214話 動き出す世界と世界の国々・・・・・・ 1

 アースティア暦 1000年・西暦2030年・7月3日・午前9時33分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・アイリッシュ湖畔・ダバード・ロード王国・アルインランド州・州都・ベルクラネル市・ベルクラネル港周辺・西方面海自派遣艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣艦隊・略称名・ダバ派遣艦隊・旗艦ヘリコプター搭載型護衛艦かがにて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 アースティア世界の世界史、アースティア大戦史の終盤緒戦の一つに数えられているジャンブロー要塞の嵐と後に呼ばれる戦役は、シベリナ地方王国連合同盟ことシベリナ王国連合諸国と日本国を中心とした地球連合諸国の軍勢が結集した北部大陸間海洋国際平和維持連合軍、通称北国連合軍側の勝利で幕を閉じた。


 北国連合軍に参加した国々は、全ての戦闘が終わり、現地のオローシャ帝国地方州軍に戦後処理を任せると、その全艦隊はダバード・ロード王国・アルインランド州・州都・ベルクラネル市へと集結し、ダバ派遣隊と共にパイプ・ライン大河を通じて帰国するべく、その途中までの帰路でもある日本へと向かう準備に追われて居た。


「これでようやく日本に帰れますね。」


「ああ、本当にロクでも無い遠征と言う名のお遣いだったな。」


「全くです。」

  

 ダバ派遣隊の司令官である置鮎竜次郎一佐は、ヘリコプター搭載型護衛艦かがで置鮎一佐の副官を務めて居る笹沼彰二佐は、全ての事を終えた事に対して、やれやれと言った感じで、かがの艦橋内で帰国への準備に追われてつつ、雑談を交えた会話をして居た。


「まさか今回の主な任務が、ダバード・ロード王国からの魔導機兵の受領移送では無く、西側諸国の首脳陣を護衛して連れ帰る事が真の任務だったなんてな。」


 出発前に防衛省からの封書を竜史から手渡された置鮎一佐は、事が終わってから封書の封を開けると、その内容に書かれて居る文書を読み進めて、ビックリをしてしまう。


 封書の中に入った密命書には、西方諸国の国家元首や代表団を護衛して、日本の首都・東京まで、安全に移送するようにとの命令が書かれて居た。



 ダバ派遣隊のメンバー達は、ローラーナ帝国との偶発的に起こった全ての戦役を終えてから、今回の西方諸国への大遠征の真の目的を初めて知った事に成る。



 彼らは日本政府の真の目的を知って、日本政府と共謀してこの企みをやってのけた竜史にしてやられと思うと共に、何故この様な護衛戦力や援軍が必要に成って居たのかを密命書の内容を知らされた事で、ようやく納得がいったのであった。




「このアースティア世界と言う世界史に措いて、事態を一変させ兼ねないと言う大事。それ故に事が事ですし、何としてでも東京サミットを成功させたいと言う日本政府の警戒心が強くなる筈です。」


「何せ、このアースティア世界大戦を終わらせる。そうしなければ、我が国の平和は保てないと言う事なのでしょう。」


「その様な理由から、我々に一言もその様な事を漏らさない様に、徹底的に緘口令を敷いた上でのダバ派遣隊の艦隊派遣なのですから・・・・・・・・・・」


「今にして思えば、高見くんは全てを・・・いや、安元総理は勿論だが、諏訪部外務大臣に、小西防衛大臣等も、事の企みを全部知って居た上で、俺や井上さんすら何も知らせない様にして、ダバ派遣隊を西へと派遣するのだから、全くもって意地の悪い話ってもんだよ。」


「帰りは重要な荷物を抱えて、盗賊と強盗と水賊の居ない大河を大艦隊で、大行進か・・・・はぁ~、これも全く笑えない冗談だよな?」


「ですね。プロだけで考えて居たら、この様なジョークめいたやり方をしようとは、無謀を越える様なやり方、マンガアニメのような展開を自衛隊にさせると言うのは、まったくもって馬鹿げて居ると大多数の国民から言われ兼ねませんしね。」


「本当だよ、後世の世に措いて、俺達の事は如何言う風に書かれるのだろうな。」


 苦笑し合う二人。



 彼らの帰りの仕事は、ユーラシナ大陸の西側国家首脳陣を連れての帰路での護衛仕事を残すのみである



 本来ならば、とても厳しい道のりであるが、厄介者の露払いはダバ派遣隊の手によって済んで居るので、とても楽が出来る帰路であった。





 アースティア暦 1000年・西暦2030年・7月3日・午前10時05分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・アイリッシュ湖畔・ダバード・ロード王国・アルインランド州・州都・ベルクラネル市・ベルクラネル城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 オローシャ帝国の若き女帝であるミランダ・ランティーとダバード・ロード王国の女王であるアーヤ・シュチュ―ド女王は、主だったリユッセル北欧同盟諸国首脳陣との会談とジャンブロー要塞の嵐戦役の戦後処理を終わらせ、ベルクラネル城内に在るアーヤの私室に措いて、二人でお茶会を交えての懇談をして居た。


「改めまして、アーヤお姉さま。この度は、我が国と臣民を救って頂く為に骨を折って頂いた事を誠に感謝を致します。」


「その事は別に良いのよ。今回は日本で開催予定の国際会議に向かう為の迎えが来た事の物の序でなのよ。」


「お陰で帝国本土とその周辺は軍事力の8割が消滅し、行動使不能な上と成った事で、反帝国同盟諸国に取っても大掃除が出来た上で、安心して日本へと旅立てるから、結果オーライと言う所よ。」


「その為に色々と失うものは多く有ったけれど・・・・色々とお金が・・・・・それでもまずまずの損失と言った所でもあるわ。」


「それに貴女は妾に取っても、実の妹同然ですもの、先帝陛下と皇后陛下のお二人にはくれぐれももお願いしますと言われて居るのよ。当然の事じゃないかしら?」


「それでも・・・私はもう駄目かと・・・・・・」


「大丈夫よ。絶対にさせないわ。今回も、そして、これからも・・・・・・・・」


(そう、帝国の好きにはさせないわ。何れにしろ、もう、妾達には後が無い。)


(日本での国際会議がこの世界の行く末を決める歴史に名を遺す重要な会議と成るのよ。)


(この国際会議は、何としてでも成功させなければ成らないわ。)




 アーヤは東京での国際会議を何としてでも成功させると新たに決意する。


 日本政府を始めとする地球系転移諸国から何としてでも、アースティア大戦への参加と資金・軍事・技術援助を引き出して、戦況を一変させなければ、反帝国同盟諸国に取って後が無い。


 目の前の幼い女皇帝や他の帝国の侵略に晒されて居る国々も守る為にも、世界の安寧の為にも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 アースティア暦1000年・西暦2030年・7月12日・午前11時00分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・地球海洋諸国連合同盟勢力圏・日本列島・日本国・関東地方・日本国首都・東京都・港区・元赤坂・二丁目・1番・1号・迎賓館赤坂離宮・地球海洋諸国連合同盟・先進5ヶ国首脳会議場・記者会見場にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 一方、その頃・・・・東京では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 西での戦いに決着が着いた事を契機に、日本政府は2ヶ月近くもの間、伏せて居た重要なある計画を日本国民と地球系諸国の市民達に報せる事と成った。


 異世界の反帝国を掲げる主要諸国、何所の勢力にも属して居ない中立国や国家体制を取って居ない部族自治政府地域と接触し、これからの事に付いての話し合いを持ちたい。


 その場とは題して アースティア国際大会議・IN・東京サミット。


 略して東京サミットを呼ぶ事にした大国際会議を開くと言う事には成って居るが、地球諸国も異世界諸国と経済的な結び付きが特に欲しい事も有り、国交開設関連の条約を一度に話し合って一遍に結ぶには、異世界諸国の元首又は国家代表の招致が絶対に欠かせない。



 二ヶ月近くもこの事実を伏せていたのは、地球系勢力圏外の異世界国家内で活動して居るマスコミ対策でも有ったからだった。


 ホンの一部だが、地球諸国以外で活動して居るマスコミは一部だが活動して居る。


 特にコヨミ皇国や最近に成って日本国へと編入されたサクラ・マーメリーア部族と言うマーメイド族達が暮らすサクラ諸島県でも活動を開始して居る。


 此処はマーメイド族の中立国家マーメリア海洋王国に近く、小笠原諸島の役場や国土交通省許可と、サクラ諸島県庁の許可さえ有れば、出入りが自由と成って居るが、今の所は制約付きの限定的で、防疫と文化保護の目的とした外地からの立ち入りが厳しく制限されて居た。



 そんな異世界諸国との繋がりが強い地域で、日本国内と地球諸国の内情や異世界諸国との外交問題をペラペラと喋ったら、一気に噂話として、この異世界中に噂話が広まるだ事ろうし、ローラーナ帝国の間諜達も、その噂話を聞き逃す筈も無いと言う理由から来るものだった。



  そんな理由から東京サミット自体が秘匿されるべき内容であり、日本へとやって来る異世界諸国の首脳陣や使節団の身の安全を守る事に繋がる。



 そう言われれば、日本国民も地球諸国の国民達も、更にマスコミ関係者達すらも納得するしか無いと言えた。



 その東京サミット開催に向けて赤坂迎賓館で開かれた地球海洋諸国連合同盟・先進5ヶ国首脳会議。

 

 この世界での今後の行方を如何するかが、主なが議題内容と成って居たが、それは表向きの建前だった。


 日本へと向かう筈の異世界国家の首脳陣達が、ローラーナ帝国との偶発的に起こった戦争の為に、サミット開催が何時に成るのか決めらずに居たからだ。


 地球海洋諸国連合同盟・先進5ヶ国首脳会議の開催期間中には決着が着くとの見立てから、数日の間たけ他の議題で、お茶を濁しながら、5ヵ国の首脳達は事が終わるのを待つ事にして居た。


 そして、最後の戦いであるジャンブロー要塞の嵐戦役が終結した事で、地球海洋諸国連合同盟・先進5ヶ国首脳陣たちは、東京サミット開催と告知に対してGOサインをようやく出せたのであった。


「8月中旬から10月までの期間に措いて、アースティア国際大会議・IN・東京サミットを開催する事を地球系諸国に住まう全ての国民の皆様にお伝えします。」


 パシャ、パシャ、パシャ、パシャとカメラのフラッシュ音を鳴らし、安元総理はお茶間に向かって、東京サミットを開催する事を高らかにこの異世界中に向けて宣言をした。


 安元総理の後ろには、地球の本国と決別し、新たな新生アメリカ合衆国として出発する事にしたアメリカ合衆国の大統領のジョーンズ・ベクター大統領。


 ウラジオストク市周辺とオホーツク海内の島々やカムチャッカ半島を国土して独立する事にしたロシア共和国のジェーコブ・フロスキー大統領。


この転移災害に措いて、ロシア共和国は、北方四島と合わせて千島列島を日本国に帰属返還する事とサハリン島を共同出資する形で、サハリン島(樺太島)を共同委任統治領する事が取り決められて居る。


 それと引き換えにロシア共和国は、日本国と日本政府から多額の資金援助と復興支援を受ける事に成って居るし、新国土領の開拓も手伝って貰う事に成って居る。


 今やロシア共和国は、日本国から生鮮食品と機械製品を仕入れ、ラクロアナ王国からは生鮮食品を仕入れて行かないと成り立たない状況下に在るので、ソ連時代からのいざこざを解消と引き換えに、日本国から援助を引き出す事に、何の躊躇いも無かった。



 また転移災害によって中華人民共和国とは、完全に決別する事が出来た事で、堂々と真の独立国と成った台湾共和国のユンファ・リー総統。


 台湾は日本国との関係をより一層深めて行く方針を示し、日本国の背後は任せて欲しいと豪語して居るようだ。


 今はアースティア世界に措ける機械製品とソフトウェア生産能力を生み出して行ける二番目の地位を持った国家として、注目を集めて居る。


 特に日本国からは半導体生産能力を求められて、それらょを使用した機械製品を転用した兵器の生産が可能と成って居る国々。


 日本国・台湾共和国・タイ王国・インドネシア共和国・ベトナム社会主義共和国と言った地域に進出したりして居る重工業系株式会社とコンピューターソフトウェア会社が、アースティア大戦に措ける誘導弾・誘導爆弾の主要生産工場と成って行くのは、これからの話である。


 イギリスのフォークランド諸島を中心としたEU諸国の離島や軍基地等国土が転移してしまった事で出来た欧州諸島連合国は、各国内で大統領選挙と欧州諸島連合国議会議員選挙を行った。


 その選挙で国家代表とEU議会議員が定まると、続けて各国家代表の中からEU大統領を決めるEU大統領選挙が行われた。 


 その選挙で決まったのが、EU大統領兼イギリス共和国議会・国家代表首相であるクラリス・エリントン。


 その彼女の周りには、欧州諸島連合国の国家元首達が居並んで居た。欧州諸島連合国はたくさんのヨーロッパ系の小国家諸国の集合体国家である為に、全ての国家代表が、この会議に参加して居た。


 それにゾルモン要塞軍団の撃滅作戦及びザタン・アタック作戦にも参加して居るので、ある程度の発言権を有して居るので、この首脳会議に参加して居るのである。


 先に行われた地球海洋諸国連合同盟・先進5ヶ国首脳会議で議題に成って居た、東京サミットの日程調整が済んだ事を正式に地球系転移国家の勢力地域の全域に伝える為に、彼らは並び立って居るのだった。


 会議の終了の四日前に成って、今年からアセアン議長をして居るタイ王国の首相と経済的に有利なインドネシア大統領がアセアン諸国地域の主要国の一つとして招かれて居たのだが、これは経済と軍事に付いての話し合いをする為に、他のアセアン諸国に先駆けてこの二か国が先遣隊として来て居た為である。


 また東南アジア諸国の全部が、準備段階で全員で押し掛けたら大事に成ると言う観点から、東南アジア諸国連合事務総長であるタイ王国の首相がオブザーバー枠として、東南アジア諸国の代表として、インドネシア大統領が日本へと現れ、他の先進国に対しても物が言えて居る事を喧伝する為に、サミット開催発表の場に先進5ヶ国の首脳らと供に立って居る。


 アセアン議長の議長は、国別のアルファベット順に持ち回りで加盟各国の首相又は国家元首が議長に就任する事に成って居る。


 そして、東南アジア諸国連合の事務総長は、5年間のアルファベット順のローテーションに基づいてASEAN加盟国の国民の間で選出されたASEANサミットによって任命される。



 東南アジア諸国からやって来たこの2名は、東京サミットへの先遣隊であり、サミット参加への地均し為に、日本へとやって来て居ると言う訳なのだった。




 更に、この演出は当初から予定されて居た既定路線でもあるのだ。



 それは東京サミットが決まって居ないのに、東南アジア諸国の代表団が現れるのも、何か有るのではと勘繰られる恐れがあり、各国の政府首脳しか知らない機密事項であるサミット開催をマスコミ等に漏らす様な真似が出来ない。


 それなので日程のギリギリに成ってから日本へと来てもらうと言う事が、事前の話し合いで取り決められて居た。



 万が一、フリージャーナリストにサミット開催の事を素っ破抜かれても、これからの将来に付いてを話し合うべく。


 東南アジアの代表団は首脳会談にやって来ただけと良い訳を通す為の方便用のカンペを用意されて居たが、如何やらそれは杞憂に終わったらしい。


 

「サミットの日程として、国際合同軍事演習会・サミット・日本国内視察、企業交流会・学術文化交流会の五つを予定して居ります。」


「また、この度は地球から転移国家して来てしまった国家群は、地球海洋諸国連合同盟を結成し、地球時代の国連に代わる国際議会の交流の場にしたいと考えて居ります。」



 日本が提案した地球海洋諸国連合同盟と言う国際議会組織は、単純に言えば地球転移国家諸国の寄り合い会議所の様な物である。




 このアースティア世界に措いて、シベリナ王国連合 リユッセル北欧同盟 ミンフィル王国東南諸国同盟、アセニア亜人連合同盟 デモニュクス帝国・魔族連合 西方バルバッサ帝国同盟 アマラーラ王国・アマラーラ半島地方首長連合等の連合同盟と言った物の国家間同盟議会が数多く存在して居る。


 色竜人族の集まりや、その他の大小様々な中立国同盟会を含めると、10以上もの連合同盟組織が在ると言われて居る。


 地球諸国が自分達の寄り合いグループを作ったのも、名無しのよそ者集団では色々と問題や舐められる心配も有るし、引き抜きや取り込みすらも多々あると思われるので、これは言わば名目上のグループ組織であり、他の勢力に呑まれない為の保険の様な物であった。


 お互いにガッチリと古い友達同士でタッグを組んで居れば、如何なる異世界諸国の勢力でも、簡単には手を出し辛いと言う訳だ。


 ローラーナ帝国からすれば、東の果てにシベリナ連合以外にも、更なる大きな力を持った一大勢力の連合同盟諸国が団結結成した事に成る。



 ローラーナ帝国は、それぞれの方面軍や行政官等が、これまでの戦いで、地球系諸国をかなり刺激をし過ぎた行動を取ってしまった。


 危機感を抱いた地球系諸国の各国は、一致団結して帝国と戦う事も辞さない覚悟を決めた事にも成ったと言えた。




「何かご質問が有れば、事前に提出された通りに、ご質問下さい。」


 安元総理の質問を受け付けるとの言葉に、すうーっと手を逸早く上げようとマスコミ各社の記者達とレポーター達は素早くを手を挙げたが、安元総理の目に逸早く留まったのは、朝日奈放送の門脇と言うレポーターだった。


「朝日奈放送の門脇です。」


「既に情報が解禁された事なのですが、自衛隊の大艦隊がユーラシナ大陸の西方諸国へと派遣された件に付いての質問です。」


「日本政府が配布した手元の資料に由れば、コヨミ皇国の外務省を通じて、ダバード・ロード王国からの提案で準備が進められて居る国際会議、アースティア国際大会議・IN・東京サミット。」



「その開催地と成る東京へと向かう事と成った西方の国家元首や政府職員の迎えに行く為に結成された西方面海自派遣艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣艦隊。略称名をダバ派遣隊と言いましたか?」



「そのダバ派遣隊のせいで、3つものローラーナ帝国軍との戦いが繰り広げられるたのは、何故でしょうか?」



「はい。それに付いては防衛省と外務省、そして異世界交流の調査・補佐を担当して居る交援省等の省庁の調べては、一連の戦闘は各同地方のローラーナ帝国軍の方面軍らに由る予定通りの計画的な武力侵攻では無かったのでは無いか?との結論に達して居ます。」


「その根拠は何でしょうか?」


「その根拠として、先ずはグリクス地方軍団というユーラシナ大陸の中央部北側を所管担当して居るローラーナ帝国軍団とダバ派遣隊との衝突ですが、先に結論を述べますと勇み足だったのでは無いかと見て居ます。」


 マスコミ各社のレポーターや記者たちは安元総理の言葉を聞いて騒ぎ出す。


 自衛隊にも問題が有ったのでは?


 だから最後には手が足りなくて、その結果として、援軍として送り込んだのが、アメリカ・ロシア・台湾・欧州連合の軍勢を使ったのだと見て居る専門家も多く居たからだった。


 だが、政府の見解は軍事専門家やマスコミに加え、日本国民達が考えて居るよりも斜め上の答えが返って来たのだった。


「詰まり、何ですか。グリクス地方軍団は、ただ通り過ぎるだけのダバ派遣隊の動きに慌てふためいて、手を出さなくて良いのに手を出して来たのだと・・・・・・・・・・・・・」


「はい。それに異世界各国から受けた情報内容では、加えて兼ねてから、シベリナ地方の中央部各国への侵攻計画も打ち立てて居たとの事です。」


「それらの事象が偶発的に重なった結果、彼らはダバ派遣隊に攻撃を仕掛けて来たのでは無いでしょうか?」



更にざわざわと騒ぐマスコミ各社達。



「詰まりは、単なる只の自滅?」


「そんな馬鹿な事が・・・・・・」


「そんな策士が描いた絵空事みたいな感じの展開が、現実に措いて、本当に起こり得るのか?」


「いや、これは案外有り得ぞっ!!」


「でもなぁ・・・・・・・・」


「何か胡散臭い。」


「確かにな。結果だけ見聞きして居ると、どう見ても出来過ぎだと思ってしまう。」


「とてもじゃ無いが、ローラーナ帝国軍は通り過ぎるだけのダバ派遣隊に、ヒビった連中が計画していた侵攻作戦を前出して、おっかなびっくりに手を出したら手痛い目に有ったとは・・・・・・・・・・・・」


「なんとまあ、間抜けと言うか、何と言うか・・・・・・・・・・・・・・」


 マスコミ各社の記者やレポーター達は、様々な憶測を言いつつ、言われてみれば納得も出きる話だとも思い始めた。


「詰まりは基本的には、自衛隊側の自衛行為に過ぎないなのだったと?」


「はい。これから先の事を話し合う東京サミットの計画が有りましたし、その為にも西国の首脳陣達を迎えに行かない訳にも行かず、ダバ派遣隊の彼らとしても苦情の決断でも有りました。」


 カンペ通りに淡々と話す安元総理。


 それに対して朝日奈放送の門脇は、政府の痛い所を付くかの様にして質問を続けて行く。


「先の日本近海で起きた龍雲海での戦いの後、しばらく経ってから、その戦いは公式に第二次龍雲海沖海戦と名付けられたました。」


「その戦いに措いて、ローラーナ帝国軍の独立外征艦隊と自衛隊艦隊の衝突は、専守防衛の国防的観点から致し方が無いとしても、オローシャ帝国・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地周辺で行われた戦いはどう説明するのですか?」


 龍雲海での2度目の戦いは、これまでとは違って本格的で、とても激しい戦いだった。


 日本政府はこの戦いの事を公式に第二次龍雲海沖海戦と名付けて、転移直後に起きたあさくら号事件に纏わる偶発的な紛争の様な戦いを第一次海戦と見る事にした。



 その第二次龍雲海沖海戦が起きた原因は、一部のマスコミや軍事専門評論家の間等では、ダバ派遣隊の動きが原因ではないかと決め付けて居る節がある様だった。


 まあ、どちらも全く関係の無い事柄だが、連続して自衛隊が戦った戦争なので、それが起きた原因の根源が政府と防衛省ではないのかとの疑いの目が向けられて居た。



「日本主導で行われた一大迎撃作戦であるザタン・アタック作戦でも、グリクス地方軍団との衝突であるブラキュリオス湖畔紛争での出来事と同じ様に、偶然にもローラーナ帝国軍に攻め入られた場所近くには、ダバ派遣隊が居合わせ、それらの防衛をさせるには不足であると判断した為に、慌ててアメリカ軍等の援軍を送り、ゾルモン要塞とゾルモン要塞軍団を撃滅したと仰って居るのですか?」


「はい。いゃー本当に偶然にも反帝国同盟諸国の悩みの種が一気に解決できるとは、私も此処に居る首脳の方々も本当にびっくりな話ですよ。」


「かなりの大軍であった為に、こちらでの戦いも先手、先手を打つ為に慌てて援軍を送る事に決まり、また、地球諸国の皆様には機密保持の為に真実をお報せ出来ずに居た事をお詫びを致しますと共に、一連の出来事にご協力して下さった様々な関係者の皆様に対して、この場をお借りして感謝を申し上げます。」


 等と白々しくも安元がそう述べると、後ろの各国元首のお歴々も笑いながら頷いて居た。


 マスコミ各社はその光景を見て、どう見ても胡散臭いとも思いつつ、腑に落ちないが計画的に狙って事を進めるには、膨大な手間と労力が居る筈なので、突発的にこれらが計画されたにしては、話が出来過ぎて居ると思った。


 まぁ腑に落ちないがマスコミ各社や多くの民衆達は、他に反論が出来る説明が出来る事も無かったので、この場は単にローラーナ帝国軍が予定されていた計画を偶々通り掛かったダバ派遣隊にビビッて、勇み足で戦い、そして敗戦に至ったと結論付ける事にした。


「この報道を見て居る視聴者の方々もビックリな答えですが、私個人としては正直な答えとしては胡散臭い結果ですが、奇跡と言うのは、本当に目の当たりにしたとしても胡散臭い物なのでしょうね。」と皮肉った言い方で締め括り、彼は質問終えたのだった。


 その他のマスコミ各社の質問を終えると、地球連合先進5ヶ国首脳会議は幕を閉じて終わりを告げたのである。

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