第27話 喫煙出来ない日本

 私は10年たばこを吸い、やめてから10年経ちました。

 2020年、とうとう非喫煙者が多数派になりました。

 日本は多数決国家なので、喫煙者が多数派の時は、喫煙者主導の国で、非喫煙者が多数派の時は非喫煙者が主導の国になります。

 民主主義って聞こえはいいですが、日本は民主主義というより多数決国家なんだと思います。いろいろと議論はしますが、最終的には多数派が住みやすい国になります。

 それを深く理解している方々は、多数決をうまくコントロールする術を知っています。

 タバコの世界に触れた事で、それを感じる事が出来ました。

 それはさておき

 「現在の分煙政策から禁煙政策への変換に関して、どう思いますか?」

 私は、共感出来ません。

 どうなったとしても成功、失敗というジャッジは出来ないと思いますが、非喫煙者となりタバコ過敏症に陥っている私には、お店選びをするにあたり、かなりの検討事項になると思います。

 私の予想ですが、これから、喫煙者は吸うところを求め彷徨う事になると思います。

 カブトムシもさらに増殖することでしょう。

 吸える店を見つけると、そこは吸う人の溜まり場になると思います。

 以前書きましたが、私が喫煙者の頃は、美味しい店よりも吸える店を探してました。

 吸える店には、非喫煙者はもはや寄りつけなくなるでしょう。私がそうであった様に、吸う人の溜まり場というのは非喫煙者にとっては、キツい。

 現在吸える店でも分煙時代なので、喫煙者は非喫煙者に気を遣いますが、吸える店ならばそれ前提で入店している事になるので、もはや気を使わないのではないでしょうか?

 つまり、吸える店は横で他の人が食事してようが、子供が居ようがお構いなしに、吸うことが許された店との解釈になるでしょう。

 果たしてそういう店に入りたいでしょうか?

 私は入りたくありません。

 家族では絶対に入りたくありません。

 仮に間違えて入ってしまって、食事を食べる際に横の席の喫煙者が吸い出した場合は、注文をキャンセルして退出させて頂きたいぐらいの気持ちです。

 非喫煙者で、私と同じような気持ちの方は多いのではないでしょうか?

 喫煙者の気持ちになると、吸えない店は、吸うために店外などに出て行く事になります。

 店の前で吸えればまだいいですが、吸えない場合は、どこで吸いますか?という問題に直面します。

 喫煙者と非喫煙者は、同じ店には入らなくなります。

 お店は、喫煙者を取るのか非喫煙者を取るのかを選ぶ必要が出てきます。

 経済を活発にし、景気を上げていかなければならないこのご時世に、これはどうなんでしょうか?

 と、思います。

 私は、この20年間タバコに振り回されて来ました。

 もしかしたら、私ではなく、私達が、タバコに振り回され来たのかもしれません。

 もっと言うと、日本が未だタバコに振り回されているのでは?

 何となく、日本は禁煙しようともがいている最中の様な気がしてきました。

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