そして十二時の鐘は鳴った。
都稀乃 泪
第1話
月明かりもない、新月の夜。街頭に照らされ夜のビル街を一人で歩く女が。
今日も彼女は、よれよれのスーツに身を
名前は
次の停車駅で降りるので、席を立ち扉の前に移動する。人はもう数えるくらいしか乗っていなかった。
なんとか家まで辿り着く。玄関に荷物を下ろし、スーツをベッドの上に脱ぎ捨てる。
下着姿で
どこかに買いに行く気力もない。仕方が無いので、買い溜めしてあるショートブレッド風のお菓子を貪る。食欲はあまり無い。
歯磨きをしながら、ぼんやりと「どうしてこうなってしまったのだろう」と考える。
いくら考えても答えは出ない。
食事は生きる為の行為だけれど、ここまでして生きている意味などあるのだろうか。
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