60話 遠方より友が降って来る?堕天しない聖天使と血染めの鋼鉄姫将軍との笑闘!? 3

アースティア暦 1000年・西暦2030年・ 6月3日・午前10時33分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・九州島地方・福岡市東側郊外地域・神部町・異世界国家交流総合支援省・交援省防衛監督指令室にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 



さて、話はレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団の奇襲の7分前くらいに遡る事に成る。


龍雲海沖海戦に措ける戦闘の推移を異世界国家交流総合支援省・防衛監督指令室で見て居る竜史達。


 それ在日米軍や米軍のハワイ・太平洋艦隊からの協力体制の下で提供を受けて居る監視用ドローンやグローバルホーク等から送られて来る映像をモニターやスクリーン越しで、竜史を始めとする大臣と課長クラス、そして官僚と一般職員のメンバー等は見て居た。



其処へと更なる急報が入る。


 それと同時に映像から送られて来る海自艦隊からも、異世界国家交流総合支援省・防衛監督指令室を含めた関係各所へと緊急警報が鳴り響いた。



「大変ですっ!!我が海自護衛隊群艦隊に向って来る微弱な反応を持った飛行物体を感知しましたっ!!」


「物凄い勢いで護衛隊群へと進軍をして来る模様っ!!!」



普通なら防衛課の課長たる伊丹を介するのが決まりなのだが、緊急であった為に、出向して派遣されて来て居る海自隊員が、声を荒げながら竜史達らに訴えて来て居た。



「それじゃ、あの警報は・・・・・・・・・」



 竜史は、海自艦隊の警報と今の報告に加え、この後の事態に凡その検討を付けていた。



「はい。恐らく例の・・・・・紅葉皇女殿下やシベリナ王国連合諸国から得て居る情報から推察されると成ると、彼のアイアン・ブラッド・プリンセス。血染めの鋼鉄姫将軍と恐れ謳われて居ると言う・・・・ヴァロニカ・サークラ・レアモン姫将軍だと思われますっ!!!」



「紅葉さんが言ってた噂のアイアン・ブラッド・プリンセス・・・・・血染めの鋼鉄姫将軍のお出ましか・・・・ちいぃっ!!戦の勝敗を決められる大手まで、後少しだと言うのに・・・・・・・・・・・」



「高見大臣っ!!南雲一佐からですっ!!我が護衛隊群は、向かって来る敵部隊を迎え撃つべく、これより全力で迎撃するとの事です。」



「当然でしょうね。」


「あっ!?そうだっ!!例の魔法の斬光剣が撃たれそうに成ったら、各航空護衛艦の乗員は、直ぐに退艦する様に言ってっ!」



「高見大臣っ!!此処で如何して、航空護衛艦を狙うと分かるんですか?」



「それは将を討つなら馬を射よと言う古事が有りますっ!!今僕らが一番に痛い所は何だと思います?」



「はっ!?まさか・・・南雲一佐とあかぎですか?」



「そう、海自艦隊で一番に巨大な護衛艦だし、一番目立つ艦艇。」


「例え南雲さんの存在を敵側が知らなくても、真っ先に一番に大きな戦艦を将軍様が撃てと命じて狙うのは、戦争では当たり前の事です。」


「更にあかぎは、日本の主力にして最新の航空護衛艦だっ!!」



「何兆、何千億と言う血税から成るお金をかけて建艦して来たんだっ!!」


「今沈められたら大変ですよね・・・・・・・・・・・・・・・」



 言いたい事を言い終えた竜史は、遠い目をして居た。


 造ったのは日本政府だし、竜史本人には、この一件で責任が及ぶ事は、無いだろう。




 不沈空母、不沈艦伝説何て代物は、この世には存在して居ない。



どんな船でも、沈む時は沈むものだ。



「そっ、それは・・・・・・・」



 海自隊員を含めて、交援省防衛監督指令室に席を持って居る自衛隊員らは、思わず黙り込んでしまう。



 総理官邸と防衛大臣執務室では、安元と小西も頭を抱えていた。


 安元は丸で自分の自家用車が「まだ、車のローンを払い終わって無いんだけど」と言いたい感じの顔付きをして居た。



 勿論、造船会社には、お金を一括で支払って居るが、税金的な話をすれば、借金して居る事には変わりが無い。



 ある意味、国民と言う銀行にローンの支払いして居る様なものである。



 小西も防衛大臣執務室に設置されたパソコンのモニターの前で、制服組の自衛隊幹部らと供に・・・・・・・・特に海自幹部らと一緒に成って物凄い絶望的な顔付きで真っ青な顔して居た。


 また、財務省では、あかぎが沈むかもと言う急報に峯財務大臣や財務官僚達も、真っ青な顔付きで、頭を抱えて居た。



 只でさえ、護衛艦の修理費だけでも馬鹿に成らないのに、高い買い物である航空護衛艦が、大きな成果も老朽化もして居ないのに、このままでは今にも沈められそうに成ってしまう事に絶望をしてしまう。



「では・・・一体、如何すれば、良いんですか?」



「高見くん、何か無いのか?」



交援省防衛監督指令室に集まる人生の先輩方から問い詰められた竜史は、真剣な眼差しで大真面目に答えた。



「どうしよっかっ!!てへっ!!」



ずるっ!!無いのかよっ!!!と皆に突っ込みを入れられた竜史。



「流石に、この状況は、如何にも成らないんだよね~これが・・・・・・・」



「「「「「えええええええぇぇぇぇぇーーーーーっっっ!?」」」」」



「いや~本当に困ったね~っ!!大抵こんなピンチの類は、ギャグオチでお茶を濁すか強力な助っ人でとも現れないと、如何にも成らないって言うのが、大抵のお約束なんだなーーーっ!!」



そう、天下無双なんて武人を止められるのは、同等の変態的な強さを誇って居る存在か、ギャグオチと言うのが、アニメ・マンガ・ゲーム・ラノベの世界的物語での相場展開だったりする。



 こんな状況に成ってしまえば、流石に竜史のオタク的な発想の転換のアイディア何てものが、出てきても役立たずだろう。



 其処へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「あれ???24カメのドローンが、何かを捉えた様です。」



「はい?」と間抜けな反応をする竜史。



 そのカメラを自衛隊員らが正面モニターへと映す。



「とーーめーーてーーーえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!!!」



「今っ!何か人影がっ!」



その人影をカメラが次々と捕らえたので、追跡を続けて行くと・・・・・・・・・・



「ねぇ、伊丹さん。この後の展開に凄っくっ!下らない笑えないと言うか、ギャグアニメ・マンガ的なオチが付くと思うのですけど・・・・・・」



「流石の私でも言わなくても分かります。私も同感ですから・・・・・・・・・・・・」



 防衛監督指令室の竜史を筆頭に、伊丹以下の課長級の者らは竜史の一言で、どうしょうも無い結果に成る事に思い至った。



「「「「「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーっっ!?」」」」」



 防衛監督指令室内のほぼ全員が、一斉に思わず叫んでしまう。




「滅殺っ!!ヴァロスっ!!カリブレイカアアアァァァーーーっ!」



「うあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!とーめーてーーえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーっっ!!!」



クルクルと空中で舞いながら、遥か彼方から降ってきた人影。



 その瞬間、画面に映る二人はぶつかり合い、回転しながら航空護衛艦あかぎの飛行甲板の真上に転げ落ちて、そのまま海へとドボンとダイブして行くのであった。




「はぁ~、やっぱり下らないオチが付いちゃった。」



「取り敢えず、この状況は助かったと言えば良いのか?」と林課長。



「直ぐに両軍に停戦を呼び掛けて下さいっ!!」



「はっ!?はいっ!!!」



海自関係の通信担当の海自隊員が、直ぐにあかぎへと連絡を付けた。



 南雲一佐は、交援省から通信を聞くと、直ぐに全艦隊に「撃ち方っ!やーめええぇぇぇーーーーーーっ!」と叫び、各艦が一斉に砲撃を停止する。



総理官邸では安元が、防衛省・防衛大臣執務室で、小西防衛大臣と自衛隊の上級幹部らが、そして、財務省の大臣執務室で峯財務大臣と官僚や一般職員等が、揃って「助かったあああぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」「バンザーイっ!!バンザーイっ!!バンザーーイっ!!」「ううっ、良かった。良かったよおおおおおぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」とあかぎが沈まなかった事を心から喜んで居た姿が見受けられて居た。



続いてアイリーとコレットも騎士団長であり、主であるヴァロニカが海中へとダイブしてしまうのを呆然と見ながら、ハッと我に返ると、これでは張り詰めていた戦場の興が削がれると判断し、直ぐに海自護衛隊群艦隊と交戦をして居た部隊各員らに、戦闘停止を命じたのであった。



 戦闘は、ヴァロニカの見っとも無い姿を団員達が見てしまう中で、既に止まって居たが、二人は指揮官として、総司令官であるヴァロニカが戦闘不能と成った事が、戦闘停止を命じる要因と成ったのである。



 そして、アイリーが、警戒しながら恐る恐る敵対して居るあかぎの艦橋に近付く。




「私はアイリー・シェリー大佐と申します。この艦隊の司令官殿は、何方の方ですか?」



アイリーの紫色のドラグアーマーを身に着けた姿を見て、艦橋の隊員の一部は、その異様な格好と言うか、コスプレの様な騎士鎧を見て驚く者が少なかった。



 そう、そんな格好に驚くのでは無く、況してや宙に浮いている状態にも驚きはして居ない。



 何故なら艦橋の海自隊員らは、アイリーの怪しからん爆乳の目のやり場に困る者や釘付けに成る始末である。



 その格好は、恥かしくないのと突っ込みを入れたく成るが、サイズに問題が有るせいで、如何にもなら無いだろうと海自隊員達は、思い浮かべていた。



 それ位インパクトある爆乳を持った女性だったのである。



 それに・・・・その事にツッコミを入れたら、色んな意味で負けかな~と言う雰囲気が漂って居るからでもあった。



「私が本艦隊を率いて居る日本国海上自衛隊艦隊司令官、南雲忠二一佐であります。」



「さて、其方のご用件を伺いましょう。」




「急な戦闘停止をご容赦ください。」



「今の状態では両者が戦うのは興ざめで有りましょうし、それに・・・・・・・・」



「そちらの司令官殿があの様な顛末で、このまま戦闘を続けてたとしても此方としても、とても卑怯と言いますか、何とも後味の悪い戦ではありますが・・・・・・・・」



「ふぅ。この戦いでニホン国には、一人も騎士らしい者が現れないので、居ないものだと思って居りました。」



「いや、決して貴国の戦い方が卑怯だと言って居るのでは有りません。」



「そう言った戦い方を主眼に置いた組織なのだと言う事です。」



「いいや、ある意味、卑怯でしょうな。(向こうからすれば色々とチートな感じのする機材や機械装置を使って居るしな。)」



「しかし、我が国にも、コヨミ皇国の様な武士の精神と以前の世界で我が国に海軍精神を教授してくれた国の教えが有りましてな。」


「戦いが終わったら、勝った方は負けたほうの健闘を称える。」


「または、戦略以外で最も卑怯な手口、人の戦いに置いて禁じてを使う様な戦いをしないのが礼儀として居ります。」



そう、日本の海自には、侍の矜持と英国海軍のジョンブル精神が合わさって居る。


 前大戦の教訓から卑怯すぎる手口は使わないのが、日本国としてのモットーでもある。



 しかし、現代兵器のオンパレードと言うのは、卑怯ではないかと言うかもしれないが、これは戦い方と装備の違いでしか無いのだ。



 従って今回は、日本とドラグナーの間では、お互いに奮闘した戦とも言えたのである。


 それ故にレッドブラッドアイゼン聖龍騎士団の面々は、切り札を切って海自艦隊に決戦を挑んで来た。



 本当に真っ直ぐな女性騎士達であった。



(そうは言って居るが、彼方のアニメか漫画めいた戦い方のほうも、十分に卑怯な類だと思うのだがね。)と南雲一佐が内心で思って居た。



 そりゃそうだ。



 彼の言いたい事を例えるなら、スーパーな戦闘宇宙民族、有り得ない戦い方をする海賊に、格闘グルメ家。


 はたまた、チートな力を隠し持ちながら戦う魔導高校生、ハルバートを軽々と揮う少女や無双なゲームに出て来る赤毛ウマに跨る無敵な将軍に、古今無双な戦国武将と、例えを上げたらキリが無いだろう。


 正直に言って現代兵器に取って真逆な戦法にして、兵器キラーとも言える存在だ。



 竜史も「戦術が戦略を無理やり破る様なやり方は、コードギア・反逆のルルーシュリアに登場する白兜なロボットだけで十分だ」と、丸でレジスタンスの司令官の様に愚痴って居た。


 だってさ、あの白兜の奴ってば、何時も何時も段取りを無視して、ルルーシュリアを追い込んでくるじゃん?ってな感じである。




「なるほど、貴国は良き師のである国家との付き合いに恵まれたのですね?」




「はい。」




アイリーは「では後ほど」と言うと、この後の戦後処理と海に落ちたヴァロニカの救助をするべく、彼女の元へと急いだ。



「なぁ、あの格好は目に毒だよな。」



「ああ、あんな物は、地球の白人系のモデルでも中々居ないと思う。」



「ちょっとっ!!!其処の二人っ!!!まだ戦闘後に成りそうとは言え、発言が不謹慎ですよっ!!!」



私語の注意をしたのは藤田沙希2佐である。



「羨ましい・・・・・・・」



「藤田2佐、何か仰いましたか?」



「なっ!何でも有りませんっ!!!」



ついつい、本音が漏れた藤田2佐だった。


 何せ小柄な彼女は、スタイルに恵まれていないスレンダーボデイスタイルだったからだ。



 まぁ、あんな怪しからんモノを持った女性を見たら、スタイルを気にしている人なら何か思う事も有るのだろう。

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