第6章
64話 僕達の私達の戦争が始まる時 1
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午後14時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・九州島地方・福岡市東側郊外地域・神部町・異世界国家交流総合支援省・防衛課にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
異世界国家交流総合支援省・防衛課。
防衛課とは何かと言うとだ、防衛省から出向されて来た制服組の自衛官と各地から掻き集められた様々な職歴を持った現場自衛官達が集まる交援省の職務部署の一つである。
主に交援省大臣権限の一つである最高司令官代理での職務上の補佐や意見具申。
又は総理大臣や防衛省と防衛大臣との安全保障問題での意見調整等や国外の安全保障問題に関する研究と意見具申と交換と言った具合に、日本国と異世界アースティア世界に措ける安全保障問題に関わる事柄に関する事に関わるのが防衛課の職務とされて居る。
そんな防衛課に竜史は、防衛課の課長である伊丹順一1等陸尉に呼び出されて居た。
「高見くん、執務中の所を済まない。」
伊丹は公けの場で無いので、竜史の事を君付けで呼んで居た。
公けの場では仮にも最高司令官代理と言う肩書きが有る為、竜史の事を出来る限り敬語を使って話し掛けていた。
「いえいえ、構いません。それよりも伊丹さん。まさかとは思いますが、もしかして?」
「これを見て欲しい。」
伊丹が机の上に置かれたノートパソコンから専用回線を通じて衛星画像を映し出して居た。
映し出されたのは、アルガス公国の西側レジェンダリア州・ブラキュリオス湖・レジェンダリア諸島周辺の画像だった。
そして、二人が注目して居たのは、帝国領のグリクス地方州・グリクス市とその軍港であるグリクス軍港。
更にその周辺の要塞群に注目する。
そして、此処を守って居る・・・・・・・いや、居座って居ると言えば言いのだろうか?
此処を拠点に精力的に、侵攻軍とし配置されて居るのが、ガミトフ・バイマン中将を司令官とするグリクス軍団である。
「物凄い数ですね。」
「防衛省からの分析では、ざっと見積もって20万人から30万人程度の軍勢で、艦艇数は、およそ大小合わせて5千隻以上にも成ると言って来て居る。」
「まぁ、この世界は無駄に兵数と兵器の頭数が多いですからね。」
「君の言う通り、全くだよ。一度で良いから、その数の兵器と兵力を使わせてくれって、冗談でも良いから言ってみたい物だ。」
「あはは、ですね。日本からすれば無駄の象徴、もっと悪く言えば贅沢が過ぎる。」
ローラーナ帝国軍の「圧倒的ではないか我が軍は」見たいな感じの軍勢の配置を目にして居た二人、顔を見合わせる様にして、二人して苦笑して居た。
「増援艦隊の小沢一佐には、先発して居る西方面海自派遣艦隊こと、ダバ派遣艦隊に、出来る限り早く合流する様にと、伝えて下さい。」
「それと置鮎さんにも、合流する為に、ブラキュリオス湖の入り口か出口で付近で待機と近隣の友好国から要請が有れば、迎撃せよと伝えて下さい。」
「それとなんですが、もう一手打ちたいので、小西さんとの話し合いで神谷一佐の所の航空隊を使う事にしました。」
「ですので、今から神谷一佐に繋いで下さい。」
「分かった。直ぐにでも繋げようか・・・・・・・・・・」
竜史に頼まれた伊丹は、沖縄の南西混成団の司令部に電話を入れた。
「はい、はい。高見大臣に代わります。神谷一佐です。」
伊丹は受話器を余計な雑音が入らない様に、手で押さえてつつ、竜史に手渡した。
「もしもし、お電話を代りました。竜史です。午前中の迎撃作戦はお疲れ様でした。神谷一佐。」
「国務大臣が、この俺にわざわざ連絡を寄越して来るんなて珍しいな。」
「防衛大臣でも、滅多に直通で現場指揮官に対して、直通連絡を伝えるなんて事は余り無いぞ。」
「それで、大成功で終わった先の迎撃作戦が終ったばかりなのに、今更ながら如何したんだ?」
「はい。実は厄介事をお願いしたい事が有りまして、その前に神谷一佐、今はお使いに成られて居るF-15戦闘機の機体整備の方は?」
「帰還して直ぐに整備をさせて居るからな。今は既に終わって居るぞ。何が起きても良い様に何時でも出られる。」
「それでは、あかぎの航空隊をそのまま現地の代理部隊として残しますので、ちょいと西へと出張して貰えませんか?」
「ほう、そいつは面白うそうな話だな。がははっ!!良いぞっ!!行ってやるっ!!!」
「有難う御座います。」
「本当はあかぎの航空隊を一時的に、ダバ派遣艦隊の為に、西方に数多配置されて居るローラーナ帝国軍基地や駐留部隊等への奇襲攻撃作戦の為に、待機させる積りでしたが、最後の最後で面倒な妃将軍殿の奇襲攻撃を受けた事で、その予定に番狂わせが在りまして、それがダメ成りましたので・・・・・・・・・・」
「其れ付いては聞いて居るぞ!何やらこわ~い、お姫さんにあかぎを沈められそうに成ったってな?」
「冷や汗物の不味い事態に成ったって、あかぎに乗り込んで居た森川と辻村の奴ら言ってたな。」
「だが、お陰で面白そうな任務が舞い込んで来たってもんだっ!!!」
「ではお願いします。作戦へと向かう為に、準備と詳しい説明が有りますので、神谷一佐達は、万代基地まで来て下さい。」
「其処で如何するかをご説明ほします。」
「万が一、何も無ければ、そのままお帰りに成る可能性も有りますので・・・・・・・・・・」
「だが、俺に頼むって事は、相当ヤバイんだろう?」
「かも知れませんとしか、今は言えない状況ですので・・・・・では万代基地に到着したら現地の池田空将補に、詳しい内容を聞いて下さい。」
「それでは、僕はこれで失礼します。」
竜史は電話を切る。
「作戦プランは、プラン2で行きます。伊丹さん、各方面の調整をお願いしますね。」
竜史が口にしたプラン2とは、神谷が率いる第9航空団に航空護衛艦あかぎの航空団隊の代わりをさせるプランだった。
第二次龍雲海沖海戦に措いて、ヴァロニカ王女の奇襲に遭い、危うくあかぎを撃沈されそうなった。
だが、この奇襲に措いてあかぎの飛行甲板に傷を負わされて居る為に、あかぎに所属していた航空隊は、沖縄の那覇基地へと着陸させられて居た。
政府は、これから来る戦乱を前にして、成るべく多くの航空団に実戦経験を積ませたいとの思惑が有ったが、今回はその思惑が裏目に出る結果と成ってしまって居た。
あかぎの航空隊は、同作戦の後に、西方の戦況の如何では、ダバ派遣艦隊の援軍として出撃させる予定にあったが、その手立てが使えなく成ってしまったのである。
其処で、その代理としての任務を神谷一佐達の部隊に対して、白羽の矢が立てられたのである。
政府は帝国との初戦を経験してから、今や空自に措いて一番の実戦成績を誇る第9航空団の一時的な西方派遣をプラン2として計画して居た。
何よりも神谷の指揮官としても、パイロットとしても腕が良いのも起因しての選ばれた人選だった。
「ああ、分かった。連絡が来たら一報を入れるよ。」
竜史は大臣執務室へと戻って行った。
「はぁ、何でこうも色々と事件が立て続けに起きて、忙しない世界だな。」
「全くだよ。少しは静かにして欲しいよね?」
伊丹は思わず溜息を漏らして愚痴を呟く。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月3日・午後16時40分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・アルガス公国・モンブラン州・ブラキュリオス湖から80キロ地点・西方海自派遣支援艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣支援艦隊・略称名・ダバ派遣支援艦隊航行水域にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その頃、万が一に備えてガイダル島への物資輸送と西方面海自派遣艦隊、通称ダバ派遣艦隊の補給と支援目的を名目にした増援艦隊。
その派遣を日本政府が取り急ぎ決定し、先遣艦隊から遅れること2日後に日本海沖に集結し、パイプ・ライン大河の入り口であるラクロアナ王国のグラッグ州・ゼングリラ市とシャン・ライア州・ロウデニィオン市付近へと向かった。
二日前に通り過ぎた先遣艦隊が、休息しながらパイプ・ライン大河を西へ西へと突き進んで行く所を後発艦隊は完全交代制で、ようやく先発組みに追い着くまでに、約12時間までの距離に迫って居た。
支援艦隊の司令官のとして小沢司郎一等海佐は、6月3日昼過ぎにグラダマ市を通過していた。
現地の水軍艦隊から礼砲を受けての歓待を受け、艦長以下の幹部は艦外にて敬礼で返礼してアルガス公国軍に応えて通り過ぎて行く姿が見受けられた。
そして現在は、ブラキュリオス湖から東方の80キロ地点を通過中である。
「報告します。先遣艦隊は、今日の深夜2時に過ぎには、ブラキュリオス湖に入る模様であります。」
「やっと追い付けそうだな。」
「本省からも出来るだけ早く、ブラキュリオス湖にて先遣艦隊と合流せよとの事であります。」
「なお、ブラキュリオス湖南部のローラーナ帝国軍に、不信な動きが有るので、注されたし。」
「万が一の場合は、任意での迎撃および侵攻軍の撃退を視野入れた武器使用を許可するとの事です。」
「了解した。日本の本土の方でも龍雲海でも激しい戦闘に成ったと聞く。」
「此方でも一戦を交えねば成らない様だ。」
「西方海自派遣支援艦隊・通称・ダバード・ロード王国派遣支援艦隊たるダバ派遣支援艦隊の全ての乗員に対して、気を引き締めるように伝えて欲しい。」
「私からは以上だ。」
小沢一佐は、自分達も初の実践と成る覚悟を決めて気を引き締めるのであった。
アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月4日・午前11時40分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河中央流域地方・アルガス公国・モンブラン州・モンブラン街道・ブラキュリオス湖から90キロ地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「総員っ!もっと早くだっ!!!更に先を急ぐぞっ!!!」
銀髪を靡かせて、ヘスティア騎士団の隊長クリスティーナ・マケッンジーこと、クリスは、騎馬隊と輸送隊を率いてモンブラン街道を西に向って急いで居た。
輸送隊の兵士等が手綱を握って操って居るのは、ヴェキエルと言う竜で、足の速い速竜と言う種類の走しる事呑みに特化した家畜竜種である。
その姿格好は、地球の古代時代に生息して居たであろうヴェロキラプトルとディオノニクスの姿に似ていた。
そのヴェキエル2頭に貨物車を牽引させる車両の事を竜車と言う。
今輸送隊は、戦に備えて必要な物資を持って、5000の兵と1000台の竜車でファン・ブランク市へと向って居た。
「明日までには、間に合わせるぞおおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!!」
「「「「おおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!!」」」」
果たして、戦場と成るブラキュリオス湖へと向かうクリスは、本当に戦に間に合うのか?
今の時点では、微妙な所であった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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