178話 新たなる嵐の前触れ 6

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月21日・午前9時10分・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・九州島地方・福岡市東側郊外地域・神部町・異世界国家交流総合支援省・交援省大臣執務室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 そして、交援省大臣たる竜史も、彼の補佐をして居る職員の手助けを借りながら、下から纏められやって来た最終決裁書類との睨めっこや判子を押したりする作業に追われて居た。



 他の業務である省内会議や各国の要人や官僚との会談をするのも、大分板に付いて来た所である。


 そんな彼の下にも昨晩に成って報せが入って来た懸案事項に付いてを聞かされ、驚愕をしてしまって居た。


「えっ!?東京サミットに参加予定のオローシャ帝国が危ないって?」


「はい。昨晩に成ってダバード・ロード王国のアーヤ・シュチュ―ド女王陛下が、火急の報せとしてコヨミ皇国在ダバード・ロード王国大使館を通じて、我が国のコヨミ皇国在日本国大使館へと通達が有りました。」



「昨晩の21時35分頃の事です。高見大臣を始め、各課の皆様や各省庁の出向職員の皆様は、レジェンダリア諸島での案件が無事終了した為に、解散と成って居ましたので、流石に業務終了後に呼び出すのは、本当の緊急事態でも無い限りはご迷惑と成りますので、この件に付いては夜勤担当者で、詳細については纏め上げ、内容を詰めて置きました。」


「資料に付いても、関係者各位には配布済みです。高見大臣は、此方をご覧ください。」と竜史は、防衛課の自衛官から資料を受け取って居た。


 事は外交防衛に関わる案件なので、その近くには外務課の官僚・職員も同席して居る。


「何でも、レジェンダリア諸島での戦いが、どうやら帝国の別方面軍に取って前哨戦の前座に過ぎなかったらしいとの事ですが、更なる情報・情勢に付いては続報が入り次第、随時報告を致します。」


「ゾルモン要塞軍団ねぇ・・・・・・」


 竜史は第一報としてやって来た簡単な資料に目を通して居る。


 彼は、また厄介な事に成りそうな予感がして来て居た。


 

「慌てても、呆れてても仕方がない。」


「防衛省にもっと纏まった資料と情報を回して、ガイダル・タバ日統合隊基地と合同で対策会議をセッティングして、秋本空将と防衛省幹部が揃いしだい第1回の会議と作戦立案。」


「今回は作戦会議をするのに、ダバ派遣隊の到着なんか待って居られない。」


「ダバ派遣隊が到着したら、先に会議で纏めた作戦を通達。」


「その後、出撃準備が出きしだい現地へと出発。ゾルモン要塞軍団の北侵を阻止。」


「近海と海外展開している自衛隊の統括管理の代理は家の仕事だから更に忙しく成るけど、此処が山場です。」


「後ちょっと・・・・そう、もう少しだけ踏ん張ってと、僕には交援省の皆さんには、激励の言葉しか言えませんが・・・・・・・・・」


「あははは、そうですね。」


「今は家の防衛課と外交課が、ローラーナ帝国との騒動の後始末と対策に忙殺されて居ますからね。」


「ご指示の件は了解しました。早速、各部署に通達を出して置きます。」


「お願いします。」


 竜史の言葉に苦笑して居た防衛課の陸自隊員は、外務課の者達らと供に、大臣の指示を受けて、直ぐに動き出した。


「一応、手は打って置くか・・・・・・・・」


 竜史は2つほど手を回して置く事にした。



 この仕事に付いてから色々と様々な方面へのコネが多くなって来て居た。


 竜史は、そのコネクションを駆使して、交援省大臣としの権限内で取れる手立てを講じる事にした。


 勿論、安元総理らも根まわしをして置く事には変わりが無い。


「・・・・・すみません。僕は交援省大臣・高見竜史と言います。アメリカインド太平洋軍司令官。ジョージ・バクーア海軍大将閣下へのお電話のお取次ぎをお願いします。」


「いいえ、アポイントは取ってません。少々込み入った話が在りまして、今直ぐお話がしたいのですが、お手数ですがお電話を繋いで頂けますでしょうか?はい。はい・・・お願い申します。」と竜史は、竜史が電話を掛けた先は、この世界に転移して来ていたハワイのアメリカインド太平洋軍司令部のジョージ・バクーア海軍大将だった。


 アースティア世界への転移災害の影響のせいか、英語を使わずにも会話が成り立って居るので、英会話が苦手とする竜史でも気軽に異国人々と電話でお話が出来るので、竜史としても海軍司令官と気軽に話せて居た。


「・・・・・お久し振りです。ジョージ大将。」


「久し振りだなタカミの坊や。今日はどうした。」



 ジョージ大将は実質的に、この世界のアメリカ軍のトップの1人として知られて居る人物で、先の第二次龍雲海沖海戦で海自艦隊と連携が上手く取れる様に手を回してくれて居た事もあって、竜史とは顔見知りと成った人物の1人でもある。



「ええっと、ですね。ちょっと西で厄介事が起こりそうなんですよ。」


「其処でなんですが、爆撃機のB-52とB-2を貸して貰えませんか?」


「あはははっ!!何だそんな事か?それで何機使いたい?」


「それぞれ10機づつ程度で構わないので・・・・」


「だったら各機種を20機つつ出してやる。」


「あれーっ!!僕としては、控えめに言った積もりなんですけど、決して強請ったり吹っかけと積もりは、全く以って全然無いんですが・・・・・・」


「そま君の遠慮は、外交と言う席に措いて、吹っかけて居ると言うんだ。」


「此方のテレビや新聞のニュースじゃ、遠慮して居るのに何がしかの譲歩を引き出して日本政府に得をさせて居るとか言われててな。」


「強か外交とも言われて、我が国でもある意味評判だぞっ!」


「うぁー、そんな積もりは全然無いのにな。」


「まぁ、良い。どうせ殆んどの部隊が守りに入って居て暇を持て余して居るからな。飛行爆撃演習として行かせるさ。」


「有難う御座います。」


「安元総理や日本国政府への根まわし、それに作戦資料なんかは、防衛省から在日米軍を通じてハワイのアメリカ太平洋軍司令部に回して置きますので、それでは・・・・・・・・・」


「ああ、待って居る。」



 竜史は、総理大臣ですらおねだりが出来ないかも知れない事を平然と遣って退け事により、アメリカ軍からはB-29爆撃機を借り受ける事に成功する。


 まぁ、これはゾルモン要塞軍団に対する保険の一つだった。



「これで良しっと。後は扱いが難しい巫女姫様だな・・・・・・」



「だれが扱いが難しい巫女姫様よ。」


 電話を掛けた先は、紅葉のスマホである。



 しかも面倒な事に、コヨミ皇国の女系皇族の血筋で直系だけが備えて居る先読みの力の一つである予知能力で言いたい事や何をして欲しい事まで分り切ってしまうし、下手に悪口が言えないから非常にめんどくさいのだ。


「・・・・・・・・」


「うわーっ!!やり辛えぇーーっ!!じゃ、無いわよっ!!!」


「・・・・・・」


「用件は分かってるわ。占っとくから直ぐに人を遣しなさい。」



「無言でも会話が成り立ったしまうのも、如何かと思うんだがな・・・・・」



 強引に紅葉との電話が切れたスマホを見ながら、ぼやく竜史は、手回しを終えたので、新たな続報が来るまで、元の作業に戻った。



 日本側もゾルモン要塞軍団の動きに合わせた対策と警戒行動を開始して行くのだった。





 アースティア暦1000年・6月26日・午前7時20分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・アイリッシュ湖畔・ダバード・ロード王国・アルインランド州・州都・ベルクラネル市・ベルクラネル城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ポオオオオオオオオォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーッ!!!


 この夏の季節には、とても珍しい霧が、アイリッシュ湖周辺を包んで居た。


 ダバ派遣艦隊は、霧での対策としてお馴染みの汽笛を鳴らして、周囲に船が通る警告音を発しながら、長い旅路の果てにダバード・ロード王国へとやって来ていた。



 本来の片道の航行予定期間は約15日程度、約2週間の日程を予定して居た。



 それをブラキュリオス湖紛争の勃発のが原因で11日の遅れが出てしまって居た。



 東京サミット(仮)の開催は、遅くとも8月から10月までを予定して居る。


 状況に応じて、ずらせる日程を組んで居るが、西側諸国の元首らが揃った時点で、日本政府はサミット開催にGOサインを出すと決めて居た。


 地球でも有り得ない開催期間を設けている大会議、約2が月も掛かる大規模な国際会議である。



 この世界では世界情勢での時期を見ての、大規模な国際会議の開催は、決して珍しい事では無い。


 何せ、色々と重要な事柄を決めつつ、それらに関して会議内容で揉める事を想定しての長期開催期間を設けるのは、アースティア世界では当たり前とされて居たからだった。


 それにローラーナ帝国も、一連の日本国との大紛争や地方での大規模な紛争で、疲弊が見え始めて居た。



 この国際会議の開催するに絶好の良い頃合の時期をシベリナ各国や反帝国勢力の国々が、みすみす見逃す筈も無いと言えた。




 今頃の日本では、外務省と交援省とがサミット開催に向けて死に物狂いで働いて居る筈である。



 その前に厄介な案件が有るとも知らないダバ派遣艦隊の面々は、ようやく任務が果たせると夜勤だった隊員と操船の作業に従事をして居る隊員等を除いて、早めの朝食を終えた者達は、甲板に集まり始めて居た。




「間も無くアルインランド州の州都・ベルクラネル市の港、ベルクラネル港が見えて来る筈ですが・・・・・・・・」



「事故だけは起こすなよ。」


「我々が、この国に初めてやって来た日本の海自艦隊なのだからな。」


「はい。周囲の見張りを厳重にして居ますが・・・・」


 かがの艦橋では置鮎一佐が、間も無く目的地に到着だと言うのに、霧が少々濃いせいで、艦隊の航行の指揮に四苦八苦して居た。



 何せ、初めての地での艦隊移動だからだ。


 如何なる悪天候でも対応出きる海自隊員であるが、未知の場所での行動は今でも、今までも苦労と緊張の連続だった。



 それも間も無く一区切りが付く所だ。


 だが、決して油断はしては成らない。



 帰えるまでが、任務で在るのだから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「折角の景色が良いと聞いて居た湖畔の景色が、台無しだな。」



 コヨミ皇国の二人から、現地の様子を聞いて居た井上一佐も、噂の地中海風の港町の様な絶景を見ようと艦橋に来ていた。


 陸自の司令官である彼が、こんな場所に居座るのも可笑しいと思うが、置鮎一佐が任務成功の瞬間を一緒と言って、彼の入室を許可して居たからだった。


「きっとこの辺りに住まう精霊達を騒がせてしまった様ですわね。」



「あらあら、うふふ。」



 案内役でコヨミ皇国から派遣されて来て居る高雄瑞樹と愛宕千棘の二人も、艦橋に来て、この状況に関する説明を派遣隊の司令である二人にして居た。


 アイリッシュ湖の周りでは精霊達が異質な者が現れたとびっくりした様である。


 特に風と水に属する精霊達が多い湖周辺では昨夜からダバ派遣隊の姿を警戒して居る様であった。



「まぁ、騒ぐ事では無いと思うぞ。歓迎されて居るとでも思えば、可愛いじゃないか?」



「ファンタジーに慣れるのも、このアースティア世界でやって行く事に成る。未来の自衛官に取っては重要な事項かも知れんな・・・・・・・」



 井上一佐は、精霊の動きを読み解き、アースティア世界での天候を読み取るのも、将来の自衛官の教本に乗るのも時間の問題だなと思い始めて居た。



「置鮎一佐。先行して居る。はやぶさ隊の石井三佐とあかつきの洲崎二佐からです。霧が晴れ始めて居ると・・・・・」



「どうやら精霊さん達は、警戒を解いて、俺達に歓迎セレモニーをして来る様たぞっ!」


 

 置鮎一佐のジョーク交じりの言葉には、やり遂げた感の嬉しいと思う気持ちが籠められて居る様であった。 



「・・・・霧が晴れて来ました。」


「「「「「おおっ?!」」」」」

 


 かがの艦橋の面々が晴れた瞬間の景色に感激の声を上げる。



「丸でヨーロッパの古い時代に迷い込んだみたいだな。」


「ええ、こんな光景はゲームかアニメのファンタジー映像でしかお目に掛かれないでしょうね。」


「此方記録班です。カメラで撮って良いでしょうか?」


「許可する。取り捲れ。良い土産に成る。」


 防衛省から来ている記録班の隊員達は、思わず無線で許可を求めて来た。


 それだけ任務達成に興奮して居たのである。


 許可を出した置鮎一佐も、彼の宇宙世紀のアニメに登場する木馬戦艦の艦長の如く的なノリで、撮影許可を出して居た。



「カリン少佐殿。霧が晴れて来ました。」


「アイリッシュ湖にニホン国艦隊を多数確認。」



「了解した。歓迎の礼砲よーいっ!!」


「はっ!!歓迎の礼砲っ!!撃ちかーたよーい・・・・・・・」


「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!」

 


 カリン少佐が、礼砲の発砲を許可の声が響き渡ると、各隊は礼砲を一斉に撃ち始めた。


 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!


 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!


 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!



 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!



 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!



「おっ!?歓迎の礼砲の様だな。」


「置鮎一佐・・・・・」


「ふっ、歓迎の礼砲には礼砲で返礼を返えす。各艦の用意は?」


「準備万端で、予定通りです。」


 笹沼二佐を始め、派遣隊面々は祝砲が来るだろうと予期して居た。


 ダバ派遣隊も、返礼の礼砲を撃ち返す。


 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!


 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!


 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!


 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!


 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!



「レーダーに反応有り、機種はF-4ファントムですっ!」



 キイイイイイィィィィィーーーーーーンンッ!!ゴオオオオオォォォォォーーーーーーーッ!!


「此方はガイダル・タバ日統合隊基地所属のガイダル派遣航空隊だっ!!」


「ダバ派遣隊の諸君。当地への来訪を心より歓迎する。任務達成おめでとうっ!!」



 ガイダル・タバ日統合隊基地に派遣されて居る古狼達と白銀の狼たるF-4ファントム達によるアクロバット飛行による歓迎のセレモニーで、遠路遥々やって来たダバ派遣隊を出迎え、その苦労を労ってたのであった。


「此方はガイダル・タバ日統合隊基地司令官、秋本洋佑空将だ。」


「ダバ派遣隊の諸君。ダバード・ロード王国への到着、先ずはおめでとう。」


「これより、ヘリと無線で停泊場所に誘導する。」


「了解しました。」


 ダバ派遣艦隊は、ガイダル・タバ日統合隊基地の指示に従って、停泊作業に入る。


 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!


 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!


 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!



 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!



 ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!ズドドーンッ!!


 

 ベルクラネル市とベルクラネル港の周辺では、礼砲と魔法花火による出迎えの歓迎の声が響き渡って居た。


 これが嵐の前の静けさと言う事も知らずに、ダバ派遣隊は、任務達成を果たした安堵から、ホッとするため息を吐きつつ、ひと時の安らぎを過ごす事と成る。




「故郷か・・・・・・・」


「・・・・・・・」


 リナは4年ぶりに帰郷する故郷の風景を見て、憂鬱な気持ちに成って居た。



 もう、二度と戻る気は無いとの決意は変わらずに・・・・・・・・・


 

 そんなリナを見詰めるハンナは、何も言えずに横で黙って居た。



 何も言えず何も出きない事を一番に知る友達だから・・・・・・・・・・



 そんなリナは戦時中と戦後に掛けて、本当に用事が無い時以外は、この国に殆んど留まる事をして居ない人生を送る事に成る。


 それは国事の為に、国を追い出したアーヤ・シュチュ―ド女王に対する配慮から来て居ると言われて居る。



 リナはアースティア大戦後、とある理由から日本国・群馬県で、その半生を送る。


 念願だった大学進学は住み着いた先である群馬大学に進学し、その後は魔法や科学関連の講師を務めつつ、文科省と経産省からの依頼を引き受ける仕事して行くのである。


 アーヤは日本で勉学を収めたリナの事を特別な人材として何度も何度も、誘うが一生固辞し続けた。



 それほどアーヤとは反りが合わないと思う様に成ってしまって居たからでもあった。


 後年のアーヤは、この事を酷く後悔し続けて居たらしく、アースティア大戦に関する彼女の回顧録では、優れた才と力を秘めた雷竜を取り逃がしたと言って居たと言う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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