補足・同時期の他国戦車

『シュナイダーM16C』


 イギリスで始まった戦車開発は、同じ協商国側であるフランス、三国同盟側のドイツなどでも盛んに行われていた。


 フランスで開発された初の実用戦車が、『シュナイダーM16C』だ。見た目はイギリス式の菱形ではなく、直方体。前方に大きなクチバシをつけたような形をしている。

 フランス戦車の履帯はイギリスと違い、ショベルカーのように車体の下に付いているのも特徴だ。

コイルスプリングを使用した懸架装置を備えており、英国戦車より広い塹壕を突破することができた。

 というのも英国戦車は履帯を広くして戦車ごと塹壕を渡るドクトリンを採用したのに対し、フランスは戦車に橋をかけさせてその上を渡るという方式をとった。


 24mmの重装甲を備え、機銃二梃と57mm砲を備えており、最高速は時速8kmと、同じ1917年開発のマークⅣより僅かに早かった。

 しかし装甲が燃えやすいとも言われており、欠陥があったと見受けられる。

 全長6メートル、全幅約2メートルとマークⅣよりスリムで細長かった。


 重量はマークⅣより10tほど軽い13.5tだったため、エンジンは70HPと低馬力だった。


 全体的に英国とは性能が異なっており、独自の戦車開発事情が伺える設計だ。

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