48話 第二次龍雲海沖海戦 5

 アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月1日・アースティア世界・ユーラシナ大陸東側地方・西太平洋地域・日本列島・日本国・九州島地方・福岡市東側郊外地域・神部町・異世界国家交流総合支援省にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 



 福岡市内に一時的な設置されて居た捕虜収容所は、瀬戸内諸島に移転して居た。


 日本政府は、捕虜収容所の跡地と成った場所に、新たに異世界国家交流総合支援省こと、略称名・交援省の本省の建物改装して使う事を決定した。


国会への対応の為に東京第1支部、北部方面の国々との対策と対応の為に、第2支部を札幌市に設置し、不足の事態などに備えて居る。



東京支部では、霞ヶ関の厄介者と呼ばれるほど、安元総理の近辺での真面目に働きが良すぎて色々と自国党内の内情に詳しく成り過ぎて、厄介者に成りつつある若手の議員、白洲志郎議員(30歳)が副大臣を務めて居る。



彼が国会での対応に当たり、国会での厄介事から大臣たる竜史を遠ざけて、執務に支障が出ない様にして有るのだ。


 白洲副大臣が竜史の代わりに国会の会議に出席して居るのは、政治家では無いと言う理由と、国会対応の執務は政府与党の国会議員が引き受けると言う竜史からの条件提案を受けての事だった。


 安元等の方も、竜史に異世界国家の対応に専念させたいと言う思惑も絡んだ事も有って丁度良い塩梅の関係と成って居る。(竜史もなるべく国会の騒ぎには関わりたくないと内心では思って居た。)



 竜史が大臣で有る限り、何らかの呼び出しは掛かる場合は、確かに有るだろう。


 竜史は、余程の重要な事柄であれば、閣議や国会の会議に出なければ為らない。



その判断は、総理である安元が、その時々の状況に応じて決める事にして居る。


 交援省大臣は、現場での活動を優先させると決められて居り、その事に付いての法案制定は、閣議と国会での審議に掛けられ賛成多数で可決されて居る。



交援省の役目、それは異世界に措ける日本や地球系転移国家群と異世界国家群等らを支援し、相談や雑用を任せる為に万屋省庁なのである。



 基本、頼まれれば何でもやるが、流石に常識の範囲でと言う事に成って居る。


 まぁ、糖分過多の武士モドキの万屋坂○氏よりも真面目な仕事をして居るが、この省には曲者揃いの面子が集まって居た。



異世界国家交流総合支援省は、日本と友好国(地球転移国家及び、国交を持った異世界国家)、国交開設準備段階の準友好国、国交開設交渉を持ちかけられた国家、又は準国家未満及び部族諸勢力などからの相談・交流・支援する事を活動の理念とする。



この項目の日本とは内閣と各省庁と都道府県から持ち掛けられた異世界に関する相談と支援である。


 手伝え、相談に乗れとか言われれば、お呼びと有らば即参上みたいな感じの宇宙の始末屋と言った感じで、雑用係りとして動く事が求められている。



例えるならば、彼の某有名怪獣映画で、組織された巨災対みたいな組織だと思って貰えれば良い。


 交援省大臣の立場も内閣特命担当大臣扱いと思って貰って構わない。



紅葉の予言のでの指名と、何らかの役職に付けると物語では書かれて居るが、日本政府も一旦は、国会議員で特命国務大臣を決め様と、異世界転移対策委員会を一時は、設置して会議をしたが、紅葉は絶対に決まらないし、決められないだろうと予言して居た。



 まぁ、それは予言しなくても当たるんだけどね。



 その会議の纏めでは「では、この議題は、次回のまでに各々で相談した上でと言う事で」と、どこぞの国家擬人化キャラ漫画見たいな日本の風刺の光景を表した様な結果と成っていた。



流石の安元は、正直言ってイラっとしたと言う。


 紅葉の予言が当たったと言うよりは、日本の決められない、決まらないの行政機構に心底、苛立ちと溜息が漏れた瞬間でも有ったのだった。


 其処で安元は、閣議内で提案する。この際ダメ元で民間人採用で良いから、派閥も、しがらみも無い。


 全くの素人である竜史の採用を決め、与党内でもその案を渋々決める事にしたのである。



 彼はあさくら号事件の被害者である。



 その竜史を採用する名目は、民間人で、何所の政党にも所属して居ない事が上げられるし、この二次元的な世界に関する知識も有る。



 その手の作家や監督を連れて来るのも、招致した相手にも迷惑なので、いっその事、被害者でオタクなら採用するのに打って付けだと、半ば投槍の様な感じであった。




表向きには、外からの危機を理解している若い民家人として発表し、大々的に宣伝して居る。


 それも自国党とは、無縁の無所属の大臣として扱う事に成って居た。



それなので、採用契約書に細々と規約の綱目を書かれた文書を国会議員の全てに手渡された。



 その1例を挙げるならば、こうだった。



例えば「ゴルフやお酒の席などの接待のお付き合い」致しません。「選挙の応援行為」致しません。


 「各党各会派の勧誘」お受け致しません・・・・・・・等々、国会内で竜史を何らかの政治利用をする行為及び交援省大臣の任命状が無くても出きる行為は一切関わらない。


 採用時の顔合わせで、竜史が契約内容に付いての説明で、一言、一言、○○を致しませんと読み上げると、二項目からは内閣の閣僚等は、○○のと読み上げる形で続くと、何故か致しませんを連呼する致しませんシリーズの台詞の連呼を、その場に居た閣僚らが、誰に言われたのでもなく、何所かの白い巨塔風ドラマみたいな名シーンの様に次々と聞いて行ったと言う。


 それらの契約事項を確認を終えると安元と内閣閣僚の一同が全会一致で決めたのであった。



個人の付き合いまで制約が設けられて居ないが、政争関係の話はしない様にと各議員に通達が成されて居た。



 安元は、竜史の事を国会内での政争の争いから、避けさせる事を徹底的に決めていた。



 竜史を日本国政府の一協力者として扱うとして、彼が決められた仕事を遂行するために協力を求められた場合は、関係省庁及び民間機関の協力をお願いする場合が有ると成って居る。



なお、最高司令官代理制度は、自衛隊が第2次世界大戦後、初の外征出動に当たり、交援大臣は外征する自衛隊の監督役を総理と政府から委任される形で代理任命される。



 これは「戦争はんたーい」と叫ぶ連中への配慮をしているぞ!と国民にアピールも入っていた。



 何せ、民間採用の特命大臣が見張って居ると言う建前なのだから・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 これにより急な戦闘等での国外もしくは近海での自衛隊の出動にも即応対応出来るし、攻め入る時も、必要以上に敵地への攻撃を止められる役目を担って居るストッパーでも在るのだ。



異世界に措いて、大規模な通信網の喪失と早期整備が不可能な状態で、通信機器のタイムラグによる時間差は、自衛隊と諸外国の軍事関連の行動に、致命的な結果の可能性が考慮される。


 主に外地での活動をして居る交援省と交援大臣の現地での素早い対応能力が、必要と考えられての処置だった。



万が一国会で、問題が起こって居り、総理と防衛大臣が動けなく成り、自衛官が自己判断で戦闘に成るの方が、後々の面で国内に措いて面倒だがらだった。



 其処で交援大臣が現地政府等から支援を求められた場合、交援大臣が一番近い位置に居る部隊に出動命令が出せる事にも成って居る。


 それ以外は、総理と防衛大臣と相談するとされて居る。



 例えの組織を挙げるなら、人型汎用決戦兵器を扱う特務機関や勇者なAIロボット軍団組織に対して、政府から軍の行動を委託すると言う様な形だろう。



 それでも、この方法は現実的でないと言う意見も出て居るが、既に日本は今まで居た地球とは、全く違う世界に来て居るのだから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 それは兎も角、この交援省の立ち上げに至る感じは、丸で巨大不明生物対策室ならぬ、未知の世界対策省たる交援省の発足と規約に纏わる話に付いては、凡そ、こんな感じで有るのだった。




 異世界国家交流総合支援省は、コヨミ皇国の在るユーラシナ大陸・コヨミ半島から地理的に近い福岡市東郊外地域・神部町に設置されて居る。



 30階建て形式の元マンションで4棟、更に隣に4棟が建ち並びつつ、その周囲の無人住宅地50軒と商業ビル5棟を含まれて居る。



 現在、その一画には、シベリナ連合各国の外務連絡事務所が設置されて居る。



 其処に来て居る人達は、日本の厳重な審査をバスし、渡航が認められた外交官や官僚達が、自国の連絡事務所の所長と職員として来て居る。



 交援大臣に就任した竜史は幾つかの実績を出して居た。


 紅葉と力仁国皇のコネと人脈を使って使者を立てずに、各国家や人材に手紙を出して貰って居るのだった。



 紅葉の方も竜史と日本を利用して居るし、竜史と一緒でお互い様と割り切っても居た。


 使える手なら、親の七光りだろうと上司のコネでも何でも使う、高見竜史と言う青年は、色々と実績や学歴の無い一般人である。


 例え昭和の著名な外交官としても知られて居る白州次郎と同様に、東洋のラスプーチンの様だと世間から呼ばれようとも、お構い無しなのだ。



日本政府は、竜史がラクロアナ王国との接点もたらした実績に加え、ラクロアナ王国とロシアとの日本の仲介による協定が結ばれ、更にはレビル・アブヒム・ラクロアナ国王の病を治療に至った経緯は、偶々とは言え、相手国にメイいっぱいに貸しを作った事には変わりないだろう。


 これで彼の国は親日に傾くのは確実で、食料生産国であるラクロアナ王国に取り入る実績を作り出したのは、素人でありながら、国会と各省庁でも無視が出来ない事柄なのであった。



  福岡市東側郊外地域に在る異世界国家交流総合支援省に勤めて居る面々は、各省庁から推薦、又は派遣されて来た職員及び官僚と民間採用の公務員として集められた人材が占められて居た。



 各省庁の名前が○○課として、職員用の部屋が割り当てられて居た。



 交援省発足した直後に執り行われた入所式及び始業開始式では、全体朝礼が行われ、便宜上の統括官と成った林史也課長が声高に挨拶で、こう言った。


「この省庁での発言と行動は、今後の人事の進退に置ける査定に響かない。」


「役職や省庁間での縦割りは、ある程度は気にないで好きな意見を出し合い協力し合って構わない」と官僚の筆頭である厚労省から派遣された厚労課(厚労省から派遣された職員の部署)林史也課長が顔合わせの前置きで言って居る。



 今日は交援省が始まって初の大臣と各課の課長を始めとする幹部官僚が集まる初のミーティング会議である。


 竜史を筆頭にして、交援省に派遣配属された各省庁の官僚職員達は、交援省内に在る会議に集まり、ミーティング会議が始まった。

 


「それでだ、これがコヨミ皇国で色々と調べて現在分かって居る事だ。資料を配るから、みんなで共有して欲しい。」と資料が配られた。



・異世界で4度も世界規模の大戦が行われ、今は4度目の真っ最中、しかも600年続けて居る。



・東西勢力に分かれて、東側勢力が押し負かされそうに成って居る。



・その東側勢力である反帝国勢力で、戦える国力が残った勢力は、凡そ3勢力。シベリナ連合、ミンフィル王国東南諸国同盟、リユッセル北欧同盟のみ。



・シベリナ連合 アセリナ王国、アルガス公国、ラクロアナ王国、ダバード・ロード王国、コヨミ皇国、ドラグリア白龍大帝国、オローシャ帝国の7カ国、



・リユッセル北欧同盟 アルビオン王国、ガリア帝国、ヒスパニア皇国、オーランタ商業都市連合国、デボン王国、コーランド王国、スカジナビア王国、ホムル王国、レイオス皇国



・ユールッハ地方、この世界で作られた地図を見る限り、ヨーロッパに似ていた。細かい細部は違うが、大まかに似ている部分は在るだろう。


 主に北と南に分かれて戦って居る。この世界でも一番に古い地方で、かつては世界の中心地だった。


 ローラーナ帝国は、地球で言うイタリア半島に似て居るローラーナ半島を本国としている。


 同地方は、南北の戦線で一進一退の攻防を繰り返しており、我が国としては、何とかして北部のリユッセル北欧同盟諸国との接触を図りたいと、シベリナ連合諸国と調整を進めて居る。 



・ミンフィル王国東南諸国同盟 ミンフィル王国 セラルーノ王国、クララ王国、ナカハラドラス部族国ドワーフ テルリーナ部族国(魔族) フェルニー部族国ダークエルフ クラ市国(都市国家) ラクサ市共和国(都市国家)


・レノア地方に付いて。レノア地方は、カレールーナ帝国(西側)とミンフィル王国(東側)の二大勢力が同地方での覇権を巡って争っている。 


 ミンフィル王国は、人間が中心と成って治めていた国で、国内には数多の他種族が暮らしているが、それらに対しての圧制が続いて居た。


また、カレールーナ帝国とは、元々同盟と言う名の従属を強いられて居たが、5年前に、少数派部族と貧困層の人間達が大反乱する。


 その結果、革命に由って反乱軍のリーダーであるユーゴ・ラーシルズ(当時16歳)が周囲からの懇願と民衆の支持を得て戴冠、王位に付いた。


 この時、前政権の国王であるザグナード・ミンフィル王(45歳)に政略結婚で嫁ぐ為に来ていたイリナ・カレールーナ(当時15歳)は、年老いた相手との結婚を嫌がっていた事もあり、結婚式当日に城内に攻め込んで現れたユーゴ・ラーシルズに一目惚れして結婚を迫って、序でに新生ミンフィル王国の国王になる口実を提案したと言う。


ユーゴは、正式に戴冠して国王に成ると、ミンフィル王国国内各地を転戦して国家を統一する。


 同ミンフィル地方を完全掌握した。


 その後、帝国ことローラーナ帝国とカレールーナ帝国側を嫌って居た諸国と同盟を結んで、一大勢力を築いたのである。


 また、レノア地方の東側には、地球からアセアン諸国とEU諸国の飛び地の島領や他の島国が転移して来ており、外交と国境をどうするのかを転移国家諸国からの相談が交援省に寄せられ来て居る。


今後も動向が目が放せない地域と成って居る。




転移国家諸国の動向に付いて・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 地球からの転移国家は今の所、自領を守るので精一杯の様子。


 アセアン諸国は比較的安定して居るが、貿易が停滞しそうに成りつつある。


 早期の異世界国家との国交を開設したいと言って居るが、当面は従来どおりの日本との貿易で何とか持って貰いたいと話し合って居る。


 その他の国々も似た様な状態である。



転移してきたロシア極東エリアの地域は、ラクロアナ王国と言う隣国との国家協定を交援省の仲介で結ぶ運びと成った。


 現地へと行った交援省の外交課の職員は、ラクロアナ王国は周辺地域の中で食糧生産が盛んらしいと言う報告書を提出して来て居る。


今後の交渉次第では、転移国家諸国と共に食料貿易が期待されて居る。




・ジブチとソマリア地域に付いて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ジブチとソマリアは海賊退治の最前線として地球では良く知られて居た。


 ソマリアは日本の戦国時代みたいな感じの勢力図に成って居て、各部族間の抗争が続いて居た。



 今は日本が音頭を取って、連合政府を樹立しないかと各勢力と話し合いにより掛け合って居る。



 でないと国所か、ソマリアの住人の全てが危ないと各指導者や住民に訴えて居たが、それでも旧多国籍軍に抵抗する勢力は居る様だ。


 其処で日本とアメリカ、ロシア、EU諸国の多国籍軍は、日本政府と転移して来て居る暫定政府の要請を受け、抵抗が激しい沿岸部のソマリアの海賊を一気に制圧。


 降伏したり、協力的な暫定ソマリア政府と各勢力の現地民に、現状の説明を映像付で放送した。



テレビの無い地域には、アメリカ軍等が出向いて日本製の大型テレビを設置させて安元総理が住民へ現状の説明を放送した。


 国の隅々まで放送網を設置して、現時点の危機を知らせた。



 多くの市民が不安に成ったが、日本を始めとする転移国家は見捨てないし、応援すると言って安心させる事に努めた。


 同地の防衛をフォークランド諸島を中心としたEU諸国の飛び地諸島とその軍勢やアメリカ軍の余剰艦隊と陸軍部隊、その他の多国籍軍が防衛する事と成って居る。



 ジブチも引き続き多国籍軍に協力して行くと言ってくれて居た。

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