210話 吹き荒れるジャンブロー要塞の嵐の終焉。決戦っ!!ワールドパンツァーウォーっ!! 2

アースティア暦 1000年・西暦2030年・7月1日・午後13時04分頃・アースティア世界・カリフア大陸・カリフア大陸南部中央地方・ローラーナ帝国・ジルバブエ植民地領・ジルバブエ植民地領州都・ハラハラーレ市・カリフア大陸総督府・ローラーナ帝国軍・第二方面軍・カリフア大陸方面制圧軍団カリフア大陸方面制圧軍団総司部・カリフア大陸方面制圧軍団総司令長官室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 北国連合軍とゾルモン要塞軍団との激しい戦闘が行われて居る中で、此処ローラーナ帝国・カリフア大陸・ジルバブエ植民地領の州都ハラハラーレ市では、周辺地域の監視網に引っ掛かったある緊急連絡が 第二方面軍・カリフア大陸方面制圧軍団司令本部へと齎されて居た。



 カリフア大陸は400年前に帝国が初めて一大陸を全土制圧が完了した大陸地域であり、今やローラーナ帝国に逆らう国などは在りもしない支配地域をして居る所なのだ。


 カリフア大陸はオムジネ―ル帝国 ペリソナ首長連合国 バルゾナ王国、サカドラ国等々の従属同盟や属国同盟を結んでいる国家群やローラーナ帝国の植民地領合わせた200の地域と属国家から成り立って居る大陸である。


 流石のローラーナ帝国も、一国家だけでアースティア世界の世界統一は成し得ない事は、理解して居る様で、デカい国家や降伏国家。


 それに姻戚同盟に、属国支配を受け居れた国家は、2等国家以下の扱いする国家として、生き残らせる形の政策を取って居る。


 その国々の地位はある意味、ローラーナ帝国と言う巨体を支える臓器や機械装置の部品パーツと言った感じに成るだろう。


 支配されたカリフア大陸は、ローラーナ帝国と言う川上から流れ出る富と食料と労働者人員を生み出す一大生産地であり、ローラーナ帝国と言う国家を動かす原動力なのであった。



 そのカリフア大陸の一切を取り仕切って居るのが、ローラーナ帝国・第二方面軍・カリフア大陸方面制圧軍団であり、その軍団司令部とカリフア大陸総督府等の行政府が置かれて居るのが、大陸南部中央地方に在るジルバブエ植民地領州都・ハラハラーレ市だった。



 其処を取り仕切って居るのが、カリフア大陸方面制圧軍団総司令官であるキシリアーナ・ザルビッシュ少将である。


 彼女は、男性有利なローラーナ帝国の内部に措いて、女で有りながら才知溢れる人物とししてられ、鋼鉄の女将軍と呼ばれる程の人物で、長きに渡りローラーナ帝国の軍文体制統治下に措かれて居る事で、既に戦線として落ち着いて居るカリフア大陸の軍政務の一切を任されて居る才女でもあった。



 キシリアーナことシリアは、カリフア大陸特有の暑い大地で、少しでも快適に過ごせる様に、半裸とも言えるラフなビキニ風の衣服を身に纏ってカリフア大陸方面制圧軍団総司令官室で、カリフア大陸東部方面軍からの緊急魔導通信を受け取って居た。



「何っ!?あのゾルモン要塞が奇襲されて居るだとっ!?」


「はっ!本日、7月1日・午後12時45分頃過ぎの前後から、ゾルモン要塞に大規模奇襲攻撃仕掛けられて居る模様です。」


「・・・・それで仕掛けて来たのは、何所のどいつで、何所の国だ?」


「シリア少将閣下にも以前にもご報告申し上げましたが、東部のカレールーナ大海洋に出現した異界国家群が、オローシャ帝国への遠征中で留守と成って居るゾルモン要塞に総攻撃を仕掛けたと思われます。」


「脳筋のドズールのバカめが、猛獣の如き戦う事ばかりに感けて、留守中の巣穴への守りを怠ったばかりかっ!!敵に裏を掛かれおってっ!!」


「シリア少将閣下、その事なのですが、このままではゾルモン要塞の壊滅は免れませんっ!!そんな最中に、我らカリフア大陸東部方面軍が何もしなかったと言われてしまうは、不味いと具申致します。」


「そんな訳でして、今の我らは、一体、どう致しましょうかと、お伺いを・・・・・・・」



 カリフア大陸東部方面軍は、文字通りにカリフア大陸東部方面の守りを担う方面軍の事だ。


 その彼らが黙って欧州連合軍のゾルモン要塞への総攻撃を黙って見過ごせる筈も無い。


 だが、軍組織としては勝手に一方面軍の軍勢を更に上の上層部にお伺いもせずに、勝手に動かす訳にもいかないが、援軍を出さなかったと言われるのも心外な事なので、カリフア大陸方面制圧軍団の部下達は、カリフア大陸方面制圧軍団総司令官であるシリア少将に、形ばかりのお伺いをして来たのである。



「ふんっ!!ドズールの尻拭いは面倒だが、奴目は今頃は撤退に難儀して居る筈だ。」


「我らカリフア大陸東部方面軍は、直ぐに出撃できる戦力を搔き集めて、東部のカレールーナ大海洋に出現した異界国家群地域へと強襲攻撃を仕掛けよっ!!」


「だが、無理攻めはするな。この度の戦果は、奇襲攻撃して居る連中の背後を脅かす程度で良い。」


「ドズールの失敗に最後まで付き合ってやる義理も無ければ、共倒れに成る貧乏くじを引かされる謂れも無いっ!!」


「切りの良い所で撤退せよと伝えろっ!!」


「ははっ!!畏まりました。シリア少将閣下っ!!」



 ローラーナ帝国・第二方面軍・カリフア大陸方面制圧軍団は、窮地に陥ったアーノルド・ドズール大将とその旗下のゾルモン要塞軍団の撤退支援の為に、カリフア大陸方面制圧軍団旗下のカリフア大陸東部方面軍艦隊を動かす事を決めた。





 アースティア暦 1000年・西暦2030年・7月1日・午後13時18分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域南西部地方・カリフア大陸東側・ユーラシナ大陸南側・カレールーナ大海洋・欧州諸島連合国とジブチ・スリランカ・ソマリア国内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ジャンブロー要塞の嵐での戦いは、いよいよ佳境へと突入して行く。 



 シベリナ連合諸国軍と地球連合諸国軍から成る北部大陸間海洋国際平和維持連合軍、通称・北国連合軍とローラーナ帝国のゾルモン要塞軍団と大戦争の戦いは激しさを増して、戦闘主導権をゾルモン要塞軍団のワンサイドゲームから北国連合軍の優勢へと移り変わりつつあった。



 そんな中で、アースティア世界で最もローラーナ帝国に近い中立国と言わるアマラーラ半島地方を統治して居るアマラーラ王国。


 又の名をアマラーラ王国・アマラーラ半島地方首長連合と言うアマラーラ半島地方の盟主王国である。



 その砂漠と草原と乾燥した大地の国の若き女王であるクレレーナ・パオトラ・アマラーラ女王は、北国連合軍とゾルモン要塞軍団と戦争で近所迷惑だと抗議をする為に、わざわざ水上魔導戦艦1隻と帆船型巡洋艦9隻を率いて欧州諸島連合国の中央首都であり、イギリス共和国の首都にも指定されて居るフォークランド諸島・スタンリー市を訪れて居た。



 突然の隣国の女王の訪問に応対して居るのは、イギリス共和国のアルテイシア・サッチャー副首相で、欧州諸島連合国の居残り政府首脳陣組の纏め役もして居る人物だった。



「まさか、この様な状況下に有るのに、この周辺地域の国々の元首方々が、不在だったとは・・・・・・・・・・・・」


「誠に申し訳ございません。クレレーナ陛下が、戦火の中である我が国へと、わざわざ折角お越し頂いたのに・・・・・・・・・・・・」


「いや、私もアポ無しで、突然に訪れたのだから悪いのよ。」


「はい、クレレーナ陛下には措かれましては、今回のローラーナ帝国との戦争に措いては、誠にご迷惑かと思われます。」


「それは先に述べた通り、建前よ。」


「はい。承知して居ります。」



 クレレーナは、この地を訪れた際に中立国としては、とても迷惑だと言ったが、建前であると付加えて居た。



 そして、有り得ないくらいに発展して居る土地でも有る事にも驚きつつ、そんな国の国家元首に会える事を楽しみにしながら船を降りたが、肝心の欧州連合の小国代表達は、日本国とか言う国へと首脳会談に出かけて居ると言う話に、落胆してしまう。



 その日本と言う国の名は、クレレーナも聞いた事が有る最近話題の異世界国家の名でもあった。


 そして、其処で何が行われて居るある事にも、興味をそそられたクレレーナこと、クレナ。


 この事態を目の当たりにした彼女は、この出来事がこのアースティア世界の歴史が、動くかも知れないと言う事を直感で感じ取って居たのであった。



「それで、欧州諸島連合国各国の元首の方々は、今この世界でも話題になりつつあると言う二ホン国に行って居るのね?」


「はい。前世界である地球時代からの付き合いも有りますし、これからの事に付いての話し合いも予定されて居ます。」


「なるほどね。ゾルモン要塞軍団が、オローシャ帝国を攻め落とそうとして、大軍を差し向けたのと同時に、二ホン国では異世界国家諸国の国際会議が開かれて居た。」


「其処へ、シベリナ連合諸国から援軍を求められた。」


「現状では異世界国家諸国に取っては、敵対的な彼の帝国の軍事行動は、自分達に取って脅威に成り得るから、今の内に叩いて、その力を削いで置こうと言うのね?」


 クレナは、異世界国家諸国の政治事情と安全保障上の理由から、ローラーナ帝国と戦う理由を言い当てた様だった。


「はい。陛下が仰って居られる通りです。」


「何分、我々欧州諸島連合国地域は、貴国と同じで、彼の帝国に近い地域。防備戦力には申し分ありませんが、大軍を防ぐ事は難しく。」


「今のこの状況は、我らにとって安全保障上の理由から、ゾルモン要塞軍団を叩く絶好の機会なのです。」


 クレナは、欧州諸島連合国へと半ば強引な形での表敬訪問と成ったが、この度の訪問は、表向きは北で行われて居る北国連合軍とゾルモン要塞軍団との大戦争に付いての苦情と言う事に成って居る。


 国元の王制府の各大臣と各省庁には、その様に伝えて、アマラーラ王国軍艦隊と共に欧州諸島連合国へと訪れて居る。



 そう言う事にして置けば、幾ら砲艦外交と戦狼外交戦略が当たり前であるローラーナ帝国であっても、中立関係に在るアマラーラ王国が異世界諸国群との風見鶏外交が気に入らない取って、行き成り狂犬的な手段に訴え出る様な理由には成らない筈である。


「確かに。だけど、そう上手く行く物かしら?」とクレナの意味深な台詞を言う。


 これは彼女はローラーナ帝国が、そんな簡単に負けを受け入れる筈も無い事を良く理解しての発言だった。



 そして、そんなクレナの意味深な言葉に対して「・・・・と仰いますと?」と、サッチャー副大統領が疑問の声を返して来た時だった。


 



 ウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!



「サッチャー副首相殿。これは?」


「我が方優勢の最中での戦争で、緊急警報っ?!如何やら近隣付近に敵が現れたようです。」


 

 この緊急警報は、欧州諸島連合国周辺に迫る敵対勢力の軍隊や中小規模の部隊が迫った時にだけ、鳴り響く警報音でもある。



「ご会談中に失礼します、サッチャー副首相。クレレーナ女王陛下。」


 会談の席に突然現れたのは、イギリス軍のロバート・アイゼンハワード少将であった。


 ロバート少将は、クレナにも敬礼し、更に話を進める。


「何か有りましたか?」


「はっ!!欧州諸島連合国の西側に在るカリフア大陸。其処のローラーナ帝国・第二方面軍のカリフア大陸方面制圧軍に動きが有りとの報せが、ジブチ空軍とスリランカ空軍の哨戒機からの報せが、たった今入りました。」


「時を同じくして、ジブチの水上警備艇からも目視確認しており、現在の所は我が国の潜水艦隊で、追尾をしながら見張り続けて居ます。」


「イギリス海軍潜水艦隊司令のテレサ・ロッサード大佐から報告では、1時間以内には揚陸艦を使った強襲攻撃を画策中と思われとの事です。」


「攻撃目標としては、ジブチ・ソマリアの南に位置して居る無人島地帯に橋頭堡を築く事が予想されるとの事です。」



「この対応としては、欧州諸島連合国に存在する全ての陸上部隊で応戦する予定で有ります。」



「ご苦労様でした。引継ぎ任務遂行をお願いします。」


「はい、失礼します。」



 報告を終えたロバート少将は、直ぐに、その場から立ち去って居た。


「間も無くゾルモン要塞軍団との決着が着くと言うこの時に・・・・・・・・」



「やはり、ローラーナ帝国は、この戦に措いても、只では負ける積りは無いようですね?」


「はい。その様です。これは恐らくはゾルモン要塞軍団の撤退をさせる為の後詰め軍でしょう。」


「先ほど、クレレーナ陛下が仰りたかった事は、この事ですか?」


「はい。恐らくは・・・この様な事に成るのではないか?と感じて居りました。」


「我々も備えては居りましたが・・・・・・・・・・・」


「それだけローラーナ帝国も必死なのでしょう。これほどまでに彼の帝国軍が追い詰められると言うのは、この600年もの長きにわたっての歴史では、絶対に有り得なかった事なのですから・・・・・・」


「そうでしたか。しかし、クレレーナ陛下。その様な事態に成る中で、貴女様のお立場も在ります。そろそろお国に戻られたら方が良いのでは?」


「いいえ、此処で成り行きを見守りましょう。中立外交旗を掲げて居ますから、ローラーナ帝国が余程の暴挙に出なければ、問題は有りません。」



 此処でクレナが言う中立外交旗とは、虹色の模様が描かれた旗で、中立国が敵対し合って居る勢力のどちらかと外交会談や貿易等の用事で訪れた場合に掲げる旗の事である。



 これを無視して中立国と船舶や飛行する乗り物なんかに攻撃を仕掛けるのは、ルール違反と言うのが、この世界での国際慣例外交習慣と成って居た。


 ローラーナ帝国も表向きは守って居るルールなので、余程の事が無ければ破られる事の無い国際慣例外交習慣ルールなのだ。



「それよりも、私は貴方がたの力が見てみたいわ。」


「分かりました。クレレーナ陛下の身の安全は、我々欧州諸島連合国が、しっかりと保証を致します。」


「良しなに・・・・・・・・・・・・」



 クレナは、ローラーナ帝国・第二方面軍・カリフア大陸方面制圧軍が、欧州諸島連合国に向けて軍隊を襲撃させようと言う事態に措いて、彼女は地球連合軍の力を見極める為に、この地に留まる決断をしたのであった。

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