る。


 IОC本部も国際社会から非難を受けて、どの様な状況下でも必ず開催させるとの発言が下での開催は、やはり間違いであり、パンデミックの最中でのオリンピック開催は中止するべきだとの声が多く出てしまう。


 その後オリンピック開催に付いての規定では、戦争や災害を含め、新たにパンデミック下でも大会も中止を認める事と成った。


 開催国や世界的にオリンピックの開催が不可能な事態と見るべき場合は、開催国とIОC本部は話し合って、大会を中止にする決定を下す事にするとされた。


 それまで掛かった開催準備費用などに付いては、開催国とIОCとが話し合って応相談する事にするとの文言が、新たに規定文に加えられる事に成った。



 これが切っ掛けで、オリンピック開催に付いての規定改訂が決まると同時に、日本国の政界も一変し、それまで高年齢中心の政治から、中堅と若手世代中心の政治体制へとシフトする事と成って行くのであった。


 そんな過去の苦い経験から衛生管理に付いては、とても厳しい処置を取る事にしていた。


 レポーターの万代港での解説とアースティアの世界情勢やサミット開催に関わる解説が終ると、映像はスタジオへと戻り、番組は次の議題に移って行く。


 たかしのタックルテレビは、今日も社会風刺を面白おかしく視聴者に伝えて、高視聴率をキープするのであった。

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