第4話
すると、生徒たちがヒソヒソ何かを話し始めた。
「着いてきてください」
先程の少女に手を引かれ、校舎であろう建物の中を進んだ。
いくら夢とは言え、まだ二十代の私には下着にローブで人目に晒されるのは耐え難い羞恥だった。
ほどなくして、学校の設備というには少々豪華すぎるようなワインレッドに塗られた木に金の装飾が施された扉の前に着いた。
どうやらここが学校長の部屋らしい。
中に入ると、少女が学校長に事のいきさつを説明してくれた。
それからは、二人でしきりにこちらを見ながら何かを話しているようだった。
しばらくして、学校長が頬に手を当て、困った表情を浮かべながら
「魔法に興味はある?」
と尋ねてきた。抑えたつもりだったが、かなり食い気味に返事を返してしまった。
すると、もう一度少女に話しかけてから
「あなたにはここで働いてもらいます」
と言った。
頭の上にはいくつもの疑問符が浮かんでいたが、魔導学校という響きに引かれ、雇用契約書にサインをした。
こうして私は夢の中で超ホワイトな企業への就職を獲得したのだった。
そして十二時の鐘は鳴った。 都稀乃 泪 @ask-rain_of_sadness-2
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