77話 激闘!レジェンダリア諸島 カントルナ砦近郊上陸撤退戦 (空自の青い彗星編1)

マギアンティア世界統一暦・1555年・11月19日・午前10時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・アマテラス神皇国・関東地方・相模国・小田原市・小田原城にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 キリヤ公国連合国によるアマテラス九州平定征伐戦に措ける戦勝との一報は、アマテラス神皇国地方内で唯一の独立大名王家国と成ってしまった武田家と北条家へは、激震と成って齎されて居た。


 キリヤ公国連合国と戦争へと突入した島津家の敗戦っ!


 それはある程度の国力を有し、織田家とキリヤ公国連合国に逆らう事さえしなければ、お家の独立を保てると考えて居た2家に取って、猶予の無い喫緊の課題と成って居た。


 アマテラス神皇国の5代目の将軍王朝・アマテラス織田自治神皇国として名乗りを上げた織田・和紗・信長は、キリヤ公国連合国への加盟国と成る事を表明し、未だに抵抗と領土争いを続けている島津家、武田家、北条家の三家に対して、織田に従うか、それとも死力を尽くして戦うかを選べと宣告されて居た。


 その内の一つである島津家は、ゲルニアン帝国との密貿易とその従属国であも在った竜珠王国を武力占拠し、ゲルニアン帝国との二重従属外交させる事で、船舶による海外貿易による莫大な利益と鉄砲や大砲を大陸から仕入れる事で、軍事力の増強を図る事に成功した。


 それに加え、竜珠王国からは天城諸島・奄美諸島と二地域を割譲させ、砂糖や貝殻やサンゴ等の素材を使った装飾品の生産地を手に入れた事で、お家に莫大な資金による収入の増加により、経済基盤の確立をさせる事にも成功して居た。



 こうした積極的な内需拡大による政策と外交戦略により、いよいよ島津家は九州地方の統一平定戦に本腰を入れて行く事に成った。


 祖の矛先は中立独立地域であった龍造寺家や織田家への臣従を申し出て居た大友家とその従属国の大名王家にちょっかいを出し過ぎた事で、キリヤ公国連合国と織田家との武力衝突とに至った。


 その背景にはゲルニアン帝国のヒットラン皇帝の影がチラ付いて居たからであった。


 キリヤ公国連合国は、70万人以上もの大兵力と大規模な兵器群の投入により、九州島地方で暴れ回る島津家を制圧に成功する。


 その次は関東甲信地方と目されて居たが、それに至るまでの猶予はあった。


 アマテラス九州平定征伐戦が行われて居る最中に、奥州独立自治王国の国王である伊達・藤枝・政実は、5千人の軍勢と共に腹心である片目の喜多と呼ばれているお姉さん、片倉・喜多・影綱を伴って北条家の居城である相模国の小田原城を訪れて居た。


 北条家は伊豆国・武蔵国・上総国へと勢力圏を拡大して居た大名王家で、勇治がキリヤ公国本土への移民を同地域に呼びかけ所、多くの民や大名王家に浪人して居た武士達が渡海して行く。


 その際に先祖代々の領地を北条家や佐竹家に売り渡すという者達が居た。


 そのお陰で、北条家は下総国と安房国、常陸国の一部であった結城家の旧領たる結城領も統治下に置かれて居た。


 対織田家との対立も在る事から武田家とも古くからの付き合いであり、同盟国として連携してやって来て居た。


 そんな北条家へとやって来た政実は、北条家への最終勧告を突き付けに来たような物であった。



「早雲殿、キリヤ公国連合国の加盟国として、連合本国からは、まだ貴国に対しての最終通達が為されて居ない中で申し上げる。」


「早々に去就を明らかに為された方が懸命です。」


「はぁ~、そんな事、貴女に言われずとも分かって居るわ。」


「島津家による九州島地方制覇を目的としてた戦は、勇治陛下と和紗殿のお二人によるお力で、九州島地方の平定征伐が完遂され、次は武田家と北条家で有る事は明白。」


「欲を掻き、無駄な戦をした島津家は、その全てを失ったのですっ!」


「それに付いて重ねて言うけど、私としても十分にその事は分かって居るわ。」


「でもね、あの姪っ子の信玄が、最終的に如何したいのかを決めないと、叔母である私の立場が無いのよ。」


「親族である武田家をお家の生き残りの為だけに、身勝手に見捨てたって言われるのは、甚だしく心外な事だわっ!!」


「身内同士のいざこざの経験も多かった、伊達家の貴女にも、そう言った事情は分かるでしょうに・・・・・・」と言われた政実も、奥羽諸国と伊達家は親戚関係が深く、政実がその関係を打破するまで、大きな戦いも一大勢力が起こる事も無い田舎の土地に過ぎないであった。


「ですがっ!!時間が有りませんよ。今は勇治陛下らは、新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区の新規編入問題。」


「九州島地方と北アマテラス北方三方列島地方の戦後処理に時間が掛かって居ると言うだけで、その次は・・・・・・・・・・・・・」


「あ~っもうっ!!・・・・・はぁ~、分かったわ。」


「貴女も近所の誼と言う理由で、此処に居らっしゃったのだから、このまま手ぶらで返すのも体裁が良く無いのよね。」


「そんな貴女の好意を無下にするのも失礼と言うもの。」


「万が一にも、いざと言う時には、我が北条家は、貴女に勇治陛下との仲介講和の仲立ちを頼むわ。」


「私とて、姪っ子達と我が家の子達が、悲惨な末路と成るのを見たくは無いもの。」


「今は現実路線を歩むにしては、此方の勢力側の徹底抗戦派を唱える一派の数が多過ぎるのよ。」


「この私は構わないのよ。でも子供達や北条家に使えて居る国人衆たちは、無骨なで意地っ張りな者達が多いのよ。」


「それに私を含めた少数の講和派閥が和平を唱えても、今の情勢下では、子供達を始めとする者達が、このわたしから北条家の実権を盗られ兼ねないの。」


「悪いけど、このまま一戦もしないで、キリヤ公国連合国と勇治陛下に頭を下げるには、諦めが付かないと言う訳。その辺の所を勇治陛下に重々お伝えして下さる?」


「分かりました。」


「ですが・・・・・」



「ですが早雲さまっ!!勇治陛下とキリヤ公国連合国とは、払っても払ってもしつこく寄って来る夏場のハエの様な存在です。」と同席して居た片倉・喜多が言い放つ。


 それはかつて彼女が伊達家の重臣達に言い放った説得力の在る言葉であった。


「うふふっ!流石は片目の喜多と称される伊達家の重臣。言い得て妙な例えの最もな物言いよ。」


「でも時には道理よりも、感情論で動く事が在る。ホンと面倒な事だとは思うけど、家内の身内や代々仕えて来た忠臣の家臣達が多いと特に・・・・・・・・ね。」


「ご無礼を申し上げました・・・・・・・・」


「構わないわ。二人ともこの私と北条家、ひいては武田家を話し合いで、アマテラス神皇国地方を平和裏に、非戦統一しようと、尽力しにやって来たんですもの。」


「寧ろ、このあたしとしても、此処までされるのは、とても嬉しい位だわ。」


「でも、どうせやると成る最後の戦ならば、派手にやりたいと考えて居るのよ。」


「そうすれば、その辺り感情心がスッキリとすると思うのだけれども・・・・・・・・・・・・・・」と語る北条・九江は、何やらアマテラス神皇国地方の最後の一戦で一計を案じようとして居る様であった。


 伊達家による北条家への説得工作は失敗に終わったが、北条・九江に対して、話し合い関する渡りを付ける事には成功した様である。


 この外交戦は、キリヤ公国連合国・アマテラス神皇国地方・東国平定計画が発動された後に巻き起こった、長鹿野ヶ原の戦いと関東・小田原城平定征伐戦まで持ち越しと成ってしまったのであった。


 一方の武田家では、まだまだキリヤ公国連合国と織田家とどう対峙して行くのかが纏まらず、キリヤ公国連合国と織田家らが戦後処理に追われて居る合間に武田一族とその家臣団との間で議論を続けて行く事と成った。


 後に北条・九江は、関東・小田原城平定征伐戦で、キリヤ公国連合国に対して小田原城を無血開城し、国替えの命令を受けて、キリヤ公国の新国土にて北条新相模自治藩王国を建国する事に成る。 




 マギアンティア世界統一暦・1555年・11月20日・午前12時10分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸東側・アマテラス列島地方・第三連合地方・キリヤ公国連合国加盟国・毛利独立自治安芸藩王国・中津国地方・周防国州・国州都・山口市近郊・毛利家前当主・毛利基就隠居所・山口城本丸館御殿内にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 毛利家の前当主にして、毛利家三姉妹の父親でも在る毛利基就は、次女春美が起こしたキリヤ公国連合国軍との一騒動を期に、毛利家当主の座から隠居して、周防国州・国州都・山口市東近郊に在る小高い丘の山城を隠居所とし、気ままな一人暮らしをしていた。



 今は趣味の焼き物や茶道に凝って居るらしく、城内の一角には茶室や焼き窯とその工房が在り、お抱えの職人達と共に毎日を楽しく過ごして居る様子だった。


「毛利のご隠居様には、この度は大友家への根回し、有り難う御座いました。」


 今回キリヤ公国連合国が九州地方平定征伐戦と成った際、勇治のゴットタブレットで、下関市と小倉市との間を繋ぐ天照関門海峡大橋こと、天門大橋と略された巨大な鉄筋制の吊り橋が架けられた。


 その際に毛利基就は、毛利家現当主にして、三姉妹の長女である輝実から、大友家への根回しを頼まれた。


 毛利家と大友家との関係は、毛利家が大内家を打倒し、その遺領である九州地方筑前国と豊前国へと進出した際に、敵対や味方であった事も在り、龍造寺家や島津家との戦で共闘する事も在り、二つの両家は何かと縁続きの在る関係の大名王家でもあったからだ。


 今回は毛利領と大友領を繋ぐ大きな鉄橋と共にコンクリート製の舗装工事が為された道路も整備され、それが平和利用されると共に、九州地方平定征伐にも活用される事を目的として居るので、決して敵対的な行動に由る物では無いので、その旨を承知して欲しいと大友家に伝えた。



 また、援軍が到着するまでに、少々時間が掛かるので、大友家にはどうか踏ん張って欲しいとも伝えて居た。



 勇治は、その根回しを請け負ってくれた毛利家のご隠居に、お礼の挨拶に来て居たのである。


 九州平定戦で、近くまで来て居た事も在り、一言お礼や一目会って置こうと言うのが目的で、そんな様々な理由から来る挨拶も兼ねての来訪であった。



「何の何の。最早、この隠居には、新しき時代の世を動かす様な政を手伝える事など殆んど無いだろう。」


「この度は九州が静かに成ると言うので、娘に頼まれたから少々お節介を焼いたまでの事よ。」


 基就は勇治を3人の娘達と共に茶室に招いて、持て成して居た。


 勇治と話しながら茶を立てて居た彼は、スゥっと抹茶入りのお茶碗を勇治に差し出した。


「頂きます・・・・・・・・・」


ずずっとお茶を飲みほして行く勇治。


「時にキリヤの小僧よ、孫の顔は何時頃に成れば、見られるのだ?」


「ぶほぉっ!ゲホゲホゲホゲホゲホゲホっ!!」と突拍子も無い事を言われてお茶を噴き出す勇治。


「ちょ、チョッと勇治くんっ!大丈夫?」と慌てて、和紙製のちり紙を差し出した輝美。


「何だ、まだか?」と呆れ顔で言う基就。


「ちょっとお父様。行き成り何を言うのよっ!」とぷんすかと可愛らしく怒る輝美。


 その横で、三女の隆美は真っ赤な顔で座って、黙り込んでしまって居た。


「行き成りも何も、小僧は男で、お前たちは女だっ!」


「それも大きな力を持った君主と臣下の藩王と、その姉妹達なのだ。」


「更にその関係が親しいと言うのならば、自然と互いの子を望む関係にも成るであろう?」


「わしとしては、お前達の三人の中から、小僧との間に子が出来れば、我が毛利家としては、御家が安泰なのだ。」


「安心して我が毛利家は、その小僧とその子孫、そして、キリヤ公国に忠節を尽くせると言う物。」


「モタモタをして居ないで、とっと子供を作れっ!!早うしないと他勢力の娘共との子種を求めた寝屋時間の取り合いの戦いに成るぞっ!!」


「特にお前達は、子を産むには十分な年頃なのだっ!!」


「小僧を上手くリードしてやれば、簡単な事だろうに・・・・・・」


「父様っ!!」


「そうじゃけんっ!!親父っ!!わしゃ、こんな小僧とっ!!」


 次女と三女も怒り始めた。


 その怒りは嫌々と言う訳では無いが、勇治とは恋愛対象では無いと否定する春美と面と向かって好きだとか、親から婚約者に成れとか言われる事に気恥ずかしさから来る物が、隆美には在ったからである。


「・・・・・春美は、外れか。隆美は・・・・・ふむ。」と意味深な言葉で終わる。


「輝美、お前も小僧に嫁ぐ覚悟して置け・・・・・」と言って締め括る。


「・・・・・・」と3人は、とても気まずそうな顔つきになる。


 父親である基就は、輝美に側室として嫁げと言ったのである。


 隆美に付いては、放っておいても問題無し、後は本人次第として、放置されたのである。


(全く、隆美は情けない。好きなら好きと言えば良かろうに、春美は・・・・あの気性では嫁の貰い手が居ない。)


(武で伸し上がって行くには、申し分ないのだが、アレではなぁ・・・・・)


(肝心な輝美は、少々堅物で真面目過ぎる。如何にかして小僧とくっ付いて貰うにしても、あの様子では少々手間が掛かろうて・・・・・・)


 毛利家の前当主である毛利基就は、娘達を勇治の側室として、その間に産まれた子供達を毛利家の跡継ぎや有力者として、毛利家の礎にしようと目論む。



 だが、当の本人達はと言うと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ゲホゲホっ!!きっ器官にっ!!ゲホゲホっ!!器官に入っちゃったっ!!ゲホゲホっ!!ゲホゲホっ!!」


「勇治くんっ!!ごめんなさい。お父様が変な事を良い出してしまって・・・・・」と勇治の背を摩る輝美。


「わしは関係ないじゃけんねっ!!」と頬を膨らませて、怒り心頭り春美。


「・・・・・・・」と真っ赤な顔で、黙り込む隆美。


 まだまだ勇治と彼女達の関係は互いに友人以上で、義理の姉弟と言った感じに過ぎないと言えたのだった。



 マギアンティア世界統一暦・1555年・11月22日・午前12時10分頃・マギアンティア世界・ユーラシアン大陸から南方に千キロ地点・第三文明圏・南方地域世界・ダクラマカン大陸・ダクラマカン大陸・クーロン地方・第三列強大国・大華天帝国・クーロン・中央部黄龍(おうろん)大河地方・帝都・長安市・クーロン一族が居城・金華九狐禁城・大天帝内私室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 キリヤ公国の最南端の半島地方の地方自治州区であるカンサイ地方自治州区の州都、オオサカ市から南へと270キロも在る海峡・・・・ユーロン大海峡。


 其処を含めた外洋海のことユーロン南方海峡洋海と言う。


 その海域を進んで行くとダクラマカン大陸と言う大きな大陸が在る。


 その大陸の覇者にして、第三文明圏・南方地域世界・第三列強大国であるのは、大華天帝国・クーロンと言う。


 その場所はユーラシアン大陸から南方に270キロも在る地点に在り、キリヤ列島のリュウキュウ諸島地方自治州区からもクーロン領である大弯亜大陸・ファン列島諸島・海南島諸島・九龍諸島とも接して居た。


 その大陸は、主に仙獣人族と言う特殊な獣人族で構成される大陸で、中華風の文明を持った国であり、西側にモンガル大元王国という騎馬民族の王国が在り、草原地帯を有する同地の大陸第二位の大国が大陸西側を支配下に置いて居る。



その勢力から自国を守る為に、500年の歳月をかけて作り上げ、今もなお改築に改築を繰り返し続けて居る難攻不落と謳われる要塞城、その名も万里の長鉄壁城と言う城壁が在った。


 その要塞は天然の山脈地帯や渓谷地帯を利用した細長い城壁型の要塞城が築かれて居り、その長城を築いたのが九尾狐族である。


 強力な魔力を有する九つ尾を持った獣人族で、取り分け強い力を持っているのが大天帝一族であるクーロン族であった。


 擬態変身・獣化変身・強力な魔法能力・数百年は生きると言われて居る不老長寿である事が種族としての最大の特徴的と言える。



 更にアマテラス神皇国や竜珠王国なんかの文明圏の基と成った国家で、アマテラス列島とは、ユーラシアン大陸の南部を中継地として寄港した商船が、偶々立ち寄った事に由り始まった交易が、切っ掛けと成り交流をし出したのが始まりであった。


 因みに序でに言うと、甲斐稲荷隠密衆の鎌田一族と配下の忍び衆らは、この国の出身者の子孫で、鎌田一族は大天帝一族の末裔の一派が勢力争いに破れ者達が国外へと逃れて行った者達との言い伝えられて居る。


 しかしながら、どの時代辺りで国を飛び出して来たのかは定かではないので、本人達は、今の大天帝一族との交流接点が無いのだった。



 そんな国家である大華天帝国・クーロンは、異世界マギアンティアの中でも一番に古い国家であり、マギアンティア世界統一暦元年に建国がされたと伝えられて居る。


 そんな国家に列強国として認められると言う事は、一等国と成った事の認定証を貰う事と成る証と成るとされて居る。


 彼のゲルニアン帝国皇帝であるヒットラン皇帝が、クーロンとの貿易と外交政策に拘って居たのも、彼の国からの認定証と言うべき友好条約の親書が数年置きにやって来るので、二航路在るクーロンとの航路の維持し続ける事に、とても拘って居たのである。


 その内の東側航路をキリヤ公国と連合国加盟国等に乗っ取られてしまったのは皮肉としか言いようがない。


「ふっ!噂以上に、キリヤ公国連合国を治める少年王と言うのは、面白い小僧の様じゃな。」



 ユーラシアン大陸へと送り出して居る諜報局の商人に成りすまして居る密偵武官からの報告を受けて居た大華天帝国・クーロンの大帝たるリュンファー・クーロン。


 彼女は国内中央部に位置して居る帝都・長安市内の居城・金華九狐禁城の玉座に居座って報告を受けて居た。


 齢400歳を超える強力な魔力を有する九つ尾を持った仙獣人族で、異世界マギアンティアの中でも一番に古い国家の家系。


 その姿は人間で言えば10歳くらいのロリ幼女で、140cmにも満たない背丈をして居た。


 白いお団子のツインテールで結った髪型と黒髪ストレートロングヘアーがツヤツヤとして居り、ツリ目をした顔つきに年寄り様な口調で、赤い瞳がとても怖く感じられる。


 チャイナドレス風の服を着こなし、扇子を片手に何処か大人びて居る振る舞いが目立つて居た。


 それも其の筈、彼女も強力な魔力を有する九つ尾を持った仙獣人族で、取り分け強い力を持って居るのが、大帝一族であるクーロン族なので、獣化変身・強力な魔法能力・数百年は生きると言われて居る不老長寿。


そんなリュンファーは、余計な力を使わない為にワザと幼女の姿を取って居た。


 真の本当の姿は、ボンキュッボンの妖艶な美女であるらしい。



「さて・・・・・・そろそろ彼の少年王の小僧に国交開設と列強国認定の使者を送らねば成らんかのう。」


「ゲルニアン帝国のヒットランの奴目は、キリヤ公国と小僧さえ現れる事さえ無ければ、ユーラシアン大陸の統一は間違いないと言えたのじゃがな。」


「今や奴目は、只のちょび髭オヤジに過ぎぬわっ!!カカカカッ!!」


 此処でもヒットランは、小馬鹿にされてしまう。


 此処まで只のちょび髭オヤジと言う渾名を電波されてしまって居ると成ると、同情すらしたく成るかも知れないと言えた。


「それに・・・・・」とリュンファーはニヤリと妖艶に笑う。


「この妾の眼鏡に適う奴じゃったら・・・・・・・・・・・」



「くくくくくっ!!コオオオォォォォーーーーーンッ!!」と九尾狐族独特な高笑い声が、勇治に対する様々な意味での興味への高ぶりから、興奮する余りに笑い声を木霊させしまうリュンファー。



 彼女は早速、勇治とキリヤ公国連合国の中央政府へと使者を送った。


 勇治とキリヤ公国連合国をユーラシアン大陸の覇者と認め、国交開設をする為に、しかしながら、その目的とは一体、何なのだろうか?


 桐谷勇治とキリヤ公国連合国は更なる策謀と戦いの嵐へと巻き込まれてしまう事に成るか知れない予兆でもあったのだった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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