(3)
「え〜っと……どうしたの?」
独房から解放した7名は、どう云う訳か、全員、ドン引きしていた。
「あ……あ……」
「何か困った事でも有るの?」
「え……と、何ちゅ〜か……その……何で、
「うん……」
「あ……あ〜、何から説明すりゃ良かか?」(日本語・九州訛り)
「それより中佐は無事なのか?」(ドイツ語)
「中佐? こいつの事?」
ボクは足下に転がってるSS野郎を指差した。まぁ、日本兵(多分)5人を鎮圧する際に、ちょっと、盾代りに使ったりしたので……まぁ、何と言うか……。
「……ごめん、残念な事になった」
「ふざけ……」(ドイツ語)
「おい、落ち着け、白人さん。あんた、
「じゃあ、武器を渡す。ここのジメジメした黴臭い空気とさようならするのはキミ達が先でいい。ボクは
ボクは上から来た兵隊が持っていた拳銃を囚人達に投げる。
何故か全員、呆れたような目でボクを見ていたが、何をどう呆れてるのかは、彼等自身も巧く言葉に出来ないようだ。
「さぁ、行った行った。善は急げだ。……あ、こう云う場合は、白人の男が先」
「うがっ……」(????)
「あ〜、キミは後だ。ボクと一緒に
「……姉ちゃん、あんた、
「うん」
「ひょっとして……あんた、
「貴様、まさか、反世界政府のテロリストか?」(ドイツ語)
「説明するとややこしいけど……ボク達の故郷では……君達の仲間は『映画でどんなに極悪非道に描いても、どっからも苦情が来ない連中』だ」
「ふざけるな‼ 貴様の故郷がどこか見当も付かんが、これは映画じゃない‼ 現実だ‼」(ドイツ語)
貴重な御意見ありがとう。でも……現実の定義にも依るけど、残念ながら、ここはボクの生まれ育った「現実」では無い、と云う見方も可能だ。
ぶつくさ言いながらも、ナチ野郎2人は一行の先頭に立って階段を上り始めたが……。
「えっ?」(ドイツ語)
「な……なんだ……これは?」(ドイツ語)
次の瞬間、ナチ野郎2人の首が宙を舞った。
「下れっ‼」
「大人しく、戻ってもらえるかな? 待遇に不満が有るなら……もう少しマシな部屋を用意してもいいが……」
聞き覚えのある……ボクにそっくりな声。
続いて絶叫と銃声。
「駄目だ……そいつには銃弾は効かない。少なくとも拳銃弾じゃ無理だ」
「何でじゃ?」(日本語・九州訛り)
「そいつの装甲は……銃撃に対しては……軍用装甲車並の防御力が有る」
良いお報せと悪いお報せが有るってヤツだ。
まず、良いお報せ。最悪の敵じゃない。
次に悪いお報せ。今のボク達に、こいつを倒す
ナチ野郎2人の首を刎ねたのは……ボクが「もう1人のボク」に負ける少し前に戦ったのと同じタイプの……人型ロボットだった。
その両手首からは独特の虹色の光沢が有る刃が生えていて……その刃は血に塗れていた。
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