第6話 ギルドの実戦教育

エルファルト王国の外、東側の樹海で教育が行われる。各パーティーには補佐役の冒険者がいる

そして、ここはエリオス大樹海、今日から10日間、魔物がいる森で戦う事になった。

討伐した魔物の死骸はマナーとして回収する。ゲームならそのまま放置だが、ゲームでは無い、責任を持って弔う。それがギルドのやり方

生活の為の食事と拠点は各自で準備することになった。

そして先生が言った「魔物をより多く倒したパーティーには褒美があります」


生徒「はーい」


報酬で煽られている


イーサン「いきなり樹海でサバイバルとはスパルタ教育です」


それぞれのパーティーで別れていった。


マサムネ「やるしかない」


レティ「で、どうする」


イーサン「拠点の確保と飲み水それと食事」


エウフェリア「飲み水なら魔法で浄化できますから大丈夫だと思います」


ラフィア「調理は私たちに任せてください」


食べ物の調理の心配は無さそう


マサムネ「頼んだぞソーサラー」


イーサンの指揮で残りの拠点の確保と食料調達をすることになった。

樹海の中を数時間ほど彷徨した。

崖に囲まれた場所に差し掛かったとき。

イーサンが提案してきた。


イーサン「拠点はここにしませんか」


マサムネ「東西と南の守りは堅そう、ここにしよう」


北から攻め込まれたら、袋のネズミ、一方から攻め込まれて蹂躙されるようなパーティーでは無いとこの時から薄々感じていた。


ユリウス「こいつら中々上出来だな」


マシュー「さっさと終われよ」

こういうサバイバルが嫌いなマシュー、この男が後々やらかすとは誰も知らなかった。

午前中はいろいろあって、午後が始まった。拠点の北側の警戒線付近ではイーサンとマサムネ、レティ、監視役のユリウスがいた。


イーサン「標的を視認、およそ1800m、北の方角、急速接近」


マサムネ「突然すぎるな」


イーサン「班長、排除許可を」


マサムネ「おれは班長じゃないぞ」


ユリウス「誰が班長なんだよ」


イーサン「そういえば決まってないです」


ユリウス「じゃあマサムネやれば?」


マサムネ「指揮官はリスクが多すぎます」

イーサン「私も同じ意見です」


パーティーの行いの責任は全て指揮者が背負う、メリットが少ない。


ユリウス「立候補が無ければくじで決めるか」


みんなでくじが行われてマサムネが班長となった 。

ゲームならマサムネは将校クラスだが、これはゲームではない、


マサムネ『こういうのは本職のイーサンじゃね?』


マサムネ「じゃぁ地対地迎撃戦ヨーイ」


レティ「あれは粘液か、それなら突撃あるのみ」


あの騎士は何を思ったのか、テーブルナイフで突撃した。

常軌を逸したドMっぷりには頭を悩ませる。でもこれは序の口だった


ユリウス「マサムネとレティさん行ってしまったぞ、大丈夫かこのパーティー?」


イーサン「ユリウス様、こちらの女性たちを頼みます私はマサムネとレティを追います」


ユリウス「何かあったら、この噴煙石を使え、すぐに向かう」


狼煙でも上げろと?無線とか無い世界だから仕方ないが、これでは増援までには時間がかかる。


イーサン「わかりました」


ユリウス「幸運を」


イーサン「幸運を」


幸運を、これは冒険者たちの合言葉


レティはものすごい勢いで走っていった。鎧を纏った華奢な身体、あの身体であの速さ、そしてあのドMっぷり、正直、常識では考えれない状況だった。


レティ「魔物みっけ」


マサムネ「レティいったん下がれ」


身を挺して食い止めるレティ下級貴族とは言え騎士の鑑だ?そんなわけあるか、迷惑騎士の鑑だ。

まずはこのドMの理由を知りたい。


レティ「この程度じゃ私は死なないから、こいつを抑えてる間にやっつけて」


ようやく追いついたイーサン


イーサン「なんだこの汚い粘液は」


レティ「イーサン撃ってくれ」


イーサン「あなたにあたります」


すると魔物が触手を振り回した。レティにはかすりもしなかったが、触手ではじき飛ばされるイーサンとマサムネ。木に激突して意識を失った。

テーブルナイフで戦うことを決めたレティ 、いつもと同じく、テンプレート通りにはならない

そこへ、狼煙を見たユリウスが慌ててきた。

ユリウス「皆はどこだ?」


レティは魔物を素手で押さえつけている。やはりこの騎士は只者では無い


レティ「あそこでベタベタにされてる」


ユリウス「これはひどい、レティさんも下がって、俺がやる」


レティ「じゃぁお願いしまーす」


自分で蒔いた種は自分で処理するのが冒険者の共通の認識だがこの騎士は丸投げ。

ユリウスは何も言わずに矢を放つと魔物はあっけなく倒れた 。


レティ「この粘液我慢プレイ最高だ」


発言が日に日に病的になっていくこの騎士、


ユリウス「何言ってるんだよ、このでかいナメクジ、ハザードランク2、初心者なら生きてて奇跡ってものだ」


イーサン「魔物はどこに?」


レティ「ユリウスさんが倒してくれた」


イーサン「間に合ったか」


弾かれる直前に咄嗟の判断で噴煙石を使って知らせていた。数々の修羅場を踏んだ軍人の判断に間違いは無い。


マサムネ「仲間を守りたいって気持ちはありがたいけど、無茶しすぎ、 でも今回は助かったよ、ありがとうレティ」


レティ「仲間を危険な目に合わせてすまない、騎士として失格だ」


その通り迷惑騎士の鑑だ、ドMの変態、こんな女の子にそんなこと面と向かって言えない。


ユリウス「イーサンが知らせてくれなっかたら俺は間に合わなかった」


夕方、拠点に戻るとエウフェリアとラフィアが食事を準備していた 。

森の中で、これは充実しすぎてる

さながら家の如し、これが一番似合う言葉、戻ってきたレティを見てエウフェリアが一言

エウフェリア「レティさん、”それ”どうしたの」

続けてラフィアが一言

ラフィア「あっ、お風呂はこちらです」


マサムネ「風呂だって?」

どんな樹海でもこのソーサラーの前には無意味。


エウフェリア「ラフと作りました」


レティ「じゃ先に風呂行ってくる、恥辱プレイも嫌いじゃないぞ、覗きたければ好きに覗け」


エウフェリアの魔法で覗き対策は完璧、虫一匹も入れない、


エウフェリア「それと、お湯も常時浄化されます、女性が入った後にお湯を飲もうなんて考えないでくださいよ」


女性を出汁に残り湯を味わって飲むとは鬼畜の所業、常軌を逸した変態。


レティ「騎士として見過ごせない、、、

でも、私はそんなプレイ嫌いじゃないぞ、私のでよければいっぱい飲んでくれ」


これは本音か?本音なら病んでるし、女性が言う言葉ではない。


マサムネ「レティ、エウフェリア、俺たちにどんな印象持ってるんだよ」


イーサン「心外だ、偏見だな」


レティとエウフェリアの偏見は日に日に増してる。

しばらくしてエルザが居ないことに気づいた。


マサムネ「ところでエルザは?」


話を聞くとエルザは果物を探しに行ったそうだ。


ユリウス「もう暗いぞ、」


すっかり夜になって、火と月光がパーティーを照らす。


エルザ「ただいま」


マサムネ「心配したぞ」


エルザ「ごめんなさい、でもいっぱい採れたよ」


ユリウス「これは!市場だとかなり高いぞ、冒険者でも滅多に食えない」


変な形で鮮やかな色の果物、知ってる果物、知らない果物、


マサムネ「ありがとうエルザ」


エルザ「お礼はいいよ、だから、いっぱい食べてね」


エルザは森で遊ぶのが好きらしく、いろいろな果物の場所を知っている、


イーサン「マシューがいないが」


忘れているわけでは無い。


マサムネ「確かにいない」


ラフィア「マシューは他のパーティーの偵察に行くって言ってた、止めたけど、ここで待つよりいいって」


一匹狼のような男、偵察に行ったのか、他のパーティーにいたずらしに行ったのかわからない。


イーサン「暗くて危険ですから、明日になったら探しますか」


マサムネ「そうしよう、今日はもう寝よう」


エルザ「ユリウスさんはどうするの?」


ユリウス「周囲の警戒に、、、」


エウフェリア「周囲にはラフの魔法障壁がありますので安全です、ここで寝られては?」


マサムネ「いつそんな魔法を?」


ラフィア「今は秘密です」


ユリウス『こいつら一体何者なんだ?』


ユリウス「お言葉に甘えてここで寝ます」


冒険者の癒着ではない、助けてくれた事のお礼だから問題ない


ほかのパーティーがどうであれ、初日にこれだと、この先が心配 だろう、そしてジャンヌの話になった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る