外伝18話 新世界日本風土記 新制度と亜人社会日本っ!!1

 アースティア暦1000年・西暦2030年・5月28日・午前11時00分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・日本国首都・東京都・港区・六本木町・朝日奈放送・たかしのタックルテレビ収録スタジオにて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 南洋亜人種族居住地域地帯・日本国への編入法案と南洋地域市町村区の都県所管区変更法案が、国会で可決してから、間も無く1月が経過しようとして居た日本国内。


 その国内では、新しい日本国領と成ったサクラ諸島県・オオエ島諸島県・大神諸島県・コロロッポ諸島県の4県は、沖縄県と奄美諸島等の合わせた位の国土の在る地方自治体と成った事との話題で、国民達の間では、その話題で持ちきり状態と成って居た。



 見目麗しく美しい人魚族の姿は、テレビ局の話題を攫い、芸能界を始めとするモデル広告でのスカウトの話が、芸能事務所会社の各社で、真剣に検討がされ始めて居た。


 ハイ・オーガ族のオオエ族は、その身体能力の高さから建築業界や消防庁からのスカウトの話が有り、ワーウルフン島の犬系獣人族は、救難現場や警察機構での職種での活躍が期待されて居た。


 最後に海獣人の潜水能力と漁猟能力の高さと妖精族の手先が器用な事や魔法使いも多くの場で活躍の期待が出来るとの事だった。


 亜人種族や魔法が無かった日本社会では、彼ら達の雇用する事で、多く場面での活躍に措いて、大いに期待が出来るとの話が、国内の各界で囁かれて始めて居た。


 

 だが、そんな新しい社会への門が開かれ様として居る中で、平和反戦団体ピース・シールドを始めとする反政府運動組織団体達は、徒党を組んで反対運動を繰り広げていた。



 異世界転移災害以降の平和反戦団体ピース・シールドを始めとする反政府運動組織団体の者達は、特にその活動の為だけに、信念と言う盲目心を更に拗らせてしまって居た。



 そして、転移災害と言う未曾有の危機を契機に、平和反戦団体ピース・シールドは数多の反政府運動組織団体を取り込んで膨張化しつつ、巨大な組織へと成長して行くのであった。


「戦争反対っ!!」



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「自衛隊っ解散っ!!」



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「戦争より社会保障をっ!!」



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「ローラーナ帝国と講和をっ!!」



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「シベリナ王国連合やその他異世界国家との国交反対っ!!」


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「亜人種族居住地域地帯の日本国領化反対っ!!」



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「亜人種族居住地域地帯の独立を認めろっ!!」


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「亜人種族の商業奴隷化と隷属化反対っ!!」



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「現内閣解散っ!!」



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「日本帝国主義許すなっ!!地球系帝国主義許すなっ!!」



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「安元辞めろっ!!総理を辞めろっ!!」



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「殺人内閣断罪っ!!殺人政府断罪っ!!」



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 丸で昭和の学生運動時代が現代に蘇った様な光景が、政府中枢の官庁街の在る永田町を中心にして、全国で反政府運動が活発化しつつあった。


 だが、その中身は空洞化して居る様な物で、彼らに手渡されて居る支援者からの活動寄付金は、政府に反感を持っている野党支援をして居る者達。


 その者達とは、お金持ちや変わり者に、与党政権政府に何となく気に入らないと言う考えで動いて居る人達と、転移災害で定職に就けなかった社会弱者達が日当給金を目的に反政府運動をお手伝いをして居るのだった。



 此処で平和反戦団体ピース・シールドに付いて、解説をして置こうと思う。


 平和反戦団体ピース・シールドは、日本国内に存在する過激派平和反戦団体。極端な平和論を唱えて国内を二分にしようと活動していて公安に目を付けられている。


 その裏では霊感商法・詐欺商法・強盗窃盗事件を立て続けに起こして、信者たちから金を巻き上げ、それらの事は何も知らないと嘯く事で有名な宗教団体である地球平和統一家庭統合連邦教会が暗躍して居ると言う。


地球平和統一家庭統合連邦教会とは?


 第二次世界大戦後の戦後史に措いて、その力を徐々に力を付けて行ったカルト宗教団体のこと。大韓民国を本拠地とし、日本国を悪魔の国だとして、其処に住まう日本人は朝鮮人の奴隷の如く従えと言う意味不明な過激発現を繰り返す脅し文句を言う頭の可笑しな金儲けと搾取を目的として居るトンデモナイ集団として有名な輩の集まり。


 日本国内で、霊感商法・詐欺商法・強盗窃盗事件を立て続けに起こして、信者たちから金を巻き上げた収益金で、韓国の幹部らは贅沢な暮らしと明らかにムダ金使いの見本の様な宮殿風の教会を建て居る。


 信者たちがどんな悲惨な目に遭おうとも金を絞り盗れと言う事を各支部に言い付けて居る姿は正に悪魔の様な金の亡者で、本人たちこそがこの世の地獄のサタンでは無いかと囁かれて居る。


 平和反戦団体ピース・シールドの主要スポンサーでもあり、その真の目的は、世界各国の政府を転覆させ、自分達の政党閣僚幹部が政界と国家牛耳り、その税金で地球平和統一家庭統合連邦教会の教えを絶対の法律とする世界征服計画を企んで居る。


 しかしながら、余りにも広大妄想で、中二病も良い所な思想計画である為、地球世界各国では、単なる頭の可笑しなカルト集団または、思想が過激な手段でしか無いと見過ごされて来た経緯から、各国の閣僚幹部・国会議員らは、その危険性を認識出来ずに近付いて来た者達等を歓待してしまったり、その活動を支援してしまった事が表沙汰に成ったり、発覚すると言う報道がなされるのには、2022年頃まで掛かってしまった。


 その切っ掛けと成った出来事とは、2022年の衆議院選挙に措いて、自由国民党の前進政党議員であり、総理大臣を務めて居た事も有る安倍川慎三銃撃事件が切っ掛けと成って居る。



その安倍川慎三に付いても触れて置く。


 2021年に頃まで三期連続で総理大臣を務め、歴代一位の長きに渡り、総理大臣職を務めた人物。


 日本国内で、霊感商法・詐欺商法・強盗窃盗事件を立て続けに起こして、信者たちから金を巻き上げた収益金で、韓国の幹部らは贅沢な暮らしと明らかにムダ金使いの見本の様な宮殿風の教会を建て居ると言った活動をして居ると噂されて居る地球平和統一家庭統合連邦教会との後援問題が問題視されて始めて居た際に、2022年の衆議院選挙に措いて、奈良県立候補者の応援演説の遊説中に、両親達が教会の活動にのめり込んでせいで、自分が碌な人生を送れなかった逆恨みした青年に自作銃による銃撃を受けて即死。


 後の歴史に刻まれた安倍川慎三銃撃事件は、自由民権党崩壊の序曲と成ったと言う。



 そんな転移災害や政治不安、カルト集団問題を抱えて、不安定な日本国内では、今日も日本国内外の社会問題を面白おかしく取り上げて、視聴者に伝える番組のたかしのタックルテレビが、新しい日本社会の問題に挑むと題して特集番組が、この日に放映されて居た。


 司会者の女性アナウンサー安川紗和子の前説から始まるこの番組は、司会者が日本国内では著名な芸能人タレントであり、地球世界では映画監督すらして居る北乃武志をレギュラーメンバーとして出演。


 因みに、北野の芸人として名前は、ヒートアップ武志と言う。



 またメインゲストには大舘まことを迎え、毎回各界の著名人等を出演者に迎えて、関連する社会問題を中心にして面白おかしく番組を展開して行く社会系バラエティー番組なのである。


「異世界転移災害と言う未曾有の大災害に遭ってから一月が経過した日本っ!!」


「だが、未だに我が国の国会内や多くの国民は煮え切らない状態の中で、日本政府は如何にしてこの難局を乗り切るのか?」


「そして、先の世界大戦以来の戦後80年を迎えた日本に取っての初の本格的な自衛隊の海外派兵。」


「それに加えて映画やアニメの様な世界感の在る未知の国家と、どの様な外交交渉を展開するのか?」


「どうなる日本っ!!」


「そんな話題の尽きない異世界での社会情勢をどうすべきかをテーマにして、今夜はご専門の学者先生をお迎えとつつ、バラエティー豊かにトーク展開を繰り広げて行きたいと思います。」


「そして、何時も煮え切らないと言う何時ものメインレギュラー皆さんで、今夜も面白おかしくお送り致します。」


 軽快クラッシック曲たる『カルメン・第1幕への前奏曲(闘牛士)』が綺麗に流れはじめると、安川紗和子は、メインレギュラーの出演者達に向かって、見て居る視聴者達にウケる様な笑いを誘う最後のお決まりの毒の付いた一言で締めくくると言うのがこの場合のお約束の定番のオチと成って居た。


「何だよッ!最後の煮え切らなってのはよっ!!」


 メイン司会者の北乃武志がべらんめえ口調で反論する。


 これもお決まり文句のセリフだった。


 スタジオ内の番組スッタフからは、ドッと笑いが出てしまって居た。


「今日は相変わらず混迷をして居る日本と異世界をテーマにして居ますが、北乃さんはどう感じてますか?」


「感じてるも何もよ、俺の映画作品がカンヌ映画祭に出品が出来なく成っちまった。」


「開口一番に言う事が、それですか?」とちょび髭オヤジの大舘まことがツッコミを入れる。


「武志さんは、次の金熊賞を狙って居ましたからね。」


「まぁ、それはしょうがねえとして、もし、今度撮る作品には、本物の人魚族のねーちゃん達を使って、スタントマンを殆んど使わない人魚姫でも撮るかなぁ?」


「実現しそうな企画になりそうなのが、本当に冗談に聞こえないのが笑えませんね。」と更にツッコミを入れる大舘まこと。


「まぁよ、そんな訳の分からない世界に俺達が来ちまってよ、日本政府は新しい事をドンドン始めて行くから、それに付いて行く事が大変だってのが、大体の人が言いてぇことなんじゃねぇかな?」


「そうですねぇーっ、俺だったら・・・・」



 メインコメンテーターの大舘まことと言うちょび髭のオヤジが番組スタッフのコメントを話してと指示が出ると、彼はコメントを話そうとするが、毎度お決まりで話が途中で切られてしまう。


 そんな予定調和の番組進行で笑いを視聴者から誘うのだ。



「日本は新社会に突入しようとして居る今、他種族多民族社会と成った場合、私達の社会はどうなるのか?」


「今日は新国土と成ったサクラ諸島県・オオエ島諸島県・大神諸島県・コロロッポ諸島県の4県をJHKと民放局5局で、今月の8日から日本政府が、現地を詳しく調査する為に派遣した、日本国亜人居住地域学術現地調査団に、同行取材する事に成りました。」


「この同行取材は、現地の様子を現代の国民の皆さんと後世の人々に伝える為の記録取材を目的とした、共同独占取材を当番組の放送局である朝日奈放送も同行取材をして来ましたので、ご覧ください。」


「おいっ!!俺の話が・・・・・・」


 ちょび髭オヤジが抗議するが、此処も予定通りの笑いを誘う為のお約束なのでスルーする。



 たかしのタックルテレビは、今日も社会風刺を面白おかしく視聴者に伝えて、高視聴率をキープするのであった。




 アースティア暦1000年・西暦2030年・5月8日・午前10時30分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・新日本国領・サクラ諸島県・サクラ島本島・サクラ諸島県庁所在地・サクラ海浜市サクラ海浜港にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


  5月8日、日本国亜人居住地域学術現地調査団が出発する予定のその日は、まだ国会では新国土編入法案は国会内を通って居ない。



 まだ亜人居住地域は法律上は日本国領と成って居ないが、4月末日までに現地住人達の説明会及び意見聴取を行った結果、サクラ諸島県・オオエ島諸島県・大神諸島県・コロロッポ諸島県の4地域は、日本国領の離島地域とも接続して居る複雑な現状から日本国領となる事が内閣の閣議で決まって居た。


 最後の仕上げとして、日本政府は現地人の部族代表と全島民による亜人居住地域の日本国領として編入する事に関する住民投票が5月1日に行われた。


 各地方の部族間の連絡網が有る程度整っており、今まで内紛が無かった為か、島民達は日本国と言う大国の様子をプロジェクターの映像を通じて知り、自分達のサクラ諸島も是非、日本国へと編入して欲しいと言う話に至った。


 サクラ諸島県の人魚達は交配相手を求めて、オオエ島諸島県のハイ・オーガ族達は力強い物には敬意を表し、格上には逆らわないと強き者に従うのは、部族の繁栄を確かにすると言う慣習と種族的な本能から来る直感的な理由から、彼らは自領地の国土編入に対しては、オオエ族の種族総出で賛成をして国土編入を歓迎していた。


 また、大神諸島県の犬系獣人族達も、オオエ島諸島県のハイ・オーガ族達と似た理由からであり、直ぐお隣が大東島地方地区で同諸島と接触して以来は、島の開発や互いの人的交流も盛んと成って居た。


 最後にコロロッポ諸島県の妖精族達と海獣人達も女性系主体の種族で、婚姻相手にあぶれた同胞達を日本人との結婚目的とした交流したいとの目的が有ったし、安全国地域が近いと聞くと、わざわざ船や自力で飛んだり泳いだりしてまで、アセニア亜人連合同盟経由周りで見合いをしに行かなくて良いと考えた為であった。



 そして、日本は一番に良い出稼ぎ先として、また交易先としても、とても魅力的であると判断したからだった。


 交援省を中心とした日本国亜人居住地域学術現地調査団は、5月10日を持って日本国へと国内領土編入が決まる前に、現地入りをして詳しい様子を日本国民に見せる為に、テレビ局の取材と学者達による視察団の受け入れをする事にしたのだった。



 日本政府は霞ヶ関の官僚や交援省の官僚と職員を中心とした人員を派遣し、民間人による視察を受け入れて、この度の亜人地域の日本国への編入は違法で無いとアピールをするのが狙いだった。


 既に国会内での根回しは済んでおり、与党連立政党の自国党と公民党と中立政党の日新党は、この法案に賛成し、衆参両院での賛成多数での法案の可決は、確実と成って居る。


 それに対して、猛反対をするのは民憲党 民社党 共有党等の野党や少数の無所属議員くらいだろう。


 5月8日、豪華客船の飛鳥Ⅲ号で東京港を出発し、海上保安庁の巡視船に護衛されながら3日ほど掛けて小笠原諸島へと到着。


 小笠原港で一泊し、翌朝に海上自衛隊の父島基地分遣隊へと配備されて居る護衛艦のはまかぜ、うみかぜ、やまかぜ、なつかぜと共に、最初の訪問地である小笠原諸島から東へ300キロ洋上の沖合い付近の点在して居るサクラ諸島県の中心地と成って居るサクラ諸島へと入った。



 既に先月から島の開発と防衛の為に、自衛隊や各省庁の職員に加えて、民間企業の職員等が先遣隊として、現地入りを果たして居た。


  その先遣隊が現地入りした際の本拠地であり、県庁予定地と成る予定のサクラ島本島のサクラ海浜市。


 サクラ島本島の島の形状は、桜の花びらに似ていた事から名付けられて居る。


 何でもサクラ・マーメリーア部族は、ユーラシナ大陸の極東地域に渡り、結婚相手を探すのが部族としての長年の慣習らしい。


 そして、名前が無かった故郷の諸島から、サクラ・マーメリーア部族の始祖達は、更なる繁栄を求めて古のコヨミ皇国へと渡り、現地のサクラを見た始祖の彼女達が、其処で良くして居くれたコヨミ皇国の人々とサクラの思い出の事を大切にして居た事から付けた名前が、サクラ島と言う訳である。



 そのサクラ・マーメリーア部族達は、 新たにやって来た日本人達を迎えるべ新設した港へと集まって来て居た。


 日本政府はサクラ島本島を開拓する為に、地元住民の要望を聞く形で、指定されたるヶ所へと港を二つほど造った。


それがサクラ海浜港と桜ヶ浜と言う港である。



それは以下通りと成って居る。


サクラ海浜港


 サクラ島本島の西部に建設が進められ整備された現代様式型の湾港の事で、日本本土や小笠原諸島からの定期便は、此処にやって来る事に成って居る。


 コロロッポ諸島県にも定期便が繋がって居て、南鳥島港へは片道半日以上の時間を要するが、連絡路の役目も在るので東京都の行き来には重宝されて居ると言う。


桜ヶ浜港


 サクラ島本島の南に位置する漁港の事で、砂浜海岸を残しつつ、伝統的な漁法で魚介類を獲って来る為の港のこと。


 収穫祭や歓迎会等は、此処で行われる事に成って居る。




 部族達の代表者達は、視察団一行を歓迎会を開いて出迎え場所として、漁港や潮干狩り用の港として整備された桜ヶ浜港で、遥々サクラ諸島へとやって来た視察団を歓迎するべく集まって居た。


 其処に集まって立って居たサクラ・マーメリーア部族達の姿は、桃色の髪色を靡かせ、桃色の尾ひれして居る人魚達が、港や湾内に集まり、歓声の声を上げて大歓迎をして居た。


 人魚族は陸上に上がると、陸での生活に合わせる為に、下半身を尾ひれから足に変化させられる能力を持って居る。


 見た目は人間と変わらないが尖った耳の後ろには鰭の様な部位が大きく生えているが、陸に上がると、その部位は小さく成る。


 目の色は水色に染まり、それ以外は人間と変わらない。手は水中の時だけ水搔き用の薄い膜が生えるが、地上に居る時は指の間の皮膚内に収納されている。


 人魚族の生涯寿命は300年から500年の間で、妊娠出産方式で子を為して行くが、男性の出生率が極端に低く、それを補う為に、交配方式が近い他の人型種族と子を為す事が有る。


 しかし、一人から二人程度の子を為して居ては、人口比率に問題が生じてしまうので、気が合った地上種族との男性との間に行為を持った時に、たくさんの子種を胎内に保存して置く生殖機構が在るので、死に別れても暫くの間は意中の相手との子作りが続くし、人間と人魚の子の産み分けで、何方にも利があるように成って居る生態と成って居た。

 

 サクラ・マーメリーア部族長のサリー・サクラン・ブロッザムの一人娘であるメアリー・サクラン・ブロッザムは、日本本土からやって来た新しい客人達を迎えてべく、盛大に、この地域で採れた鳥獣類や魚貝類を含め、木々や鉱石を加工して作り上げた手製の民族楽器を用いての演奏で、歓迎のセレモニーを開いて出迎えて居た。



「ようこそっ!!サクラ諸島へっ!!」


「私はサクラ・マーメリーア部族長のサリー・サクラン・ブロッザム娘で、メアリー・サクラン・ブロッザムと言います。」



「日本本土から、いらっしゃった視察団の皆さんを我がサクラ・マーメリーア部族は、心より歓迎を致します。」



 今日も太陽の陽射しが眩しいサクラ諸島は、新しい客を迎え入れるべく、南国ムード全開の民族演奏で、華やかで優雅で陽気な雰囲気に包まれた。


「サクラ・マーメリーア部族長をして居る私の母のサリーが、族長館でお待ちして居りますわ。」


「盛大な歓迎会を催して頂き、誠にありがとう御座います。」


「視察団の団長で、日本国の国会で亜人地域問題を担当する事に成りました交援省大臣補佐官も兼任して居ます。小林由紀子と言います。」


「これから数日の間、お世話に成ります。」


 小林由紀子は交援省大臣補佐官にも抜擢されて居るが、実質は東京支部で副大臣に近い地位に在った。


 交援省の副大臣は白洲志郎議員だが、此方も実質的に交援省の実務を握って居る様な物だった。


 この二人を含むプロの方々が東京で交援省からやって来る整理された書類や問題を完璧な物へと仕上げるのが仕事と成って居た。


 現場は民間採用大臣の竜史に任せて、臨機応変に対応させ、プロでしか出来ない様な諸問題や仕上げをやるのが交援省東京支部の仕事だ。


 それと当然ながら国会内での対応も職務に含まれて居る。  


 メアリーはクールビズ風のスーツ姿で決めた服装の小林由紀子を珍しそうに見ながら、差し出された手をがっちりと握ると、彼女と握手を交わしたのであった。

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