第2話◇詩穂からのメール①◇

◇慶ちゃん、今日もお疲れ様ね。

工場の機械の調子が悪くなったのは大変だったね。一台でも止まると仕事の効率が悪くなるから早く修理に来てもらえればいいけど。


お母さんの膝の具合はどうですか?

元々、足の調子が良くないところに転んだと聞いて心配してるよ。

病院でレントゲン撮ってもらって骨折とかじゃなかったのはホッとしたけど、痛みが取れないのは辛いもんね。


逢う予定のことは気にしないで。

わたしの方は大丈夫だから、今はお母さんのこと、しっかり労わってあげてね。


慶ちゃんも智ちゃんも仕事とお母さんのお世話で大変だと思うけど、休める時には休んで身体だけは気をつけて。


おやすみなさい。


また、明日ね。


§


*詩穂の独り言*

慶ちゃんのお母さんが足を痛めたみたいで心配。元々、足の調子が良くないのは聞いてたから。

トイレに行くのも1人で無理な状態のようで慶ちゃんと智ちゃんとで交代で付き添っていってるみたい。

機械の調子が悪くなって修理を頼んだり、仕事の合間にお母さんを病院に連れて行ったりで、二人ともかなり疲れているみたいなのがわかる。

こんな時に何も出来ないのがもどかしい。


うちはうちで、父に病気が見つかった。

わたしの体調もあまり良くない。


父の治療のこととか今後のこと、心配だけど、今は慶ちゃんには言えない。

慶ちゃんは慶ちゃんで大変な時だもの。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る