209話 吹き荒れるジャンブロー要塞の嵐の終焉。決戦っ!!ワールドパンツァーウォーっ!! 1

 アースティア暦 1000年・西暦2030年・7月1日・午後13時04分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ西部地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河西部中央流域地方・オローシャ帝国・オローシャ帝国東方地域・ウルス山脈・南ウルス山脈・南パイプ・ライン大河流域・東ユールッハ街道沿い付近・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地及びローラーナ帝国・南東部ゾルモン地方との国境付近周辺地域・オローシャ帝国・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地から南に20キロ付近のゾルモン要塞軍団艦隊侵攻地域・オデュッサ軍団艦隊から後方へ12キロ付近のゾルモン要塞軍団艦隊の本隊・ローラーナ帝国・第四方面軍・東南方面制圧軍艦隊・ゾルモン要塞艦隊・オローシャ帝国侵攻作戦本隊艦隊・ゾルモン要塞艦隊旗艦・グレート・デルギン級空挺魔導戦艦グレート・ドッズール艦橋にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 ゾルモン要塞軍団の司令官であるアーノルド・ドズール大将は、指揮下に在るゾルモン要塞軍団艦隊を率いてオローシャ帝国へと侵攻し、その地をシベリナ地方王国連合同盟諸国征伐する為の橋頭堡とするべく攻め込んだ、ジャンブロー平野とジャンブロー要塞基地。   


 事が順調に侵攻作戦が進んで居る筈の作戦が、その実の所は、シベリナ連合諸国と日本国を中心とした地球連合諸国軍が共謀して罠を張りつつ参戦する形であり、その罠に掛かってしまったドズール大将とゾルモン要塞軍団と供に、奇襲攻撃を受けてしまう。


 しかも、敵方はどんな方法でも困難と言わざるを得ないザタン暗黒暗礁空域を踏破しての奇襲攻撃と少数精鋭の多方面奇襲攻撃と言う奇策に打って出た。


 思わぬ攻撃に大混乱に陥ってしまうゾルモン要塞軍団。


 更にはドズール大将旗下のゾルモン要塞軍団本隊艦隊への直接攻撃すらを敵はやってのけたのである。



 そんな敵の攻撃に晒されて居るゾルモン要塞軍団本隊艦隊に、本拠地であるゾルモン要塞から急報の報せが入ったのだった。



「何いいぃぃっ?!我が軍団が留守中のゾルモン要塞にも奇襲攻撃だとっ?!」


 ドズール大将は、艦隊旗艦であるグレート・デルギン級空挺魔導戦艦グレート・ドッズールの艦橋で、ゾルモン要塞軍団本拠地からの緊急の報せをボロボロに成って駆け付けやって来た、伝令官の竜騎士官から受け取った事により、その事実に驚愕の声を上げてしまう。



「はっ!ゾルモン要塞防衛隊の指揮を執って居られるマナガラン大佐は、敵の航空隊による爆撃を受けてしまい。中傷の怪我を負われ、本拠地たるゾルモン要塞司令本部を始めとする各地の施設は壊滅的な被害を被りました。」


「こうして居る間にも我がゾルモン要塞は、南からの攻撃に晒されて居る筈。」


「マナガラン大佐からのお言葉です。此処は何卒っ!!南にお退きあれっ!!と・・・・・・・・」



「くっ!!やられたっ!!完全にしてやられたっ!!」


「シベリナ連合諸国軍と二ホン国と異世界連合軍の真の狙いは、我らゾルモン要塞軍団艦隊の壊滅では無く、ゾルモン要塞軍団艦隊とゾルモン要塞その物の壊滅にする事だったとは・・・・・・・・・・・・・・」


 ドズール大将は暫し間を措いてから、話を更に続けて行く。



「南のカレールーナ大海洋沖に、何時の間にやら見慣れぬ群島や都市が現れ、奇妙奇天烈な船が徘徊して居ると聞いた。」


「それが異世界の物だと分かったのは、此処1月くらいの間の事だ。」


「更に後調査で知り得た事だが、彼の地は二ホン国と勢力的に繋がりがあると言う程度の小さな情報を得ては居たが、我が帝国軍に比べたら、その規模が非常に小さいと見て、脅威には成り得ないと放置して居た事が、今回の我らの北部侵攻作戦に措いて裏目にでしまった様だな。」


「属国同盟国でもあるカレールーナ帝国からの情報筋でも、大した事は無い勢力と見て居りますから、誰しもが予測できぬ事で有り、流石の閣下でも、この事に関して、読み違えるのも無理は有りますまい。」



 腹心であるデナンズ・フリーザー中将も、属国同盟国でもあるカレールーナ帝国の軍上層部ですら、欧州諸島連合国(EU諸島連合)の実力を読み違えて居る事から、敵は自分達の常識から外れた存在と見なければならないと補足し、余り自分を責めて仕方が無いと窘めて居た。 




「だがなフリーザー、この戦が負け戦と分かった以上は、こんな所は長居は無用と言いたいが、最早我が艦隊も含めて、各地の味方は四方八方から敵の包囲殲滅攻撃作戦網の網の中の魚だ。」


「大暴れすれば数匹程度の脱出くらいは、可能やも知れんが、それは至難の業だぞっ!!」


「こうなれば、包囲網で一番に薄い西側方面へと脱出するしか手は有りません。」


「それに今からゾルモン要塞へ退きのいても無意味。ゾルモン要塞の者達は運良く生き延び事を祈るしか有りません。」


「此処はドズール大将や将校幹部が一人でも多く生き残る事を優先させる事が寛容かと・・・・・・・・・・・・」


 フリーザーはドズール大将に帝国本土寄りの地域への撤退を進言する。


 生き残った者達の収容と艦艇と兵器類の修理整備が出来る施設は、ゾルモン要塞近辺には、敵の攻撃を受けたが故に壊滅してしまった為に、生き残った物は殆んど少なく、自力で脱出して貰うしか無いと判断したからである。


「成らばフリーザー、早々この戦域からの脱出を見事に差配せいっ!!」


「はっ!!必ずやっ!!」




 敗戦が確実と悟ったドズール大将は、すぐさまゾルモン要塞軍団の全軍を西へと退却させる事を決断した。


 だがしかし、南北の北国連合軍は更なる追い打ちをゾルモン要塞軍団に仕掛けようとして居た。



 

アースティア暦 1000年・西暦2030年・7月1日・午後12時45分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ西部地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河西部中央流域地方・オローシャ帝国・オローシャ帝国東方地域・ウルス山脈・南ウルス山脈・南パイプ・ライン大河流域・東ユールッハ街道沿い付近・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地及びローラーナ帝国・南東部ゾルモン地方との国境付近周辺地域・ローラーナ帝国・第四方面軍・東南方面制圧軍艦隊・ゾルモン要塞艦隊と北部大陸間海洋国際平和維持連合軍・北部大陸間海洋国際平和維持連合艦隊・ジャンブロー平野全域・両勢力の陸上軍団両軍激突地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 この辺りで時間を少しだけ巻き戻す事にする。



 ゾルモン要塞への奇襲攻撃やゾルモン要塞軍団への直接奇襲攻撃に成功して居た北国連合軍。




 オローシャ帝国・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地周辺地域に展開して迎撃作戦に当たって居た北国連合軍は、敵艦隊と陸上軍部隊への奇襲攻撃に成功すると、敵の動きが浮足だって居る所へと全面的な反撃攻勢に打って出ようとして居た。


 オローシャ帝国・ジャンブロー平野に措ける絶対防衛ラインの各所では、身を隠して獲物を討ち取って居た鋼鉄の獣たちが、己が刃たる砲身を露わにして照準を撤退命令を受けないと引き下がれない陸竜と鋼鉄の巨人共に狙いを定めた。



「各車っ撃ち方始めっ!!」


「了解っ!!目標っ!!我が方へと進軍中の敵重機動師団っ!!」


「各戦車隊っ!!撃てえええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーっ!!!!」



 ズドドッオオオオオォォォォォーーーーーンッ!!!!ドッカアアアアァァァァーーーーーーンッ!!!!



 雑木林や森林地帯に加えて、ちょっとした窪みの在る茂みに隠れていた地球連合軍が誇る日本国自衛隊を中心とした機甲車両大隊の登場だった。



 その後ろには、オローシャ帝国とダバード・ロード王国連合軍で結成された魔導機兵軍団と重騎竜のトリプトドンと火竜のフレイムランドドラゴン混合編成軍団から成る重機動師団を編成して、一斉に出撃して来たのである。



 ドッと飛び出して現れた矢先に放った戦車砲の初撃の一撃は、ローラーナ帝国軍の陸竜と魔導機兵を無残な姿で倒れた。



「各車初弾の目標命中、全弾外れ無し。」



「上出来よ。我が方は連携を取った事が無い即席の機甲車両軍団過ぎない。その即席に出来上がった機甲車両軍団しては上出来だわ。」


 そう、このメンツは日米以外を除けば、地球世界では、何らかの国際イベント演習でも行われないと、互いに行動を共にする事が決してなかった日米露台の4ヶ国から成る連合軍。



 それがこの戦いに措いて、特別編成体制で挑むのだから、本当ならば絶対に有り得ない状況にして、絶対に見られる事も無かった光景でもあるのだった。



「ヘイっ!ミス椎名大佐っ!!この後はどうするんだっ!?」


 不意に通信を入れたのはアメリカ合衆国陸軍の機甲車両大隊を率いて居る陸軍大佐の声だった。


「決まって居るわ。全車前進っ!」


「ふっ、戦車乗り為らば、そう来なくてはなっ!!こちらも全車前進っ!!栄えある日本の機甲科隊長にして、機甲科合同軍団の総隊長殿ご命令だっ!!遠慮は要らん射線に入った敵は撃ってっ!!撃ってっ!!撃ちまくれっ!!」


 そう、機甲車両軍団のやる事は、動いて動いて動いて、撃って撃って撃って撃ちまくる事が基本だ。


 そして、敵を討ち取って開けた戦線を押し上げて味方を有利にし、最後に勝ちを得るのが役目だ。それも容赦無しにだっ!!


 椎名一佐の命令で、更に一斉に隠れて潜んで居た姿を現した機甲車両軍団の各車両達。


 その中でも目を引くのは各国の御国自慢の戦車達である。


 戦場を突き進むその姿は圧巻の一言に尽き、この異世界の主要兵器である魔導機兵に劣らない重厚な姿を見せ付けてくれて居た。


 エンジンを唸らせ、カタカタ履帯を響かせて進む自衛隊の10式戦車。


 台湾軍がアメリカ合衆国から輸入したM1エイブラムスを含めた機甲車両軍団の2部隊が並んで前進して行く。


 アメリカ合衆国陸軍のM1エイブラムスA2SEP隊とロシア連邦軍のT-90戦車隊が、西側から横並びで前進して行くと言う異色の大展開。



 それら機甲車両軍団を先頭にして、オローシャ帝国とダバード・ロード王国連合軍で結成された重機動師団を歩兵軍代わりに後続に付けながら共に前進を開始し、東側からは自衛隊と台湾陸軍が西側軍と同じく重機動師団と共に前進して行く。

  

 

 ズドドッオオオオオォォォォォーーーーーンッ!!!!ドッカアアアアァァァァーーーーーーンッ!!!!


 

 ズドドッオオオオオォォォォォーーーーーンッ!!!!ドッカアアアアァァァァーーーーーーンッ!!!!



 ズドドッオオオオオォォォォォーーーーーンッ!!!!ドッカアアアアァァァァーーーーーーンッ!!!!



「敵魔導機兵に全弾命中。」


「よしっ!!次だっ!」


 ダバ派遣隊として派遣された椎名一佐が率いて居る10式戦車隊も、流石にこれまでの実戦で得て来た経験から、大分本土に居る戦車・戦闘車部隊の隊員達よりも実戦慣れして来て居た。


 アメリカの演習場で、アメリカ陸軍を相手に散々遠征派遣演習訓練をして来たが、それとは違って実戦で得られる経験は、訓練とは別物であると言えた。


 半世紀ぶりにぶっつけ本番の戦争をする台湾軍は、自衛隊に歩調を合わせて進むのが精いっぱいと言った感じに、おっかなびっくりに砲弾を撃ち込んで居た。


 ズドドッオオオオオォォォォォーーーーーンッ!!!!ドッカアアアアァァァァーーーーーーンッ!!!!


 

 ズドドッオオオオオォォォォォーーーーーンッ!!!!ドッカアアアアァァァァーーーーーーンッ!!!!



 ズドドッオオオオオォォォォォーーーーーンッ!!!!ドッカアアアアァァァァーーーーーーンッ!!!!



「無理をするな。確実に敵機にヒットさせれば良い。」


「ですが・・・・・・」


「日本の自衛隊の連中は、此処1月半で随分と実戦慣れをして来て居る。今から追い付こうにも無理だろう。」


「我が祖国が、この様な戦争する事態は、人民解放軍と戦って敗れて時以来の話だ。今は生きて国に帰り、この経験を活かす事に専念するぞっ!!」


「それがこの世界で、我が国を守る一助と成るんだっ!」


 台湾陸軍の司令官は、指揮車の車両から実戦慣れして居ない自国軍の動きが悪い事は百も承知なので、不安を感じて居る部下の言葉に対して、確実に敵を叩いて奮戦し、その経験を祖国を持ち帰る事が重要だと説いた。


 地球系転移国家群のどの国でも、この世界での帝国との実戦データ欲しがって居る様で、各国の指導者はそう言った思惑からこの戦いに軍を派遣して居る様子が見られて居た。


 キイイイイイィィィィィィーーーーーーーン・・・・ごオオオオォォォォーーーーーーーーーーっ!!


 ヒュウウウウウウウウウゥゥぅゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・・・ドッカアアァァァァーーーーーーーンッ!!!



 戦車隊と機甲車両大隊が前進して行く中を航空自衛隊のF-4ファントム30機がフル爆装で飛来して来た。


 如何やらそろそろ止めの態勢に入るらしい。


 この後にはF-2戦闘機がゾルモン要塞軍団艦隊・本隊艦隊への追撃する為にやって来る予定と成って居た。


 ガイダル諸島・タバ日統合隊基地所属として派遣されて居るF-4ファントム隊は、敵前線艦隊に対しての掃討戦の為に現れたらしい。


 更に後方からは戦闘ヘリや多用途ヘリに輸送ヘリコプター部隊が飛来し始めて居る。


 この辺りの戦況報告を受け取って居る作戦司令本部は、掃討追撃戦に入る積りの様だ。



 ジャンブロー要塞基地に攻め掛かるべく、先鋒艦隊として最前線に居合わせてしまったガルベ大佐は、20数隻にまで擦り減ってしまったオデュッサ方面艦隊の重要な将校や士官を優先的に逃がしつつ、多くの味方を犠牲にして、西へと逃れる為に突き進んで居た。


「ガルベ大佐殿っ!我が艦隊の損害損耗率が80パーセントを超えました。」


「逃げられたのが我らやゾルモン軍団艦隊の者達を含めて50隻は在るか無いか・・・・・全く以って手酷くやられたものです。」


「殿のバドー少佐は?」


「はい。最後の伝令官の報せでは、異世界国家の連合軍とオローシャ帝国とダバード・ロード王国連合軍から成る魔導機兵軍団を相手にして、尚も奮戦中との事です。」


「バドー少佐には苦労を掛けるが、切りの良い処で上手く逃げられる事を祈るのみだが・・・・・・・・・」



 ガルベ大佐が気に掛けるバドー少佐は、北国連合軍に半包囲攻撃を受けながらも、ゾルモン軍団に所属する第九鉄鋼魔導高速強襲戦艦隊デラーズ隊や殿として居残った陸上魔導戦艦隊に所属する魔導機兵大隊と共に、味方を逃がす時間を稼ぐべく獅子奮迅の働きをして居た。


「ガナベル・セガール・バドーおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


「ふんっ!うぬぬぬぬっ!!」


 魔導機兵の大剣と魔法剣が激しいくぶつかり合い、周囲に大きく金属音が響き渡る。


 その衝撃で地面の方は、ややひび割れてしまって居た。


 生身の姿で古代魔導機兵たるサイ・ジールと同等に戦うリナの姿が有った。リナは稲妻の大剣、ライトニング・セイバーで幾度も鍔迫り合いを繰り広げて居た。


 リナはバドー少佐が現れた聞き付けると、この戦場で相対する機会を伺って居たのである。 



 両者は更に数度、斬り合いあった後に距離を置いて仕切り直しの態勢を取った。



「女の身で、しかも生身の姿で、この私と古代魔導機兵サイ・ジールと互角に渡り合うとは・・・・・・」



 バドー少佐は、突然、生身で魔法剣で斬り掛かったリナの実力を気迫と魔法剣の威力や身体の動きから、かなりの手練れの魔導師と悟り、その実力の程を認めたらしい。



 彼は滅多な事では敵を認めたり、褒めたりはしない。


 何故なら何所の世界でも、大半の戦士と言うのは、ただ単に訓練や修練をして来ただけの並みの実力者に過ぎないからである。



 その彼がリナは只者では無いと悟り、彼の目の前に立ち塞がるのに相応しい戦士であると認めたからであった。



「ふっ、面白いっ!手練れの高位魔導士と言うのは、やはり、そうでは無くては成らんっ!!」


「こっちもあんたの事を噂を聞いて居たさっ!!」


「ほう、小娘っ!名はっ?この私に立ち塞がるだけの実力者っ!!この戦場で、この我に向かって名乗りを上げる資格アリと見たっ!!!」


「あたしはっ!!リナ・ミーサガ・リンバースっ!! ダバード・ロード王国の古き学士系統官僚の法衣貴族家の者っ!!」


「そして、あんたが仕出かした事が基で、一家親戚は離散し、あたしは故郷を追われた・・・・・・・・・・」


「ふふっ、フハハハハハハハハっ、はーっはっはっはっはっ!!」


「面白いっ!!この世とはっ!!人の世の人生とはっ!!誠に不可思議にして、奇妙な物よっ!!」


「そうかっ!!お前が彼のドラグリア白龍大帝の4番目の最強の弟子にして、我が祖国たるローラーナ帝国に歯向かい、後を付け狙う魔導師っ!!」


「雷帝ともドラサダとも名指しで呼ばれるリンバース家の、故国を追放された小娘かっ!?」


「まさかこの様な戦場で出会う事に成るとはっ!!実に滑稽にして小気味良い出来事だっ!!!」


「・・・・・・・あたしはっ!!あんたのせいでっ!!言われもしない屈辱とを苦渋っ!!そして、姉さんをっ!!」


「問答無用っ!!貴様の言いたいこと、問いたい事は分かって居るっ!!!」


 リナは姉であるレナの行方の手掛かりは、ゾルモン要塞の悪魔と諸国からは呼ばれて居るバドー少佐が原因であると言う話を彼女は掴んで居たのだ。



 この戦いは正に運命の悪戯と言えた出来事であり、リナが乗り越えなければ成らない大きな壁となって居るのであった。



「成らば・・・・・・」


「だが、貴様には悪いが栄えあるローラーナ帝国軍人たるこの私が任務遂行をすべく、軍務で知り得た事を何所の誰であろうと喋る訳には行かんのでなっ!!!」



「それなら心配は要らないわ。」



「・・・・・・・・・・・」


「力づくであんたを此処で地に附して、姉さんの居場所を聞き出すまでよ・・・・・・」



「その意気は良しっ!!だが、このガナベル・セガール・バドーは、そう簡単にやられはせんぞっ!!」


「参るつ!!きえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」



「ふんっ!!」


 ガシャーン!!と大きな音を響かせて、魔法剣と魔導機兵の大剣がぶつかり合い二人は再び戦い合う。


 リナとバドー少佐が戦い合うこの地だけは、少年漫画の様な世界感が漂うかのような戦いが繰り広げられて居た。


 運命の神はこの戦いで、この二人にどんな試練を与えるのだろうか?戦いの嵐は、空に混迷を深めながらも、終局へと向かって行く。



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