第2話

その日初めて私は手を汚したのだ。周りの人とのコミュニケーションが上手くいかない私は‘言葉’への執着がつよかった。

関わる人は冷たい人ばかり。私が筆談をしていても遅いと文句ばかり。なぜ話せないんだと苛立ちを見せたり、喉にある傷口を奇妙な目で見たり。どいつもこいつも。

苛立ちは募るばかりだった。しかし、今はそんなことを考えている暇はない。この目の前の塊とかした2つをどうにかしなければいけないのだ。


手を洗いながら数分考えた後、あることを思いついたのだ。彼女たちたちを利用し、伝えたいことを伝えようと。


そこから私の行動は早かった。彼女達についている肌色の布を文字の形に切り取った。

そして、真っ赤な池に浮かべたのだ。



“今を、幸せだと思え”

“言葉を汚すな”

と。

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