第8話◇詩穂からのメール④◇
◇慶ちゃん、久しぶりのメールだよ。
なかなかメール出来ずにごめんね。
電話では話していたけど、わたしはあんまりいい状態じゃ無かったし、慶ちゃんには随分、心配をかけてしまったよね。
結局は過労に加えて(このくらいで過労なんて情けないけど)ストレスが大きかったみたい。
電話でも話したけど、父の具合が良くなくて、病院に付き添ったりもあって、自分の病院の方になかなか行けなかったりもしてて。
息子も協力してくれてたけど、仕事もあるから(知っての通り、夜遅くまで頑張って働いてるし)
それに、息子の方も健康診断でちょっと引っかかって、これにも気を揉んでたの。
結果は大丈夫だったんだけど、あの子もアレルギー性の喘息持ちだし。
こんな時って重なっちゃうのかもしれないね。
わたしまで持病の悪化に前から悪かった右腕が疼いて夜間痛起こすなんて……。
でも、藁にもすがる思いで整形外科の理学療法リハビリに通いだして良かった。
電話の声が少し元気になった、って慶ちゃんも言ってくれたよね。
いっぺんにスパッと治りはしないけど、夜間痛が無くなったので、ちゃんと眠れるようになったよ。
これでだいぶ違う。
あとは根気強くリハビリに通って。
父の体調も落ち着いてきたし。
これもホッとした。
慶ちゃんの方も、お母さんのリハビリ、相変わらず大変みたいね。
リハビリには根気がいるものね。
わたし達もお互いに自分たちの体調に加えて、親の体調のことも身近に考えないといけない年齢になってきたんだなぁって改めて思うよ。
わたしも慶ちゃんもそれぞれに、わたしは母、慶ちゃんはお父さんを送っていて、介護のことも少しは知っているけど、それでもあの頃よりも自分も歳をとっているからシンドさもまた違う。
それでも、何とかねぇ。
ごめんね、せっかく久しぶりのメールなのに……。
そうそう!12月の話。
嬉しかったなぁ、今年はもう逢うの無理かななんて思っていたから。
嬉しい!すごーく楽しみにしてるよ!
息子にも早速報告したら、喜んでくれたよ。
病院以外ほとんど外出の機会もないわたしのこと心配してくれていたから。
有難いなぁって思う。
「少しでもゆっくりしてきなよ」って言葉に涙が出そうになったよ。
慶さんによろしくね、との事です(笑)
12月、無事に逢えますように……。
カレンダーにつけた丸印を見ながら、それだけを祈っているよ。
§
*詩穂の独り言*
あの数日はとにかく、心身ともにキツかった。
色々なことが重なってストレスが身体に影響してしまったらしい。
コップにいっぱいになっていた水が溢れちゃったのかな。
とにかく、12月に逢う日にちが決まったことが嬉しい。
どうか、どうか何事もなく逢えますように。
その為にも体調をしっかりと整えて、少しでも良い状態にしておかなきゃね。
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