第10話 薬草を探しに



 エコー万能薬の材料となる薬草を探しに、険しい山道へ。

 崖の近くをウロウロしながら、薬草の材料を探しますがなかなか見つかりません。


 だけど、アリオと、アリオのパートナーのレオも一緒に来てくれたので、野生の動物に襲われなくて、とてもありがたかったです。


「もうちょっとだけ、上にいってみましょう」


 数時間ウロウロしましたが、見つかりませんでした。

 あまりにも薬草の影も形もなかったので、ちょっとだけ上に登ってみる事にしました。


 ほぼ垂直みたいな壁をのぼらなくてはいけなくて、大変です。

 崖にしがみついている最中は、生きた心地がしません。


 けれど、竜の為だと言い聞かせながら、できるだけ下を見ないようにして上に登っていく事にします。


「あっ、見てよお嬢! ふわふわ鳥がとんでるよ!」


 そんな中、アリオの声につられて上空をみると、綿毛のようなふわっとした鳥が飛翔していました。

 ふわふわ鳥です。

 この鳥は、朝の時間になったら飛びまわる習性のある生き物です。


 可愛い見た目に反して、険しい崖に巣をつくって生活しているんですが、それゆえ風を捕まえて飛びやすい体に進化したらしいです。


 ふわふわ飛んでいる、ふわふわ鳥があまりにも可愛らしくてつい気を抜いてしまいました。


 近くにやってきたふわふわ鳥に手を伸ばして、不和としたその触り心地にうっとりしていたら、ちょっとずるり。


「きゃっ!」

「おっと、あぶないよ。気を付けないと」

「がるるっ!」


 足を滑らせそうになってしまいましたが、アリオが支えてくれました。


 アリオのパートナーであるレオも背中から、抑えてくれます。二人がいなかったら、大変な事になっていたかもしれません。


 元はと言えば、アリオの言葉で気を散らしたのが原因ですが、里の長である私が手を伸ばしたせいでもあるので、どちらもどちらでしょう。


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