数奇な奇数日

高校生の翔平は、こっそりと養護教諭(保健室の先生)の加奈子と交際している。加奈子のノートに、他の男と約束をしているらしきメモを見つける。


生理中だからとセックスを断られた翌日にあっさりとセックスしたこと、やたらと運動を勧められ会う時間が減っていることなど、不自然なことに思い当たる。翔平は加奈子を問いただそうとし喧嘩になるが、うやむやにされる。


翔平は下校したフリをして、勤務後の加奈子を尾行する。一晩中、加奈子の自宅を見張っていたが、誰かが出入りした様子はない。翔平は寝不足で登校すると、学校には生徒が登校していない。警備員に追いかけられた翔平は、保健室に逃げ込む。


驚いた加奈子が話し始める。耐性をもった結核が流行し、翔平は人口肺に入れかえた実験対象であること。奇数日は麻酔によって二十四時間眠り続け、両親に扮したスタッフによって、検査と治療がされていること。この町の高校生は、同じような実験対象であることが告げられる。


いま町を出ても、人口肺では長く生きられないとも言われる。交際を続けるためにも、町で治療を続けて欲しいと加奈子は言う。そして、うなずく翔平に、汗臭いからシャワーを浴びてくるように言う。


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参考文献

森博嗣「迷宮百年の睡魔」

乾くるみ「イニシエーション・ラブ」

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