97話 激闘!レジェンダリア諸島 カントルナ砦近郊上陸撤退戦 (グリクス地方奇襲戦 13)
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月6日・午前7時10分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔南部地域・グリクス地方・ローラーナ帝国・ローラーナ帝国領・グリクス地方州・グリクス地方軍団・グリクス地方西方戦線区・グリクス市・グリクス要塞から西へ凡そ、15キロ付近・はやぶさ型ミサイル艇隊待機地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ガミトフは、レジェンダリア諸島への侵攻するに当たり、この戦いでこれまでの人生の全てを掛けて戦う決意を固める。
兵の数はローラーナ帝国、地の利はアルガス公国、人の和は日本国に在ったと、後に言われる事になる起因と成ったブラキュリオス湖畔紛争の戦いが起ろうとして居る。
ローラーナ帝国のグリクス地方軍団は、手持ちの中で掻き集められる範囲の軍勢である。
凡そ40万人を出兵をさせる事を決定する。
対するアルガス公国6千人。
自衛隊が、後からやって来る予定の援軍を合わせて7000人程度である。
合計で13000人とリナとハンナ、アセリナの聖天使騎士12名で、その合計は13014人と、単純に兵力だけで比べるのなら、この戦は圧倒的に不利であった。
こんな差を意図も簡単に埋められる戦略家は、彼のリアルロボットアニメに登場する仮面を被った、高笑いをする魔王の様な、あの男の様な存在ぐらいだろう。
しかもその彼は、これでチェックだとか、これが私の奇跡だ言いつつ、必ず高笑いをするに違いない。
だがしかし、此処には、そんな都合の良いチートスキル持ちなんぞは居ない。
知恵と勇気と人の和を頼りにして、この戦いに挑むしか無いのだ。
一方、ガミトフが決戦を決意した同時刻、本体が撤退し終えるギリギリまで殿と成って、グリクス要塞のグリクス地方軍団の動きを監視を請け負って居た、海自の石井三佐が率いるはやぶさ型ミサイル艇隊の7艇は、置鮎一佐から撤退命令を受けていた。
「はい、はい、はい、はい。了解であります。」
「石井三佐、置鮎一佐からです。現時刻を以ってして、全ての作戦を終了する。直ちに撤退を許可するとの事です。」
「ふぅ、何事も無くて良かった。殿と言う物は此処まで緊張感がある物だと言う事を実感した作戦だったな。」
「はい。それで我が隊も引き上げましょう。」
「全艇の諸君、作戦は無事成功を果たした。」
「みんな本当に、ご苦労だった。さぁ、撤退しよう。」
グリクス要塞への牽制足止め作戦に参加していたはやぶさ型ミサイル艇隊に乗船して居る隊員達からは、安堵の笑顔と作戦成功の報せに沸き立つ。
「だれかっ!あの・・・・ハンナと言う子とアセリアの者ら達に報せてやれ。引き上げるとな。」
「はっ!!」
「ハンナさーんっ!」
海自の1等海曹の1人が命令を受けて、外へと出ると、空に向って大声で報せてやる。
ハンナ達は、殿の際に起きるかも知れないトラブルに対して、あの一撃必殺の魔導砲撃を撃ち放って欲しいし言い含めて居たが、残念ながら、その出番は無く成ってしまった。
「おおっ!何の用であるか?」
「作戦が成功しましたーっ!!引き上げでーすっ!!!」
「作戦命令っ!?敵要塞に撃ち掛けろおおおぉぉぉーーーーっ?」
あれ?何んか違ってね?
「えっ?」
海自の1等海曹は首を傾げた。
それ丸で戦車競技が国際モータースポーツと成って居るアニメ世界で、茨城県代表チームと共にエキシビションマッチでダッグを組んで居た隊長さんが通信装置の故障を訴えると、味方チームからは「後退ですっ!こ・う・た・いっ!!!」と言われて居るのに・・・・「と・つ・げ・き?」と聞き間違えて、突貫を仕掛けるようなワンシーンほ思い浮かべてしまうかも知れない。
「諸君、遂に遂にっ!我らが出番ぞっ!」
「「「「「「「「「「「「 おおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」」」」」」」」
頭の可笑しなハンナとア愉快なアセリナの聖天使騎士達は、エクスプロン・ランサーを高く掲げると『おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!!!』と鬨の声を上げる。
「えっ、えええっ?ちょっと、それ、違うって、まままっ!待ってえぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!」
海自の1等海曹が、慌てて止めようとするが、最早遅かった。
そして、彼女らは槍先を、事も有ろうにグリクス要塞の北部地区の施設に向けて、ブツブツと呪文詠唱を唱え始めて行く。
「我れらが聖なる力の源泉たるマナよ、今こそ我が前に立ち塞がりし怨敵を滅さんが為に、その力を覚醒させ、その力を世界に示さんっ!!」
「これぞっ!!我がアセリアの天使たる者が森羅万象を操り、この世全ての歪みと悪を正し討ち果たすものなりっ!!」
「我の望む白き荒野なり、虚無の白き地平線なり、天の全てを白き白夜なりて、踊れ、踊れ、踊れ、踊れと力の本流なりっ!!」
「これこそが並ぶ事無きっ!!この世っ!!この世界に措いて最大の攻撃魔導砲っ!!!」
「悪鬼の巣窟たる世界の敵たるローラーナ帝国よっ!!」
「これまでの行いを懺悔しっ!灰燼に滅せよっ!」
「エクスプロトンバスタアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
ハンナ達が放つ13本の閃光が一つと成り、グリクス要塞の北部地区の施設に向って行く。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月6日・午前7時16分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔南部地域・グリクス地方・ローラーナ帝国・ローラーナ帝国領・グリクス地方州・グリクス市・グリクス港・グリクス地方軍団・グリクス地方中央戦線区・ローラーナ帝国軍・グリクス地方軍団官庁舎にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ガミトフ閣下、出撃に際しての艦隊の物資ですが、このように・・・・・・・」
「うむ・・・・・・・・」
文官や武官らが纏めた報告書を受け取るガミトフは書類を受け取った瞬間だった。
その後ろに真っ白な閃光が走った。
「んん???」
「何だ?」
閃光はグリクス要塞の北部地区内の半径5キロの軍の施設を幾つもの爆発を生みつつ着弾点に巨大な爆発を起した。
「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
ガミトフの居た庁舎は、ガタガタと激しい揺れと爆風に見舞われる。
グリクス要塞の施設範囲は約25キロと広大で、その中心から10キロ近く離れた北部地区に命中したエクスプロトンバスターの被害は、グリクス要塞の中央庁舎は強固に作られた建物であった為に、何とか持ち堪えられて居た。
無傷とは行かないが、その被害は中程度で済んだのは奇跡と言えたのである。
「むううう、けほっ!けほっ!けほけほっ!!」
ガミトフは、ゆっくりと立ち上がり、辺りの爆風が晴れるのを待った。
「なっ!?何だと・・・・・・・」
エクスプロトンバスターの着弾地点のその跡には、隕石の落下後の様な巨大なクレーターを作り出して居た。
「どっ、何所の誰だっ!この様なふざけた真似をする輩はあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
まぁ、これはガミトフで無くても、怒りたくなる行為だった。
「わっ、分かりませぬ。」
「でっ、ですが・・・・その・・・」
「何だ?言ってみよ。」
「はっ、この様な攻撃とバカな真似をするのは、頭の可笑しなアセリナのバカ天使どもかと・・・・・」
「おっ、おお、おのれれれれれっ!!!何所までわしを虚仮にすれば気が済むのだあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
はい、実にごもっともな事で、だが、これは日本の仕業では、無いと強く主張したいが、それは後の祭りだった。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月6日・午前7時25分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔南部地域・グリクス地方・ローラーナ帝国・ローラーナ帝国領・グリクス地方州・グリクス地方軍団・グリクス地方西方戦線区・グリクス市・グリクス要塞から西へ凡そ、15キロ付近・はやぶさ型ミサイル艇隊待機地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一方その頃、石井三佐達はと言うと・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「おい、誰が攻撃命令を出して良いと言った?」
「申し訳ありませんっ!!」
ハンナ達に伝言を伝えた1等海曹が平謝りをして居た。
ハンナ達は、エクスプロトンバスターを撃ち放つと、フラフラとはやぶさミサイル艇へと着陸し、パタリと気持ちの良さそうな顔つきでバテて居た。
エクスプロトンバスターを撃ち放った事に由る魔力切れである。
「まぁまぁ、石井さん。それで1曹、君は彼女達に何て言ったんだ?」
その間には、はやぶさの副艇長が入り、1等海曹に事情を聞いて見た。
「はっ、はい。俺が「作戦が成功しましたーっ、引き上げでーす。」と言ったら」
「「作戦命令?敵要塞に撃ち掛けろーっ?」と答えたんですよ。」
「そしたら、止める間も無く。そのまま・・・・・」
「「「「ああーーっ!!」」」」
それはそれは、ハンナとアセリナ聖天使騎士たちによる見事なうっかりに、海自隊員達一同は、思わず揃った「ああーっ!!」だったと言う。
「何ですか、そのコント見たいなオチは?」
そりゃ、怒れんはな・・・・と頷く一同。
「はっ、そんな事を言ってる場合かっ!!今直ぐにヅラかるぞ!!」
石井三佐は、スタコラと船を走らせ撤退して行った。
このハンナ達のうっかりが、ガミトフとグリクス地方軍団の出陣を更に遅らせる結果と成ったのは、笑えないジョークとして、歴史書に載る珍事と成ってしまったのであった。
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