148話 終結に向けての決戦!ブラキュリオス湖畔紛争っ!8

 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前9時50分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島北側沖合いにて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 



 はやぶさ型ミサイル艇隊を率いて居る石井3佐は、日シベ合同作戦軍総司令部からの出撃命令を通信機から受けると、全艇に対して出撃命令を下した。


 石井三佐は、佐世保基地と舞鶴基地での不審船の拿捕や、その対処の勤務経験を買われて派遣されて居る人物であった。


 彼はこれまでに、偉大なる将軍閣下が素晴らしいと嘯いて独裁支配統治を続いて居る事で有名な。


 某半島北東部国の武装船舶を4度も海保と共に取り締まった実績が有る人物だった。


 異世界の巨大な大河と言う特異な河川では、護衛艦よりも小回りの利くミサイル艇の派遣は、戦術・戦略上の上に措いて、その作戦的に重要な役目が有ると考えられ、その運用データを取る為にも派遣される此処と成った経緯があった。


 そんな重要な役目を隊司令とするならば、異例中の異例である三佐の階級を持った人材を使う事を決めた防衛省。


 これは平和な日本国で、実戦経験が限りなく数少ないと言う中で、某国の不審船を相手に、機関砲やロケット弾を撃ち込まれながらも怯む事無く任務を遂行したと言う石井三佐の実力と実績を見込んでの事だった。


 今回の派遣では、本来は司令官に任命される筈も無い階級を持った幹部自衛官に司令職をやって貰うのも、新世界での安全保障をやって行く上で、出きるだけ多くの人材を育てる目的が有るのだった。


 そんな中で、近々昇進試験が有る幹部や今後の将来に見込みが有る幹部に、経験を積ませたり、抜き打ちの試験だったりする思惑も絡んでいた。


 勿論、下士隊員達も例外ではない。自衛隊も曲りなりにも軍隊に順ずる組織である。


 実戦での功績や戦績が良ければ、しっかりとした査定の上で、将来が良くなる可能性が有る所でもある。


 但し、この話は本人達は知らされて居ない事実なので、まさか派遣隊に陸海空の試験官が、現場査察官も兼ねて、紛れて共に任務をして居るとは夢にも思って居ないだろう。


「石井隊司令。置鮎日シベ合同作戦軍総司令からです。」


「イツクシマ作戦の最終作戦を発動する。」


「石井三佐は、指揮下に在る。はやぶさ隊を率いてカントルナ砦の軍港を強襲し、停泊している敵艦隊を全力を持って撃沈、殲滅せよと有ります。」


「ようやく前面攻勢かっ!」


「了解した。各艇の艇長へ通達っ!」


「これより我がはやぶさ隊は、神速を以てして、カントルナ砦とカントルナ砦軍港を全力強襲するっ!!!」


「各員の奮戦に期待するっ!!!」


「出航よーいっ!!」


 各艇の錨が上がり、エンジンに火が付くと唸りを上げてゆっくりと進みだした。



 同時にラッパ手が出撃を報せるラッパを吹くと、軽快な演奏が、ブラキュリオス湖に鳴り響く。


 全艇を単縦陣にして一糸乱れぬ動きで出撃をして行くはやぶさ型ミサイル艇隊であった。




 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前10時55分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島南西部方面・セイローグ島・セイローグ聖堂砦・セイローグ聖堂砦待機所及び護衛艦あかつき艦内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 


 洲崎二佐が率いるダバ派遣艦隊の第3護衛艦隊。


 レジェンダリア諸島の南部のセイローグ島・セイローグ聖堂砦の防衛を任され、グリクス地方軍団・レジェンダリア諸島遠征軍の西回り侵攻を防ぐ事が主な任務である。


 空には、敵を欺く為に、南部の方面の防備を固めて居座り、動けないで居ると、敵に思わせて置く事も、ダバ派遣艦隊・第3護衛艦隊として、本隊から任された、もう一つの任務目的とされて居る。


 洲崎二佐は、三石琴実二佐の一年後輩に当たる人物で、少し頼り無い部分と性格をして居るが、いざ任務と成ると表情と性格がマトモに成ると言う変わった部分が有った。


 最近艦長席に着く事が出きる様に成った女性幹部の一人で、海自内部でも取り分け、数か多くない若手女性幹部としての活躍が期待されて居る1人だった。



「洲崎二佐っ!置鮎一佐から出撃命令です。」


「来ましたか?副長っ!全各艦へ通達っ!」


「これよりダバ派遣艦隊・第3護衛艦隊は、グリクス地方軍団に占領されたジャイアガル島・ジャイアガル軍港基地を解放するべく、同地に対して強襲攻撃を仕掛け、敵の退路を塞ぐ作戦を開始しますっ!!!各艦っ!出航よーいっ!!」


 各艦の隊員らが、出航前の各護衛艦の最終チェックを行い、それぞれの上官に報告をして行く。



「此方はうらがのスミレイン・デコモリン少佐でありマース。」


「二千人の聖天使騎士隊は、各護衛艦に分散しての乗船完了してマース。」



「各艦出航準備ヨシッ!」



「洲崎二佐、準備が整いました。」



「了解です。出撃します。」


「艦隊陣形を単縦陣に移行っ!周囲を警戒しつつ前進せよっ!」


「目標っ!ジャイアガル島・ジャイアガル軍港基地っ!」


 汽笛を鳴らし、ラッパを吹き鳴らす。第3護衛艦隊は、敵に占拠されて居るジャイアガル軍港基地を強襲し、同基地に停泊して居る敵艦隊の壊滅。


 及び敵の補給路を断つ事と、敵本拠地に対して艦砲射撃をする任務を課せられていた。


 スミレイン・デコモリン少佐は、同地に派遣されて居たアセリナ聖天使騎士隊を作戦予定通りに、各海自護衛艦に分散させて乗船する。


 彼女達が乗り込む理由は、エクスプロン・ランサーによる長距離収束爆裂魔導砲であるエクスプロトンバスターをビーム砲代わりに活用するのが狙いである。


 これはダバ派遣艦隊内で、話し合われた彼女達の力と能力を最大限に活かして使用する為の最も効率の良い活用方法なのだった。


 何せ、アセリア族の標準装備にして、この異世界アースティア世界で、個人携帯装備で一番に危ない武器の一つと言われて居る武器を敵の巨大魔導兵器に対して撃ち放ち、それでもダメなら護衛艦隊の対艦ミサイルを撃ち込んで止めをと考えて居たからだった。


 要するに、扱い辛い人材と武器の上手い使い方は、人の頭の使い方しだいと言う訳なのだ。



 有る意味、秘密部隊と呼ぶべき者達を乗せた第3護衛艦隊は、勇壮なる姿をセイローグ聖堂砦の防備の為に居残るアルガス公国軍の将兵達に見せ、目的地へと出撃して行ったのであった。





 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・午前9時55分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城各周辺及び第二防衛ライン・ナガシノ野戦陣地・日シベ合同作戦軍・最前線北西口門にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


 


 アルガス第二騎士団・アルガス騎兵団を率いている団長、ゼータ・ビダインは5千人の騎士による騎馬隊と数は少ないがレジェンダリア諸島の狭い平原等の地理を熟知しているレジェンダリア騎兵団千人と併せた6千人の騎馬隊共に、今から出撃しようしていた。


「ビダイン団長殿、日シベ合同作戦軍副総司令である井上副司令殿からの出撃命令です。」


「ようやく退屈で、我慢ばかりの戦が終わりましたな。」


「はい。」


「アルガス騎士団の中でも、最も花形であるアルガス騎兵団。その力を存分に揮う時が来ましたっ!」



「この地を守る為に集いし、アルガス騎兵団の諸君。」


「時は来たっ!密かにっ!そして、神速を持って敵の背後を脅かすのだっ!」


「全軍っ前へっ!出陣いいいいいぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーっ!!!!」


「「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!!!」」」」」」  



 騎馬に跨る騎士達は鬨の声を上げて、北西に在る搦め手の城門から敵に悟られない様にして、密かに出撃を開始する。



 周囲の激しい大砲の撃ち合いで、敵であるグリクス地方軍団の者達は、アルガス騎兵団の出陣に、気が付く事すら出きないのだから・・・・・・・・


 彼らの目標は、北回りに進軍し、カントルナ砦を西から強襲し、敵の退路と補給路を寸断させ、更には敵本隊に対して、ゲリラ戦を挑む事が目論見なのであった。


 アルガス公国軍の騎士達が最も得意とする騎兵団による戦いが、始まろうとしていた。


 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月20日・同日早朝・時刻不明・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・ローラーナ帝国・ローラーナ帝国領・グリクス地方・グリクス地方州 ・ブラキュリオス湖南部地域・シャッポロ川・ブラキュリオス湖から113キロ地点付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ブラキュリオス湖南部に流れ注ぐ大河であるシャッポロ川。この大河はシャッポロ連峰山脈から北と南西へと流れている水源を元に流れ注いで居る。



 南西方面を蛇行をうねらせる様にしてシャッポロ湾に流れ、最後に流れ着く先は龍雲海へと至って居た。


 反対方向の北へと進むと、パイプ・ライン大河の分岐中継地点であるブラキュリオス湖に至る。


 川幅か20キロで、水深が2500メートル以上有り、大きな物体がすっぽりと隠れられる程の深さが有った。


 日頃から軍や商船が行きかう巨大な動脈路と言うべきパイプ・ライン大河と同等の大きさを誇る支流水路的な大河なのだ。



 その水路へ、ある巨大な物体が3つが大河の水面へと着水する。



「各艦着水っ!」


 ザバーンと大きな音を立てて大河に入る巨大物体。



 その勢い余った着水のせいで、少し大きめな津波が立って周囲に波が押し寄せて来て居た。


「先行試作量産型・移動要塞戦艦デストロイヤー、シャッポロ川の着水に成功です。ギンジェム大佐殿。」



 発掘され調査・修理・改修され、帝国でも貴重な古代兵器にして、大要塞戦艦である移動要塞戦艦デストロイヤー。


 その悪魔の様な発掘古代兵器が、最近に成って試作量産型戦艦が作られたらしい。


 全長600メートルから500メートルと、その大きさが、やや小さく成った位で、強力な魔導光線砲にして、長射程を誇るデストロイヤー砲を搭載して居る事には変わりない。


 それは「地球連邦軍なんぞビ○ザ○の前では、物の数では無いわっ!!!」と言わんばかり事を現実化させた様なものである。


「進路を北進に取れっ!」


「了解っ!進路を北進に取ります。」


 内蔵型魔導力推進装置のスクリューが高速回転を始め、時速30キロで航行を開始する移動要塞戦艦デストロイヤー。



 その巨大要塞戦艦に、更らなる恐るべき機能が備わって居た。



「潜行よーいっ!」


「了解っ!潜行開始しますっ!」



 驚くべき事に、移動要塞戦艦デストロイヤーには潜水機能が備わって居た。


 艦艇装甲版に、外から水圧に耐えられる強度の魔導錬金加工を施した装甲版と魔導結界によって二十に防護機能を付けられ、外からの水圧に耐えれる設計と成って居るのである。


「もう直ぐだっ!もう直ぐだぞっ!この前の貸しをたっぷりと返してくれよう。」


「ギンジェム大佐殿。」


「この先行試作量産型・移動要塞戦艦デストロイヤーは、今まで運用されて居た発掘兵器のデストロイヤーの全機能を有る程度解明して建造されたものです。」


「きっと今度こそは、彼の二ホン海軍艦隊も滅する事が叶うでしょう。」



「今度は3隻ものデストロイヤーをゾルモン要塞司令官で在らせられるアーノルド・ドズール大将閣下が我々の部隊に下さったのですから、間違いなく奴ら目を打ち倒せるでしょう。」



「その通りだ。しかも以前は解明が出来て居なかった潜水機構を再現して居るのだ。」


「流石は我が帝国が誇るムーラ・ザーメ帝国立兵器研究所。恐るべき技術進歩の速さだ。」


「如何に日本軍が強力な力を有するとは言え、潜水できる戦艦を持っては居ないだろう。」


「その通りです。大佐殿。」


「水中からの神出鬼没の奇襲と強力なデストロイヤー砲、それに艦内には艦載されて居る強力な兵器が満載なのです。」


「正に無敵の大移動要塞と呼べるでしょう。」


「ぐははははーーーーっ!勝ちは決まったも同然だな。がははははーーーーっ!」 


 水中を潜行航行する移動要塞戦艦デストロイヤーに、ギンジェム・グェンダー大佐の高笑いが響き渡る。


 しかし、彼らは、いや。特にギンジェム大佐は・・・と言うべきだろう。


 自らの余計な一言で、敗北フラグと言うモノを全く知らず打ち立ててしまった事を・・・・・・・・


 そして、更なる不運は、戦う相手が対潜哨戒と対潜戦闘のスペシャリストで、国際合同演習をすれば、探すのも隠れるのも打ち勝つのもお家芸として居る地球世界でも有数の能力と装備を持った軍事組織。



 海上自衛隊だと言う事を彼らは知らないのだ。



 これからギンジェム大佐等は、必ず勝てると言った相手が実は、対戦・対水上戦闘に置いて、強力過ぎると言う不運と災禍に、自ら進んで特攻を掛け様として居る事に成るのだった。

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