03 -ある愛の終わりに-
決して交わる事のない二者。
隣り合う事が許されない二つの世界
不可能世界。
彼は彼女に恋をして、そして彼女もまた彼を愛していた。
けれど、二人は致命的に、決定的に、断絶された世界の住人だった。
死者は生者に語りかけられないように、生者が死者と時を歩めないように。
彼は世界よりも彼女を愛していた。
世界が彼女を殺すと言うのなら、世界よりも彼女を選ぶつもりでいた。
彼女もまた世界よりも彼を好いていた。
世界が彼を殺すと言うのなら、世界よりも彼を選ぶつもりでいた。
相思相愛。
けれど有限なり。
時に流れがあるように、距離に隔たりがあるように、人の愛情にも限りがある。
変わりゆく世界に、思い変わらぬ保証は、どこにもない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます