105話 激闘!レジェンダリア諸島 カントルナ砦近郊上陸撤退戦  (闇夜に燃えるカントルナ砦 7)

 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月7日・午前2時45分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・ レジェンダリア諸島東部・カントルナ島・カントルナ砦付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 三石二佐が率いるダバ派遣艦隊のイツクシマ作戦・第一艦隊は、全武装を撃ち放つ為に、船体を敵に向けるべく船首を右舷への回頭をして行く。



「各艦一斉に雷撃・対艦攻撃開始っ!!」


「各艦データリンク良しっ!!」


「目標の割り振り・・・・終わりました。」


「てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!!」


 三石二佐の掛け声で、一斉に各護衛艦の装備が火を噴く。


 対艦誘導弾のロケットブースターが点火して、空へと舞い上がり、同時にアスロックと短魚雷が発射される。



 主砲も引き続き撃ち放たれていた。


「くそっ!ニホン艦隊の奴らっ!全力で一斉砲撃をする為に、船体を横に向けたのかっ!?」


「しかも挟み撃つ様に攻撃して来やがるっ!」


「少数に癖に、何て火力だ・・・・・・」


 グリクス地方艦隊は、海自第一艦隊の一斉砲撃に、一堪りもない状態に陥るのだった。




 はやぶさ隊は南へと向うと、敵艦隊が途切れた地点から一旦、離れて左へと回頭し、再び北上をして行く。


 それを繰り返し、第一艦隊の半分を引き受けていた。



 突撃力にも優れて居るはやぶさミサイル艇の性能を十二分に活かした、かく乱戦法であった。


 更に敵からの砲撃は、絶対に当たらないのだから、敵グリクス地方艦隊は、大混乱に陥るのだった。


「あっ!?見ろよっ!」


「おおっ!我がグリクス地方竜騎士航空隊だっ!」


「頼むぞっ!奴等に殺られた連中の仇を取ってくれっ」



 グリクス地方艦隊の兵士らは、新たに現れた友軍の来訪に希望を抱く。


 その数は多く、実に1500騎に及んで居た。


 絶対的な暴力の嵐を持ってして、敵たるダバ派遣艦隊を撃ち破るだろう思うのであった。



「三石二佐。」


「上空を哨戒中のP-1哨戒機改と各艦のレーダーが、南方の敵空挺艦隊並びに水上艦隊から発艦したと思わしき竜騎士航空隊を捕らえました。」


「その総数は、凡そ1500機。」


「やっぱり、そろそろ出てくる頃合ね。」


「これまで集めた反応データを元に、敵機の種類はワイバーンタイプと思われます。」


「制空権を取ろうと言うのは、如何なる世界でも戦術上の常識か・・・・・・・・」


「これも概ね予測通りの反応ね。」


「各艦へ通達っ!!迎え撃つわっ!!対空戦闘よーいっ!!」


「はっ!対空戦闘よーいっ!!」


「敵は数に物を言わせて来るわっ!!!」


「ですがイージス艦2隻と旧型が多いとは言え、ワイバーンが1500機では、我々の相手にも成りませんな。」


「単なる射撃演習の的でも言いたいの?」


「まさか、仮にもこれは実戦ですっ!」


「我が方は、手加減程度で済ませる積りですっ!!」


「分かってるわねっ!!」


 不敵に笑う副長の冗談を軽く受け流す三石二佐。



 この場での殲滅は、作戦を遂行する上で不味いのだ。適度に敵の攻撃を受け流す。


 そうでもしないと、イージス艦護衛艦を主力とする護衛艦の性能を100パーセント発揮してしまうと、敵方をうっかり殲滅しまうからだ。



 第一作戦は、あくまでカントルナ砦の味方の撤退の支援だ。


 大人と子供くらいの力の差が有る性能と実力の差の匙加減の調整を上手くしないといけないからとても辛いのだ。


 そして、この非常に難しいミッションを彼らは、しようとして居たのである。



「それえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!!者共っ掛かれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!!」


「「「「「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」」」」」


 ワイバーン各騎は、口から火炎弾を撃ちだす体勢を取りつつ、急降下で海自第一艦隊へと攻め掛かる。


「各艦っ!!一機も護衛艦の間近に、決して近付けるなっ!!!」


「てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!」


 各艦の迎撃ミサイルが一斉に撃ち上がり、主砲も素早い連続の砲弾を撃ち掛ける。


 それ等も運良く免れた竜騎士達は、最終防衛の要たる20ミリCIWS機関砲の弾に撃たれてミンチにとなり水底へと真っ赤な血で染まりながら撃ち落されて行く。


「くそっ!!たった1回の攻撃で、120騎も食われたぞっ!!」


「一体っ!!如何なってやがるんだっ!!!」


 (注意)海上自衛隊は、作戦目標達成の為に、グリクス地方艦隊とグリクス地方軍団の皆様に対して、手加減して居ます。


「丸でハリトカゲみたいな奴等だ。」


「ハリトカゲ」ヤマアラシ見たいなトカゲで、とても大人しい性格をした爬虫類。


 しかしながら、何も考えずにその針に刺されると、しっかりと切開手術しないと針先の芯が残ると言う厄介な事に成る。


「何処を攻め掛かっても、必ず撃たれるなんて反則過ぎるにも程かあるぞっ!!!」


 (注意)もう一度言いますが、海上自衛隊は作戦目標達成の為に、グリクス地方艦隊とグリクス地方軍団の皆様に対して、手加減して居ます。


「どんな砲手が狙い撃ってやがるんだっ!!」


(注意)自動です。しかも、弾は自動換装して居ます。



「ニホン海軍の戦艦は化物かっ!?」



(注意)正式名は護衛艦です。戦艦では有りませんよ。



 各竜騎士達は、護衛艦のハリネズミ見たいな迎撃能力に舌を巻いて居た。


 そんな時である。


「おおいっ!何か聞えて来るぞっ!?」


「北だっ!!北から何かが赤く光って居る?」


「何だっ!!何かが、こっちに向かって迫って来て居るっ!?」


 彼らが見たのは、位置灯と言う航空機が事故防止の為に設置されているライトである。



 そう、彼らは見つけた光の正体は・・・・・・・・・・・



「がははははっ!!サシバリーダーより各機へっ!!これより盛大に暴れるぞっ!!」



 神谷一佐が率いる空自航空隊のF‐15J戦闘機30機。


 空自または三沢の青い彗星こと、池田秀三空将補が複座型のF-2Bに乗り込んでいる機体を合わせて、F-2が全20機。


 合計50機から成る空自ご自慢の戦闘機部隊の来着である。



 その周りには、ドラグリア白龍大帝国のエリノア・ドラグリア率いる30人の白龍人達と150匹の白龍達が供に攻めかかって来て居た。


「ちよよよよよょょっとととと、白龍人と白龍達らが、何でっ!!こここっここに居るんだよおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」


「しっ、知るかっ!!」


「おおおおっ、おいっ!!ああああ、あれって・・・・・」


「しっ、しかもっ!!あああ、あれって、ままっまさかああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」


「「「「ドラグリアのロリババァだああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」


「「「「「うああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」」」」」


「「「「「ももももっ、もう終わりだあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」」」」」



「どうする?」


「どうするったってよ・・・・・」


「おおいっ!貴様ら怯えて無いで、必死でやらんと手足だけじゃなく、命も取られかねんぞっ!!」


 グリクス地方竜騎士航空隊は、予想のもしてない斜め上の状況展開と成った為に、ニホン軍以上に、恐れて居るとも言えた破壊の化身たるドラグリア白龍大帝国の一部隊とそれを率いている一際大きい白龍姿のエリンを見ると大混乱と恐怖に陥るのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る