138話 激闘!セイジョン・ローグリア攻城戦 15

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月19日・午前9時37分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城周辺にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 セイジョン・ローグリア城の外壁各城門の防御陣に、自衛隊機甲部隊が現れる。


 その中でも北門には、20万もの大軍が迫って居り、最も激しい攻防と撤退戦が予想される為に、10式戦車隊が派遣され、その援護には特科大隊の99式自走155ミリ榴弾砲隊である第二特科中隊の支援砲撃が行われて居た。


 その一方で、東門と南門には、第1特科中隊である155ミリ砲FH70の30門が、それぞれ砲撃の方向を半分つづに分けて砲撃を開始する。


 第四・第五特科中隊である多連装ロケットシステム自走発射機M270(MLRS)20両と88式地対艦誘導弾20両は、グリクス地方軍団が有する魔導戦艦隊と対巨大兵器対策の為に、切り札として待機命令を受けて、その出番を待ち続けて居た。


 戦況は敵方であるグリクス地方軍団に一時的な、そして見せ掛けだけの有利な状況を演出させていた。


「特科と機甲部隊が撤退支援を開始しました。」


「よしっ!機甲部隊と普通科部隊は交互に撤退開始っ!」


「各種補給の合間の隙を戦闘ヘリ部隊と特科隊でカバーさせろっ!!」


 外征している自衛隊の兵器は、どうしも弾の補充が必要である。



 ダバ支援艦隊のお陰で、この戦いでの弾数は十分な有るのだが、この遠征先の前線での補給線を維持するのには、とても苦労をして居た。


 十分な輸送車両の頭数が足りて居ない事も起因して居る。


 何せ、ダバ派遣隊は、自衛隊創設以来の大規模な外征だ。



 小規模程度の国際貢献派遣部隊を送り出すのとは、規模と訳が違う。


 派遣されている自衛隊の装備は、中近距離の襲撃や遠距離での戦闘を想定している。


 身を守るだけの十分な装備を持っては居るが、それも限界が有ると言える。


 船数に積み込める車両数と護衛派遣が出きる船も限られて居るし、たがらと言って、今無い物を強請っても仕方がない。



 無いのなら無いなりに戦うしかないのだ。



 南門に向った16式機動戦闘車4両と87式偵察警戒車4両は、防御陣地後方まで、車2台程度の広さの有る通路を通り、撤退支援の為に突き進む。


 現場に到着すると、すぐさま迫り来る敵に向かって攻撃を開始する。


 通路は縦横無尽に繋がって居るが、縦向きに車両用に作られた通路や、多数の縦と横向きに移動可能な人用の通路も設けられて居り、人用は敵の弾を避ける為に、掘り下げられた塹壕と成って居た。


 その間を抜ける様して車両用の通路を複数設けられて居た。



 また、多数の爆薬や指向性散弾に地雷も仕掛けられて居て、撤退時の備えにも怠り無いのである。




 機甲部隊が前線への到着の報せが、特科隊指揮所に届くと、第1特科中隊155ミリ砲FH70の半分である15門が砲撃を開始する。


「こちら特科指揮所、南門守備隊へ。これより3分間の撤退支援砲撃を行う。」


「各部隊は、注意されたしっ!」


「了解っ!」


「目標、敵主力部隊、距離8千っ!」


「てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」


ドドンッ!!特科陣地の155ミリ砲FH70砲台の各砲門が撃ち放たれる。


 

ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!


ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!


ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!


ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!


ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!




「弾着10秒前、9、8、7、6、5、4、3、2、1だんちゃーく。今っ!!」



 ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーンッ!!ドドンッ!!ドカーンッ!!


 ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーンッ!!ドドンッ!!ドカーンッ!!


 ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーンッ!!ドドンッ!!ドカーンッ!! 


 ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーンッ!!ドドンッ!!ドカーンッ!!


 ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーンッ!!ドドンッ!!ドカーンッ!!



 着弾と共に爆発のによる赤い炎が炸裂する。



「前線より連絡っ!初弾全弾、弾着命中、弾着修正東へプラス1。」


「全砲門っ!効力射撃始めっ!!」



ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!


ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!


ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!


ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!



「んん?」


「砲撃が来るぞ!!」


「伏せろっっ!!」


ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーン。ドドンッ!!ドカーン。


ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーン。ドドンッ!!ドカーン。


ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーン。ドドンッ!!ドカーン。


ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーン。ドドンッ!!ドカーン。




「「「「「ぐわわわああぁぁぁーーーっ!!」」」」」


「くそっ、魔導師中隊、魔導大砲大隊へっ!反撃だっ!撃ち返せっ!」


「はっ!魔導大砲大隊へっ!魔導弾装填。魔力注入点火っ!」


「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」


 魔導大砲に装填手が魔導弾を装填させ、魔導師によって魔力が注入されると、魔導大砲内で魔導弾が連鎖反応を起こして爆発し、砲弾が次々と飛び出して行く。

 


ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!


ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!


ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!


ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!


ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!ズドドンッ!!



「魔導師中隊っ!ファイヤーアロー連射っ!」



「「「「「「「ファイヤーアローっ!」」」」」」」



ヒュンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッ!!


ヒュンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッ!!


ヒュンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッ!!ヒュンッ!!



 魔導師中隊は、中隊長の指揮の下でファイヤーアローを唱え撃ち放つ、赤い光輝く火の矢は、南門へと火の魔法の矢を雨の様に降り注がせた。


「決して怯むなっ!!前えっ!!前えっ!!前えっ!!前えっ!!全軍前えええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーっ!!」


 前線で歩兵大隊を指揮する大隊長は、敵の激しい攻撃にさらされて居る部下たちを叱咤激励する事で士気を高め、怯ませる事無く更なる攻撃命令を下して行く。




 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月19日・午前9時56分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城周辺にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 一方の北門守備隊である自衛隊側ではと言うと・・・・・・・・・・



「敵の撃ち返しが来るぞおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!!!」



「総員っ!!塹壕等に退避いいいいいぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーっ!!!」




 ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーンっ!!、ドドンッ!!ドカーンっ!!


 ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーンっ!!、ドドンッ!!ドカーンっ!!


 ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーンっ!!、ドドンッ!!ドカーンっ!!


 ヒユユュュュュウゥゥゥゥゥ、ドドンッ!!ドカーンっ!!、ドドンッ!!ドカーンっ!!




 隊員達が、それまでに、いや地球と言う世界の現代に生まれ生きて来た日本人の彼らでは、体験が全く無い、激しい反撃の砲弾と魔法攻撃の雨に晒される。



 両者の長距離攻撃の雨は、止む事無く激しい撃ち合いの応酬は続く。


 キゼン少佐はアレキ・サンジェルス級魔導空挺戦艦・ドアレスの艦橋にて、指揮棒を南城門へと向けて、魔導拡張器を使って指揮下にある軍団将兵を鼓舞させて進軍を命じた。



「北城門の敵軍が撤退行動に入った様だとの事です。」


「やはりかっ!」


 キゼン少佐は、日シベ合同作戦軍の動きを魔導空挺戦艦・ドアレスの艦橋から望遠鏡を使って眺めている。


 戦場での流れに、変化を感じた取った物が、彼の軍人としての経験から来る感から来て居たのだった。


「キゼン少佐殿。やはりとは?」


「望遠鏡や双眼鏡を持って居る者は、目の前の戦場を見よっ!」


「あれは・・・・・・」


「ややっ!!あれは緒戦から将兵達の話で良く聞く、ニホン軍の砲塔箱車ですな。」


「二種機種の車が、前線に出て来ている様子。」



「それが出て来たのは、恐らく敵には、彼の城塞に立て籠る後が無くなって来て居る証拠だっ!!」


「恐らくだが、シベリナ連合はダニーガン中佐の殿の作戦が上手く行った事で、戦線が保てないほどに大混乱に陥ったのであろう。」


「20万もの軍勢の一点集中による総攻撃が、功をそうしたのだと?」


「ああ、思いの外、ダニーガン中佐の殿の作戦が上手く行き過ぎたらしい。」


「ニホン軍の奴らめは、虎の子の兵器を出して来たのは、味方の全軍を撤退をさせる為に、一時的な戦線の維持をさせるのが、今の主な狙いだろう。」


「「「「「「「おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーっ!!!!!!!」」」」」」」


「行ける。行けるぞっ!!」


「ああ、この戦の大勝利は間違いない。」


 キゼン少佐の配下の者らは、敵陣の突破を成功が出きる第一歩を踏み締めた事を確信し、思わず歓声の声を上げた。



「今が勝機だ。文字通りに死ぬ気で敵城門城郭へと攻め入れっ!」



「シベリナ連合諸国軍は、我がローラーナ帝国軍の相手にすら成らないが、ニホン軍単体は少数と言えどもその力量は別格だ。」



「決して、手抜きを出きる相手では無い。」


「戦術と策略を利用した勢いと兵数の数で圧倒するのだっ!」


「攻めてっ!!攻めてっ!!攻め続けろっ!!!」


「ははっ!!!」


 キゼン少佐の演説に似た戦況説明が終わると、グリクス地方軍団南方面軍の第二艦隊のアレキ・サンジェルス級魔導空挺戦艦・ドアレスとその僚艦等の全ての乗員にも轟き聞える砲音が鳴り響く。


 ズバーーーンっ!!!ズバーーーンっ!!!


「どうした?」


「敵箱車から砲撃ですっ!!」


「多数の重騎竜と魔導機兵に大穴がっ!!」


「何だとっ!?」


 大きな破裂音を聞きつけたキゼン少佐は、何事か聞く。


 その正体とは、16式機動戦闘車である。


 凸凹とした悪路を気にせず、迷路地帯手前の防御陣地広場まで前進しながら105ライフル砲で行進射撃をし、重竜騎兵と魔導機兵達にポッカリとした丸い穴を開け、一撃で仕留めて見せた。


 キゼン少佐は、その破壊力に恐怖を覚えてしまうのであった。


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