122話 イツクシマ作戦の行方 5

 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月11日・午前11時02分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島南西部方面・セイローグ島・セイローグ聖堂砦・セイローグ聖堂砦待機所及び護衛艦あかつき艦内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




  洲崎二佐の迎撃命令が発せられた同時刻。


 それと同じくして、自衛隊が用意した警報サイレンが鳴り響く。


 戦闘開始するに当たって、護衛艦のエンジンが完全に起動する。


 砲雷科に所属する海自隊員らも12.7mm重機関銃を設置に動き始める。



 その動きは、とても訓練が行き届いて居て、素早い配置展開が出来て居る行動を取れて居た素早い動きであった。


ウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーンンッ!!



ウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーンンッ!!



ウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーンンッ!!



 

「警報デス。総員配置にツイテ下サーイ。」



 自衛隊が設置した警報装置を聞いたデコモリン少佐が、配下の聖天使騎士達とアルガス騎士団に命じる。


「ふふっ、この砦は既に我が商会の手が入って居る。そう簡単には落ちんよ。」


 定期交代要員の守備隊として派遣されて居たのは、アプリコット魔導商会を実家に持って居るヘスティア騎士団・魔導師隊の隊長であるマオ・アプリコット大尉。


「敵襲ニャーっ!!急ぐニャーっ!!急げーっっ!!急げーっっ!!急ぐニャァァァァァーーーーーーーっ!!!」



「うおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!全てはユイ(ナンジョルノ)様の為にいいいぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーっ!!」


「ユイ(ナンジョルノ)様のバンザイーっ!!」


「オラオラっ!ユイ(ナンジョルノ)様からのご命令だっ!」


「キリキリ動けーっ!働きやがれええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」


 ヘスティア騎士団の特戦魔弓兵中隊長にして、猫獣人族のユイ・ナンジョルノ。


 何時もニャーっ!!ニャーっ!!と言ってる自由で、ロリ巨乳の猫娘隊長である。


 彼女の魅力に魅了された人々は「全てはユイ(ナンジョルノ)様の為にーっ」と今日も声高に叫び、自らの命を捧げて、死ぬ事すら厭わぬ猛者達も奇声を上げて配置場所へと就く。




「全聖天使騎士隊っ!!エクスプロン・ランサーを構えるデースッ!!」


「おおっ!!同志達よっ!!!エクスプロン・ランサーを東へと構えええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!!」



 セイローグ島・セイローグ聖堂砦の東側防壁にズラリと居並ぶ聖天使騎士達。


 彼女達の手には、室内戦以外では、如何なる敵であろう遠近戦に優れた魔導槍であるエクスプロン・ランサーを構える。


 しかし、その二又に分れた槍の中央からから放たれるエクスプロトンバスターは、最強最悪の爆裂魔法であるエクスプローションを応用した魔動砲であった。


 それをぶっ放し敵を焼き尽くすのが大好きなアセリア族は、一回の戦闘で1発から数発しか撃てない個人差を抱えた諸刃の剣。


 ある意味、使えないビーム兵器と地球系転移国家では言われて居るのだった。


 それを構える頭の可笑しな聖天使騎士達は、砦の防壁の上で、不適な笑みを浮かべて、今か今かとエクスプロトンバスターをぶっ放そうとウズウズして居た。


 此処で逆に攻撃中止命令が下されると、恐らくはがっくりと落胆するであろう事は想像が容易であると言えた。


 その防壁や外壁等の要所には魔導砲台が設置されて居た。


 アプリコット魔導商会から買い付けられた長距離魔導砲が何と130門が設置されて居る。


 これも金に物を言わせて、砦の敷地内に設置させた結果であった。


 マオ大尉の金の賭け具合には余念が無いく、ある時こう言われた事が有る「マオ大尉、金の稼ぐ具合と貯蓄は十分か?」と言われて居る。


 それは丸でとある世界で、弓兵クラスのサーバントが、英雄王ギルなんとかさんに言い放った様な物言いであった。


 その他には魔導師隊や特戦魔弓兵中隊が、超距離攻撃で、滞空迎撃体制を取って居た。



「こちらセイローグ聖堂砦防衛司令官の洲崎二佐です。日シベ合同作戦軍の補給科各員へ、お昼ごはんのよーい。」


 洲崎二佐が、何んとも、この緊急事態にふざけて居るかの様な命令、それも何でこんな時に、お昼ごはんの心配をして居るかと言うと、アセリナの聖天使騎士達が魔力全開でエクスプロトンバスターを撃ち放つと、短期で手っ取り早く回復するには大量のカロリーを得る事だと説明されて居たからだった。


 


 そんな訳で洲崎二佐が昼食の早めの仕込みを支持して居るのは、それに備えた事であったのだった。



一方のグリクス地方軍艦隊では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「くそっ見付かったか?」


「如何しますか、艦隊司令殿?」



「ええいっ!!見付かってしまってのは、仕方が無いっ!!」


「こうなれば作戦を隠密偵察から、威力偵察に切り替えるまでだっ!」


「此処は何としてでも、敵方の南方付近の防備状況を掴んで、ガミトフ閣下にお報せするのだっ!!」


「ははっ!全艦隊突撃隊形っ!!」


 ローラーナ帝国軍に属して居る全ての将兵たちは、負けそうだからとか、此処は不利だからと言って、簡単には引き下らないのが軍としての国是なのだ。



 空挺魔導船の動力炉と推進噴射口から力一杯に吹かせると、船体を前へと進ませる。


 それから約40分後、両者は衝突した。


「洲崎二佐、距離7000です。」


「良しっ!ミサイルは緊急と判断されるまで使うなっ!」


「ここぞと言う時以外は、弾数の多い現地軍の砲台と、我が自衛隊が保有する重機関銃だけで防ぐ。」


「それに向かって来る敵目標は、それほど早くない。」


「味方と連携して、追い返すわよっ!」



 弾薬の節約の観点から景気良く海自装備をバカスカと使えない。



 それなのに洲崎二佐の強気に成って居るのには、アレが有るからだ。



「デコモリン少佐以下の部隊に連絡っ!」


「此方で目標の位置と合図を報せから、それに併せて撃って良しっ!!」


「了解です。」


 海自レーダーと射撃管制に加え、アセリナ王国・聖天使騎士のエクスプロトンバスター。


これはある意味、地上最強のダッグ戦法かも知れない・・・・・・・・・・・・・



「全艦及び全部隊へっ!!突入攻撃を開始せよっ!!」



「攻撃目標っ!!!シベリナ連合軍及び日本艦隊っ!!!」



「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」



 この時点で両者の相対距離は6キロを切って居た。


 グリクス地方軍艦隊の偵察哨戒艦隊は、命がけの突撃威力偵察を敢行する。



 砲弾がセイローグ島・セイローグ聖堂砦やダバ派遣艦隊の第3艦隊へと撃ち込まれる。


ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!


ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!


ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!



 だが、第一砲撃の砲弾は砦の手前500メートル付近に疎らに着弾して終わる。



「「「「「火炎弾をくらえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」」」」」


 偵察哨戒艦隊の守りであり、地上への航空攻撃隊てもある竜騎士航空隊も火炎弾撃ち放つ。


「総員っ!!!怯むなっ!!!撃ち返せっ!!!」


ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!


ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!


ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!ドドーンッ!!!



 マオ大尉の魔導師隊と魔導砲台が火を拭く。



「今ニャーっ!放てえええぇぇぇぇーーーっ!」


 ユイ隊長率いる特戦魔弓兵中隊が、魔力付加を加えた矢を撃ち放つ。



 それらは一つ一つが一陣の光と成って、敵のワイバーンへと突き刺さる。


「くそっ!!ニホン軍の連射砲台に、シベリナ連合の魔導砲と魔導弓か・・・厄介な。んん?」


 

 竜騎士航空隊の隊長が、上空から良く目を凝らして、セイローグ聖堂砦を良く見ると・・・・・・・


「げげっ!?あああっ、あれはっ!!アセリナの頭の可笑しな聖天使騎士共だとっ!?」


「ままっ、不味いっ!!不味いぞっ!!!」


「各員っ!!!直ぐに撤退だっ!!!撤退するしろっ!!」


「アセリナの頭の可笑しな聖天使騎士共が槍先を向けて居るぞっ!!」


「撤退ーっ!!!撤退ーっ!!!直ぐに撤退だあああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!」


「急げえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーっ!!!」


竜騎士航空隊の隊長は、防壁で構える聖天使騎士を見て、撤退指示を出す。


「大変ですっ!!司令官殿っ!!セイローグ聖堂砦に、頭の可笑しな聖天使騎士どもが、多数確認されたとの事ですっ!!!」


「何だとっ!?直ぐに反転しろっ!!!」


「このままだと狙い撃ちの直撃に成るぞっ!!!急げえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」


 偵察哨戒艦隊の司令官も、前線から報告を聞いて、慌てて撤退命令を出す。


 しかしながら、それを逃す洲崎二佐では無い。



「もう遅いっ!!!エクスプロトンバスターっ!撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」


 洲崎二佐は、無線で聖天使騎士隊へと攻撃命令を出す。


 既に起動詠唱を終えていた彼女達は、全力で偵察哨戒艦隊を攻撃する。



 グリクス地方艦隊の一艦隊として行動をして居た偵察哨戒艦隊の一隊は、聖天使騎士隊から撃ち放たれたエクスプロトンバスターの閃光に包まれると、船体や竜騎士達と共に猛烈な爆発と共に鳴り響いたドッゴオオォォぉーーーーンン!!!!!と言う地響きと共にこの世から消え去ってくのであった。



 それを発射地点から見届けた聖天使騎士隊の者達は、後ろ向きにパタパタと倒れて行く。


「ぷはっ、気持ち良い。」


「満足、満足。」


「ふひーーーっ!!!」



「がくっ!!」



 頭の可笑しな聖天使騎士達は、とても心地良さそうで、とても何かをやり遂げた顔つきで、魔力が尽き果て次から次へと後ろめりに倒れて行く。



 エクスプロトンバスターに撃たれて逃げて行く中の敵艦隊中には、運良く爆風だけの被害に留まった3隻の空挺艦が居たが、それでも敵艦隊はと言うと、全滅寸前に追い込まれる被害を被る事に成ってしまった。



 その運良く砲撃の隙間に居た偵察哨戒艦隊に所属して居た駆逐艦3隻を残して、這う這うの体でスタラコラサッサと言う感じに逃げる様にして、撤退して行ったのであった。


 こうして日シベ合同作戦軍は、セイローグ聖堂砦の防衛に成功するのであった。





 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月11日・午前11時48分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・ レジェンダリア諸島東部・カントルナ島・カントルナ砦・ローラーナ帝国軍・グリクス地方軍団・グリクス地方艦隊占領地・カントルナ砦及び・仮設基地司令室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 



「ガミトフ閣下に申し上げます。」


「セイローグ聖堂砦に隠密偵察をしていた第22空挺艦隊が、駆逐艦3隻を残して全滅した模様です。」


「その主な原因は、アセリナの頭の可笑しな聖天使騎士どもの一撃だとの事です。」

 


「そうか・・・・・・」


 報告を聞いたガミトフは、そう一言だけ返事をするたけであった。



「しかし、南回りも警戒が厳重ですな。」


「うーむ、このままで膠着が長引くばかりだな。」


「特にニホン軍と忌々しいロリババアであるエリノア。」


「更にはアセリナの頭の可笑しな聖天使騎士どものエクスプロトンバスター。」


「どれも驚異的な強敵だ。」


「二人共、そう焦るでない。今少しまでば、わしが必勝の策を披露して見せよう。」


「「おおっ!!」」


 ガミトフに必勝の策有りと聞いたオバム大佐とジャーマン中佐は驚きの声を上げる。



「流石はガミトフ閣下ですな。」


「我々でさえ、攻めあぐねて居るのに、もう次の手を打って居られるとは・・・・・」


「グリクス地方軍団の幹部である貴様らが、その様な事ではと言いたいが、この度の相手が相手だ。」


「敵には忌々しいロリババアであるエリノアとニホン軍が居るでな。」


「手こずるばかりの事で、一々叱責ばかりしていては、お前達や将兵らも気が休まるまいて・・・・・・」



 ガミトフの妙な落ち着きと、内に秘めている必勝の策とは?


 グリクス地方軍団の動きが不気味な物へと、徐々に変化して行くのに、日シベ合同作戦軍は、まだ気が付いては居ないのであった。


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