75話 激闘!レジェンダリア諸島 カントルナ砦近郊上陸撤退戦 8
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月5日・午前9時26分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖畔・アルガス公国・モンブラン州・ブラキュリオス湖東部河口付近にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
竜史との通信を終えた置鮎一佐。
竜史のご都合主義も良い所と言った感じの段取りの良さに舌を巻きつつ、後は行動に起こすだけと成った。
「本国と交援省との連絡は取れた。」」
「我々自衛隊の戦闘行為に関しての行動は、一切の問題は無いとのお達しだ。」
「通信衛星や監視衛星も使えるぞっ!」
「それでは、自衛隊創設以来の武器の無制限全力攻勢と言う訳ですね。」
「そうだ、全力と言うのには、少々規模が小さいけどな。」
「それでは、我々日本国自衛隊西部派遣隊・ダバ派遣隊は、これより、ブラキュリオス湖の南部から侵攻して来る武装勢力に対して、自衛戦闘にて対処する。」
「引き続き作戦と編制に付いて協議する。」
「瑞樹さん、千棘さん同地に付いての説明をお願いします。」
席を立つ二人が前に立ち部屋が暗くなる。
パソコンに接続され、繋がれたプロジェクターが、事前にスキャニングで取り込んで置いたブラキュリオス湖の地図が映し出される。
手書きだが、これが今一番の出来の良い地図だった。
指揮棒を持って瑞樹が、スクリーンを指す。
「レジェンダリア諸島は、大小12以上の島から成る場所です。」
「此処は諸島の内側と外側の水位が違います。」
「内側は徒歩でも近くの島に渡れる場所が在り、水路に気を付けなければ座礁してしまうでしょう。」
瑞樹が簡単な説明が終わると、笹沼二佐が話しを引き継ぐ。
「敵の動きは偵察機や衛星写真の結果待ちだが、先ほど衛星写真の試写が本省を通じて司令部経由で送られて来た。」
「衛星写真?ではアマテラス計画は成功して居るのですね。」
アマテラス計画が、上手くいった事を知った隊員の1人が声をあげる。
「ああ、そうだ。これを見てくれ。」
スクリーンに映し出される写真に「おおっ!」という声が全員から聞える。
「これは凄いわね。」
「おお、これは如何やって描いたのだ?」
雷帝様と頭の可笑しな娘は、超高高度からの衛星写真の画像に食い付いて来た。
「異世界の皆さんは、初めての方も多いので簡単に説明します。」
「これは空の上の空間である宇宙と呼ばれる所から書き写した物です。」
「宇宙?」
リナは理解が追いつかない様である。
「この世界では、宗教的な禁忌にも触れるかもと言う国や人も居るかも知れませんが、はっきり言いますね。」
「この世界でも物理法則や森羅万象が、我々が居た地球とほぼ同じで有るならば、世界は球体の形をして居ます。」
「その周りに向けて、人工の機械を飛ばし、我が国では、気象や地上の様子を随時監視したり、映像や通信のやり取りをして居るのです。」
「へえ~、こんな物が出回るようになれば、戦争や日常での暮らしが一変するわ。」
「うああぁぁ~・・・・・」
リナは人口衛星の将来像に驚きつつ、感心してしまう。
一方の頭の可笑しな娘は、子供の様に目を輝かせて居た。
「千棘、これは戦が変わるわっ!」
「偵察の危険を冒さずに済むし、無駄も手間も省ける。」
「ええ、でもこれって軍事機密か国家機密に成らないのかしら?」
当然の疑問が投げ掛けられる。
「いいえ、内部の設計や核心的な技術の情報でなければ、一般国民でも知ってる事ですよ。」
「簡単な詳しい事が知りたければ、国交が結ばれた後にでも、正規の手続きを取って我が国に来れられれば、開発研究機関等へ見学を申せ込めば、一般公開で見られる場所もあります。」
「それに基本的な部分は、日本国内の書店や図書館等で、書籍で閲覧して見られます。」
「ですが、一から作ると成ると、気が遠くなる様な年月と途方もないお金が掛かりますので、当面の間は皆さんのお国では無理でしょうね。」
「それにロケットと呼ばれる物を打ち上げるのにも、人気の少ない場所でないといけないですので・・・・・・・」
「それは残念ね。」
「まぁ、帝国が仮に人工衛星の内容情報を知ったとしても、今はお伽話しにしか聞えないでしょうね。」
「衛星に付いての説明は此処までだ。」
「問題である帝国軍の動向に付いて、意見が有ったら言って欲しい。」
置鮎一佐が、話しを衛星写真の内容に戻す。
「ほぼ、ブラキュリオス湖の南部一帯に大規模な木造艦隊と見慣れない造りの艦隊が見られる。」
「シャッポロ川と言う川が、南東へと流れて居るが、この付近にも軍船が多く集まって居る様だ。」
「空挺戦艦も居るわねぇ・・・・・・・・」
リナが、冷静に写真を見て発言する。
「やはり、そうですか?」
「空中に浮いてる様にしか見えないと、写真を分析した隊員は、言って居ましたが。」
幾つかの写真に、数隻ほど空挺艦が飛んで居るのが写って居るのが見受けられた。
「なら多数の飛竜や大型の竜種も多数投入されるわよ。」
「大規模な兵隊と一緒にね。」
「この黒い部分はひょっとして?」
隊員の1人が、写真の写りが悪いと思える黒い影が、見える場所に指を指して言う。
「間違いないわね。揚陸帆船に乗せる為に、待たせてある重騎竜よ。」
「他にも大型の魔動力揚陸船に火竜や巨竜、装甲竜、翼竜も居るわね。」
「ちなみに飛竜と翼竜は別種よ。」
「名前をただ聞いて居るだけだと、同じ種類と勘違いして居る人も多いから注意してよね。」
「リナさん。詳しく教えて貰えませんか?」
「えっ、どうしてなのよ?」
リナは自衛隊側の反応を不思議に思った。
この世界の住人ならば、詳しくは無くても聞いた事くらいは有る知識だからだ。
「我々は異世界から来たと言ったと思いますけど。」
笹沼二佐が、リナに事前の説明を思い出す様に促した。
「ああ、そう言えばそうだったわね。さっきの機械の説明と逆の立場に成るのね。」
「ええ、そうです。」
「我々に取って魔法や竜、亜人と言った存在は、架空の創作物か、お伽話しにしか登場しませんから、偏った知識しか無い部分も有ります。」
「そんな訳だ。詳しい情報が有れば、対処もし易い。」
置鮎一佐と笹沼二佐のコンビが、竜種関係の情報を求めてきた。
何せ自衛隊・・・日本人が知っている竜と言えば、古い伝承かアニメやゲーム等の二次元創作に出て来るものしか知らないだろう。
竜に対する攻略方法を知って居ても、ゲームやアニメ知識と同じとは限らないかも知れないのだ。
「全く知らないって言うのなら、絵図なんかが有れば良いんだけれど、贅沢も言ってられないか。」
リナは説明の為に前と出る。
「くくっ、我が友リナは、彼のドラグリア白龍大帝国の大帝の4番目弟子なのだ。だから竜種には、ちょっと詳しいぞっ!!」
偉そうに友の自慢をするハンナ。
「おお、それは心強い。」と言う自衛隊の面々。
それに気分を良くした頭の可笑しな娘は、調子に乗って言った。
「ドラサダとも諸国から言われて居るしな。」
「ドラサダ?」
この場に居る自衛隊員で、オタクでは無いがある作品を見た事がある一部の隊員はある事が想い浮かんで居た。
ドラゴンを避けて跨いで徹という魔導師の事をね
そして、誰も聞いて居ないのに、この頭の可笑しな娘は、余計な口を滑らせるのであった。
「無法で好き放題の暴れて、泣く子も黙る大型ドラゴンや竜人族でも、逃げて跨いで雷撃から避けて逃げると言う。」
「「「やっぱり!」」」と自衛官達の声が数人から漏れ聞えて来た。
「だ~れ~が~やっぱりですって?!」
バチバチと電撃が彼女の周りで光り始める。
「ふざけんなコラーっ!こちとらっ!好き好んでこんな人生に成ったんじゃねえええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
「リナさん落ち着いて、この艦には、数多くの電子機器が有るんですよっ!」
「強力な雷撃と電磁波の類は、物凄ーくっ!困るんですけど、それと・・・・・・・・・・」
リナは雷撃は理解したが、電磁波の事は何の事だが理解が出来なかった。そんな彼女に笹沼2佐が耳打ちする。
「ううっ、それは悪かったわ。」
「いいえ、此方こそ。(ふうーっ。まさか彼の作品の人物みたいに気性が激しく、激昂し易い人の様ですね。)」
心の中で、くわばらくわばらと、笹沼2佐が言う。
(迂闊だったわ。)
(この船の動力を含めた部品や装置が、あたしの財産が一瞬にして、吹き飛びかねない所が、一カ国分の年間国家予算並みの値段が付くなんてね。)
(今後は、気を付けようっと・・・・・・)
「それとハンナ。」
リナはギロリとハンナを睨み付けながら言う。
「???」
困惑するハンナだったが、何でリナが起こって居るのかが、分からないうっかりさんなのである。
「後でオ・シ・ヨ・キ・ね。」
「ひいいぃぃーーーーっ!!ガタガタブルブル。ガタガタブルブル。ガタガタブルブル。ガタガタブルブル。ガタガタブルブル。ガタガタブルブル。ガタガタブルブル。ガタガタブルブル・・・・・・・・・・・・・・」
こうして、ハンナに新たなトラウマがここに植えつけられた。
竜に付いての種類は以下の通りである。
自衛隊側はリナからの説明を聞き、凡その姿は想像できたのである。
これ等を日本人でも分かり易いように騎竜兵科が扱う物として纏めて書いて置く。
なぉ、此処に書かれて居る名前は、兵科や一般の人々が認識している種別名前なので、種類ごとに名前が有るが、此処では省略させて貰って居る。
重騎竜
トリケラトプスに似て居る。
頭部に3本の角を持ち、鎧の様な堅い皮膚を持って居る。大砲や突撃突進させて、白兵戦に用いられる。
速竜
ディプロドクスにている。
素早く陸上を駆け回り、竜騎兵隊と呼ばれる騎馬隊と同じ兵科に用いられる。
足が速いので伝令にも最適とされているが飼育費がバカ高い。特に肉食であるので、特に肉代が高いのだ。
火竜
大型の竜で、どちらも30メートルの身長を誇る。
陸上タイプと空中タイプの2種類ある。長距離の火炎放射や火炎弾を吐ける。
唾液や胃液が油に近く、それらは脂肪から滲みで居るとされて居る。
口から吐き出す火炎は、粘着性の高い胃液と唾液の混ぜ合わせ、口径ないで魔力と静電気を使って吐き出している。
恐慌竜
ティラノサウルス似て居て、パワーと瞬発力があり、人間を丸呑み出来るほど凶暴である。乱戦を狙って投入される。
装甲竜
装甲タイプと剣竜タイプがある。
アンキロサウルスとステゴサウルスに似ている。
荷物運搬と戦場での白兵に用いられる。
翼竜
腕の無い翼を持った竜で、腕が翼に進化している。
高温のブレスが2種類があって、火炎放射と火炎弾がある。
飛竜とは見た目が違って、40メートルから50メートル前後とやや大型、プテラノドン見たいなタイプやゲームに出て来そうな腕の無いドラゴンタイプの種類を指して居る。
飼育がし辛いタイプで有るが、飛行距離が長く、パワーも有る為に、数匹で籠を用いた運搬作業や上空からの強襲突入作戦にも使用される。
亜種タイプには、かまいたちを発生させてバリヤーや竜巻を発生させられる種類も有る。
飛竜
日本やこの世界では、ゲーム等で一般にワイバーンと呼ばれている種類。
この種類にも火炎放射能力と火炎弾が有る翼竜との違いが分かり辛いと言われて居るが、飛竜は20メートル以下で、腕がある種類を主に指して居る。
とても飼育がし易く、多くの国で飼育されて居る種類の竜である。
水竜
河口から内陸の水辺で暮らす龍種で、首長竜と体の青い羽の生えた種類も居る。
海竜
首長竜タイプで海岸から沖合いの海で暮らして居り、放水攻撃や凍結魔法を使う事もある。
海上船を牽引させられる力が有るので、軍や国、個人商会で飼育されて居る事がある。
魚竜
獰猛で巨大な身体を持つ竜で、海中を泳ぐ。モササウルスに似て居るらしい。
「以上が主に自然界や国家で飼育されて居る竜に付いてよ。」
「生身で真正面から戦うのは、無謀と言えるわ。」
「正面からで無ければ良いのですね。」
「そうだけど。」
「それなら問題無いですね。」
「???」
不適な笑みの笹沼二佐を始めとする自衛隊の面々は、おっかない生物相手に、真正面から戦う気など更々無いのである。
何せ日本の映画や子供むけのヒーロー番組には、怪獣相手に地球防衛隊や自衛隊、ゴ○ラ対策部隊は、正面から挑むシーンなんて余り無いからだ。
リナの説明が終わると笹沼二佐が、対竜戦の何らかの資料が作られないかと思った。
「近い姿の生物の絵かイラストが無いか、司令部へ問い合わせましょう。」
「高見くん辺りなら、知ってそうだけどな。」
「まっ、今回の戦闘で真正面で、実際に竜と対峙するのは、井上さんたち陸自に成るだろうがな。」
「おいおい、置鮎さん。俺達にリアルモンハンしろってか?そりゃ、冗談キツイぞっ!」
「あははっ、戦車も対戦車へりも無ければ、実際に、そうなるな。しかしながら、此処には有るじゃ無いか。」
「俺達や空自の奴らならミサイルや砲弾で済むけどな。」
「「「「「あはははっ!!」」」」」
送られて来たのが、古代の恐竜絵図と大人気ゲームのイラストだったりする。
自衛員がこの場で言った冗談が後の戦場で何度も起きるのだが、其処で活躍したのがモンスターをハントするゲームで、そのゲームでドラゴン狩りに手馴れた自衛官達だったりする。
彼らは特戦よりもレンジャー持ちの自衛官よりも手馴れた動きで、しかも全員が生身で、次々手と帝国の巨大生物兵器を狩って行ったと言う。
その者達は竜退治のスペシャリストとして自衛隊内で、3番目の特殊部隊にして怪異生物対峙専門の部隊と成ってしまうのだった。
「情報が大体は、出揃ったな。」
「後は現場近くで、持って来てある民間用のドローンを使って、空から偵察をすれば、情報面に不安は無い。」
「では続けて、艦隊編制を発表する。」
置鮎一佐は、続けて部隊編成を発表を始めて行く。
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