第35話
わたしは私立の合格通知を待っていた。
「
「はーい……」
わたしは買い物に行くことに。
雪華の誕生日がもうすぐで、受験直前だから……なかなか渡せなさそうだから。
「イメージだと……う~ん……」
明るくて、チームを引っ張り続ける存在。
でも辛くても一生懸命に前を向くような、メンタルの持ち主。
わたしから見る雪華は結構頼もしい印象があるんだ。
そして、ぴったりのものを選んで、そのまま自転車で家に帰ってきたの。
「ただいま! 母さん。合格通知。来た?」
母さんは緑色の封筒を渡してきた。
佐久間女子高校の封筒で、無言で開けた。その中からは合格したことが書かれてある。入学手続きは都立高校の合格発表の翌日までだと、書かれてあるからかなり猶予があるんだ。
雪華も帰ってきたの。
「雪華~! これ誕生日プレゼントね。先に渡しておく」
「え! ありがとう。何かな?」
紙袋の中から出したのは、おしゃれなアクセサリーだ。
青のストーンがついていたものだったけど、雪華はとても気に入ってくれていたみたいで、嬉しくなったの。
そして、月曜になり、学校が始まった。
ピリピリとした緊張がずっと張りつめていて、半年前とは全く違った雰囲気になっているのがわかる。
もうすぐで、都立の一般入試があるから。
学年のほとんどが都立志望で、当日に残るのは……私立と国立志望か、都立推薦に受かった人くらいしかいないからたぶん人がいないんだよね。
「
「あ、
「お互い、がんばろうな。一般入試、併願は受かったのか?」
「うん!」
まだ彼から第一志望の高校を聞けなかったのは、本人には言えないけど……。
「櫻庭もね。一般入試」
「うん。お互いに健闘を祈るよ」
「もうここの証明は出てくるから。一般入試はほとんど、基礎から出てくるから。慌てずに解いてね」
「うん。わかった。これからは自力で進路を決めないとね!」
都立一般入試の前日になると、休む人が出てきた。
勉強するためらしいけど、大丈夫かな?
わたしは家に帰ってからは、ずっと追い込みの勉強をしていたんだ。
そして、母さんからお守りをもらった。
それは湯島天神ので、合格守だったの。
「昨日、仕事を休んでお参りと絵馬を書いてきたからね」
「神頼み、最終手段にしないでよね! わたしは絶対に合格してみせるからね」
母さんは笑っていた。
夜ご飯はわたしの大好物のハンバーグだった。
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